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NTTが開発した次世代通信網「6G」の本命、IOWN(アイオン)は、電気通信から光通信への切り替えによって、大容量・節電・ブレなしという三大特色を持っている。これによって、今後の飛躍的増加予想の通信量を一挙に解決する「夢の技術」とされている。すでに国連で標準規格として採用の方向だが、推進母体の日米英豪加に加えてEU(欧州連合)も参加することになった。

 

『日本経済新聞 電子版』(5月5日付)は、「通信版『ファイブアイズ』にEU参加 6G開発で対中包囲網」と題する記事を掲載した。

 

日米英豪加の5カ国で立ち上げた情報通信の国際連合「GCOT」に4日、欧州連合(EU)が参加した。人工知能(AI)の利用拡大と次世代通信規格「6G」の普及を見据え、通信機器の世界市場をおさえる中国の対抗軸をつくる。

 

(1)「カナダの首都オタワで現地時間4日に会議を開いた。GCOTは米英豪などによる機密情報共有グループ「ファイブアイズ」の通信版の枠組みだ。プライバシーの保護などの原則を共有する国や企業が6GやAIといった通信技術の開発での協力を目指す。連携先を広げる狙いはAI時代の通信インフラの覇権争いにある。EUの参加を契機に発足当初の5カ国での連携から、東南アジア諸国連合(ASEAN)や中南米など他の地域にも通信機器の開発や整備で協力の輪を広げる足がかりにする」

 

GCOTの目的は、AI時代の通信インフラとして6Gの世界標準に、中国製通信機器へ対抗することだ。GCOTの技術的中核は、IOWN以外に存在しないのだ。EUが参加したということは、欧州の通信機器メーカー(ノキア・エリクソン)がIOWN陣営に入るという意味でもある。また、EUの通信規制・標準化機関(ETSI)がIOWN仕様を採用する可能性を高めている。この結果、ファーウェイやZTEの排除は既定事実化される。6Gは、完全に「西側標準」へ移行する。

 

(2)「現行の高速通信規格「5G」で高い世界シェアを誇る中国勢に対抗する枠組みづくりを進める。米調査会社のオムディアによると、中国の華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)の2社が世界シェアの4割超を握る。GCOTには米エヌビディア、韓国サムスン電子、英ボーダフォン・グループなども賛同企業として名を連ねる。連携国が増えれば通信機器の開発や実証などの機会が広がるとの期待もある。企業にとっては2030年代の本格普及が見込まれる6Gの技術開発で中国への対抗軸を築き、通信機器などの開発や整備を優位に進めたいとの思惑がある」

 

ファーウェイやZTEは、6Gにおいて完全に西側から遮断される。GCOTの目的は AI時代の通信インフラを西側で統一することだ。これは、中国にとって致命的な事態である。中国の運命も、「ここまで」という宣告になろう。

 

(3)「4日の会合に合わせて、各国の賛同企業が参加する官民会合も開いた。政府関係者や通信会社、機器メーカーが交流し、各国での通信実証や共同での研究開発をしやすい環境を整える。米国のAT&Tクアルコム、フィンランド通信機器大手ノキアなどが参加した。日本からも楽天モバイルがオンラインで出席した。各国が連携を深める背景には通信の経済安保上の懸念もある。中国製品を巡り米国や欧州各国は通信の盗聴リスクを指摘する。自国の機器メーカーが競争力を失い中国製に依存すれば、国の機密情報なども盗み取られかねないとの危機感がある。欧州では、中国製を排除する動きも広がる。20年以降、EUではドイツやスウェーデンが5Gの通信網でファーウェイ製品の排除を決めている」

 

米国や欧州各国は、中国製品による通信の盗聴リスクを指摘する。自国の機器メーカーが競争力を失い中国製に依存すれば、国の機密情報なども盗み取られかねないとの危機感が強い。中国は、西側にとって「不倶戴天」の敵になっている。

 

GCOTにEUが参加しIOWNが「西側6G標準の中核」になると、NTTが通信インフラの世界標準を設計する立場になる。これは、「日本の静かな世界復権」 の象徴的な事例となる。