高市首相の衆院選勝利は、中国の習近平国家主席にジレンマを突き付けている。戦後最も強い支持を得た日本の指導者と関係を構築するのか、それともアジアにおいて、米国の最も重要な同盟国との深刻な冷え込みを続けるのかという選択だ。
『ブルームバーグ』(2月10日付)は、「習主席、対日対応でジレンマ-高市氏圧勝で関係構築か冷え込み続くか」と題する記事を掲載した。
(1)「中国が圧力を強める中、高市氏は8日の総選挙で歴史的な大差で勝利し、より強硬な外交政策を進めるための民意の後ろ盾を得た。昨年11月の高市氏による台湾有事を巡る発言以降、中国は輸出規制や観光制限を通じて発言の撤回を迫ってきた。中国指導部は今、日本に対する経済的圧力を維持するのか、それとも対立からの出口戦略を探るのか、判断を迫られている。高市氏は安定的な対中関係を望んでいると表明しているが、日本の安全保障を損なうように受け取られかねない発言撤回は、政治的に不可能とみられている」
昨年11月、国会での「台湾有事」質問は、野党が高市首相を困らせる趣旨で質問した。その回答がとんだ波紋を呼んで、野党は選挙で大敗する予想外の結果になった。中国への間接的拒否という意味でもある。日本社会の潜在的「中国嫌い」が、選挙結果に表れた形である。
(2)「センシティブな問題を話しているとして、匿名を条件に語った複数の日本側当局者は、高市氏の強固な国内支持基盤を背景に現政権が今後数年間は続く公算が大きいことから、最終的には中国はまた交渉に応じざるを得なくなるのではとの見方を示した。高市氏は9日の記者会見で、日本は中国と様々なレベルで対話を続けており、日本の国益の観点から冷静かつ適切に対応すると述べた」
中国が、今のような対日高姿勢を続けられるのはいつまでか。レアアースは、あと2~3年で中国の立場が根本的に弱体化する。外交の切り札に使えなくなるのだ。今が、最後の場面であろう。日本もこれが最後の「嫌がらせ」として、しかと記憶しておこう。
(3)「一方、中国当局者に歩み寄りの兆しは乏しい。中国外務省の林剣報道官は9日の定例記者会見で、中国の対日政策は「1回の選挙によって変わることはない」と述べ、高市氏に対し台湾を巡る発言の撤回をあらためて求め、「中国の核心的利益を守る国民の決意は揺るぎない」と付け加えた。高市氏は8日夜のテレビインタビューでの質問に対し、靖国神社を参拝するための適切な環境づくりに取り組んでいると述べた」
中国へは、「どうぞお好きなように」と突き放してみることも一法であろう。有頂天になっている中国へ「付ける薬」はないからだ。靖国参拝は、アジアへの影響が大きすぎる。控える方が無難であろう。
(4)「中国は、一貫して日本の「軍国主義」への回帰に警戒感を示してきた。9日には、影響力のある複数の中国人ブロガーが、高市氏の強硬姿勢が強まることへの懸念を示した。中国国営通信新華社のシニアエディター、牛弾琴氏はSNSの微信(ウィーチャット)の自身のブログに寄せた論評で、「われわれが直面するのは、より危険な日本だ」と論じた。同氏は、高市内閣が憲法を改正し、軍事費を拡大し、攻撃的兵器の取得を目指し、さらには長年の非核姿勢さえ変更する可能性があるとして、「日本は台湾問題で、より挑発的になるだろう」との見方を示した」
軍国主義は、中国の行動を指す。南シナ海を占拠しているからだ。自らの身を律して始めて言動に重みが出る。現状の日本批判は、空虚そのものである。
(5)「それでも、歴史を踏まえれば、高市氏の圧勝は長期的には緊張緩和につながる可能性もある。2012年、当時の安倍晋三首相が圧勝で政権に復帰し、2014年にも再び勝利した後、領土問題を発端とする緊張を経て、日中関係には雪解けの兆しが生まれた。ただ、関係改善への道のりは緩慢で、日本からの対中投資や中国人観光客の訪日が回復するまでには数年を要した。高市氏との関係改善も長期戦となる可能性がある」
中国経済の成長率は、必ずすぐに4%割れの時期がくる。長期停滞局面に入っていることを忘れた振舞いは、長続きするはずがない。


コメント
これで、当分中国人観光客の日本への渡航自粛は継続するというになりますし、高市政権にとっても次の参院選やさらに次回の衆院選も中国が下支えをしてくれるという約束をしてくれたようなものです。
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