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ラピダスは、来年度後半から世界最先端半導体「2ナノ」量産化を開始する。地元の千歳市は、これに合わせてNTTの開発した光電融合通信「IOWN(アイオン)」とラピダス半導体を使って産業振興に取組む。

 

自動運転、フィジカルAI、自然環境モニタリング、半導体・AI人材育成、産官学連携、再エネ利用、産業横断データ連携基盤などの構築である。これらはすべて、IOWNの光電融合アーキテクチャを基盤にしている。千歳市は、「IOWNの実証都市」ではなく「IOWNの本番都市」になる。日本のAI・半導体覇権の「モデル都市」だ。

 

このように千歳市を舞台にして、IOWN×ラピダスを使い「日本の新しい産業国家モデル」が、地域レベルで動き始める。これは、単なる地域振興ではなく、日本が世界の半導体・AI覇権の中核を握る目的で始める壮大な構造の一環だ。本格的な人口減を迎える日本が、先進国として「起死回生」モデルを世界へ問うものになる。人型ロボット導入基盤づくりも大きく寄与する。

 

今回の構想は、IOWNが「都市インフラ」でなく、「産業インフラ」として活用する目的が課されている。これは、NTTが構想してきた「オール光ネットワーク×分散AI×半導体」の三位一体モデルが、現実の都市で実装段階に入ったことを意味する。なぜ千歳市なのか。ラピダス×産総研×IOWNの三位一体が成立する唯一の都市であることだ。具体的には、次のような条件を備えている。

 

ラピダスが、2ナノ・ロジック半導体の量産拠点であり、産総研の光電融合研究拠点である。冷涼な気候でデータセンター冷却に最適である。また、再エネポテンシャルは全国1位であり、泊原発再稼働で電力供給が安定している。国際空港が隣接しており、IOWNの光ネットワークを敷設しやすい地形である。千歳市は、「半導体×AI×光ネットワーク」の三位一体を世界で最も実現しやすい都市になる。

 

『日本経済新聞 電子版』(9月3日付)は、「IOWN活用し産業振興 ドコモ系と千歳市が協定」と題する記事を掲載した。

 

NTTドコモビジネスと北海道千歳市は2日、半導体産業の振興とまちづくりに関する包括連携協定を結んだ。ラピダスの千歳市進出で半導体産業の集積が進む中、NTTドコモビジネスの先端テクノロジーを活用したまちづくりで協力する。

 

(1)「両者は、2024年度から自動運転バスの実証や千歳科学技術大学のデジタル人材育成などで協力してきた。包括連携を通じて千歳市とはNTTの次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」などを活用して人工知能(AI)などの先端技術を利活用した産業振興を進める。千歳市は25年2月に市の将来ビジョンを公表し、ラピダス進出を背景に「テクノロジーにより暮らしが向上するまち」などをコンセプトとした。半導体産業の集積を契機に先端技術を活用したまちづくりを進めていく方針を示している。包括連携を通じて地域基盤の整備や産業振興、人材育成などで協力していく。同市は「AINativeCity」を目指しており、横田隆一市長は「技術面、事業面、産学官連携の面から力強いパートナーとしての役割を大いに期待する」と話した」

 

日本は、通信網から分散AIまでフルスタックを握る、世界でも希有の存在である。これによって、分散型AI国家モデルを構築する。日本の強みがここにある。世界が、まだ気づいていない日本の覇権構造だ。特に重要なのは、IOWNが「国家インフラ」として半導体産業と直結したことである。ラピダスが、高性能半導体を開発することによって、都市構造を変えるほどの核になっている。日本は、都市レベルでAIネイティブ化を始める。

 

千歳で起きていることが、日本という国家のOSを根本から書き換えるであろう。IOWNが全国の産業インフラになると、IOWN(オール光ネットワーク)が2035年までに札幌、仙台、つくば、名古屋、大阪、福岡、熊本(TSMC)、四日市(キオクシア)、横浜(AI・自動運転)など主要都市に敷設される。これらは、通信網でなく産業基盤として機能する。分散AIが、つぎのように都市の標準機能になる。自動運転、医療AI、防災AI、物流AI、産業データ連携、教育AI(大学・高専)が、「都市の標準装備」になる。ラピダス半導体が、「全国の都市構造」を変えるのだ。

 

このひな形は,トヨタ自動車が静岡県裾野市で行っている実験都市「Woven City」にみられる。IWONとラピダスを想定した都市づくりだ。都市設計の構造・技術要件・将来拡張性を読むと、IOWNとラピダスを前提にしていなければ成立しない都市構造になっている。