日本が深海のレアアース泥の試掘に成功したことが、中国のSNS上でも話題になっている。今回の成功により、来年2月にはさらに大規模な試掘を行う計画で、28年から本格操業が見込まれている。中国政府は、こうした日本の動きをじっと見つめているはずだ。どの時期から本格的にレアアース輸出を止めるかが、中国の狙いどころであろう。だが、中国自身の景気がフラついている状況では、対日輸出規制を強化して「反撃」を食らえば元も子もなくなる。こういう「様子見」があるというのだが。
『日本経済新聞』(2月4日付)は、「中国、レアアース規制は本気? 景気回復なら強気も」と題する記事を掲載した。
中国政府は1月、軍民両用(デュアルユース)品目の対日輸出規制を厳しくすると発表した。レアアース(希土類)が対象に含まれるとの見方があり、輸出が滞れば日本のハイテク産業への影響は避けられない。中国は本気で輸出を止めるつもりなのか。
(1)「中国当局は3つの領域への輸出を禁止するとしている。1)日本の軍事ユーザーへの輸出、2)軍事目的での輸出、3)日本の軍事力強化につながる輸出――の3領域だ。日本の外務省がとりわけ警戒するのが3)についてだ。中国側は民生品の輸出への影響はないとするが、人工知能(AI)や無人機など軍事と民生品の切り分けが曖昧な製品は多い。完全な民生品であっても「日本の軍事力強化につながる」と恣意的に判断し、輸出を止めることもできてしまう」
中国は、ルールがあってないような国である。極めて恣意的である。民主主義国とは、その点で根本的に異なる。
(2)「みずほリサーチ&テクノロジーズの試算では、仮にレアアースの輸入が1年止まった場合、日本の国内総生産(GDP)を0.9%押し下げる。2010年に日中関係の悪化でレアアースの輸入が2カ月ほど大幅に減少した際は、10年のGDPを0.25%下押ししたという。中国の軍民両用品の規制強化は、台湾有事に関し踏み込んだ答弁をする高市早苗首相に圧力をかける意味合いがあるとみられる。経済的威圧の典型例といえる。日本の外務省は中国の措置の不当性を第三国との外交の場で訴え、理解を求める情報戦に力を注いでいる」
実際に企業活動への影響は出始めている」
レアアースの輸入が1年止まった場合、日本のGDPを0.9%押し下げるという試算なナンセンスである。在庫もあるし、西側諸国が今週中にワシントンで「西側レアアース市場」設置の会合を開く。
(3)「レアアース磁石を利用したモーターを必要とする自動車メーカーなどの間で、在庫が消失した後の生産体制への懸念が広がる。中国が25年12月に日本に輸出したレアアース磁石は前月比で8%減った。輸出許可に時間がかかっているとみられる。ジスプロシウムなど重希土類を使う高性能製品を中心に、申請の半分ほどしか許可が下りない状況が続いているという。中国に進出する日本企業でつくる中国日本商会は1月、デュアルユース品目の対日輸出規制をめぐって中国の商務省に要望書を出した。民生品に影響しないとする同省の方針について周知徹底を求めた」
レアアースは政府備蓄もある。企業も三菱電機のように1年分の在庫を保持している企業もあるのだ。日本企業は、中国が2010年に行ったレアアース輸出禁止で懲りている。備えはしているはず。備えをしていない方が不注意企業である。
(4)「中国政府がレアアース規制を本格化するかどうかは、中国の経済状況次第との見方もある。中国では不動産不況が長引き景気減退が続く。米国との関係改善や欧州などとの接近で中国経済が回復するようなことがあれば、日本に対し規制を強める可能性もある。
日本としてはこれを機に、代替手段の確保を急ぐべきだ」
中国は、日本が完全に沈黙していることが「不気味」なのだろう。不況が続いている中で、日本が「一撃」を加えたらどうなるか。それを懸念しているとみられる。


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