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中国は、韓国を日本から引離して自国へ引き寄せたいと必死だ。韓国李首相は、日韓で1月に訪日予定が取り決められていたが、中国はこのスケジュールへ強引に割込み、しかも国賓待遇で李氏を招待した。韓国が、日本へ接近しないようにと予防線を張ったものだ。余りにも見え透いた行動だった。中国が、いかに孤立化し始めているかを象徴した。

 

李氏の訪日は、韓国のTPP(環太平洋経済連携協定)加盟への瀬踏みであったが、日韓共同発表には盛られなかった。福島原発事故に絡んで、韓国が水産物輸入規制をしているので、この撤廃が最大の懸案になっている。

 

『日本経済新聞 電子版』(1月16日付)は、「韓国大統領、日中対立にあいまい戦略 薄氷の『エビ』流バランス外交」と題する記事を掲載した。

 

解散風が日本を舞うなか、奈良を舞台とした高市早苗首相と韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領によるシャトル外交が終わった。外国首脳を自身の地元に招き、会談を開くのはそれ自体が相手への最大限の歓迎を示す。首相は2日間にわたって李大統領を手厚くもてなし「日韓関係をさらなる高みに発展させる年としたい」と呼びかけた。

 

(1)「そんな日韓に横やりを入れたのが中国だ。日韓首脳会談の1月中旬の開催が昨年中に両国間で合意され、発表を待つだけの段階になって李大統領に1月上旬の訪中を招請してきた。しかも国賓待遇だ。4月の米中首脳会談をにらんで韓国政権内では今春の大統領訪中を想定していたが、中国側からの思わぬ申し入れに断る理由もなく応じた。訪問の順番が「日本中国」から「中国日本」に変わった」

 

中国は、周辺国から孤立しないように必至だ。あれだけ韓国を虐めながら、今度は掌返しで「厚遇」する。東南アジアで、真の友好国を持てない哀しさであろう。

 

(2)中国の習近平国家主席は李氏に対し、第2次世界大戦当時、中韓両国は大きな民族の犠牲を払って日本軍国主義との戦いに勝利したと主張し「(韓国は)歴史の正しい側に立たなければならない」「互いの核心的利益に気を配るべきだ」などと訴えた。中国の「核心的利益」とは台湾にほかならない。「今日こそ連携して北東アジアの平和と安定を守らなければならない」と日本に対する共闘を求めたのだ。怒濤の韓国取り込み策は続く。韓国には現在、4頭のパンダがいるというが、中韓首脳会談では、中国から韓国へのジャイアントパンダの追加貸与をめぐる実務協議でも一致し、早速6日に北京で協議が始まった。日中友好の象徴とされたパンダがおよそ半世紀ぶりにゼロとなる日本の状況とは対照的だ」

 

中国は、昔の古証文を持ち出して、韓国を仲間に引き入れようとしている。それしか、説得材料がないからだ。

 

(3)「中国からすると、李氏は長く「親中・反日」の政治家とみられてきたこともあり、日本から引き裂き取り込めると読んだはずだ。だが、李氏は中国側の望む通りには振る舞わなかった。「歴史の正しい側に立たなければならない」との習氏の発言は、米中・日中対立下で中国側に立つよう李氏に圧力をかけたと受け止められている。それでも当の李氏は、韓国人記者団に「孔子の言葉だと思って聞いていた。善良にまじめに生きようという意味だと理解した」「(習氏が)特定の事案を念頭に置いたのであれば、特に反応する必要は感じなかった」と受け流したことを明かした」

 

李氏も相当な「曲者」である。権力を握るために120%、「反日」を利用してきた人物だ。習氏の「説得」に対して、「孔子の言葉だと思って聞いていた」ととぼけた感想を平然と述べているほどだ。

 

(4)「中国国営メディアは、李氏は習氏の呼びかけに同調したと報じたが、韓国政府はこれまでのところ「一つの中国」を含む台湾情勢をめぐる会談でのやり取りは明らかにしていない。革新(進歩)政権下の韓国は、ややもすれば中国になびきそうだが、傍若無人なトランプ米大統領の存在や、韓国からは強固に映る日米関係が李政権をとどまらせる。韓国世論の変化も見逃せない。強権的な中国や北朝鮮への嫌悪感や無関心が広がる。その中心である韓国の若い世代の間で逆に対日好感度がかつてなく高まっている。「実用外交」を掲げる李政権の原動力になっている」

 

現在の李氏は、高い支持率である。反日を言わなくても、支持率を維持できる状況だ。

 

(5)「韓国には「クジラの喧嘩(けんか)にエビの背中が裂ける」ということわざがある。韓国を小さなエビに見立て、大国間の競争によって被害にあうとの意味だ。中国や日本、米国、ロシアといった列強に翻弄され続けた歴史を教訓に韓国外交を戒める際に使われる。朝鮮半島は古くから要衝の地だ。日清戦争と日露戦争はいずれも朝鮮半島や旧満州(中国東北部)の権益をめぐる争いだった。ユーラシア大陸から突き出る朝鮮半島は今日も日米をはじめ海洋国家勢力と中ロの大陸国家勢力による争奪戦の様相をみせている」

 

韓国は、地勢的に難しい位置にある。民主主義政治体制を維持するには、どこの国と連携すべきか。自ずと答えは出ているはずだ。