中国の習近平国家主席は20日、中国経済に占める製造業の割合を適切に維持し、消費と投資、需要と供給の適切なバランスをとるべきだと述べた。次期5カ年計画に関するセミナーでの発言を国営新華社通信が報じた。
2025年の中国GDPは、5%成長を達成した。ただ、輸出と製造業が再び原動力となった。小売売上高の低迷、高債務といった国内の不均衡は続いている。デフレ状態の継続である。習氏は、こういう状態を改善すべく、需要と供給の適切なバランスを取るとしているが、具体策を明らかにしなかった。
『ロイター』(1月20日付)は、「内需を成長原動力にと習主席、先進的製造業の発展促進と題する記事を掲載した。
中国の習近平国家主席は20日、中国経済に占める製造業の割合を適切に維持し、消費と投資、需要と供給の適切なバランスをとるべきだと述べた。次期5カ年計画に関するセミナーでの発言を国営新華社通信が報じた。
(1)「習主席は、「先進的な製造業を力強く発展させる」よう呼びかけ、「内需を経済成長の主な原動力にする」と表明。全ての地域と部門がそれぞれの役割を明確にし、川上産業と川下産業がより緊密に連携するような状況を育成すべきだと述べた。習指導部は今後5年間で経済に占める家計消費の割合を「大幅に」引き上げる方針を示しているが、具体的な目標は示していない」
今後5年間で、経済に占める家計消費の割合を「大幅に」引き上げる方針という。それには、経済政策を抜本的に変えなければならない。すでに、25年の投資関連(設備投資とインフラ投資)はマイナスになっているが、製造業が過剰生産へ落込んで乱売戦を繰り広げている。製造業への補助金を打ち切って、社会福祉へ回さなければ経済の底上げは不可のだ。先進的な製造業を力強く発展させる、としている。相変わらずの補助金漬けにするのだろう。
(2)「中国国家発展改革委員会(発改委)は20日、国内消費を促進し、「顕著な」需給不均衡に対処するため、中国は2026年から30年にかけて新たな政策を打ち出す計画で、サービス部門が主な焦点になると明らかにした。中国財政省の廖岷次官は、消費拡大と人々の生活向上に向け、今年より多くの資金を投入すると述べたが、具体的な規模には言及しなかった。同省は20日、低迷する内需を押し上げるため、消費者、サービス企業、設備更新が必要な企業に対する利子補給を2026年末まで延長すると発表した」
補助金政策が、中国の経済を狂わせている。それが、乱売戦を引き起こして、生産者物価指数を引下げて、デフレ状態をもたらしているのだ。この悪循環を断たない限り、経済は正常化しない。この分りきったことが実現できないところに、権威主義国家の矛盾がある。
『ロイター』(1月19日付)は、「中国GDP、不均衡解消先送りの『5%』達成 内需拡大待ったなし」と題する記事を掲載した。
2025年の中国GDP(国内総生産)の5%成長達成に輸出と製造業が再び原動力となった。製造業のエンジンがフル回転し続ける限り、当局は経済成長を演出できるかもしれない。しかし、中国の膨大な貿易黒字は関税を巡る緊張に翻弄されている。その一方で、デフレ、小売売上高の低迷、高債務といった国内の不均衡は続いている。
(3)「中国経済は当初の暗い予想を覆して「5%前後」という公式成長目標を達成した。とはいえ、「魔法」をかけたのはやはり工業生産と海外販売だった。輸出は2024年を6.1%上回り、1兆2000億ドルという記録的な貿易黒字につながった。半面、小売売上高は政治的な掛け声にもかかわらず3.7%増にとどまり、12月の伸び率は0.9%にとどまった。新築住宅の販売額は1年間でさらに12.6%減少。工場出荷価格もさらに2.6%下落した。また、国際通貨基金(IMF)によると、地方政府債務の対GDP比は19年の62%から24年には約84%に上昇。25年の固定資産投資は前年比3.8%減少した」
中国経済は、「工業生産と海外販売」という2本立て興業で内外の目を引きつけている。だが、結果的に、中国滅亡への引き金を引いていることに気付かない「能天気」な振舞と言うほかない。
(4)「経済の再構築は、ささいな仕事ではなく時間がかかる。中国の場合、製造業の強さが国の経済的活力と国家安全保障に重要な役割を果たしているため仕方がない。中国指導部は昨年12月、積極的な財政政策によって消費を刺激し、「突出した」不均衡に対処することを約束。共産党機関誌は習近平国家主席の10年間の論評をまとめ、内需拡大が当局にとって戦略的になっているという点を強調した。さらに10年も無為に過ごせば、バランスが悪すぎて管理できない経済を生み出す危険性がある」
いまさら、弁解がましいことを言わずに、黙って政策転換すればいいのだ。世界中へ過剰生産物を押しつけて「涼しい顔」をしているが、自国経済を疲弊させていることに気付かないのだろう。


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