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米国は、太平洋地域での軍事体制を大きく組み替えようとしています。目的は明確で、中国を抑えるための新しい軍事ネットワークをつくることです。これまで米国は、二国間同盟を中心にしてきましたが、今は複数の国が同時に協力する「多国間の軍事ネットワーク」へと移行しているのです。韓国は、この流れの中で参加するのか、距離を置くのか、はっきりした判断を迫られています。

 

韓国が、多国間の軍事ネットワークに対して態度をはっきりさせない理由は、中国を刺激したくないということにあります。ここで参考になるのは、北欧三国(ノルウェー・スウェーデン・フィンランド)の対ロ戦略です。ロシアのウクライナ侵攻でハッキリと危機を悟りNATO(北大西洋条約機構)へ加盟して、「ロシアの牙」から逃れる戦略を選びました。北欧三国の対ロ戦略は、韓国が学ぶべき「現実的なモデル」になります。

 

北欧三国の例が示すのは、曖昧戦略の限界でしょう。ノルウェーは、長年「対ロ中立」だったが、 ロシアのウクライナ侵攻で即座にNATO強化へ舵を切ました。フィンランドは、ロシアとの歴史的な緊張関係にありますが、侵攻後は迷わずNATOへ加盟。スウェーデンは、伝統的中立国だったのですが、安全保障の現実を見て中立を放棄しNATO入りを果しました。

 

北欧三国の共通点は、曖昧戦略が「平時には有効」ですが、「軍事大国が動いた瞬間に無力化」し、最終的には「安全保障は価値観ではなく現実で決まる」という厳しさを見せつけました。韓国はまさにこの状況に近づいているのです。韓国が、曖昧戦略を続ければ「北欧の逆コース」になるでしょう。

 

米国は、なぜ韓国を外した戦略が組み立てられているのでしょうか。

 

韓国が、米中間で「曖昧戦略」を続けているからです。韓国は、米国との同盟を維持したい。しかし、中国との経済関係も壊したくないという二重構造のため、軍事協力の場面で「明確な意思表示」を避ける傾向があります。米国から見ると、これは「信頼できるパートナーかどうか判断しづらい」という評価につながります。その結果、米国は韓国が参加しなくても動ける多国間ネットワークを優先し始めたわけです。

 

日本・豪州・フィリピンなど、明確に対中姿勢を取る国が増えたことも「韓国抜き」の動機になっています。米国は中国を抑えるために「多国間の軍事ネットワーク」を急速に拡大しています。日米豪のF35合同訓練、日米豪の軍需支援協定、キルウェブ構想(第1列島線の防衛網)などです。これらはすべて、韓国抜きで進んでいるのです。理由は単純で、日本・豪州・フィリピンは対中姿勢が明確で、米国が接しやすいからです。

 

韓国が沈黙している間に、米国は「韓国の領土を使う構想」まで進めています。これは、韓国を舞台にした軍事構想です。多領域任務部隊(MDTF)の韓国配備案もその一つです。MDTFは、宇宙・サイバー・電子戦・ミサイル・情報戦を一体化して運用する「統合攻撃チーム」です。この部隊を韓国へ常駐させるというのです。なぜ韓国配備が議論されているのかと言えば、韓国は地理的に、中国東北部、黄海、北朝鮮、日本海に近く、MDTFの活動にとって非常に重要な位置とされています。

 

米軍は、「韓国が曖昧なので、韓国の領土を使う構想だけ先に進める」という姿勢になっています。韓国が決断しないため、米国が韓国抜きで戦略を組み、必要な時だけ韓国領土を使うという歪な構図が生まれているのです。

 

韓国が、今後も曖昧戦略を続けるとどうなるか。米国は、韓国抜きで軍事ネットワークを構築します。韓国の領土だけが使われ、韓国は意思決定に参加できないのです。また、日本・豪州・フィリピンが第1列島線の中心となるので、韓国は安全保障上の「空白地帯」になります。これは、北朝鮮・中国・ロシアからの軍事圧力が韓国に集中することを意味します。韓国は、現状において米国から「外されるか、引きずられるか」の二択に追い込まれているのです。曖昧さがもたらす政治的危機になります。韓国は、早く自主性を発揮すべき時期に来ているのです。