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高市首相の総選挙圧勝に対する反応は、アジア全域でほぼ一致している。「強い日本」が、地域にとって良いという見方だ。日本初の女性首相となった高市氏は、戦後日本のリーダーとして最も強い民意の付託を得る歴史的勝利を収めたとみている。8日の総選挙での圧勝は、日本という枠をはるかに超えアジア全域で歓迎されている。「強い日本」が、アジアにおける平和の重石になるとしているのだ。

 

『ブルームバーグ』(2月10日付)は、「『強い日本』望むアジア、ただし中国は例外」と題する記事を掲載した。

 

日本初の女性首相となった高市氏は、戦後日本のリーダーとして最も強い民意の付託を得る歴史的勝利を収めた。8日の総選挙での圧勝は、日本という枠をはるかに超えて重要だ。

 

(1)「高市政権下の日本は、インド太平洋における安定化の担い手として一段と認識されるようになっている。かつてアジアでは、日本の軍事力が再び強まることが深刻に懸念されていたが、驚くべき転換だ。この変化は、地域が過去を忘れたから起きているのではない。むしろ、現在の状況を現実的に管理しようとする結果だ。日本は1941~45年に東南アジアの多くの地域を占領。旧日本軍による激しい残虐行為もあった。中国はこの歴史と、自国のトラウマ的体験を引き合いに出し、日本の軍事的役割の復活に警鐘を鳴らし続けている」

 

アジアでは、日本の「強い存在」に大きな期待をかけている。今までになかった変化とされる。

 

(2)「だが、アジアの中堅国は今という時代への対応を進めている。そうした再調整を促す力は2つある。トランプ米大統領が外交や協力よりも国益と影響力を重視しているという認識と、中国が威圧を国家運営の常套手段として用いる姿勢を強めていることだ。元インド外務次官のニルパマ・メノン・ラオ氏は、ディール(取引)重視の米外交政策は「インド太平洋で継続性と戦略的な安定を提供する同盟国として、日本の重要性を必然的に高める」と論じている」

 

日本への期待の一つは、米国の気まま外交による混乱である。インド太平洋で安定を提供する同盟国は、日本だけという認識が強まっている。

 

(3)「トランプ氏の「米国第一」主義は、通商や防衛における同氏のコミットメントについて、多くのアジアの同盟国を不安にさせてきた。米国は関与を続けているものの、予測可能性がもはや伴っていない。インドから台湾に至るまで、各国・地域の政府は、その不安定さを痛感している。インド政府は先週、米国と通商合意をまとめたが、明らかにホワイトハウス側に有利な条件の下で厳しい交渉を経た後だった。詳細は最終調整中だが、どちらが勝者だったのかに疑問の余地はほとんどない」

 

インドから台湾に至るまで、各国・地域の政府は、米国の不安定さに比べて安定している日本への期待が高まっているという。

 

(4)「インド太平洋地域の多くの国が導き出している教訓は、トランプ政権の支援は条件付きで、気まぐれにも見える変化に左右されるということだ。そうした警戒感をより切迫したものにしているのが、中国だ。威圧的な貿易措置や南シナ海での船舶への嫌がらせ、観光や重要鉱物の制限といった経済手段を選択的に使うことで、中国はこれまで、気に入らないと見なす行動を直ちに罰することができると示してきた」

 

インド太平洋地域の多くの国が、米国と中国が似通った行動を取ると不安感を高めている。

 

(5)「自信を深める日本政府は、中国が望む地域秩序形成を難しくする。多くのアジアの中堅国にとって、それは日本を魅力的なカウンターウエートにしている。韓国はそうした中堅国の典型だ。歴史的な対立から日本の台頭に懐疑的だった韓国政府は、目に見える変化を示している。高市氏は最近、訪日した韓国の李在明大統領と会談した際、ドラム演奏で共演。こうした外交姿勢は、旧来の対立を脇に置き、協力を深める意思を示したものだ」

 

多くのアジアの中堅国は、日本を安定した頼りがいのある国として位置づけている。韓国も従来の対日警戒観を変えて、日本への協力姿勢をみせている。

 

(6)「日韓関係は、重要な注目点だ。両国は安全保障協力の深化とナショナリズムに根差した外交関係の悪化との間を行き来してきた。だがここ数年、中国からの圧力の高まりと北朝鮮がもたらす持続的な脅威に対処するには、機能的なパートナーシップが必要だという認識が日韓両政府間で共有されつつある。こうした地域情勢は、日本自らの安全保障論争も変えつつある。防衛費は過去最大に達し、かつてタブー視されていた防衛力強化の議論が主流になり始めた」

 

韓国は、従来の反日姿勢を変えて、日本とパートナーシップを結ぶべきという議論に変りつつある。

 

(7)「今のところ、追い風は高市氏に吹いている。今回の総選挙圧勝は米国の不安定さと中国からの圧力が強まるインド太平洋地域で、より大きな役割を果たすための貴重な政治的安定を日本にもたらした。アジアの多くにとって、そうしたパワーバランスは歓迎されるだけでなく、ますます不可欠になっている。中国にとっては、まさにそれが厄介だ」

 

今回の総選挙圧勝が、米国の不安定さと中国からの圧力が強まるインド太平洋地域で、日本の役割を高めている。「頼りになる日本」への期待だ。政治的安定が、海外からの評価を高めるという側面を浮かび上がらせている。