テイカカズラ
   


(4)「習氏は、トランプ政権に台湾への武器売却を停止するよう求めてきた。トランプ氏は今回の会談でも議題にのぼるとの見方を示している。中国外務省の郭嘉昆副報道局長は14日の記者会見で「米国による中国台湾地区への武器売却に反対する中国の立場は一貫しており、明確だ」と述べた。米国は、中国本土と台湾が不可分だという中国の立場に異を唱えない一方、台湾の安全保障に関与する「一つの中国」政策を維持してきた。現状維持を重視し「双方からのいかなる一方的な現状変更にも反対し、台湾の独立を支持しない」という立場だ」

 

米国は、台湾への武器売却で中国へ配慮するのか。これが、中国への妥協の限界であろう。

 

(5)「トランプ政権は、米中首脳会談前にイランとの戦闘終結を目指したが、実現していない。イランと関係が近い中国が米国への交渉力を高める要因となっている可能性がある。ホワイトハウスは習氏が会談で、ホルムズ海峡でのイランの通航料徴収に反対する考えを明確にしたと説明した。両国はイランによる核兵器保有を認めないことでも一致した。習氏は米中の関係を「建設的戦略的安定関係」と位置づけることでトランプ氏と合意したと明らかにした。「今後3年間、あるいはそれ以上にわたって中米関係に戦略的な指針を提供する」と語った」

 

中国は、イラン問題についてホルムズ海峡の自由通航と核兵器保有禁止で米国と合意した。イランにとっては、中国の裏切りに映るであろう。中国経済が、すでにイラン戦争で大きな影響を受けているという証拠である。イランの肩を持って長期戦になれば、大きな影響を受けるという懸念だ。

 

(6)「習氏は、「建設的戦略的安定」について、「協力を主とする積極的な安定」だと説明した。「単なるスローガンではなく、互いに向き合って進む行動であるべきだ」と説いた。トランプ氏は、会談後の晩餐会で、9月24日に習氏夫妻をホワイトハウスに招待すると明らかにした。米政府は、26年中に両首脳が最大4回会談する可能性を探っている」

 

米政府は、26年中に両首脳が最大4回会談する可能性を探っているが目的は何か。これは、表面的に言えば相互理解の促進と「きれいごと」を並べているが、実際は中国経済の「衰弱ぶり」を観察するためだ。この根拠は、次の点にある。

 

1)中国の「輸入履行」を定期的にチェックするためである。中国は米国産農産物・エネルギー・工業品の輸入を約束しても、過去の例からも履行率は常に低かった。経済が悪化すると輸入を止めるからだ。そういう事態になったら、中国へ圧力をかける必要がある。つまり、米国は「中国が約束を守っているか」を定期的に監査したいのだ。

 

 2)中国の「弱さ」を継続的に観察するためである。今回の会談で、習近平の表情・態度・発言から 中国の弱体化が明確になった。米国CIA(中央情報局)は、特に習氏の表情の硬さ、緊張の高さ、声のトーン、目の動き、体の動きの小ささなどを分析している。米国の立場からみると、「中国は弱っている。だから定期的に会えば、弱点がもっと見える」という、 「観察のための会談」 でもある。

 

3)中国に「議題設定権を与えない」ためである。年1回の会談だと、中国は準備して「議題を作る」ことができる。しかし年4回になると、中国は準備不足、国内調整が間に合わない、議題を作れないという事態になる。こうして、米国の議題だけが通ることになる。会談の頻度を増やすことで、中国の議題設定能力を奪う目的だ。これは、米国の非常に巧妙な戦略である。