韓国社会は、与野党の対立が激しく常に陰謀論がまかり通るほどである。それだけに、選挙管理委員会の公正性と信頼が最も重要である。今回の地方統一選では投票所で投票用紙が不足して有権者を何時間も待たせる事態が起った。しかも、野党候補が有利な選挙区で投票用紙不足が起ったとされる。選挙管理委員会の信頼性が大きく損なわれた。
『朝鮮日報』(6月4日付)は、「投票用紙不足で投票中断、大半は野党優勢の選挙区…まともな選挙とは言えない 韓国統一地方選」と題する記事を掲載した。
ソウル江南地域など複数の投票所で投票用紙が足りなくなり、投票が中断するというあり得ない事態が発生した。
(1)「同日午後にソウル市松坡区などの投票所を訪れた有権者は選管の追加で印刷した投票用紙が到着するまでかなりの時間を待機するしかなかった。ある地域では投票終了3時間が過ぎても投票用紙が到着せず、多くの有権者が参政権を行使できず引き返し、また地上波放送3社の出口調査が発表された後も投票が行われるケースもあった。野党は当然「開票中断」を要求した。テレビで各候補者の得票率が報じられる時間に投票所では投票が行われるような選挙が正常と言えるだろうか」
投票用紙を「節約」して不足するという、あってはならない事態を引き起した。韓国では、選挙のたびにトラブルを引き起している。
(2)「一部の投票所で投票用紙が足りなくなった理由について選管は、「投票率が想定以上に高かったため」と説明したが、これは到底納得できない。60%よりも少し高いくらいの投票率で投票用紙が足りなくなったという説明に誰が納得するだろうか。全ての有権者が投票する前提で投票用紙を準備するのが常識ではないのか。韓国はいまだにこの程度の国なのか。この深刻な事態について多くの国民は選管の発表ではなくカカオトークなどのSNS(交流サイト)を通じて最初に知ったという。選管は意図して問題を隠蔽(いんぺい)しようとしたのではないか」
投票用紙を節約するという、「前代未聞」のことが引き起された。少し多めに印刷しておくのが常識であろう。
(3)「今回、どれだけ多くの有権者が投票を諦めたか確認は不可能だ。21世紀の大韓民国は投票用紙がなくて投票ができない国なのか。有権者に与えられた参政権はたとえ1人でも保障されなければならない。今回の問題は国民の参政権が集団で妨害されたようなものだ」
有権者は、「神様」のはずである。現実は長時間、待たされてしびれを切らした帰宅してしまった有権者も多いという。投票の権利を奪ったことになるだけに、選挙管理委員会委員長は辞任するほどの責任を痛感すべきだ。
(4)「ドイツでも2021年の統一地方選挙で、投票用紙の不足と誤配布がベルリンで発生した。当日ドイツの連邦憲法裁判所はずさんな選挙管理を理由に全国での再選挙を命じた。厳正な選挙管理と公正な参政権の保障は民主主義の根幹だからだ」
ドイツでも2021年に、今回のような事態を引き起し、連邦憲法裁判所から全国での再選挙を命じられている。こういう例があるのだから、韓国選管も慎重になるべきであった。
(5)「選管は、前回の大統領選挙で投票用紙をざるに入れて運び、すでに記票された用紙を有権者に配布した。各党から出された監視員がいない状態で投票用紙を投票箱に入れるケースもあった。選管では縁故採用や金品授受がまん延している事実も明らかになった。今回は投票用紙不足という想像の域を超えた事態が起こった。投票用紙が、足りなかった地域の多くは野党が優勢とされていた。これは偶然だろうか。もし共に民主党が優勢な地域で同様の事態が起こっていればどうなったか考えなかったのか。こんな選管であれば廃止を求める世論が当然起こってくるだろう」
韓国選挙管理委員会は、政府から独立した組織となっている。職員採用も独自で行っている。この結果、縁故採用が多く問題を起こしてきた「札付き」である。建前は、政治から独立であるが、現実は「革新派」の牙城とされている。選挙の中立性維持の上で大きな問題を抱えている。


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