日本は技術覇権国へ成長
30年に800兆円接近
プラスサム社会が実現へ
貿易構造は抜本的な改善
日本では、国債といえば「赤字財政」と連想されるほど厄介もの扱いになっている。この日本国債が、海外では高い人気を得ているのだ。この内外の「認識ギャップ」差は、どこから生まれているのか。国内では、日本経済に対する認識が相変わらずの「失われた30年」という後ろ向きから脱却できずにいる。日本経済の飛躍など、問題外という認識だ。出生率の低下と高齢化の進行によって、日本経済は「自然死」するのでないかと恐れられている。これが、日本経済悲観論の原点である。
失われた30年の間に、将来を見据えた技術開発が進んでいる。その一つが、「フィジカルAI」である。人型ロボットを自在に動かすのは、分散型フィジカルAIを実現する「2ナノ半導体」が不可欠である。中国の人型ロボットが、「走って踊る」いる以上に進化できないのは、先端半導体が5ナノ程度(米国製)に依存している結果だ。日本は、ラピダスが27年度後半から「2ナノ」半導体を出荷する。しかも、現在の主流であるクラウドでなく、現場で情報処理する「分散型フィジカルAI」である。むろん、世界初だ。
この分散型フィジカルAIは、日本の労働力不足を解決するという「社会的命題」に合せたもので、すべての既存機械へ装着可能な「機器」になる。半導体という「部品」から、一段飛躍した機器化することで付加価値を高め、社会実装を早める目的である。これに連動して、NTTの開発した次世代通信網「6G」の「IOWN(アイオン」が、光電融合という世界初の技術的領域を切り開いた。このIOWNと分散型フィジカルAIが接合することで、人型ロボットは実用化段階を迎える。
中国の人型ロボットは、ただの「遊戯用」に過ぎず、実用化からほど遠いのが実態だ。日本国内では、こういうオモチャの人型ロボットを見て、「中国は進んでいる。それに比べて日本は」という理由なき悲観論を強めている。これは、完全に理由なき悲観である。中国の高級ロボット部品は、日米から輸入しているほど。日本は、安全性第一で商品化を見送っているだけである。
レアアース(希土類)では、これまでの精錬法が粗雑で環境を破壊してきた。日本の発明した化学的精錬法は、こういう問題を全て解決した高い環境親和性によって、世界の標準技術になった。分散型フィジカルAIやIOWNの製造過程では、高純度の部品が必要になる。その材質は、化学的精錬法だけが可能にする。つまり、日本は化学的精錬法という基盤技術によって生み出す高純度素材が、フィジカルAIやIWONを一段と高品質化させるという好循環を描くのだ。
日本は技術覇権国へ成長
冒頭の国債問題に話題を戻すと、海外での評価は極めて高い。日本に対する評価が、「技術覇権国」という見方をしているからだ。日本国内の評価は、財政赤字で「ヨロヨロ」という低い評価だが、海外評価は完全に国内評価基準と異なっている。
ベルギーは、表面的に「日本国債の主要保有国」である。実態は、ベルギーそのものではなく、ベルギーが「ユーロクリア(Euroclear)」という世界最大級の決済保管機関の所在地であるため、世界中の投資家が「ベルギー名義」で日本国債を保有する形になっている。ベルギーが、日本国債を買っている国でなく、世界の投資家の「保管場所」として数字が膨らんでいる。常時、20~30兆円の保有高になっている。
実際に日本国債を買っている機関はどこか。
1)欧州の年金基金
特に、オランダ、ドイツ、北欧(ノルウェー、スウェーデン)の年金基金が、「安全資産としての円」を評価して日本国債を買っている。
2)中東の政府系ファンド(SWF)
サウジ、UAE、カタールなどのSWFが原油収入の一部を円建て資産に分散している。理由は、円が「地政学的に中立な安全通貨」であるとみなしている。
3)米国の機関投資家
米国の保険会社・年金基金は、米国債のボラティリティ(変動率)が高まる局面では、「円建て債券+ヘッジ」が安定運用として機能する。
上記の機関が、日本国債を保有しているが、「為替ヘッジ付き」である。これによって、日本国債を保有すると、欧米国債よりも1%ポイント程度高い利回りが期待出来るという。日本国債は、安心できて高利回りという極めて恵まれ投資対象になっている。
海外の機関投資家が、日本国債を積極的に購入している理由は、技術覇権国というだけではない。日本国債は、「世界最強の安全資産の一つ」という評価である。海外投資家は、日本国債を次のように見ている。
1)デフォルト確率が極端に低い
米国債と並ぶ「安全資産」である。むしろ政治リスクが低い分、米国債よりも日本国債の方が安定的と見る投資家もいる。
2)円は「地政学的に中立な安全通貨」
ドルは軍事通貨、ユーロは政治通貨、人民元は統制通貨である。円は、そのどれでもない中立性が持ち味である。中東・欧州の年金基金が、円を好む理由はここにある。
3)日本の対外純資産が世界最大規模
2025年は、3兆6837億ドルで世界3位。それ以前は常時、1位を維持していた。これは、「国の信用力」を測る最強の指標である。海外投資家はここを必ず見る。
4)日本のインフレ率が低く、通貨価値が安定
長期投資家にとっては「価値保存通貨」として魅力が高い。
5)日本国債市場は巨大で流動性が高い
売りたいときに必ず売れる。これは安全資産の必須条件である。
このように、日本国債が高い評価を得ている。さらに、2030年という「至近距離」に照準を合わせると、次のような評価が可能となる。
1)日本国債は世界の技術大国の安全資産。
2)米国債と並ぶ二大基軸債券。
3)円は技術通貨として安定。
日本に対して、失われた30年という過去のイメージで捉えることが、どれだけ間違いであるか。海外の日本国債への高い評価が、それを示している。
30年に800兆円接近
日本国債が、国際的な高い評価を受けるであろうという予測は、IMF(国際通貨基金)による日本の名目GDPが毎年、20兆円規模で拡大して行くという確実な推計に裏付けられている。IMFの最新推計では、2026~30年までの名目GDPを次のように行っている。(つづく)
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コメント
小生、半導体価格の暴騰で絶滅危惧となっている自作パソコンを三十年近く趣味としておりましたため、「半導体メーカーの公式発表は信を置くに値せぬ」が原則と考えております。
製造されたチップが市場に出て、ユーザーや企業の実働に供されて初めて、その価値と真価が明らかになる、という実体験に基づいた考えです。
ために、ラピダスの2nm半導体もIOWNも、現物が実際にユーザーの元で実働しない限り僅かな信すら置けないと考えております。
どれほどのものが出るか、どれだけやってくれるかワクワクしながらニュースを追いつつ、実働での評価が全てであり、広く市場と実働の洗礼を受けていない品には意味も価値も無い、との突き放した見方です。
両者には、世界を変えてしまうほどの「とんでもねえ物が出てきた!」を期待しつつ、市場やユーザーの期待に添わない物だった場合の責めは自分たちで負い、他責にするなよと強く思っています。
本当に難しい物ですね、半導体という創造物は。
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