日本と豪州は、高市首相の豪州公式訪問に合わせ、重要鉱物分野における協力強化で合意した。同分野に両国が、16億7000万豪ドル(12億ドル)の支援を提供する。豪州政府は声明で、両国が鉱業、精錬、製造の各分野におけるサプライチェーンの最も差し迫った脆弱性に対処するため、戦略的プロジェクトに重点を置くと表明した。中国の威圧に対抗して、日豪はレアアース開発で協力する。
『日本経済新聞 電子版』(5月4日付)は、「日豪首脳、レアアース開発で共同声明 優先6事業の投資・助成金明記」と題する記事を掲載した。
高市首相は4日、豪州のアルバニージー首相と会談し、経済安全保障で協力する共同宣言・声明を発出した。レアアースなどの重要鉱物を共同開発する6事業を優先対象に指定し、日豪両政府が投資や助成金を通じて支援すると明記した。
キャンベラで開いた首脳会談は少人数会合も含めて全体で1時間20分ほど。両国首脳は会談後に共同記者発表に臨み、次回の首脳会談までに経済・安全保障分野での協力策を具体化するように閣僚に指示する方針で一致したと明かした。
(1)「日本外務省によると日豪首脳は、会談でイランが事実上封鎖するホルムズ海峡の自由で安全な航行確保の重要性を確認した。中東情勢の早期沈静化でも緊密に協力する方針を確かめた。中国によるレアアースの輸出制限などを踏まえ、重要鉱物の協力に向けた共同声明をまとめた。「重要鉱物を両国の経済安全保障関係の中核的な柱として格上げする」と言及した。双日とエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)との共同出資会社が手掛けるレアアース生産など6事業を優先対象に指定した。6事業は両政府による「さらなる投資・助成金支援」を受けることができると記した。豪州での開発にかかる許認可手続きなども迅速に進めてもらいやすくなる」
レアアースなど重要鉱物が、両国の経済安全保障関係の中核的な柱として格上げされる。日本は、早くから豪州のレアアース事業へ資本面でも協力してきた。西側諸国は、8月から関税無税の「重要鉱物特恵市場」を立ち上げる。参加国は55ヶ国であるが、中国の妨害を恐れて個別の国名は発表されていない。日本の化学的精錬法によって、各国鉱山で精錬可能になる。2028年以降には、中国のレアアース占拠率を引き下げて行く見通しである。中国の「レアアース天下」は、それまでである。
(2)「両首相は、中東情勢を踏まえ、エネルギーに関する共同声明も策定した。日本は液化天然ガス(LNG)の4割、石炭の6割ほどをそれぞれ豪州から輸入し、豪州に軽油やガソリンなどの石油製品を輸出している。地域の供給網で協力することで合意した。両首相による経済安保の共同宣言で両国の役割を明確にした。豪州は日本にとって鉱物、エネルギーの最も安定的な供給国として役割を果たすと説明。日本はサプライチェーンの構築を支援する重要な投資元との認識を確認した。「経済的、技術的な強靱(きょうじん)性が国家安全保障の基盤であると認識する」と記した。地政学的緊張などの緊急事態に2国間で情報共有や協議で対応を検討すると明示した」
日豪は、レアアース・石炭・LNG(豪州から日本へ)と、軽油やガソリン(日本から豪州へ)によって互いに持ちつ持たれつの関係を樹立している。さらに、地域の供給網づくりでも協力することで合意した。中国は、イランの海峡封鎖で石油製品の輸出を一挙に取り止めて輸出先を混乱させた。日豪は、こういう他国への「迷惑行為」をしないと合意した。日本の南鳥島レアアースは、軌道に乗るのが28年以降となろう。
(3)「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」などの枠組みを通じた供給網の構築や経済的威圧への対処もうたった。環太平洋経済連携協定(TPP)が経済的な繁栄につながるとして取り組みを強化することでも一致した。
TPPでは、新規加盟国の打ち合せをしたのであろう。高市氏が、ベトナムで発表したフィリピン・インドネシア・UAE(アラブ首長国連邦)が候補国に上がっている。


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