国連が、2024年にまとめた「中国で生まれ、現在海外に居住している人口」の統計データによると、中国で生まれた人が最も多く暮らしている海外の国は米国で2489万9000人。日本が2位で81万人である。3位はカナダで77万2000人である。このデータは、何を示しているか。日本への移住者が、米国とカナダの間にあることは日本を完全な西側社会と認識しているのであろう。距離的にも短いことが、中国を離れても「安心感」を与えているのであろう。
『レコードチャイナ』(8月31日付)は、「中国人の移住先、日本がなんと2位? 中国ネット『データはうそをつかない』」と題する記事を掲載した。
中国のSNS『小紅書(RED)』(8月27日付)は、「中国人の移住先で日本がなんと米国に続く2位?」との投稿があり、反響を呼んだ。
投稿者は、「どうしてこんなにたくさんの人が日本に行くのか。アメリカが一番多いのは、みんな知っているし言うまでもない。でも、それに次いで日本が来るとは本当に思ってもみなかった。それもかなりの人数だ」と驚きを示した。その上で、ネット上で知り合った日本人女性が「(日本で生活する中国人は)確かに多い。みんな割と(一部の地域に)集まって住んでいるから、一人見かけると大勢見かける場合もある」と話していたことを紹介した。
(1)「この投稿に中国のネットユーザーからは、「日本は環境がいいからな。金持ちはきれいな空気を吸いに行きたいのだろう」「日本は近いし、主食がコメだし、生活に適応しやすい。渡航費用も安いしね」「日本はオーストラリアやカナダや英国と比べたらよっぽど良い」「日本に行くのは、アジア圏で文化になじみやすいからじゃない?」「日本は生活コストもそんなに高くない」「日本は移住のほかに留学とかも多いのでは?」といった声が上がった」
日本は、アジアであるから生活習慣も大きく変るはずもない。その意味では、緊張感は少ないであろう。
(2)「また、「(中国人が)より厳しく罵倒する国であればあるほど、その国に行く中国人は多くなる」「移住するような人は(相手の国を)罵倒しないだろうけどね」「賢明な人はみんなアメリカに移住するんだ」「だからデータはうそをつかない。中国人は非常に抜け目がない」「中国人は上流階級と中流階級は賢い。下層は愚か」「アメリカと日本には旅行に行く人も多い」「これっぽっちで何を大げさな。数億人が移住しているわけでもあるまいし」「逃げられるのはエリートだけ。数億人は移住したくてもできないだけ」といったコメントも寄せられている」
「逃げられるのはエリートだけ」という言葉は、羨望が入り交じっている。祖国を出て他国へ住むというのは、仕事を別とすれば、相当の勇気がいる。その背中を押す物は何か。政治への不信感であろう。中国のSNSでは、そういう本音は語れない。
『レコードチャイナ』(9月3日付)は、「日本旅行が好きな理由を考えてみた=中国ネット『中国に99%完勝』『真面目な人に優しい場所』」と題する記事を掲載した。
中国SNS『小紅書(RED)』に、「なぜそんなに日本旅行が好きなの?」と題する投稿があり、反響が寄せられた。
投稿者は、表題について「この質問は、今回私が日本旅行に行く前に同僚にされたものだ」と説明し、「これには一瞬返答に詰まった。確かに私はよく考えたことがなかった。飛行機内でネットにアクセスできない時間を利用して、この問題にきちんと回答してみたい」とつづった。
(3)「その上で、日本旅行の良いところを4点列記した。1点目は「副流煙がない」ことで、「日本では喫煙スポットに近づかない限り、路上でたばこのにおいをかがされることはない。もちろん、中には路上喫煙をしている日本人もいるが、基本的にはみんな喫煙所で吸う。(中国)国内のように道のそこらじゅうで吸っているなんてことはない」とした。2点目は「清潔」で、「これは範囲が限定される。新宿や渋谷、心斎橋といったにぎやかな場所ではごみが散乱していることもある。だが、山や川、田舎の道路など基本的にごみは見当たらない」と記した」
日本では、路上喫煙を禁じられている。だから、たばこの吸い殻を投捨てる人もいない。これが習慣になると、禁を破るには相当の勇気がいる。周囲の「同調圧力」で押し潰されるからだ。中国旅行者は、日本の「ここを」嫌いという指摘も多い。中国で「放縦」に生きてきた人は、「日本批判派」になる。
(4)「3点目は「静か」で、「この点は一人旅行にとても優しい。国内の高速鉄道や地下鉄は時々うるさい(私も気持ちがたかぶると声が大きくなるので理解はできる)。もちろん、静かである反面、抑圧的。だからこの長所は欠点でもある」と述べた。4点目は「人が少ない」で、「海外で人が多いと言われる場所は、ほぼ国内の日常的な人の量だ。そのため、海外で人が少ないと言ったらそれはもう(中国の感覚では)本当に人がいない。中国の祝日に旅行するなら目的地は絶対に国内にはならない(人が多すぎるから)」とつづった」
日本の良さに、「人の少なさ」を挙げる例は極めて多い。「一人になりたい」は、かなり教養度の高い人であろう。中国社会は二派あって、大騒ぎが好きというグループと、静寂さを求めるグループが存在する。やたらと「爆竹」を好む人達は、確実に減っている。中国社会の底流が変りつつある証拠だ。


コメント
コメントする