外為市場のドル円相場は、ジリジリと円安が進み、159円台まで戻している。内外メディアは一斉に、「また、介入か」と囃し立てている。だが、米商品先物取引委員会(CFTC)IMM円ポジションの最新データ(8月11日現在)が発表されて、基調は大きく変っていることが判明。円売りの「勇み足」が今後、どう動くのか注目されている。
IMM円ポジションの投機円売りは8月11日現在、ネット円ポジションで前週比4万2085枚の減少となった。実に、約12万枚の「売り方減少」で歴史的な巻き戻しが始まっている。日米協調介入という滅多に起らない事態を軽く見て、「売り続行」とは行かなくなっているようだ。警戒心が出ているのだろう。
7月末の「歴史的円売りピーク」から、急速な巻き戻し(円売り手仕舞い)が起っており、円売りの勢いは、完全に鈍化した。円売りトレンドは、「終盤」から「反転初期」へ動き始めている。IMMロング・ショートの内訳は、次の通りである。
ロング(円買い) 134188枚(前週比 +32917)
ショート(円売り) 176273枚(前週比 -88410)
円買いが増えており、円売りは減っている。通算すると、まだ円売り投機が円買い投機を3割上回っている。投機筋は、「円売り優勢→中立に近い状態」へ移行している。投機筋の円売りは、「ピークアウト確定」が確定した。
実需筋の円ポジションは、+15万8025枚(極端な円買い越し)で、前週とほぼ同水準で「強い円買い」を維持している。実需筋は、逆張りで円買いを積み増している。投機筋の極端な円売りに対するヘッジである。中長期の反転シグナルとしては、非常に強い買いシグナルになっている。
CTA(プログラム売り)モデルの円売りシグナルは、ドル円で159円台(前週比−4円弱)に止まっている。円売り上昇トレンドは、鈍化している。こうして、CTAの円売りシグナルの弱体化は明白となった。円売り圧力が弱まった理由は、次の点にある。
IMMショート(円売り)が急減(ピークアウト確定)し、実需筋の円買いが極端に増えていることで警戒を強めているのだ。日米協調介入による牽制、日銀の追加利上げ観測(9月)、米金利ピークアウト観測(消費者物価の落着き)が影響している。CTAはまだ円売りだが、トレンドは「最終局面」にある。こうして、円売り投機は「ピークアウトから反転初期」へ向っている。日米協調介入で、円売りの投機の流れは遮断されたことは間違いなさそうである。
『ウォール・ストリート・ジャーナル』(8月11日付)は、「円買い介入、近くまた必要か」と題する社説を掲載した。
日米両政府が最近、円相場の安定を図るべく協調介入に踏み切った際、その効果が長続きしないことは明白だった。案の定、円は再び下落基調に入っており、新たな対応策を講じる時期に来ているのかもしれない。
(1)「日本銀行と米財務省が協調して数百億ドル規模の円買い・ドル売り介入を実施したことで、1ドル=164円近辺と40」年ぶり安値まで落ち込んでいた円の下落に歯止めがかかった。介入直後、円は156円近辺まで持ち直したものの、10日時点では再び160円台に向けて下落している。為替市場では、当局の強力な介入措置が投機筋をけん制しているように見える。しかし、日本で抜本的な政策転換がなければ、どのような介入であろうと円を無期限に支え続けることはできない」
15日夜間、ドル円は159円台である。介入効果を疑問視している様子がありありとわかる。だが、IMMポジションやプログラム売りのCTAの動きは、159円で止っている。CTAは、自動的プログラムなので、事態が急変しない限り、このレベルで小浮動するのかも知れない。相場の転換点で、CTAがどう動くのか興味深いのだ。


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