一部半導体専門家が、「ラピダスは成功するかもしれない」と認識を改めている。昨年末、米西海岸から帰国した半導体関係者が、こんな感想を漏らしているという。根拠は、米グーグルや米アマゾン・ドット・コムが、独自半導体を設計し米エヌビディアに対抗しうる成果を出し始めていることだ。グーグルなどが設計を委託する米ブロードコムが、ラピダスと製造委託に向け交渉していると伝えられるようになった。吉報である。
『日本経済新聞 電子版』(1月10日付)は、「日本の半導体復権、最後のチャンス ラピダス・東哲郎会長」と題する記事を掲載した。
日本が、かつて世界一だった半導体産業の復活に挑んでいる。その中心は最先端半導体の国産化を目指すラピダスだ。半世紀近く業界に身を置き、自らラピダスを設立した東哲郎会長は「これを逃すと後はない」と強調する。
(1)「(質問)技術が何世代も止まっていた日本で世界最先端の2ナノ(ナノは10億分の1)メートル品の量産を目指している。危険な賭けではないのか。(答え)リスクがないとは言えないが、やらないリスクとやるリスク、どちらが大きいのか。我々はリスクをとってでもやると決意した。日本を技術立国として再生する。最先端品を国内で生産できることが非常に重要だ。日本企業のトップと話していると、海外から半導体を調達すると納期などで競合より後れを取るという悩みを聞く。さらに、半導体メーカーと顧客が協調しなければ技術開発は進まない。いまの日本にはそのチャンスがない。それが日本企業の競争力を失わせる大きな原因ではないか」
日本を技術立国として再生するには、最先端品を国内で生産することが極めて重要だ。それには、リスクを取る決意が必要である。ラピダス失敗論は、このリスクを取りたくなという「敗北主義者」であろう。
(2)「(質問)ラピダスは31年度までに総額7兆円超の投資を計画し、大部分を政府に頼る。民間企業からはこのうち1兆円の出資を集める計画だ。ただ、出資を検討する企業の中にも温度差がある。(答え)米国や台湾、欧州ですら国や地域が大きな資金を最先端産業に投じるのは一般的だ。これまで日本は政府の支援が非常に小さかった。その意味で最先端技術への支援が打ち出されたことは重要だ。ラピダスも将来は自立し、世界に貢献する。民間出資については企業ごとに製品やビジネスの状況は異なるので温度差は当然ある。今後数年で人工知能(AI)のデータ量が膨らみ、半導体への要求は高まる。26年、27年と進んでいくなかで各社の認識も変わっていくのではないか」
日本企業は、「失われた30年」ですっかり意識までが萎縮して、ただ内部留保を溜めれば安全という守りの精神に堕した。ラピダスの成功は、こういう企業精神をテコ入れして「やれば勝てる」という前向きへ向わせるであろう。
(3)「(質問)東氏は、東京エレクトロン時代から約半世紀、半導体業界に関わり、日本の栄光と凋落を間近で見てきた。教訓をラピダスにどう生かしていくか。(答え)半導体の性能が上がり開発費もかかるようになった。そのなかで日本勢は付加価値が高い製品を生み出し、そこで得た利益を次の開発に投入できなかった。利益に対する意識が弱く、新しいものを生み出していく力が足りなくなった」
日本企業は、高い付加価値製品を生み出す努力によって、次の技術を生み出す好循環が可能になる。これを定着させなければならない。ラピダスは、フィジカルAIを武器にこの方針を実践する。
(4)「ラピダスはいま回路線幅2ナノの量産を目指すと同時に、次世代の1.4ナノの開発を視野に入れている。その先の1ナノもやっていく。半導体の技術だけではなく、最終製品と一緒に伸ばさないといけない。パソコンではインテルと米マイクロソフトが一緒に伸びた。スマートフォンでも同様だ。優れた製品と半導体技術が刺激し合う好循環をつくりたい。日本には装置や素材メーカーといった土台がある。製造業の品質の高さと生産効率を上げようという意欲が強い国民性もある。さらに(AIがロボットや機械を自律的に制御する)『フィジカルAI』を推進するうえで産業機械など海外にはない製品も豊富だ。おのずと2ナノや1.4ナノの需要が高まる」
このパラグラフは、実に示唆に富んでいる内容である。ラピダスの今後の方向が示唆されているからだ。ラピダスは、フィジカルAIを武器にした「OS」を目指している。OSは、標準技術になってあらゆる機械製品に搭載されることで、世界市場を手中に収められる。これは、パソコンやスマホ同様にフィジカルAIでも同様なOSとして発展できるという示唆がされているのだ。


コメント
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日本のバブル前に幻の国産OSがあった!!米国の圧力に屈してPCに実装されなかった
Windowsの前だから、大金持ちビルゲイツではなく坂村健さんが大金持ちだったかも
しか~~し、日本のOSトロンは裏舞台で世界で最も普及しているOSになっている・・
今度は表舞台で、日本のOSがロボット、自動運転車などに世界中を席巻する時代が!
勝又さん「人の行く裏に道あり花の山」ですね!日本の未来を信じている!さてさて
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