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クーパー米中央軍司令官は4日、米国がホルムズ海峡の船舶航行を解放するための作戦を開始したと発表した。それによると、イランの小型船舶6隻を破壊したほか、イランが発射した巡航ミサイルとドローンを迎撃したと述べた。これにより、米国商船2隻が無事通過した。焦点は、次にどこの国の船舶が通航するかだ。イラン軍は、ホルムズ海峡で米軍を止めるための武器が、ほぼ無力化されたとみられている。それだけに、イラン革命防衛隊は威勢の良い発言を繰り返しても、単なる脅しに過ぎないと指摘されている。

 

『ロイター』(5月5日付)は、「米中央軍、イラン小型船舶6隻を撃沈 ホルムズ海峡開放作戦を開始」と題する記事を掲載した。

 

(1)「トランプ米大統領は4日、「プロジェクト・フリーダム」と名付けたこの作戦を開始した。クーパー米中央軍司令官は、作戦開始にあたり、イラン軍に対し米軍に近づかないよう「強く推奨した」と述べた。作戦には米兵1万5000人、米海軍の駆逐艦、100機超の陸上・海上航空機、水中戦力が投入されているという。また、イランへの船舶の入港やイラン領土からの出港を阻止する米国の対イラン封鎖も継続しており、予想以上の効果を上げていると述べた」

 

イラン軍は、ホルムズ海峡で使える武器はほぼ尽きたと指摘されている。米中央軍クーパー司令官が、「われわれは防衛兵器の的確な運用により、それらの脅威を一つ残らず排除した」 と指摘している点が重要だ。

 

1)小型艇戦力は、壊滅的打撃を受けた。6隻撃沈された上に、米軍のアパッチ・シーホークの優位性により、小型艇が出撃すれば即撃沈 される。 ホルムズ海峡での小型艇戦術は破綻したとされている。

 

2)巡航ミサイル・ドローンの迎撃率ほぼ100%である。米軍は多層防衛(艦艇+航空機+電子戦)を展開しているので、イランの発射した巡航ミサイル・ドローンは全て迎撃される。すでに、「飽和攻撃」が成立しなくなっている。

 

3) 米軍が、機雷除去で航路を確保した。これによって、イランの海峡封鎖の根幹が崩壊したのも同然の状態にある。

 

4 )沿岸ミサイルは、発射すれば即座に位置が露呈する。米軍航空戦力は、100機以上が常時上空に止まっているので、発射地点は即座に反撃対象 になる。 イランは、撃てば撃つほど損害が増える事態となっている。こうしてホルムズ海峡は、無力化されたので、次は英国船が通航するかも知れないとみられている。日本船は、未だ慎重であろう。

 

(2)「作戦は複数の段階で構成され、まずイランが敷設した機雷を除去する航路の確保から始まった。米国は4日、米国旗を掲げた商船2隻を海峡に通過させ、航路の安全性を実証した。クーパー氏によると、今回の作戦は従来の護衛任務を超え、船舶やヘリコプター、航空機、さらに電子戦を含む多層的な防衛態勢でイランの脅威に対処する、より大規模な作戦となっている。イランの高速艇は米軍のアパッチやシーホークヘリコプターによって撃沈されたという」

 

今回の護衛作戦は、従来規模を超えており船舶やヘリコプター、航空機、さらに電子戦を含む多層的な防衛態勢でイランの脅威に対処しているという。米軍の威信を賭けた護衛である。

 

(3)「クーパー氏は、イランがアラブ首長国連邦(UAE)に対するドローンおよびミサイル攻撃を含めて域内で反撃を強めており、4月8日に開始した停戦が引き続き有効かどうかについてはコメントを避けた。ただ、イスラム革命防衛隊(IRGC)が米国の作戦を「妨害」しようとしていることは認めた。「IRGCは、われわれが護衛する船舶に対し、複数の巡航ミサイル、ドローン、小型船舶を発射した。われわれは防衛兵器の的確な運用により、それらの脅威を一つ残らず排除した」と述べた」

 

IRGCは、メンツを保つ上で強硬発言をしても、手出しができず「黙認」という形が予測されている。

 

(4)「革命防衛隊は、過去数時間に商船が同海峡を通過した事実はないとし、米国の主張は虚偽だと反論。イラン国営テレビもイラン軍当局者の話として、小型船舶沈没に関する米軍の発表を否定した」

 

イランは武器を持っているが、「撃てば損害が増える」「撃っても効果がない」 という状況に追い込まれている。これは軍事的には 「実質的な戦力無効化」と呼ばれる状態だ。だからこそ、イランは「否認フェーズ」に入っている。米国商船の通過を否定、小型艇撃沈の否定である。戦時中の日本軍が、敗北しながら勝ち続けていると「嘘情報」を流していたのと同様のケースだ。これは典型的な 「面子を保ちながら実質的敗北を受け入れる前段階」とされている。