中国車メーカーの世界累計販売台数は2025年、初めて世界トップに立った。中国の約2700万台に対し、日本は約2500万台に止まった。中国は、23年に輸出台数で日本を抜き、25年に販売台数でも日本を抜くことになった。だが、販売台数1台当たりの利益は、BYDがトヨタの4割、吉利は3割とトヨタに大きく水を開けられている。中国の販売台数が大きく伸びたのは、利益を削っての「サバイバル競争」であることを示している。
『レコードチャイナ』(4月7日付)は、「日本を超えた中国車メーカーに待ち構える課題―中国メディア」と題する記事を掲載した。
中国メディア『中国新聞週刊』(4月4日付)は、2025年の中国車メーカーの世界累計販売台数が約2700万台に達し、日本を抜いて初めて世界首位に立ったと報じた。
(1)「記事は、日本メディアが報じたデータを引用し、25年の中国車メーカーの世界累計販売台数が約2700万台に達し、約2500万台の日本を抜いて世界首位に立ったと紹介。中国は23年に輸出台数で日本を抜いていたが、25年には全ブランドの世界販売台数でも逆転を果たし、日本は2000年以来25年ぶりに販売首位を明け渡したと伝えた」
国内販売は、補助金付きで伸びてきた。輸出は、ダンピングである。こういう異常な販売が達成した「いわく付き」記録である。
(2)「中国の躍進を支える要因として海外向け販売、国内販売の構造的な変化に言及。海外向けでは25年の輸出台数が前年比21.1%増の709万8000台となり、高付加価値の新エネルギー車(NEV)の比率が上昇しただけでなく、タイやブラジルなどで現地生産体制の構築も進んでいるとした。また、国内でも中国ブランドの乗用車シェアが70%近くに達し、合弁ブランドが長年主導してきた市場構造を打破したと解説している」
補助金付き販売が、消費者に価格との「真剣勝負」で商品選びをさせたか疑問である。車内へ奇妙なアイデアを持ち込み、自動本来の機能である安全確保をないがしろにしてきたからだ。中国の自動車業界の実力は、補助金制度がなくなった「まっさらな状態」で初めて分かるであろう。
(3)「中国メーカーが、収益面で課題を抱えていることも指摘。25年のトヨタの1台当たり純利益が約1万7000元(約39万円)であるのにタイし、BYDは約6900元(約15万9000円)、吉利は約4770元(約11万円)とトヨタの3〜4割程度にとどまっているほか、中国自動車業界全体の利益率も4.1%と、17年の7.8%からほぼ半減しており、国内の激しい価格競争が利益を圧迫しているとした」
2026年1〜2月の業界平均営業利益率は、2.9%まで落ち込んだ。中国メディア『第一財経』(3月29日付)が報じた。25年は4.1%であったので、過去最低水準を更新している。自動車業界は、営業利益率が5%以下になると新車開発も滞るとされている。現状は、こういう危機的状況へ落込んでいる。
(4)「日中メーカー間の格差を生んでいる背景として、中国メーカーの高級ブランド化がまだ途上にあること、海外事業が投資段階で短期的に収益化が難しいこと、ハイエンドチップや精密製造装置など核心技術の海外依存が続いていることを列挙。販売台数での首位獲得は新たな起点に過ぎず、「規模のリード」から収益性やブランド力を伴う「全面的なリード」への飛躍が求められていると評した」
中国車の高級ブランド化は、極めて困難である。これまでの販売増は、生産と販売の両面で行われてきた補助金頼みであって、品質で勝負してこなかったからだ。補助金制度がなくなれば、元の木阿弥の危険性が高い。


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