中国で、一部メーカーが27年から全固体電池EVを発売する。この前哨戦として、半固体電池を販売し始めている。液体リチウム電池の改良版(つなぎ技術)」である。本命の全固体電池とは、全くの別物である。全固体電池と半固体電池を比較すると、能力は全固体が圧倒的に上である。コストは、半固体が圧倒的に安いという関係だ。
中国のEV販売競争は、苛烈であるので「半固体電池と全固体電池」の差を曖昧にして、あたかも全固体電池のような体裁を整えて販売されるとみられる。中国は、全固体電池の研究が遅れているので半固体電池で当座を凌ぐとみられる。トヨタ自動車は、27年以降に全固体電池EVを発売の見通しだ。圧倒的な本命は、トヨタ自動車とみられる。
『日本経済新聞』(6月2日付)は、「中国EV『全固体電池』へ攻勢 上海汽車など、来年投入めざす まず半固体発売、日本に先行狙う」と題する記事を掲載した。
中国の電池メーカーや自動車メーカーが次世代電池の開発で前進している。自動車大手の上海汽車集団や比亜迪(BYD)が2027年に電気自動車(EV)への搭載を目指す。既存の車載電池で覇権を握った中国勢が、次世代電池でも攻勢を強める。
(1)「国有大手の上海汽車と新興電池企業の清陶昆山能源発展集団は、「光啓電池」と称する全固体電池を載せたEV試作車の組み立てを3月初旬に終えた。量産に向けた試験を重ね、27年に市場投入を予定する。全固体電池は主要部材の電解質を従来の液体から固体にしたもの。既存のリチウムイオン電池の課題を克服するため、EVの「ゲームチェンジャー」と目される。電解液の液漏れによる熱暴走がなくなるため、安全性が高まる。エネルギー密度の高さから航続距離は1000キロメートル以上が実現できるとされる」
上海汽車が、27年に全固体電池登載のEVを発売するという。航続距離は、1000キロメートル以上を目指す。24年以降に全固体電池の研究へ着手したはずであるので、どういう品質でるか関心が持たれている。
(2)「上海汽車と清陶は、全固体電池やその前段階となる半固体電池の開発で協業している。全固体電池の実用化に先立ち、上海汽車傘下の英国車「MG」ブランドから液体の電解質の含有量を5%まで減らした半固体電池搭載モデルを発売した。EV「MG4」のうち半固体電池を搭載したモデルはフル充電時の航続距離が530キロメートルある(中国独自の走行試験モードによる)。価格は9万元(約210万円)からに設定した。気温が低い場所でも安定して性能を発揮するという」
上海汽車は、全固体電池の前に半固体電池車を発売している。半固体電池と全固体電池では、製法そのものが全く異なっている。
(3)「BYDも、27年ごろに全固体電池を一部の車両へ搭載を目指す。携帯電話用電池を祖業とする同社は現在普及するリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池も自社で開発・生産している。全固体電池の開発着手は13年と早く、30年に大規模な量産を目指す方針だ。
中国の国信証券によると全固体電池の市場は27年に57億元、30年には1138億元となる見通し。日本円換算では1300億円から2兆6000億円規模への急拡大だ。40年には世界の電池需要の半分が全固体または半固体電池に置き換わるとの業界団体予測もある」
BYDの全固体電池は、30年に大規模な量産を目指す方針である。トヨタより3年ほど販売が遅れる見通しである。40年には世界の電池需要の半分が、全固体または半固体電池に置き換わるとの業界団体予測もあるという。
(4)「トヨタ自動車は27~28年に全固体電池を搭載したEVの実用化を目指す。出光興産や住友金属鉱山と協業し、量産に向けた準備をしている。日産自動車も28年度までに、ホンダも20年代後半の実用化を目指すとしている」
トヨタは、世界で最も全固体電池の量産に近い企業ですある。 航続距離は、1000〜1200 km (トヨタ公式発表)である。 充電時間は、10分で80%、20分でフル充電である。
寿命は、10年以上である。サイクル寿命は現行の2〜3倍になる。 安全性は、釘刺し試験で発火ゼロ、熱暴走がほぼ起きない。 量産開始は、2027〜2028年に量産ライン稼働で、2030年に年数十万台規模を見込む。トヨタの全固体は、「ガソリン車の完全上位互換」を狙っている。
(5)「全固体電池普及までの道筋は、日本勢と中国勢で大きく異なる。中国勢が全固体電池までのつなぎ役として半固体電池の開発や実装に力を入れているのに対し、日本勢が半固体電池を手掛けるケースはほぼない。広東省深圳市で5月中旬に開かれた中国最大級の電池の展示会。電池大手、国軒高科のブースでは自動車向けの半固体電池の周りに人だかりができていた。26年中にも大手メーカーの自動車に搭載される見込みという」
中国が、全固体電池EVを販売戦略上、大急ぎで出さざるを得ないという切羽詰まった状況にある。トヨタのようなゆとりある戦略ではない。
(6)「説明員は、「最終的な目標は全固体電池を車両に搭載することだ」と話す。同社は全固体電池で2ギガ(ギガは10億)ワット時の生産ラインをすでに完成させた。硫化物固体電解質など部材の生産拡大を通じて将来的に、全固体電池のコストを1ワット時あたり1元と現状から大幅に下げる目標も掲げる。
中国勢が半固体電池にも取り組むのには「短期間で新製品を出し続けなければ国内の過当競争に負ける」(国内電池会社)という背景もある」
中国勢が、半固体電池にも取り組むのには「短期間で新製品を出し続けなければ国内の過当競争に負けるという、下剋上的要因を含んでいる。技術的に十分に練られたものか不明である。


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