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中国では、儲かるとみるとそれまで無縁の業者が新規分野へ殺到する。補助金目当てである。人型ロボットが次世代技術とみて、25年で140社が名乗り出た。かつて、半導体では、補助金欲しさに理髪業者まで申込んだ、笑うに笑えない実話が残っている国である。

 

中国勢が開発する人型ロボットは、腕の力が弱いために、人間との協働作業には向かない根本的欠陥を持っている。そこで、「踊ったり、お盆を運ぶなどの軽作業」を前面に出してPRしている。人型ロボットが、人間のマラソン大会に登場して、世界の話題をさらった。PR効果は満点だが、実用化には大きな壁が立ちはだかる。

 

人型ロボットの決め球は、フィジカルAIが登場することだ。それは、日本のラピダスが取組んでいるもので、フィジカルAIが登場しない限り困難とされている。最先端半導体2ナノを製造できない中国では、実用化する人型ロボットを生産不可能である。

 

『人民網』(1月23日付)は、「中国人型ロボット産業、2025年は完成品メーカーが140社超に」と題する記事を掲載した。

 

中国人型ロボット完成品メーカーが、140社超に達した。中国工業・情報化部の張雲明(ジャン・ユンミン)副部長は21日、国務院新聞弁公室が北京市で開催した記者会見で、「2025年に中国の人型ロボット産業では完成品メーカーが140社を超え、人型ロボット製品が330種類以上発表された」と述べた。

 

1)「人型ロボットは25年の春晩(春節<旧正月>を祝う中国の国民的年越し番組)のステージに登場したり、スポーツ大会で競技に参加したりするなどして、さまざまな動作が可能となった。張副部長は、「業界では、2025年は人型ロボット大量生産元年であり、ロボット産業は満を持して発展のタイミングを待っており、今後の見通しは非常に明るいとの見方で一致している」と述べた」

 

こうした急拡大の裏には、次のような構造的な問題も潜んでいる。

1)同質的な企業の乱立:技術的差別化が乏しいまま、似たような製品を作る企業が林立し、過当競争に陥る。

2)補助金依存体質:市場原理よりも政策誘導が強いため、持続可能性に乏しく、補助金が切れると淘汰が進む。

3)「数字作り」の圧力:地方政府が中央への成果報告のために、実態以上の企業数や投資額を報告する傾向。

 

このパターンは、かつての太陽光発電や電気自動車(EV)、半導体などでも見られたパターンだ。おそらく2026年には、これら人型ロボット140社超の多くが淘汰され、実質的に生き残るのはごく一部になるであろう。余りにも、資源の無駄遣いをしていることになろう。

 

2)「中国の人型ロボットは現在、「しっかり立てる、安定して歩ける、速く走れる」段階をすでにクリアし、さらに「ステージでパフォーマンスできる」「競技場を駆けることができる」段階から、「家庭で役に立つ」「工場で作業を担える」段階へと加速度的な転換を遂げつつある」

 

中国の人型ロボットが実用化されるには、2ナノ半導体を作れる能力を持つことが前提である。2ナノ半導体によってフィジカルAIが実現できるからだ。日本のラピダスが、2027年以降に実用化させる見通しである。日本で、フィジカルAIが登場すれば、人型ロボットは当然、日本企業が世界一の座に就く可能性が大きくろう。