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米国で、中古の電気自動車(EV)の売れ行きが大きく伸びている。ガソリン価格が急上昇する中、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)収束後のブームで買われたモデルが、次々と中古市場に流れ込んでいる。購入希望者にとって朗報である。

 

『フィナンシャル・タイムズ』(4月6日付)は、「米国で中古EV販売が急加速、背景にガソリン高騰と在庫増」と題する記事を掲載した。

 

米調査会社コックス・オートモーティブの推計によると、2026年1〜3月期の中古EV販売台数は前年同期比で12%、前四半期比で17%増加した。新車EV販売台数は前年同期比28%減と、トランプ政権が25年に最大7500ドル(約120万円)の税額控除を含む購入補助を廃止したことが響いている。

 

(1)「アナリストの間では、20年代初めにリース販売されたEVの契約期間が終了し、安価な中古EVが市場にあふれているという背景が指摘されている。英信用調査会社エクスペリアンは、全米のリース切れ自動車に占めるEVの割合が26年末に15%となり、13月期の7.%を上回ると予想する。コックスによると、供給過多により中古EVの平均価格は25年2月から26年2月の1年間で8.%下落した。中古EVと中古ガソリン車の平均価格の差は4923ドルから1334ドルに縮まった。コックスの業界インサイト担当ディレクター、ステファニー・バルデス・ストリーティー氏は、「EV価格に大きな変化が起きている」と話した」

 

20年代初めにリース販売されたEVが、契約期間を過ぎて大量に中古市場へ登場した。折からのガソリン価格高騰で、中古EVへ関心が集まっている。中古EVと中古ガソリン車の平均価格の差が、急激に縮まっていることも要因である。

 

(2)「英金融大手バークレイズのアナリスト、ダン・レビー氏は、バイデン前政権が22年に7500ドルの税額控除を導入したことで、価格の低いガソリン車の新車よりEVの新車をリースする方が月々の支払いが安く済むようになっていたと説明する。レビー氏によると、米ゼネラル・モーターズ(GM)の主力ブランド「シボレー」の中型多目的スポーツ車(SUV)「ブレーザー」の場合、EVモデルの希望小売価格は4万4600ドルで、25年6月時点の月額リース料は平均515ドルだった。一方、ガソリン車モデルの価格は3万5600ドルで、毎月の支払いは平均586ドルに上っていたという」

 

GMの主力ブランド「シボレー」の中型多目的スポーツ車の場合、EVモデルの月額リース料は平均515ドル。ガソリン車モデルの毎月のリース支払いは、平均586ドルである。EVとガソリン車のリース料の差は縮まっている。EVを選択するケースが増えるであろう。

 

(3)「エドマンズのインサイト部門責任者、ジェシカ・コールドウェル氏は、車の維持費がかさむ中で安価な選択肢を探し求める買い手が増えており、かなり割安なモデルが続々と中古市場に流入している現状がEV購入の「入り口」になっていくのではないかとの見方を示した」

 

EVは、車の維持費が電気代で安い上に、割安なモデルが続々と中古市場に流入しているので現在、選択に幅を広げている。

 

(4)「米国のガソリン平均価格は、3月末に1ガロン(3.785リットル)4ドル(1リットル=約176円)を超えた。4ドルという心理的な節目を突破したのは、ロシアがウクライナの全面侵略を始めた22年以来となる。新車の平均価格も過去最高に近い水準にある。アナリストらは、13月期の新車販売が振るわなかった一因として、アフォーダビリティー(価格の手ごろさ)への懸念の高まりを挙げる。こうした中、GMの北米事業プレジデントのダンカン・オルドレッド氏は、3月末にニューヨークで開かれた業界フォーラムに登壇し、直近1カ月でEVへの「関心がいくらか高まりつつある」と発言していた」

 

米国のガソリン価格の心理的節目は、1ガロン4ドル(1リットル約176円)を超えるときとされる。現在は、この状況を超えておりEVへの関心が高まっているという。

 

(6)「アナリストらは、ガソリン高でEVの新車販売が著しく伸びるとはまだ言い切れないとみる。広大な国土に十分な充電インフラがそろっていないため、長距離ドライブへの不安が根強いからだ。米フォード・モーターGMなどの自動車各社は、向こう数年間でより手ごろな価格の次世代EVを発売する計画を打ち出している。コールドウェル氏は、買い手が新たなモデルの登場を待つ間、中古EVの性能が以前より向上したことに驚かされるだろうと指摘する。「前回ガソリン価格が急騰した22年には、19年式あたりの自動車が購入候補になっていたと思われるが、当時はEVがまだ完成されたものではなかった」とコールドウェル氏は語る」

 

今回のガソリン価格高騰で、アナリストは消費者がEVへ目を向けるきっかけになるとみている。