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中国の政府系メディアが、日本に対して「レアアース覇権」を強調する記事を掲載した。一方で、日本の脱中国化は進んでいることを認め「弱気」も見せている。ただ、「重レアアースは中国が支配している」と強調するが、日本の対抗策は着々と進んでいる。具体的には、次のような手段である。

 

米国は、重レアアースの分離設備を増強中である。豪州が、重レアアース分離ラインを建設している。日本は、国内でリサイクル技術で重レアアース回収を拡大している。フランスは、日本技術支援で精錬とリサイクル事業が26年末に稼働させ、対日輸出する手はずが整っている。つまり、中国の「最後の牙」が抜かれつつある。こういう、中国にとって不都合な事実は伏せられた「大本営発表」記事である。

 

情報源の『観察者網』は民間を装っているが、実態は中国の対外宣伝機関の「準公式メディア」である。特徴は、日本・米国に対して「弱体化」「失敗」を強調する。中国の「長期的優位」を誇示。国内向けに「中国は強い」「日本は困っている」という物語を掲載している。実務的な数字は曖昧で、都合の良い部分だけを強調する。今回の記事は、その典型である。

 

『レコードチャイナ』(8月31日付)は、「日本のレアアース代替計画、十数年の努力が無駄に?―中国メディア」と題する記事を掲載した。

 

中国のニュースサイト『観察者網』(8月28日付)は、「数十年が無駄に?日本のレアアース代替計画はなぜ『お流れ』になったのか」との記事が掲載された。

 

記事は、中国が日本へのレアアース輸出規制を始めてからすでに8カ月が経過したと言及。「2026年1~6月に日本が輸入したジスプロシウムはわずか13トンで、規制前の24年同期から82%も激減した。酸化イットリウムも204トンと74%減少している」とし、「日本製造業の首にかかった『ひも』は、徐々に締まっているようだ」と指摘した。

 

(1)「その上で、「日本は2010年のレアアース供給危機をきっかけに『脱中国化』を進め、政府は1000億円の追加予算を投入。海外鉱山への投資、戦略備蓄、リサイクル、使用量削減、代替材料の開発という5つの対策を打ち出した。豪州のライナスへの巨額投資や、ベトナム、インドとの協力などを進め、対中依存度を90%から60%程度まで低下させた」とした」

 

日本のレアアース対策が、効果を発揮し始めている。8月から55ヶ国が参加する「重要鉱物特恵市場」が稼働しているが、参加国の具体名は伏せられている。中国の妨害を阻止するためだ。中南米鉱山国が、一括して日本の化学的精錬法を導入して精錬を開始する方向である。米州開発銀行が仲介しており、26~27年に正式決定の見込みだ。要するに、化学的精錬法によって、雪崩を打つように「脱中国化」が始まっている。

 

(2)「一方で、「今回の中国による輸出規制でその実態が露呈することとなった」とし、「豪州やベトナムなどが供給できるのは主に軽レアアースで、ジスプロシウム、テルビウム、イットリウムなどの重レアアースは依然として中国への依存度が高い。輸入量全体で見れば中国の比率は下がっていても、重要な重レアアースでは中国が圧倒的な支配力を持っている。つまり、統計上の『60%』にはカラクリがあったというわけだ」と主張した」

 

中国は、日本国内のレアアースリサイクルと国内精錬を見落している。化学精錬法によって、無公害精錬法が実現した。中国は、公害垂れ流しである。日本の無公害・高品質な精錬法が、「垂涎の的」である。輸入統計に出ないレアアース製品が、日本国内で増えているのだ。

 

(3)「また、「問題は採掘だけではない」とし、「中国は重レアアースの分離・精製能力でも圧倒的な地位を占めている。レアアースは分離・精製が非常に難しく、中国が1970年代から技術開発を進め、現在では関連特許も世界の81%を占めるとされる。海外で鉱石を採掘できても精製できなければ、それは『使えない石』にすぎないのである」と論じた」

 

日本の化学的精錬法について、全くの無知をさらけ出した記事である。

 

(4)「さらに、「日本は海底のレアアースにも期待を寄せ、南鳥島周辺の海底に大量の資源が眠っているとして、2027年2月から大規模な採掘試験を始める計画を掲げている」と紹介しつつ、「しかし6000メートル級の深海で大規模商業採掘を成功させた例はなく、コストも陸上採掘の数倍に達する。その上、日本には重レアアースの精製能力がなく、完全な国産化には少なくとも10年が必要とされる」と指摘した」

 

試験的採掘が、27年から連続的に行われる。すでに今年に技術的採掘法を確認している。南鳥島から日本へ運び化学的精錬法で行う手はずである。高品位で、中国陸上採掘の20倍とされている。それだけ、生産コストが切下げられる。日本政府は、7000億円の予算を計上して商品化への意気込みを見せている。

 

(5)「記事は、「結局、日本の脱中国対策で最も現実的だったのは『とにかく備蓄する』ことだった。日本は戦略的な備蓄を60日分から180日分へ増やしており、こうした備蓄が日本の製造業を現在まで『延命』させている。それでも、9割以上の日本製造企業が少なくとも1種類のレアアース関連材料で十分な供給を確保できておらず、平均調達充足率は68%にとどまる」と述べた」

 

この記事は、全く根拠のないものだ。国内のリサイクルと精錬を見落している。化学的精錬法は、中国と違って無公害であるのでどこでも精錬可能である。

 

(6)「そして、「『残念』なのは時間が日本の味方ではないことだ」とし、「在庫がどれだけ多くても、海底の泥がレアアースに変わるまで持ちこたえることはできない」と指摘。「中国はじっくり待てる。1年でだめなら2年、2年でだめなら3年。日本の戦略的備蓄はいつか必ず使い果たす日が来る。その時、また会おうではないか」と皮肉を込めて記した」

 

2030年に、中国のレアアース覇権は終わる。外交威圧には、使えなくなる。「その時、また会おうではないか」は、日本が言う台詞である。