朴槿恵大統領時代は、韓国から日本企業へ就職を目指して留学するケースが多かった。韓国の地方自治体は、これを支援すべく補助金をだすところまであったほどだ。それが、文在寅政権になって「反日姿勢」へ転換。日本に企業への就職斡旋の会合まで中止させるほどだった。この断ち切られて絆が今、復活しているという。日本企業へ就職するには、日本の大学へ留学して日本語を学んで、就職に備えるというのだ。韓国の就職難が、日本への留学を後押ししている。
『朝鮮日報』(2月7日付)は、「韓国の若者たちが日本に留学する理由」と題するコラムを掲載した。
「脱韓国」の先は日本だろうか。最近息子娘を日本に留学させた、あるいはさせる予定という企業の部長・役員クラス10人を取材した。米国や英国など英語圏を中心に留学をねだる「すねかじり」たちのリストに日本が追加されているのだ。
(1)「留学先は、慶応大学や早稲田大学のような名門大学ばかりではない。立命館大学、帝京大学、東洋大学など韓国ではさほど知られていない大学への進学を目指し高校2-3年生から日本語にチャレンジする生徒たちもいた。なぜ日本なのか、その理由を尋ねると「すぐ近くの先進国だから」「最近の米国は以前のようではない」「日本文化に関心がある」など定番ばかりではない。韓国の厳しい受験戦争とその後に待ち構える就職競争という現実の中で、生徒たちは自分なりに真剣に将来を考え、その結果として新たなチャンスを日本に見いだそうとしているのだ」
高校2~3年生から、日本の大学への進学を目指して、日本語にチャレンジする生徒たちもいるという。早く日本へ渡って、日本語の壁を乗り越えようという狙いである。
(2)「多くが入試によるストレスを口にした。「SKY(ソウル大学、高麗大学、延世大学)」「イン・ソウル」などの物差しで人を判断する韓国の雰囲気に誰もが疲れ果てている。1回の試験で人生が決まり、それが嫌なら国語、英語、数学などの基本科目はもちろん、日常生活やサークル活動、ボランティア、評判管理に至るまでほぼ完璧が求められる。内申で1回か2回問題が記載されれば退学を検討するしかなく、また母親たちも「情報力」を高めるため1時間50万ウォン(約5万3000円)のコンサルを受けねばならない。それがすぐ隣の国に目を向けると違う世界が開かれているのだ」
韓国の大学進学熱は、中国と同様に加熱している。学校でスポーツもやらないで、勉強一筋という高校生が「ゴマン」といる。
(3)「日本も、東京大学や京都大学などトップクラスは受験戦争が熾烈(しれつ)だが、それ以外の大学入試は韓国ほど厳しくはない。四年制大学だけで韓国の4倍に相当する800校あり、「それなりに良い大学」も地域ごと、専攻ごとにはるかに多い。入試も自らの強みを生かして選択できる。例えば美術専攻なら実技と面接だけで入学できる優れた大学が多い。選択肢が広がれば入試のストレスは軽くなる。日本での生活を通じて得られる日本語の実力や国際感覚はおまけのようなものだ」
日本での生活を通じて得られる日本語の実力や国際感覚は、おまけのようなものだという。韓国は、就職浪人で1年以上を無駄にしている。こういう厳しい韓国事情を考えれば、日本で伸び伸びと勉強するのも一つの選択であろう。
(4)「日本留学を真剣に検討する価値がある、もう一つの理由は就職だ。周りにいる日本への留学生の多くは現地で就職あるいは定住するため韓国を去るか、あるいは去るつもりだという。韓国には就職先がないが日本は人手不足だ。実際に日本では仕事が有り余り若い人材が求められている。人口減少に少子高齢化が何十年も前から始まったためだが、それだけが理由ではない。日本の大手企業はコロナ渦後、過去最高の利益を更新し続け、新入社員の採用を増やしている。自動車や半導体関連の素材、部品、装備を中心に実力のある製造業が日本経済を支えている」
日本では、大学生の就職率は100%である。一人で何社もの内定をとって「勲章」にしている時代だ。大企業初任給は、韓国の方が高いと言うが、宝くじで当るようなものだ。
(5)「10年前に団塊世代(ベビーブーマー)の定年退職が一段落し、日本企業は経費削減と利益率の改善が進んだため、若い人材を採用する余裕が出る好循環も目に付く。さらに日本特有の「新卒一括採用」という文化は100%近い大卒就職率を生み出している。新卒の大量採用は終身雇用を基本とする日本企業が求める人材を効率的に育てる方法だが、それは同時に大学を卒業したばかりの新卒を「社会人」に育てる社会的な責務でもある」
日本の人材難は、これからさらに厳しくなる見通しだ。初任給は、急ピッチで上がるはずだ。
(6)「これに対して韓国では、大卒の10人に4人は就職できず、20~30代の「就職浪人」が今や70万人に達している。サムスンを除く大手企業は新卒採用をやめ、経歴を見る「中途採用」を随時行う形に転換した。景気が落ち込む中で企業は変化や革新、効率をより重視しているからだ。海外で経験を積んだ学生たちが世界で活躍するのは素晴らしいことだ。しかし韓国にチャンスがないから国を後にするしかない学生が増えるのはやはり残念だ。韓国は少子化への危機感から出生率を上げるため数十兆ウォン(数兆円)を使っている。ところが生まれた子供たちは大人になる前に韓国から出ていく。だとすればこの膨大な努力に何の意味があるのか。日本留学ブームを横目に韓国がやるべきことは何か、改めて考えざるを得ない」
韓国は、20~30代の「就職浪人」が今や70万人にも達している。韓国は、日本以上の終身雇用制で固めている。労組の強い要請が、こういう事態を生んだ。


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