(3)「公的な記録によると、彭氏は人民解放軍において少将相当の非戦闘系文官幹部階級を保持している。2012年には人民解放軍芸術学院の院長に任命され、2017年の大規模な組織改編に伴い同学院が国防大学へ吸収統合されるまで、軍の文化人幹部に典型的な上級軍籍を維持していた。実態としてあり得るものはこうだ。ジョージ・W・ブッシュ政権下で国家安全保障会議(NSC)に在籍した元CIA中国分析上級担当官のデニス・ワイルダー氏が筆者に語ったところによれば、彭氏の実質的な任務は軍を指揮する人材の適性審査を担う幹部評価組織にあるという。「習氏は彭氏の人脈に大いに頼っている」とワイルダー氏は述べた。「習氏には彭氏が持つような人民解放軍の人脈がない」と指摘」
習夫人は、軍で実績を積み重ねているだけに影響力がある。習氏は、夫人の人脈に大いに頼っていると指摘される理由だ。軍と関係の薄い習氏が、大胆な粛清を行う情報源はどこか。それは、夫人へ行き着くのである。
(4)「ワイルダー氏の論理は単純だ。現在73歳の習氏が権力を握る以前、10歳年下の彭氏は自らの芸術団を率いて主要な軍の指揮機関を長年にわたり巡回し、宴席に出席して軍の高官らと親しくなっていった、とワイルダー氏は言う。つまり、彭氏は誰が忠実で誰がそうでないかを知っていたのだ、と。「彭氏は江青以来、中国で最も権力を持つ女性だ」とワイルダー氏は述べた。その名前には重みがある。毛沢東の妻であった江青は、1966年から1976年の文化大革命を利用して敵と見なした人々を迫害し、中国を混乱に陥れた急進派「四人組」を率いた。半世紀を経た今も、江の存在は、指導者の配偶者が権力を握るという兆しに共産党が過敏に反応する理由となっている」
女優であった江青は、演技力もたっぷり持っていたから演説の迫力は大きかった。習夫人は軍の歌手出身である。江青と同様に、交渉術には馴れているだろう。辞を低くして軍内部の情報を集める。あり得ない話ではなかろう。信憑性が高いのだ。
(5)「現在でもそれは変わらない。妻たちは儀礼的な存在にとどめ、目に見えるが害のない存在としておく。彭氏が軍の人事に関与しているという指摘だけでも、党が存在を認めたくないタブーに触れる。それが、彭氏の実際の影響力についてほとんど公にされていない理由を説明しているのかもしれない。それにもかかわらず、習氏がワシントン滞在中に頼りにしたこの女性の存在は、注目に値する。後継者が指名されておらず、信頼する助言者の輪が狭まる中、習氏が実際に頼る人物こそが、今後の展開を形作ることになる」
この最後のパラグラフは、極めて示唆的である。記事の最後の一文が核心を突いている。「後継者が指名されず、助言者の輪が狭まる中、習氏が頼る人物こそが今後の展開を形作る」。これは次の構造を示唆している。
1)党内序列4位の王滬寧(ワン・フーニン)氏は、党側に寝返っている。習氏の政治的頭脳が消えるという意味である。これまでは、習氏の「知恵袋」であった。それが今、経済危機の深刻化から、「累が及ばない」ように逃げ支度を始めているという。
2)李強・蔡奇は「忠誠の演技」だけである。彼らは、実務能力も軍人脈もないという意味だ。いわば、秘書的役割を演じてきた「イエスマン」に過ぎない。危機を救えるタイプではない。
3)軍は習氏を信用していない。粛清で敵を作りすぎた結果である。その中で、習氏が実際に頼れるのは夫人の彭麗媛氏だけ、という指摘である。これは、「権力孤立」の最終段階を示唆しているものだ。中国の政治情勢が、にわかに注目され始めている背景である。夫人が、今後の「見取り図」をどう描くか。軍首脳との取引においてどう振る舞うかである。中国経済と中国政治は、ここまで進んでいる。


コメント
他国に歴史(中国に都合よく捏造された歴史)をわきまえろと威しながら、自分達は己の歴史をないがしろにすると言う、まさに笑点の世界の話ですね。
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