勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ: 経済ニュース時評

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    韓国は、全土が反日に燃えているが、もっと深刻な問題があるはずだ。「赤ん坊」が減っており、世界で唯一「1」を切る合計特殊出生率の国家に落込んでいる。昨年の出生数は前年比8.7%減、合計特殊出生率は0.98人。今年16月の出生数も前年同期比7.7%減と減少が続いている。46月の合計特殊出生率は、さらに0.91まで低下した。この調子では、今年の合計特殊出生率は0.9を割り込む状態である。

     

    文政権は、国内での少子高齢化対策をギブアップしている。具体的な出生率目標も取り下げて「漂流中」である。早ければ2年後の21年から人口減を迎えそうだ。そこで、出てきたのが移民政策である。本格的な議論ではないが、これから現実味をもって語られる状況になってきた。しかし、国内に多くの失業者を抱えて、移民受入れ政策とは?

     

    『東亜日報』(9月7日付)は、「少子化対策、ドイツのように移民に門戸開放?」と題する記事を掲載した。

     

    少子化対策で「移民への門戸開放」を悩まなければならない時が来たという指摘が出ている。長い間、天文学的な予算を投じて様々な対策を推進したが、出産率低迷の問題は完全に別次元で解決するほかないという論理だ。激しい賛否の論議は避けられそうにない。

     

    (1)「少子化を早くに経験した先進国のうち移民を積極的に受け入れた国はドイツだ。ドイツは2011年、人口が8022万人になり、8千万人を下回る危機に直面した。これを受けて、12年8月、良質の移民を受け入れるための「高学歴者の移民を容易にする欧州連合(EU)指針」を施行した。1年後、「専門家イニシアチブ」政策という海外の優秀人材誘致制度も作った。その結果、人口と出産率がいずれも増加した。現在、ドイツの人口約8243万人うち20%にあたる約1600万人がトルコやポーランド出身だ。17年の合計特殊出生率も1.57人に増えた」

     

    ドイツでは、高学歴者の移民を受入れている。一般労働者を受入れると「言葉の壁」によって、子どもが非行化するなどの問題が発生する。

     


    (2)「韓国も移民が少なくない。法務部によると、国内の移民は昨年135万人。不法滞在者まで含めれば、さらに多くの外国人が韓国に住んでいる。韓国銀行の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁も昨年、少子化の解決策として「専門技術分野中心の移民政策を検討しなければならない」と強調した。移民政策を担当する政府組織を急いで構成し、移民受け入れのシステムを確立することが至急だという指摘もある。漢陽(ハンヤン)大学高齢社会研究院のイ・サムシク院長(政策学科教授)は、「『韓半島で暮らせば誰でも韓国人』という認識を持つよう社会の体質を変えてこそ、米国やオーストラリアのように移民政策に成功した国になれる」と指摘した」

     

    失業者の溢れている韓国が、移民受入とはおかしな話だ。韓国人の職場がさらに狭くなる矛楯した結果になろう。移民の趣旨は、労働力が不足している条件があって初めて成り立つ議論だ。文政権の逆立ちした政策(最賃大幅引上げと週52時間労働制)の生み出した高失業率が、結婚難→出生率急低下をもたらしている。移民政策の前に、文政権の退陣こそ優先課題であろう。

     

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    世の中は広い。米中関係についてもいろいろの見方があって不思議はない。これから取り上げる見解は、中国は独自の戦略に従って進むので、米国との経済関係がなくても生きられるという説である。私は、この種の見解に異論を持っている。米国と経済関係がなくても「生存」は可能だが、経済成長は不可能であろう。中国は、米国へ輸出しないでいかにして外貨を獲得するのか。中国は、世界最大の市場である米国へ輸出できる製品を持たなければ生きていけないはず。発展途上国を集めて、「お山の大将」になっても知れたもの。産業の高度化は、米国市場との関係を深めて初めて可能になるのだ。

     

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(9月4日付)は、「中国は米国なしでも生き残る」とだいする寄稿を掲載した。筆者は、スティーブン・A・マイロー氏。調査会社ビーコン・ポリシー・アドバイザーズのマネジングパートナーで、米輸出入銀行と米財務省の高官として米中戦略経済対話に参加した経験を持つ

     

    トランプ氏が発する一貫性のない警告や懇願は、気まぐれな判断のように見えることが多いため、習近平国家主席の目には信頼できない交渉相手と映っている。トランプ氏が公の場で尊大な態度を取っているため、習氏は面目を保ちながら何らかの合意を受け入れるのが難しくなっている。面目を保つのは中国人にとって極めて重要だ。このため習近平氏の交渉姿勢はもはや、熱心なものではなく、形だけになっている。

     

    (1)「米中貿易協議をめぐっては「デカップリング(切り離し)」というのが新たな流行語になっている。トランプ政権の見方からすると、それは米中を完全に切り離し、冷戦時代の二極化に似た2つの異なる経済圏を生み出すという展望を描いて中国政府を脅すものだ。トランプ氏周辺の多くの人々は、中国が米国の技術にアクセスできないようにすることが、世界の舞台で米国を追い越そうとする中国の試みを阻止すると信じている」

     

    デカップリング論は、世界経済を米中の二大グル-プに分けてしまうという大胆な発想法である。米国が、中国と貿易することは技術窃取を受ける機会を増やすことでもあるという認識に基づく。この裏には、中国の世界覇権論を食い止めるという安全保障の見地が大きな位置を占めている。

     

    実は、この構想はトランプ政権が初めてではない。オバマ政権も意図していた。TPP(環太平洋経済連携協定)は、最初から中国が加入できないように設計されている貿易協定である。オバマ氏は、TPPによって中国を排除する構想であった。トランプ氏がTPP参加を破棄していなかったならば、現在の世界経済は現在よりもスマートな形で中国排除が進んでいたはずだ。

     

    (2)「彼らは、華為技術(ファーウェイ)のような中国の巨大企業が求めている部品を与えないことが、習氏の「中国製造2025」計画の実現を阻むと主張する。中国製造2025は重要技術の自給自足を目指す計画だ。これらの米国の強硬派は、デカップリングが中国経済を崩壊させることになると信じている。かつての封じ込め政策がソ連経済の崩壊につながったように、だ。このアプローチは考えが甘く、恐らく逆効果だ。それは中国製造2025の歩みを遅らせるどころか、早めることになる。習氏は鄧小平氏が確立した戦略「韜光養晦(対外的には才能を隠し、内側に力を蓄える)」を放棄している。習氏の見方からすると、デカップリングは米国の脅し以外の意味を持っている。それは中国の新たな戦略なのだ。

     

    下線を引いた部分は、米国が中国に対し油断している間に、潜在的に中国の進出を許していることへの警戒である。筆者の方が、この点について認識が甘いようである。南シナ海への中国の軍事進出を考えれば、それは明白である。中国は、産業構造論の視点で言えば、まだ、中級程度である。だから、技術窃取を続けているわけで、ここから上級への「昇段」は技術的に大きな壁がある。中国の世界覇権論を食い止め、専制主義の拡散防止には「デカップリング」を必要悪と見るべきである。理想論だけで、人類の自由と民主主義は守れないのだ。それが、歴史の教訓である。

     


    (3)「その最も明確な証拠はファーウェイの事例で示された。トランプ政権は米企業とファーウェイとの大半の取引を暫定的に禁止したが、対中強硬派は大統領に対し、このデカップリングを恒久的なものとするよう強く求めている。ファーウェイはトランプ政権の要求に屈服する代わりに、新モバイル端末用基本ソフト(OS)「ハーモニー(鴻蒙)」を発表した。同OSは「アンドロイド」の代替になるもので、ファーウェイの米国技術への依存度を引き下げることになる」

     

    ファーウェイが、世界中の大学と企業から技術窃取していることは、FBIの追求で明らかにされている。ファーウェイが、米国企業と同じ体質と見ることは大いなる錯視である。ファーウェイのソフト戦術は、完全に米国依存であった。スマホは事実上、米国標準になっている。ファーウェイが、逆立ちしてもグーグル・ソフトの域には達しないのだ。失礼だが、筆者はこの面の認識はゼロのようにお見受する。米国の真の狙いは、次世代通信網「5G」からファーウェイを排除することである。世界の「5G」網が、ファーウェイの手に落ちたら、北京(中国共産党)が世界の安全保障に重大な影響を与える。この点は、事実である。ファーウェイが、中国スパイ網の一環を担っている現実を認識すべきであろう。

     

    (4)「筆者の懸念は、トランプ大統領の一貫性に欠ける姿勢が、習氏に思うままにデカップリングを推進させることで状況を悪化させていることだ。20年以上にわたるグローバル化を経て統合化された2大経済大国のサプライチェーンを切り離すことは、必然的に混乱をもたらす。米国にとってトランプ氏のやり方は状況を一段と混乱させるものとなる」

     

    トランプ氏のやり方には、批判がある。だが、米議会が与野党を問わず、強烈は中国批判になっている現実も事実なのだ。トランプ流を嫌うならば、米国はTPPに復帰すべきである。その方が、はるかに効果的に中国を封じ込めるであろう。TPPは、デカップリングそのものなのだ。


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    韓国の進歩派と言われる人たちは、「親中朝・反日米」派である。朝鮮戦争によって、国土が戦場にされても、「共産主義」に親近感を持っている。日常の人権弾圧が普通の中朝に親近感を持つのは、一種の「サディズム」であろう。中朝に渡っても、自らは支配層に立てると錯覚しているからだ。

     

    日本から北朝鮮へ渡った人たちがどういう扱いを受けたかご存じか。収容所へ入れられ隔離されたのだ。韓国人は、精神を鍛えるという名目で、金品を奪われ強制労働させられる運命である。北朝鮮に「カモ」にされるだけ。こういう自明のことが分からず、「反日米」を唱えている。自由と民主主義の有難みを知るべきだ。

     

    『中央日報』(9月6日付)は、「韓国、『米国の同盟から離脱の可能性』、中国が機会うかがう」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「米シンクタンク米戦略国際問題研究所(CSIS)のマイケル・グリーン上級副所長は4日(現地時間)、米議会傘下の米中経済安保検討委員会が主催した「2019年米中関係検討公聴会」に出席し、次のように述べた。『韓国は日本とは非常に異なる歴史を持ち、非常に異なる地政学的状況にある。こうした要因から中国は韓国が米国との同盟から離脱する可能性がはるかに大きいと見ている』」。 

     

    マイケル・グリーン氏は、米国における日韓専門家として知られている。韓国には,厳しい見方をしている点で一貫している。中国は、日韓に対して別々の視点で眺め、韓国を「落としやすい相手」と見ていると指摘する。


    (2)「韓国は日本など他のアジアの国に比べて、米国から脱同盟する可能性がある環境にあり、これを知る中国が機会を眺めているという主張をしたと、米政府系放送のボイス・オブ・アメリカ(VOA)が5日報じた。この公聴会は米中関係を研究する専門家らが議会に専門的な助言をする席で、米国が経済・安保分野でどのように中国に対して優位を維持するかに焦点が合わされた。 グリーン副所長は議会に提出した陳述書で「中国の習近平国家主席が執権した後、中国は韓国が米国との同盟から離脱するよう強圧的に接した」と診断した。2017年の高高度防衛ミサイル体系(THAAD)事態当時の韓国企業への圧力および中国人観光客の訪韓禁止政策を例に挙げた

     

    中国は、韓国に経済制裁を加えれば、いずれ米韓同盟から脱落すると見ている。これだけ,甘く見られているのだ。中国は、韓国の旧宗主国である。「事大主義」は生きているのだ。

     

    (3)「グリーン副所長は「韓国と日本が最近対立している隙をついて中国とロシアの軍用機が韓国・日本領空を侵犯したが、共同対応するのではなく韓国が韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)終了を通知したことで日本との対立を激化させた」と述べた。また「同盟の間に隙が生じれば中国に分裂戦略を使う機会を与えてしまう」と懸念を表したトランプ政権が韓日間の緊張関係を解決するため決断力のある行動を見せ、3者安保協力を新たに構築すべきだと提案した。トランプ政権が韓国と日本に駐屯軍支援問題を過度に要求すれば、アジア地域の核心同盟との関係が分裂して弱まるため、これは避けるべきだと助言した」

    中国は、日韓の離反を待っているとも指摘している。今は、THAADで制裁を続けているが、これを解除して韓国へ接近する時が、日米韓三カ国の安保インフラの危機となろう。文政権には、簡単に乗る「軽さ」がある。

     

    (4)「韓国は中国の要求に降伏したわけではないが、中国の強要に対抗すべきという姿勢では日本・豪州政府より慎重な方だと評価した。また、韓国が米国のインド太平洋戦略への参加に消極的である点も指摘した。グリーン副所長は「韓国が中国に対する貿易依存度が他国に比べて相対的に高いという理由もあるが、朴槿恵(パク・クネ)政権から文在寅(ムン・ジェイン)政権まで中国が韓半島(朝鮮半島)統一において重要な役割をするという信念を抱いているため」と分析した。 続いて、中国は同盟国が関与しない「独立的」統一を支持するが、これは韓日米の立場とは矛盾すると指摘した。にもかかわらず、韓国は中国との関係改善が北朝鮮の脅威を管理するのに役立つという考えを維持していると伝えた」

    韓国は、日・豪に比べ中国の「甘言」に乗る危険性が高い。この点は、重要なポイントだろう。日本は、日韓が揉めても経済的に困ることはないが、安保体制という点から見れば、マイケル・グリーン氏の指摘に一理ある。


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    韓国政府とソウル市が反対したにもかかわらず、ソウル市議会は日本「戦犯企業」の物品購入禁止条例を可決した。ソウル市議会では、昨年から与党の「共に民主党」議員が音頭取って動いてきたが、ついに可決に持ち込んだ。むろん、WTOの政府調達規定に違反する。日本にとっては格好の「反撃材料」である。「敵に塩を送る」に等しい振る舞いである。

     

    『聯合ニュース』(9月6日付)は、「日本製品の購入制限条例可決、『戦犯企』を規定=ソウル市議会」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「ソウル市議会は6日、日本の植民地時代に労働者らを徴用し被害を与えた日本企業を「戦犯企業」と規定し、公共機関がこれら企業の製品の購入を制限する内容を盛り込んだ条例案を採決なしの満場一致で可決した。同条例案には日本の「戦犯企業」の定義、戦犯企業製品の購入が制限される公共機関、製品購入制限に対する市長や教育監(教育委員会に相当する教育庁のトップ)の責務と責務を果たすための基本計画の樹立、製品購入制限を文書化するための努力などの内容が盛り込まれた。同条例案を巡っては、政府レベルの外交的対立に地方自治体が関与することで、韓日関係をさらに悪化させる可能性があるとの指摘も出ていた」

     

    韓国社会は、頭へ血が上ったら何をするか分らない。その好例が、ソウル市議会の「日本戦犯企業」とやらの製品不買である。国レベルのほかに地方自治体までが「参戦」するという感情過多症に落込んでいる。釜山市議会も、9月6日に同じような主旨で議決した。釜山市は、日本との玄関口であり、最も交流の盛んな都市である。釜山―福岡の海底トンネル調査費をつけるなど、日本との関係強化に務めてきた友好都市である。それが、この変わり方だ。感情が激すると、何を始めるか分らないから恐ろしい。

     

    『朝鮮日報』(9月4日付)は、「ソウル市、市議会の『日本戦犯企業製品不買条例案に反対』の立場」と題する記事を掲載した。
     

    ソウル市は、市議会の暴走を止めるべく議会の説得に努めてきた。過去の不買条例案に対して中途で食い止めてきたが、今回は「感情爆発」で止めようがなかったのであろう。

     

    (2)「日本の戦犯企業製品ボイコットを促すソウル市議会条例案について、ソウル市が「違法の可能性が高く、自由貿易秩序に反するため反対する」との立場を決めたことが3日、確認された。このためソウル市は同日、市議会側に「立法趣旨には共感するが補完が必要だ」との見解を伝えた。与党・共に民主党が主導する条例案を、同党所属の朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長が率いる市が制止する状況になったものだ。それにもかかわらず、条例案は同日の市議会常任委員会で可決され、今月6日の本会議を通過する可能性が高まっているとの見方がある」

     

    現実には、すでにソウル市議会で可決成立した。こういう動きに対して、今年2月時点で『朝鮮日報』(2月6日付)は、次のように論じていた。

     

    (3)「現在、日本企業の製品を購入するのは「日本が好きだから」ではなく「製品が良いから」ですが、これを制限すれば結局損をするのはソウル市の公務員と市民だということです。朴市長も吐露したように放送装備、医療機器、各種測定機など日本製品には代替が難しい製品が多くあります。  戦争が終わって70年以上の時間が流れた今、日本企業を過去に戦争を起こした日本政府と同一視するのは無理があるという指摘もあります。条例は「主張」でなく「法令」であるため、他の外交問題に飛び火するおそれがあるという憂慮もあります」

    (4)「 世界貿易機構(WTO)提訴の可能性もそのうちのひとつです。(発議者の)洪議員も自らこれを認め、「WTO政府調達協定で調達市場が開放された以上、日本企業製品の購買を初めから禁止すればこれを違反する余地があるため条例の文面を『禁止しなければならない』ではなく『努めなければならない』にした」と説明しました」

     

    改めて,コメントをつける必要もないが、日本政府は抗議すべき案件だ。

     

     

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    韓国国会では今日、法相候補者のチョ・グク氏の人事聴聞会が開催される。それを前に、疑惑がさらに広がっている。娘の大学院受験の際、他大学の総長推薦状が偽造された問題が発覚した。一方、チョ・グク氏の捜査を進めている問題で、大統領府が疑惑否定の証人が出てきたという発言を巡り、検察が「捜査介入」の疑いがあると反論した。また、韓国の大学教授200人が反対声明を発表するなど、大きな問題に発展している。

     

    『聯合ニュース』(9月5日付)は、「韓国検察『捜査介入』、大統領府は反論=法相候補の家族巡る疑惑」と題する記事を掲載した。

     

    韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が法務部長官候補に指名したチョ国(チョ・グク)前青瓦台(大統領府)民情首席秘書官の家族に関する不正疑惑を巡り、検察が青瓦台の捜査への介入をけん制するメッセージを発表したことを受け、青瓦台は5日、「これまで捜査に介入したことはなく、検察の捜査に対して言及していない」と反論した。

     

    (1)「青瓦台関係者はこの日、チョ氏の家族の疑惑と関連し、疑惑を否定できる人物を把握したため、6日のチョ氏の国会人事聴聞会で釈明できるだろうと発言。これについて大検察庁(最高検)は、「青瓦台による捜査への介入とみなされる恐れがある非常に不適切な行為」との立場を出した」

     

    (2)「不正入学疑惑などが取りざたされているチョ氏の娘を巡っては、大学院に進学する際、別の大学の総長から表彰されたとの虚偽の内容を記した履歴書を提出した疑惑も浮上した。総長は表彰状を与えていないと検察に証言。同大学で教授を務めるチョ氏の妻から「総長表彰を与える権限を委任したと話してほしい」と頼まれたとも説明した」

     

    日本で、類似の問題が起こったとすれば、当人(法相候補)が辞退すると思うが強行突破の構えである。事情を最も知っている当人が、すべてを暴かれた場合、地位も名誉もすべて失うことのリスクを考えないのだろうか。「学校秀才」の見せる「土壇場での人生訓」が得られるであろう。

     

    韓国の大学教授が法相就任に反対する声明を発表した。

     

    『中央日報』(8月6日付)は、「韓国教授196人が時局宣言、チョ・グク氏の指名を撤回して特検を」と題する記事を掲載した。

     

     KAIST(韓国科学技術院)経営学科の李炳泰(イ・ビョンテ)教授を主軸とした前・現職教授約200人が「チョ・グク法務部長官候補の指名撤回」を要求する時局宣言をした。

    (3)「教授らは5日、ソウル中区(チュング)フランシスコ教育会館で記者会見を開き、「文在寅(ムン・ジェイン)政権の検察が家宅捜索を通じてチョ候補とその一家の犯罪行為を調査する状況に達した」とし「国民の前で謝罪し、犯罪被疑者の候補指名を撤回して特検を通じてその真相を一つ一つ明らかにしなければならない状況」と明らかにした」

    (4) 「あわせて「各種特恵、違法および偽善で国民の公憤を買ったチョ候補の指名を撤回し、これまで提起された各種疑惑に対して特検を実施して、一点の疑惑もないようにその罪を国民の前に明らかにせよ」と求めた。この日の時局宣言にはソウル大教授6人、慶煕(キョンヒ)大教授3人、KAIST教授9人ら国内外の大学85校196人の教授が参加した」

    韓国の有力大学の教授が参加している。「大学教授」は、自分の子弟の大学入試で同種の疑惑が行われているという疑いを晴らす意味もある。

     

    両親が有名大学教授の子どもには、是が非でも一流大学へ入学させねばならぬという「見栄」も働くであろう。学歴社会が産み落とした事件だ。


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