テイカカズラ
   

ディープシークのようなスター企業の誕生。10年ぶり高値を記録した上海総合指数は一見、中国のサクセスストーリーを裏付けている。しかし、中国の内部をのぞくと、別の現実も隠されている。17%台の青年失業率、不動産市場低迷、内需不振、地方政府の債務など問題が山積である。中国経済は、危ない綱渡りをしているのだ。

 

『朝鮮日報』(1月13日付)は、「青年は寝そべり、住宅価格は暴落…華麗な中国経済の裏に隠された真実」と題する記事を掲載した。

 

(1)「中国は世界を驚かせたAIチャットボット「ディープシーク」をつくり出し、中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)が米テスラの販売台数を抜くなど絶好調でした。しかし、表に見える輝かしい成功の裏には、内部が抱える諸問題があるのです。細かく見ていきましょう。まず、中国経済最大のリスクは不動産です。中国の不動産市場は長い低迷期を迎えています。昨年10月にも中国主要70都市の新築住宅価格が0.5%値下がりし、年間での下落幅は2.2%に達しました。中国政府関係者まで「回復には最低5年かかる」と厳しい現実を説明しています」

 

華やかな先端企業で成功した企業もあれば、一方には破綻した企業も多く、トータルで見ればコスト割れで企業収益は上がっていないのが実態だ。企業は、適正利益を出して初めてGDPに貢献できるのだ。

 

(2)「中国の大手建設会社は、経営破綻に追い込まれ不良債権を抱え込んでいる地方銀行も、財務健全性が日ごと悪化しています。しかも中国は、これまで公的資金で不動産価格をつり上げ、土地売却収入が地方政府財政の大きなウエイトを占めていました。ところが、土地売却収入は2021年の8兆7000億元から昨年は10月までで2兆5000億元に減るなど深刻な状況です」

 

企業が利益を上げられない経済は、「成長過程」にあると言えない。中国は、まさにこの状態だ。経済全体が「内巻」(値引き)競争で疲弊しきっている。

 

(3)「そうなると地方政府の負債は増大します。昨年111月の中国の地方債発行規模は過去最大の10兆元でした。その62%が既存債務の償還に充てられています。新規発行債券の6割以上が借金返済に回され、地方政府が推進する公共事業や地域経済再生政策にもブレーキがかからざるを得ません。不動産市場の低迷は地方銀行、地方政府の存立まで脅かし、中国経済の足かせになっているのです」

 

地価下落で、地方財政は「火の車」である。本格的な人口減社会を迎えて、住宅回復=地価上昇など望むべくもない。

 

(4)「自分の住んでいる家の価格が下がったら、国民はまずどういう行動を取るでしょうか。それは、財布のひもを締めることであるはずです。実際に現在中国では内需低迷でデフレ懸念まで生じています。昨年11月の小売売上高は前年同月比1.3%増にとどまり、6カ月連続で伸びがした。生産者物価指数は37カ月連続マイナス、消費者物価指数上昇率は0%台にとどまっています。人々が不動産価値の減少を実感し、「逆資産効果」で消費が冷え込んだことが分かります。

 

地価下落は、不動産バブル崩壊の後遺症が止まったときであろう。過剰債務の整理メドは全くついていないのだ。中国の過剰債務は地価下落に連動した形で増えている。ここが、最大の注意点である。

 

(5)「青年の失業も中国経済の足を引っ張る大きなリスクとして浮上しています。中国国家統計局によると、昨年10月の1624歳の青年(学生を除く)の失業率は17.3%で、9月(17.7%)から小幅ながら改善したものの、依然として全体の失業率(5.1%)の3倍を超えています。8月には過去最高の18.9%を記録しました。テレワーク(在宅勤務)や短時間労働などのフレキシブルな雇用形態や就職活動放棄者まで失業者に含めると、青年失業率が40%以上に達するとの分析も聞かれます」

 

青年失業者は、多くが大学卒である。高学歴者の失業は、社会不安の種になる。こういう現実を習氏は、監視で乗りきれる楽観している。目は節穴だ。

 

(6)「青年は非正規職の低賃金労働に追い込まれ、パートタイムで働いています。中国政府は先端産業の育成を通じて雇用を創出すると公言していますが、AIやロボットのような先端産業の発達で、世界的な大企業はむしろ雇用を減らしているため、解決は容易ではありません。コンサルティング会社幹部は、中国は先端産業を育成するために企業を激しく競争させ、たった1社のチャンピオン企業を誕生させようとしていると指摘しました。チャンピオンが誕生すれば巨額の補助金と高級人材を政府が支援してくれるが、淘汰された企業は破綻して市場から追放されます。ただ前だけを見て突っ走る中国が背後に潜む数多くの問題をどうやって解決していくのか、見守りたいところです」

 

中国共産党は、失業を出さないという「社会契約」で、国民から選挙権を奪っている。この契約を履行できない以上、政策の転換があるべきだがそれも不可能だ。権威主義政治で「無謬」という神がかった存在であるからだ。結局、最後は行き詰まりとなろう。悲惨な形で。