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自民党が、これまでの「3大選挙」(衆院選・都議会議員選・参院選)で敗北を喫した大きな要因は、「政治とカネ」のほかに物価高が影響した。このうち、物価高は今ようやく低下傾向が明らかになってきた。総務省が、26日発表した12月の東京都区部の消費者物価指数(CPI、2020年=100)は、生鮮食品を除く総合(コア)が前年同月比2.%の上昇で、3月以来の2.%割れとなったことだ

 

東京都区部のCPIは、全国CPIよりも1ヶ月先行する。この結果、26年1月の全国CPIコアの低下は確実である。さらに、政府が26年1〜3月に復活する電気・ガス代補助を踏まえると、26年前半の全国CPIコアは2%を下回るとの民間予測が出るほどの「改善」が期待できそうだ。4月以降には、高校授業料の無償化も始まる。消費者物価は一息入れられそうだ。

 

『日本経済新聞 電子版』(12月26日付)は、「物価、26年前半に2%割れの民間予測 電気・ガス補助など押し下げ」と題する記事を掲載した。

 

(1)「総務省が26日発表した12月の東京都区部の消費者物価指数(CPI、2020年=100)は生鮮食品を除く総合が前年同月比2.%の上昇で、3月以来の2.%割れとなった。12月の都区部の消費者物価は電気代や都市ガス代の下げが目立った。前年12月に補助金が終了して料金が伸びた反動が出た。ガソリン税の旧暫定税率廃止に向けた補助金を背景にガソリンの物価も下がった」

 

12月の東京都区部コアCPI上昇率が、2.3%に止まったことで、26年1月の全国コアCPIも低下することが確実になった。昨年12月は、電気代や都市ガス代の補助金が終って上昇したので、今年はその反動で上昇率が鈍化した面もある。ガソリン価格も下落した。

 

(2)「第一生命経済研究所の新家義貴氏は、電気・ガス補助と旧暫定税率の廃止によって23月の全国の消費者物価(生鮮食品を除く総合)を0.8〜0.9ポイント押し下げる効果があると分析する。食料品の値上げも一服する見通しだ。帝国データバンクによると26年14月に値上げが決まっている飲食料品は前年同期より4割少ない。ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎氏は「食料の上昇率は鈍化傾向が続く可能性が高い」とみる。生鮮食品を除く総合の物価上昇率は全国で「26年2月に2%を割り込む可能性が高い」と予測する」

 

26年23月の全国CPIコア部分は、0.8〜0.9ポイントも押し下げる公算があるという。また、26年14月に値上げが決まっている飲食料品は前年同期より4割少ないという。こういう基調改善によって、次のようなコアCPI値下がりが期待できそうだ。

 

時 期  全国コアCPI  備     考

26年1月 2.0~2.2%  東京都区部の先行指標と整合的

   3月 1.8~2.0%  エネルギー・食品の反動減が本格化

   6月 1.5~1.8%  賃上げ幅が前年並みなら一段の鈍化も  

こういう線でコアCPIが低下すれば、経済の先行き観も一段と明るくなろう。

 

(3)「2%を割れば22年3月以来、およそ4年ぶりになる。懸念材料は為替相場だ。日銀による利上げ決定後も円安が進み、足元は1ドル=155〜157円ほどで推移する。輸入物価の上昇が顕著になれば食料品などの値上げにつながる可能性はある。一般的な賃貸住宅の家賃を示す民営家賃も上昇傾向が続く。変動が少ない岩盤品目の代表格だったが、じわじわと上がり都区部では12月に2.%上昇と1994年2月以来の2%台となった。

 

植田日銀総裁は、学者出身であるだけに「ハッタリ」を効かせた発言が苦手である。教壇と同じで論理的な発言になるから、市場は甘くみるという悩みを抱えている。これが、かつての日銀生え抜きの三重野総裁であったら、市場の思惑を一掃する「威厳」ある発言をしたであろう。植田総裁の緻密な論理は良いのだが、「発信力」で日本経済は大きな損害を被っている。何とかならないのだろうか。性格は持って生まれたものであるから変らないのだ。今後の日銀総裁の資格には、発信力を加えるべきだろう。