あじさいのたまご
   

中国のGDPは、不思議なことに習氏が国家主席に就任以来、政府の経済成長目標と実績がほとんど一致している。現実にはあり得ないことで、GDPが「操作」されているという見方が圧倒的である。現実の成長率はどの程度か。発表値から「マイナス3%」というのだ。つまり、中国経済の実態は「2%成長率」に落ち着きそうだ。問題の26年は、どこまで「ドレッシング」(粉飾)するのか。こういう失礼な問いが出るほど、中国のGDPは信頼されていないのだ。

 

『日本経済新聞 電子版』(12月11日付)は、「中国、内需拡大へ『必要な財政赤字』維持 26年の経済運営方針」と題する記事を掲載した。

 

中国の習近平指導部は10〜11日、2026年の経済運営方針を決める「中央経済工作会議」を開いた。「必要な財政赤字、債務の規模や支出を維持する」と強調した。低迷する内需の拡大へ財政拡充の余地を残したとみられる。国営新華社が伝えた。中央経済工作会議は中国共産党が年に1度、翌年の経済運営の基本方針を決めるために開く経済分野の重要会議だ。

 

(1)「26年は、「より積極的な財政政策を引き続き実施する必要がある」と説明した。国内総生産(GDP)に対する財政赤字比率の引き上げには言及しなかった。積極財政を維持しつつ財政赤字の大幅な拡大は抑える可能性がある。25年の財政赤字は5兆6600億元(約124兆円)で、赤字比率は過去最高の4%前後を見込む。24年の3%から引き上げた。税制優遇や補助金政策の適正化にも触れ、地方の財政問題の解決を重視すると説いた。景気を下支えするため財政赤字に算入しない特別国債を増やすとの見方もある。25年は超長期の特別国債を1兆3000億元発行し、うち3000億元分を耐久財の買い替え補助金に充てた」

 

積極財政を維持しつつ財政赤字の大幅な拡大は抑える可能性がある、という。これは厳密に言えば、従来通りの「積極財政」であるが、さらなる財政赤字を増やさないのであろうか。これで、経済にエンジンが掛るはずがない。

 

(2)「財政を拡充し経済成長を押し上げれば、海外からの中国向け輸出や企業の対中投資による収益が増えるなど世界経済への波及効果も見込める。一方で景気が回復しても政府調達や新規参入などで自国企業を優先すれば、外資の恩恵は薄まるリスクもある。国内経済に関して「供給の強さと需要の弱さの矛盾が顕著だ」と分析した。過度な生産や投資により電気自動車(EV)業界などで激化する価格競争を踏まえ、デフレ圧力の緩和を急ぐ考えだ。金融政策は「適度に緩和的な」姿勢を維持した。「物価の合理的な回復の促進を金融政策の重要な考慮事項とする」と盛り込み、物価の伸び悩みに対処すると強調した」

 

国内経済について、「供給の強さと需要の弱さの矛盾が顕著」と分析している。ここまで「真っ当」な分析ができても、対策が追いつかない。中国不況の原因の一端はここにある。

 

(3)「商業銀行から強制的に預かるお金の比率を示す預金準備率の引き下げや利下げを柔軟に運用すると明示した。25年の中国人民銀行(中央銀行)による利下げは1回にとどまる。不動産対策について新たな具体策には触れなかった。中国は不動産不況による内需不足で消費が冷え込んでいる。会議は「内需主導を堅持し、強大な国内市場をつくる」と提示した。サービス消費の需要を拡大する方針を示唆した」

 

不動産対策は、新たな具体策について触れていない。あえて忌避している感じだ。ここが抜けているから、景気の底入れができないのだ。その意味では、打つ手がないのだろう。

 

(4)「貿易面では多くの国・地域と貿易や投資に関する協定を結ぶ方針を打ち出した。米国との貿易摩擦の再燃を念頭に、自国を取り巻く貿易圏の拡大を狙う。26年の経済成長率目標も議論したもようだ。市場では4%前後への大幅減速の予測もあり、ニッセイ基礎研究所の三浦祐介主任研究員は3.%を見込む。財政の拡大がなければ成長率が落ち込む可能性は高まる。成長率目標は26年3月に開く全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の政府活動報告で公表する」

 

26年の成長率は、どの程度に収めるのか。政府の腹積もり一つだ。海外から疑われているGDPである以上、「恥の上塗り」になるかどうかだ。