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日本は4月、約20ヶ国を対象に武器輸出の規制を撤廃した。これに伴い操縦方法やメンテナンス知識を輸出先へ提供する目的で、「防衛公社」(仮称)設立構想を進めている。独立行政法人形式である。自衛隊OBなどを採用する。

 

日本製武器は、高性能で耐用期間が長いことで高い評価を得ている。中国製武器は,性能が悪く部品供給も遅れがちとされる。こうしたことから、日本製武器への期待が大きい。「防衛公社」が設立されると、日本製武器輸入希望国がさらに増えるとみられる。輸出対象国は、主としてASEAN(東南アジア諸国連合)になろう。安全保障体系に日本製武器が組込まれ、エネルギーは日本の「POWER Asia」(100億ドル支援)によってASEAN各国が網羅される。ASEANにおける日本の役割が、一段と大きくなる局面を迎える。

 

『ロイター』(6月10日付)は、「装備の生産基盤強化へ『防衛公社』の設立検討、武器輸出も支援=関係者」と題する記事を掲載した。

 

防衛装備の生産基盤強化や輸出促進を国の監督下で一体的に実施するため、政府が新たな法人「防衛公社(仮称)」を設立する方向で検討していることが分かった。独立行政法人のように国の業務を効率的に行う外部組織が念頭にあり、安全保障の急速な変化に迅速に対応できるようにする狙いがある。年末に改定する国家安全保障戦略などの「安全保障関連3文書」に方針を盛り込み、来年の通常国会での関連法の整備を目指す。

 

(1)「複数の政府関係者によると、公社は装備品の生産工場を管理したり、民間と共同事業体を組んで生産・技術基盤を強化したりする主体となる。日本の防衛産業はこれまで、平時を前提に生産基盤を構築してきた。政府は今後、戦闘を継続する能力(継戦能力)を保持するため、有事を前提に弾薬や無人機など装備の量産体制の整備や人材の育成・確保に注力する構えだ」

 

防衛公社は、防衛装備品の生産工場を管理したり、民間と共同事業体を組んで生産・技術基盤を強化したりする主体となる。本格的な防衛産業の育成である。

 

(2)「関係者の1人は、「独立行政法人という形になるかもしれない」と述べ、法人の形態を含めて詰めの検討を進める考えを示した。国よりも意思決定が迅速で、資金の融通も自由度が高まる。人事異動の多い省庁に比べ、専門的な人材を集めやすい利点もある。政府は4月、防衛装備移転三原則の運用指針を改定。これまで救難・輸送・警戒・監視・掃海の「5類型」に限ってきた輸出品目の規制を撤廃し、ミサイルや戦闘機など殺傷能力のある武器を含むすべての装備が輸出可能となった。公社はこうした品目の輸出を促進するため、他国からのニーズの把握やプロモーション、資金調達など多岐にわたる業務を担う可能性がある」

 

防衛装備品の管理では、高度の専門知識が要求される。こういう専門家集団を組織・管理するには、柔軟は公社組織が必要なのだろう。

 

(3)「前出の関係者は、「防衛省が公社設立に向けた準備を担っている。安保3文書改定の目玉の一つだ」と説明した上で、新たな法人を作るための法整備が必要になるとし、「来年の通常国会で審議することになるだろう」と話した。また、政府与党内では、国が工場・設備を取得し、生産や施設管理を民間に委託した上で安定的な装備生産につなげる「国有施設民間操業(GOCO)」の検討が進む。公社がGOCOの主体として施設管理を担う構想もある、とこの関係者は述べた。防衛省の担当者は「まず与党内の合意や予算獲得が必要で、方針が決まっているとは言えない」とした」

 

国有施設民間操業(GOCO)」の検討が進んでいるという。国有の武器製造施設を民間が操業するシステムだ。防衛公社が、この施設管理を担う案も出ている。これは、小規模民間企業の防衛装備品製造を、国有施設にして民間操業に託す狙いであろう。戦後の防衛関連企業は多岐にわたったが、採算が取れず廃業したケースも多い。こういう技術を温存する必要がある。

 

(4)「自民党で安保3文書改定に向けた提言の取りまとめを担う小野寺五典・元防衛相はロイターの取材に、公社設立は最終決定ではないとしながらも、装備移転の際には移転先との調整や企業とのマッチングなど様々な調整が必要になると説明。「仲介をする専門的なところが必要だ」と強調した。装備を移転する際には、現地での使用方法の説明や整備なども必要になるとも述べ、「自衛隊が直接やるのではなく、別の機関が例えば自衛官のOBなどを採用し、その人たちが操縦やメンテナンスの仕方を教えていくこともセットでやらなければならない」と語った」

 

武器輸出は、日本製武器が多くの国に採用されることで、武器性能の劣る国家の侵攻を抑止する効果が期待されている。ASEANが一番、求めているのは抑止力の引上げである。日本製武器がこれに役立てば、平和維持機能を担うことになる。