トランプ米大統領は5日、イランとの包括的合意に向けて「大きな進展」があったとして、ホルムズ海峡の船舶航行を支援する作戦「プロジェクト・フリーダム」を短期間停止すると表明した。これは、すでにホルムズ湾が米海軍によって完全な支配下に置かれている結果であろう。湾内に滞留を余儀なくされている商船が、米軍管理下で集団通航を実現すると、イランの敗北は決定的になる。イランは、この事態を避けるべく急遽、米国との妥協案を探っているとみられる。
『ウォール・ストリート・ジャーナル』(5月6日付)は、「トランプ氏、ホルムズ『通過支援』を一時停止 交渉に進展」と題する記事を掲載した。
トランプ米大統領は5日夜、ホルムズ海峡で商船の通過を支援する政権の取り組み「プロジェクト・フリーダム」を一時停止することに同意したと表明した。
(1)「トランプ氏はトゥルース・ソーシャルへの投稿で、一時停止は短期間であり、パキスタンや他の国々からの要請に基づくものだと説明。「イラン代表団との完全かつ最終的な合意に向けて、大きな進展があった」と明かした。さらに、米国は引き続きイランの港湾封鎖を全面的に継続するとした上で、政権は「イランとの合意がまとまり、署名に至るかどうかを見極める」との考えを示した。合意内容の詳細には触れなかった」
イランは、「メンツを保った形」で妥協する可能性が極めて高いとみられる。イランは、米軍監視下で「集団通航」されるのは、国内的には屈辱となる。
しかし、現在の力関係と制裁状況を踏まえると、イランは何らかの「建前を整えた妥協」を選ばなければならないと予測される。
イランが取り得る「メンツを守る妥協パターン」としては、米国主導でなく「国際的な航行安全の枠組み」と再定義するのではないかとみられる。イランは、自国の要請ではなく、国際社会が勝手にやっていると説明する必要があるからだ。これにより、米軍の護衛を受けているという屈辱を回避するという予測ができるであろう。
なぜ、イランはここで妥協せざるを得ないのか。 米国の海上封鎖が完全に効いていることだ。イランはすでに、原油輸出がほぼ止まって外貨収入が枯渇している。国内経済が危機的
という状況に陥っている。 封鎖が続けば、政権の存続すら危うくなるという状況であろう。軍事的にも打開策がなくなっている。米海軍の制海権が圧倒的支配を強めている。イランは、対艦ミサイルやドローンで嫌がらせはできても、封鎖を破る力がなくなっている。こうした状況下では、「名誉ある撤退」によってメンツを守り、「勝利宣言」して終幕にする可能性が出てきた。これが、イランによる常套手段である。


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