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1~4月の固定資産投資が、累計でマイナス1.6%減という冷え切った中で、国有系企業がマンション建設に乗り出すという。明らかに政府の圧力による「ヤラセ建築」の疑いが濃厚である。住宅不況底入れのサインではなく、さらに悪化するという不吉のサインであろう。売れない住宅の在庫を増やすだけだ。国有系企業は、地方政府の土地売却益捻出目的に奉仕させられている。

 

『日本経済新聞 電子版』(5月18日付)は、「中国『バブルの塔』用地が再起動 超高層ビルの呪いを解けるか」と題する記事を掲載した。

 

中国で1番高いビルを建設するはずだった広東省深圳市の開発計画が再起動した。経営破綻した民営大手、世茂集団控股が手放し競売にかけられた用地を落札したのは国有大手の華潤置地だ。勝算はあるのだろうか。

 

(1)「ついにあの土地が動くのか。6日、深圳市北東部にある龍崗区の開発用地の売却が成立した。買い手は商業施設運営に強みを持つ華潤置地だ。華潤置地が、取得した土地面積は約17万平方メートル(東京ドーム4個分弱)で、取得額は最低入札価格の約70億元(1600億円)だった。世茂集団が2017年に取得した金額は239億元の3割だ。9年間で7割も下落した計算である」

 

深圳市北東部にある龍崗区の開発用地が最近、売却が決まった。最初の企業が倒産して、ようやく次の企業が決まったもの。地価は、9年間で実に7割も下落したという。凄い値下がりである。

 

(2)「龍崗区は深圳市の郊外地域だ。現在でも中心部から地下鉄を乗り継いで1時間余りと決して利便性の高い場所ではない。25年に深圳市が買い取り、26年4月に再度売り出していた。試算によると、70億元を住宅部分の床面積で割った1平方メートル当たりの金額は2.3万元。周辺の新築住宅価格は1平方メートル当たり5万元前後と、建設費を加味しても元が取れる計算だという。まずは、住宅分譲で用地の取得費用を回収し、投資リスクを抑える算段だ」 

 

新たに建てるマンションは、付近の新築住宅価格に比べ半値以下の価格に設定して、先ずは、購入した土地代を回収するという。場所は、深圳市中心部から地下鉄を乗り継いで1時間余りの場所だ。思惑通りにうれるか。

 

(3)「上海市郊外の嘉定区。米ゼネラル・モーターズ(GM)や独フォルクスワーゲン(VW)などの合弁工場がある自動車産業の集積地だ。この街の中心部で10年間たなざらしにされた「幽霊ビル」を賃貸住宅に衣替えするプロジェクトが始まった。プロジェクトを進めるのは、中国4大不良債権管理会社の1社、中国信達資産管理だ。28年をメドに家具付きの賃貸住宅に改装し、安定した賃料収入を確保した後に不動産投資信託(REIT)として上場させる計画だ」

 

上海市郊外の嘉定区で、10年間たなざらしにされた「幽霊ビル」が、賃貸住宅に衣替えする。新たな建築主は、4大不良債権管理会社の1社、中国信達資産管理だ。政府系企業である。不動産投資信託で経営するという。若者の就職動向と密接な関係を持つ。

 

(4)「成功事例も生まれている。3月21日に上場した匯添富上海不動産賃貸住宅LEATとの投資物件は上海市内の遊休オフィスを転用した賃貸住宅だ。隣接するハイテクパークで働く若者をターゲットに1LDKの間取りを主体としたことが奏功し、入居率は9割を超えるという。ニッセイ基礎研究所の胡笳研究員は「今後もREITを活用した物件の再生事例が増えていく」と指摘する。もっとも、中国で不良債権の物件再生は始まったばかりだ。問題は物件の完成後にもある」

 

若者をターゲットに1LDKの間取りの賃貸住宅は人気があるという。中国人は、広い家に住みたがるだけに、1LDKで満足するのは相当の低収入層であろう。貧困の象徴である。

 

(5)「25年4月、直轄市である天津市で高さ597メートルの「世界一高い未入居ビル」の工事が約10年間の中断を経て再開した。誰もが心配するのは、景気が悪い天津でテナント需要があるかだ。米CNNの取材に対し、米デューク大学のチアオ・シトン教授は「必ずしも利益が出るわけではないが、政府は少なくとも人民の自信を増幅できると期待している」と分析した。

 

天津市の高さ597メートルの高層ビルが、未竣工で放置されてきたことは有名な話だ。これも、25年4月に工事再開である。地元政府のメンツによる建設工事再開だ。

 

(6)「中国では高層ビルの完成が相次いでいる。国際非営利団体の調査によると、24年に完成した高さ200メートル以上の133棟のビルのうち、91棟が中国だったという。こうした新規ビルの過剰供給がオフィス需給を大きく悪化させている。中国の主要都市のオフィス空室率は23割にのぼる。日本の主要都市の2〜3%台と比べると、かなりの高水準だ。中国のオフィスビルは国有企業や政府系ファンドなどが保有しているケースが多く、その実態がみえてこない。国有銀行が資金を供給し続ければ、未完成や低稼働率ビルの問題が表面化しないからだ。政府系でテナントを埋めることも可能だ」

 

世界で24年に完成した高さ200メートル以上の133棟のビルのうち、中国が91棟を占めるという。68%に当たる。建設不況が起こっても、何ら不思議のない状態である。バブル崩壊は、起こるべくして起こったのだ。