中国は、高市首相の「台湾発言」をめぐって対日威圧を強めている。日本人絡みのイベント中止と対日旅行の抑制である。新たに、来年3月までの日本旅行客を「6割まで減らせ」という通達が主要旅行業者へ伝えられた。困るのは、在日中国人業者である。日本の関連業界へも影響はあるが、中国は在日同胞を苦しめるだけである。それだけではない。日本社会が中国共産党の本質を見抜くまたとない機会を得たことだ。「信頼できない中国」という思いが強まることで、中国は大きな損失を招くのだ。
『日本経済新聞 電子版』(12月25日付)は、「中国当局『訪日客6割に減らせ』指示 旅行社に26年3月まで」と題する記事を掲載した。
(1)「中国当局が国内の大手旅行各社に、日本行きのビザ申請数を減らして訪日旅行客を従来の6割まで減少させるよう指示していたことが25日、業界関係者らへの取材で分かった。中国政府は国民に日本への渡航自粛を呼びかけており、日本の観光業に打撃を与える狙いとみられる」
中国の思惑は、日本の観光業界へ打撃を与えれば、高市首相への支持率が低下するという読みであろう。だが、日本のインバウンドは4000万人と限界を超えている。観光公害が指摘されている現状では、いろいろと面倒なことを引き起す中国からの団体客減少は「歓迎」という人々も多いのだ。さらに、中国の団体客は在日中国人業者がすべて取り仕切っている。日本へはゴミと騒音という「観光公害」が残されるだけである。
(2)「中国の旅行業界関係者らによると、指示があったのは台湾有事が存立危機事態になり得るとした高市早苗首相の国会答弁後の11月後半。日本の治安悪化を理由に挙げ、12月までの措置とされたが、12月になると、同様の対応を来年3月まで取るよう指示されたという。ビザ申請を絞ることで、団体旅行客だけでなく、全体の8〜9割を占める個人旅行客の減少も狙ったとみられる。旅行業界関係者は11月以降、団体旅行はすべて見合わせていると話した。中国人の日本渡航にはビザが必要で、旅行会社などを通じて日本の大使館や領事館にビザを申請する」
中国当局は、日本旅行抑制の期限を小出しにしている。当初は12月までであったが、今度は来年3月までと「小刻み」である。中国の対抗策の「種切れ」を示しているようなものだ。これ以上の強硬策を取れば、日本も本格的に対抗策を取らざるをえない。そうなれば、中国経済に火の粉が降りかかる。ドロ沼の経済へさらなる重圧が掛るはずだ。こういう弱みを抱える中国だけに、日本旅行客を「6割まで減らせ」と、みみっちいことを言っているのだ。自ら自信のなさを示している。
日本は,中国のように大騒ぎせずに冷静に対応しているが、中国の本質を見抜く良い機会である。中国は、自国に不都合な発言をする国には「一刀両断」の構えをみせる。豪州に対しても同じ振舞をして、中国は大損害を被った。それまで親中的な豪州が、一転して反中へ回ったのだ。さらに、「AUKUS」(米英豪)という軍事条約を結んで、中国包囲網を立上げた。中国の「俺様」意識が招いた最大の外交的・軍事的な失点である。
日本は、静かに対中包囲網の強化に動いている。NATO(北大西洋条約機構)と連携を密にするなど手を打っているのだ。中国が騒ぎを起こせば起こすほど、対中包囲網は強まる。中国は、こういう包囲網が静かに動いていることを自覚することだ。
(3)「中国では近年、日本はトップクラスの人気観光地だったが、大手旅行サイトで来年1〜2月の人気海外旅行先トップ10から日本が外れたと中国メディアが報じていた。中国外務省の林剣副報道局長は25日の記者会見で旅行会社への指示について「状況を把握していない」と述べた」
私の複数回にわたる中国旅行の経験から言えば、本当に喧噪社会というイメージを強めた。中国人団体旅行は、この喧噪が集団で日本へ移動することだ。日本人は,嫌な顔を見せずに対応しているであろうが、心の中では別の印象を持っているはずだ。中国政府の「俺様意識」は、笑いものになるだけであろう。


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