日本の軽自動車が、米欧で脚光を浴びている。米国トランプ大統領は、「キュート」として絶賛。EU(欧州連合)では、中国製EVへの対抗車として独自規格の「ECar」を設ける方針を立てた。通常のEVよりも技術要件を緩和することで、欧州車大手の車両コストを下げて普及を促し、中国勢の低価格EVに対抗する狙いだ。EUは、日本の軽自動車規格を参考にしており、日本勢の欧州での販売拡大につながる可能性もある。
『日本経済新聞 電子版』(12月8日付)は、「EUが小型EV規格、中国勢念頭に域内生産を保護 日本の『軽』参考に」と題する記事を掲載した。
新分類の名称は「E Car(イーカー)」。EU執行機関の欧州委員会が近く法案を発表し、主要機関の承認をへて、数年内に新制度を始める。車体の大きさや重量、モーター出力に上限を設ける見通し。EU加盟国政府が自動車税控除の仕組みも検討する。
(1)「EUは、自動車の必須機能として、運転者の居眠り防止や車線維持システム、緊急停止を知らせる光信号装置の搭載を義務づけてきた。長距離走行を想定した機能が、小型EVにも不可欠なため車両コストの上昇要因となっている。ドイツ自動車研究センターのビアトリクス・カイム氏は「技術仕様の緩和に合わせた低価格部品の採用が広がれば、軽EVの生産コストを大幅に抑制できる」と指摘する。将来的に販売価格が1〜2割下がり、1万5000〜2万ユーロ(約270万〜360万円)となる見通しだ」
欧州では、軽EVの仕様を簡易化すれば、販売価格が1〜2割下がり、1万5000〜2万ユーロ(約270万〜360万円)になるという。これだと、中国EVの低価格路線に対抗可能としている。ただ、BYDは日本で軽EV発売を宣言している。この価格が,どの程度になるか。これによって、おおよその見当がつくであろう。
(2)「EUは、中国製EVに対し最大45.3%の関税を課している。新分類をつくることで欧州車の価格競争力を高める。小型EVを手掛ける独フォルクスワーゲン(VW)グループや欧州ステランティス、仏ルノーなどの新車開発に恩恵がある。独シュミット・オートモーティブ・リサーチの調査では、欧州市場での中国車シェアが25年7〜9月に7%と1年前の2倍に上昇した。そのうちEVに絞れば比亜迪(BYD)がけん引役となり、中国車のシェアが1年で9%から12%に増えた」
BYDは、国内販売不振を輸出でカバーする方針へ転じている。日本での軽EV発売で様子を掴み、EU市場攻略を始めるであろう。
(3)「新分類E Carに適用見通しの開発補助金や各国政府の税控除は「域内生産」などを条件とする可能性が高い。中国勢のEU域内の生産拠点はBYDのハンガリー工場などに限られる。日本の軽自動車は、車体サイズや排気量などで規定され、24年の国内新車販売の35%を占めた。EUは、日本の軽自動車分類を「欧州車の参入を阻む非関税障壁」と批判したこともある。こうした姿勢が変わってEUが独自の小型車分類を設定することになる」
軽自動車は、日本の「国民車」とされてきたが、EUでも日の目を見ると一躍、「国際小型車」へ昇格する。
(4)「軽自動車を得意とする日本勢にとって、新分類の設定は欧州攻略への戦略を左右する。日産自動車の「サクラ」やホンダの「N-ONE e:」など軽EVの投入に注力している。国内で展開する車両をほぼそのまま輸出できる可能性もある。米国でも都市部での日常使いに適した小型車に注目が集まる。トランプ米大統領は3日、ダフィー米運輸長官に「小さな車」の米国生産を承認するように指示したと明らかにした。長く独自規格で「ガラパゴス製品」と批判されてきた日本の軽自動車が欧米市場に受け入れられる可能性が出てきた」
トランプ米大統領は12月3日、ダフィー米運輸長官に「小さな車」の米国生産を承認するように指示したと明らかにした。トランプ氏は、日本の軽自動車を「キュート」として注目している。日本製の軽トラック中古車は、すでに中国農村部で人気を得ている。小回りの効く点が評価されているという。


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