勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ: 経済ニュース時評

    a0960_008527_m
       

    米東部時間9月3日の円相場は、一時1ドル=155円30銭と、8月3日につけた日米協調円買い介入後の高値に迫った。9月1日夜は160円台前半であったので、2日間で5円超上昇した。

     

    人間の相場観で言えば、すでに大半が「円安ピーク説」に同調している。だが、現実の投機筋取引は7割程度が「機械操作」(アルゴリズム)である。人間であれば相場を休むべき局面でも、アルゴリズムでは「売り信号」が出ている限り執拗な円売りになる。現状は、この局面である。人間の相場観と「機械の相場観」が、大きな食い違いを引き起している。9月3日の円相場が、2日間で5円超の円高になったのは、自信の持てない「薄氷相場」の特徴を表わしている。

     

    米商品先物取引委員会(CFTC)による、IMM円ポジションの最新情報(8月28日現在)は、6万3298枚の円売り越しであった。投機筋が、依然として円ショート(売り越し)に大きく傾いていることを示している。これは、次のような機械的判断に基づくものだ。

     

    なぜ、「円安ピーク感」が出ているのにアルゴリズムでは売り続けるのか。

     

    1)ボラティリティが低い

    変動しない相場は、アルゴリズムにとって「売りやすい相場」となる。ドル円相場が、長いこと膠着状態(ボラティリティが低い)にあった。機械では、この状態に対してリスクが低いと判断し、ショート(売り)が増える。動かない相場は、アルゴリズムにとって「円売りの好機」になるのだ。

     

    この局面を少し詳しくみておきたい。IMMの最新データは、円ショート(売り)増加と円ロング(買い)減少である。これは、投機筋が「円安はまだ終わらない」と判断していることを示す。この判断は、「人間の相場観」でなく、「アルゴリズムの機械的判断」である。人間は、逆にこれを警戒しなければならない。

     

    2)金利差がある

    FRB議長が利上げムードを見せると、アルゴリズムは「金利差=円売り」と機械的に判断する。

     

    3)日銀が動かない

    「日銀は永遠に利上げしない」という誤解が、アルゴリズムの円売りを加速させている。日銀は、弾力的金利政策に動かすとしている。これが、アルゴリズムに響かないのだ。

     

    「円安ピーク感」は、人間が感じるものの、アルゴリズムの機械には「ピークを感じない」のだ。この感覚の行き違いが、為替相場で大きな齟齬を生む原因になる。ならば、人間の判断とアルゴリズムの判断のどちらを重視すべきか。「休むも相場」という感覚から言えば、相場の静観であろう。実需筋が手控えているのは、人間の感覚が優先されている結果であろう。

     

    機械売買は、逆方向にも一斉に走るため、円急騰は一瞬で起こるのが「アルゴリズム」の怖さである。アルゴリズムによる為替投機は、人間の感覚である「中庸」という芸術的なものでなく、「機械の群れ」である。人型ロボットが一斉に走り出している姿を思い出せばいいであろう。先の北京で行われた「人型ロボット100メール競争」でゴールに入ったのも分からず「暴走」している姿そのものだ。だからこそ「相場崩壊」も一瞬で決まるという、極めて危うい状況へ踏み込んでいる。

     

    客観的にみて、円安相場にはピーク感がある。しかし、機械売りは止まらない。「休むも相場」は機械に存在しないからだ。こういう客観的な相場観から言えば、円ショート(売越し)は危険水域である。それだけに、ロング(買い越し)が手控えられている。

     

    「円安崩壊」は一瞬で起こる状態であり、円急騰は「機械の逆走」で発生する対照的な局面に向っている。円安は機械が作り、円高は機械が壊す。為替相場から、人間の芸術性が消えた結果、円安市場の崩壊は残酷なものになるであろう。現状は、まだ円高へのトレンドが、確定していない迷走状態にあることを示している。

     

     

    a0070_000030_m

     

       

    キオクシアが、新型フラッシュメモリー(高速書き換え型半導体メモリー)を発表しました。消費電力40%減という高性能です。読み出し時の電力効率を40%改善し、書き込み時も30%改善するというのです。生成AIやクラウドサービスの普及により、データセンターの電力需要は年率20〜30%も増加しています。AIが、電力を食い尽くすと言われる中で、ストレージ(記憶装置)側の省エネ化は世界的な課題です。

     

    キオクシアの技術は、この問題を裏側から静かに解決するものです。ここまで書けばお分かりの通り、世界市場において大きな意味を持っています。日本の技術が、一貫して世界の電力危機の解決策を模索している動きを可視化させました。

     

    キオクシアのNAND(記憶メモリー)は、東芝が発明した技術を継承しています。NAND型フラッシュメモリーは、1987年に東芝が生み出した日本発の技術です。スマートフォン、パソコン、データセンターなど、世界のデジタル社会の基盤になっています。世界の記憶装置の元祖は日本であり、その技術体系を継承しているのがキオクシアなのです。今回の新型フラッシュメモリーの発表は、こうした東芝技術の発展にほかなりません。

     

    韓国のSKハイニックスが、「キオクシアを取り込みたい」という強い思惑を持っています。理由は単純で、キオクシアが持つNAND型フラッシュメモリー(データを保存する半導体)の技術が、生成AI時代の電力問題を解決する鍵になるからです。SKハイニックスはDRAM(高速メモリー)では世界最強ですが、NANDではキオクシアの技術体系に及びません。AI時代は「高速メモリー+大容量メモリー」の両方が必要になるため、SKハイニックスはキオクシアの技術を取り込むことで「総合メモリー企業」に成長したいのです。

     

    ここで重要なのは、日本政府の立場です。半導体を「戦略産業」と位置づけています。半導体は、国家の安全保障、産業競争力、エネルギー効率、通信インフラなど、あらゆる分野に影響します。特にNANDは、AI時代の記憶装置として不可欠であり、キオクシアの技術は日本の産業基盤そのものです。そのため、日本政府はキオクシアと海外企業の合併や買収を認めない方向が明確です。これは、単なる企業保護ではなく、国家戦略として当然な判断です。

     

    この構造を踏まえると、SKハイニックスがキオクシアを狙っても実現する可能性は極めて低いと言えます。むしろ、SKハイニックスが焦っているのは、キオクシアの技術がNVIDIA(エヌビディア)やIOWN(アイオン:NTTの光通信インフラ)と結びつく可能性があるからです。

     

    NVIDIAは、AI計算の中心を担う企業ですが、電力消費が大きいという弱点があります。IOWNは、光で通信や処理を行う技術です。電力消費を大幅に減らし、通信の遅延をほぼゼロにします。キオクシアは、記憶装置の電力を大幅に減らす技術を持っています。この三者が結びつくと、「計算×通信×記憶」の三つが同時に最適化されるという、AIインフラの最終形態が生まれます。

     

    現状は、三社がまったく結びついていません。日本に半導体国家戦略から言えば、ラピダス・IOWN・キオクシアの連携こそ重要課題です。ラピダス「計算」、IOWN「通信」、キオクシア「記憶」と三者の役割が完全に補完関係となり、日本がAIインフラの世界的中心になります現時点で公式な連携はありませんが、技術構造上の必然性は非常に強いのです。もし連携が実現すれば、世界のAIインフラが日本中心に再編されるでしょう。これは、「歴史的ビッグニュース」になります。

     

    SKハイニックスが焦るのは、キオクシアが日本政府の保護のもとで、ラピダスやIOWNと結びつく可能性があるからです。これは、韓国企業にとって脅威であり、日本にとっては大きな戦略的優位性になります。

     

     

    a0070_000030_m
       


    ラピダスは、来年度後半から世界最先端半導体「2ナノ」量産化を開始する。地元の千歳市は、これに合わせてNTTの開発した光電融合通信「IOWN(アイオン)」とラピダス半導体を使って産業振興に取組む。

     

    自動運転、フィジカルAI、自然環境モニタリング、半導体・AI人材育成、産官学連携、再エネ利用、産業横断データ連携基盤などの構築である。これらはすべて、IOWNの光電融合アーキテクチャを基盤にしている。千歳市は、「IOWNの実証都市」ではなく「IOWNの本番都市」になる。日本のAI・半導体覇権の「モデル都市」だ。

     

    このように千歳市を舞台にして、IOWN×ラピダスを使い「日本の新しい産業国家モデル」が、地域レベルで動き始める。これは、単なる地域振興ではなく、日本が世界の半導体・AI覇権の中核を握る目的で始める壮大な構造の一環だ。本格的な人口減を迎える日本が、先進国として「起死回生」モデルを世界へ問うものになる。人型ロボット導入基盤づくりも大きく寄与する。

     

    今回の構想は、IOWNが「都市インフラ」でなく、「産業インフラ」として活用する目的が課されている。これは、NTTが構想してきた「オール光ネットワーク×分散AI×半導体」の三位一体モデルが、現実の都市で実装段階に入ったことを意味する。なぜ千歳市なのか。ラピダス×産総研×IOWNの三位一体が成立する唯一の都市であることだ。具体的には、次のような条件を備えている。

     

    ラピダスが、2ナノ・ロジック半導体の量産拠点であり、産総研の光電融合研究拠点である。冷涼な気候でデータセンター冷却に最適である。また、再エネポテンシャルは全国1位であり、泊原発再稼働で電力供給が安定している。国際空港が隣接しており、IOWNの光ネットワークを敷設しやすい地形である。千歳市は、「半導体×AI×光ネットワーク」の三位一体を世界で最も実現しやすい都市になる。

     

    『日本経済新聞 電子版』(9月3日付)は、「IOWN活用し産業振興 ドコモ系と千歳市が協定」と題する記事を掲載した。

     

    NTTドコモビジネスと北海道千歳市は2日、半導体産業の振興とまちづくりに関する包括連携協定を結んだ。ラピダスの千歳市進出で半導体産業の集積が進む中、NTTドコモビジネスの先端テクノロジーを活用したまちづくりで協力する。

     

    (1)「両者は、2024年度から自動運転バスの実証や千歳科学技術大学のデジタル人材育成などで協力してきた。包括連携を通じて千歳市とはNTTの次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」などを活用して人工知能(AI)などの先端技術を利活用した産業振興を進める。千歳市は25年2月に市の将来ビジョンを公表し、ラピダス進出を背景に「テクノロジーにより暮らしが向上するまち」などをコンセプトとした。半導体産業の集積を契機に先端技術を活用したまちづくりを進めていく方針を示している。包括連携を通じて地域基盤の整備や産業振興、人材育成などで協力していく。同市は「AINativeCity」を目指しており、横田隆一市長は「技術面、事業面、産学官連携の面から力強いパートナーとしての役割を大いに期待する」と話した」

     

    日本は、通信網から分散AIまでフルスタックを握る、世界でも希有の存在である。これによって、分散型AI国家モデルを構築する。日本の強みがここにある。世界が、まだ気づいていない日本の覇権構造だ。特に重要なのは、IOWNが「国家インフラ」として半導体産業と直結したことである。ラピダスが、高性能半導体を開発することによって、都市構造を変えるほどの核になっている。日本は、都市レベルでAIネイティブ化を始める。

     

    千歳で起きていることが、日本という国家のOSを根本から書き換えるであろう。IOWNが全国の産業インフラになると、IOWN(オール光ネットワーク)が2035年までに札幌、仙台、つくば、名古屋、大阪、福岡、熊本(TSMC)、四日市(キオクシア)、横浜(AI・自動運転)など主要都市に敷設される。これらは、通信網でなく産業基盤として機能する。分散AIが、つぎのように都市の標準機能になる。自動運転、医療AI、防災AI、物流AI、産業データ連携、教育AI(大学・高専)が、「都市の標準装備」になる。ラピダス半導体が、「全国の都市構造」を変えるのだ。

     

    このひな形は,トヨタ自動車が静岡県裾野市で行っている実験都市Woven City」にみられる。IWONとラピダスを想定した都市づくりだ都市設計の構造・技術要件・将来拡張性を読むと、IOWNとラピダスを前提にしていなければ成立しない都市構造になっている。


    あじさいのたまご
       

    韓国電力公社(韓電)が、資金難でサムスンとSKハイニクスに対して、今後5年分の電気料金としてそれぞれ20兆ウォン(約2.3兆億円)と5兆ウォン(約0.6兆円)をあらかじめ納付する案を提案し、詳細な条件を協議していることが分かった。世界GDP10位に位置する韓国で、電力会社が需要家側から電力料金の前受けによって設備投資するとは驚くべき経営実態だ。韓電は、この25兆ウォン規模の前受金を、竜仁(ヨンイン)・湖南(ホナム)半導体クラスターの電力網建設の財源として活用する構想とされている。

     

    韓電は、文在寅政権前まで安定した高収益を挙げてきた。原子力発電が、低コストをもたらしてきた結果である。だが、文政権による「原発廃止論」によって、強引に原発の操業を止めてLNGなど高コストに切替えた後遺症が続いている。廃止された原発は、文政権によって復活されたが高コスト構造は続いている。世論の反発が強く、電力料金の値上げができず韓電は赤字を貯め込んでいる。

     

    韓国電力公社は、累積赤字が約50兆ウォン(約5.8兆円)超、債務総額は200兆ウォン(約23.2兆円)規模と「死に体」に陥っている国債に近い「電力債」を大量発行し、金融市場を歪めているほどだ。電力料金を政治的理由で上げられず、赤字が雪だるま式に拡大し、資金繰りが完全に詰まっている。

     

    『中央日報』(9月3日付)は、「サムスン電子・SKハイニックスに「電気料金25兆ウォンの前払いを」「負債210兆ウォン」韓電が提案」と題する記事を掲載した。

     

    9月3日、韓電は最近、サムスン電子とSKハイニックスにそれぞれ20兆ウォン、5兆ウォンに達する電気料金の前納を提案した。昨年の電気料金はサムスン電子が4兆1000億ウォン、SKハイニックスが9000億ウォンだった。これを基準に来年から今後5年間に支払う電気料金を算出した金額だ。

     

    (1)「現在、韓電の顧客は前受金の名目で電気料金を前納し、これに対する利子を受け取ることができる。韓電はこの制度を大規模な資金調達手段として活用するため、特例を新設する案を検討している。韓電は前納する料金について、2年物国債の金利を上回る水準の利子を両社に提示したという。利子は現金の代わりに半年単位で電気料金から差し引く方式で支払う案が取り沙汰されている。ただ、韓電は両社に電気料金の前納を提案したのは事実だが、参加の有無、金利、前納規模、前納期間など具体的な事項はまだ確定していないとの立場だ」

     

    今回の前払い要求は、国家インフラ(電力)まで半導体企業に依存する段階に入ったことを意味する。これは、韓国経済は成長期が終わり、衰退期に入りつつある」ことを示唆するものだ。さらに深刻なのは、「電力不足が半導体生産に影響する可能性」である。半導体工場は電力が止まると、数千億円規模のウェハが全滅、製造ラインの再立ち上げに数週間、歩留まりが大幅に悪化する。電力不安は、半導体産業にとって致命傷になる。これは、「韓国の電力インフラが半導体産業の足を引っ張り始めた」という危険な兆候だ。

     

    (2)「韓電が前納を提案した背景には、財務余力の悪化もある。韓電の負債は6月末基準で210兆7000億ウォンに達し、これに対する利払い費だけで1日115億ウォンに上る。韓電は、電気料金前納制度が双方にとって「ウィンウィン」になるとみている。電力網の拡充が急務の企業と投資財源が必要な韓電が、互いの必要を補完し合うという説明だ。韓電関係者は、メディアに「大規模な電気料金前納制度は、電力網の拡充が急務の企業と投資財源が必要な韓電が互いの必要を補完し合う制度」とし、「韓電は社債以外の資金調達手段として大規模な投資財源を確保し、参加企業は無リスク資産による安定的な収益とともに、新規工場を適時に稼働できるという保証を得られる」と明らかにした」

     

    韓電は、電気料金前納制度が双方にとって「ウィンウィン」になるとみている。なんと無責任なことか。電力インフラは、供給力に余裕を持たせて初めて,安定した運用が可能になる。「大口需要家の必要な電力は料金前納で払え」とは、工業国家の電力企業として失格である。これでは、「その日暮らし」になる。

     

    (3)「これに先立ち、国会気候エネルギー環境労働委員会所属の朴釘(パク・ジョン)共に民主党議員は2日、「電気料金前納制度を通じた電力インフラ投資拡大討論会」を開き、電気料金前納制度を提案した。朴議員によると、前納制度は大規模な電力消費企業が35年分の電気料金をあらかじめ納付すれば、韓国電力がこれを送電網や変電設備など国家電力インフラの構築に優先的に活用する方式だ」

     

    韓電の赤字原因をつくった韓国左派は、電力料金前納制度を異常と思わないという「感覚麻痺」に陥っている。これで、市場経済を運営できると思い込んでいる。電力は、突発事故に対しても余裕をもって対応できる余力が必要だ。その余裕がないとは、深刻な事態だ。 

     

     

    118
       

    国連が、2024年にまとめた「中国で生まれ、現在海外に居住している人口」の統計データによると、中国で生まれた人が最も多く暮らしている海外の国は米国で2489万9000人。日本が2位で81万人である。3位はカナダで77万2000人である。このデータは、何を示しているか。日本への移住者が、米国とカナダの間にあることは日本を完全な西側社会と認識しているのであろう。距離的にも短いことが、中国を離れても「安心感」を与えているのであろう。

     

    『レコードチャイナ』(8月31日付)は、「中国人の移住先、日本がなんと2? 中国ネット『データはうそをつかない』」と題する記事を掲載した。

     

    中国のSNS『小紅書(RED)』(8月27日付)は、「中国人の移住先で日本がなんと米国に続く2位?」との投稿があり、反響を呼んだ。

     

    投稿者は、「どうしてこんなにたくさんの人が日本に行くのか。アメリカが一番多いのは、みんな知っているし言うまでもない。でも、それに次いで日本が来るとは本当に思ってもみなかった。それもかなりの人数だ」と驚きを示した。その上で、ネット上で知り合った日本人女性が「(日本で生活する中国人は)確かに多い。みんな割と(一部の地域に)集まって住んでいるから、一人見かけると大勢見かける場合もある」と話していたことを紹介した。

     

    (1)「この投稿に中国のネットユーザーからは、「日本は環境がいいからな。金持ちはきれいな空気を吸いに行きたいのだろう」「日本は近いし、主食がコメだし、生活に適応しやすい。渡航費用も安いしね」「日本はオーストラリアやカナダや英国と比べたらよっぽど良い」「日本に行くのは、アジア圏で文化になじみやすいからじゃない?」「日本は生活コストもそんなに高くない」「日本は移住のほかに留学とかも多いのでは?」といった声が上がった」

     

    日本は、アジアであるから生活習慣も大きく変るはずもない。その意味では、緊張感は少ないであろう。

     

    (2)「また、「(中国人が)より厳しく罵倒する国であればあるほど、その国に行く中国人は多くなる」「移住するような人は(相手の国を)罵倒しないだろうけどね」「賢明な人はみんなアメリカに移住するんだ」「だからデータはうそをつかない。中国人は非常に抜け目がない」「中国人は上流階級と中流階級は賢い。下層は愚か」「アメリカと日本には旅行に行く人も多い」「これっぽっちで何を大げさな。数億人が移住しているわけでもあるまいし」「逃げられるのはエリートだけ。数億人は移住したくてもできないだけ」といったコメントも寄せられている」

     

    「逃げられるのはエリートだけ」という言葉は、羨望が入り交じっている。祖国を出て他国へ住むというのは、仕事を別とすれば、相当の勇気がいる。その背中を押す物は何か。政治への不信感であろう。中国のSNSでは、そういう本音は語れない。

     

    『レコードチャイナ』(9月3日付)は、「日本旅行が好きな理由を考えてみた=中国ネット『中国に99%完勝』『真面目な人に優しい場所』」と題する記事を掲載した。

     

    中国SNS『小紅書(RED)』に、「なぜそんなに日本旅行が好きなの?」と題する投稿があり、反響が寄せられた。

     

    投稿者は、表題について「この質問は、今回私が日本旅行に行く前に同僚にされたものだ」と説明し、「これには一瞬返答に詰まった。確かに私はよく考えたことがなかった。飛行機内でネットにアクセスできない時間を利用して、この問題にきちんと回答してみたい」とつづった。

     

    (3)「その上で、日本旅行の良いところを4点列記した。1点目は「副流煙がない」ことで、「日本では喫煙スポットに近づかない限り、路上でたばこのにおいをかがされることはない。もちろん、中には路上喫煙をしている日本人もいるが、基本的にはみんな喫煙所で吸う。(中国)国内のように道のそこらじゅうで吸っているなんてことはない」とした。2点目は「清潔」で、「これは範囲が限定される。新宿や渋谷、心斎橋といったにぎやかな場所ではごみが散乱していることもある。だが、山や川、田舎の道路など基本的にごみは見当たらない」と記した」

     

    日本では、路上喫煙を禁じられている。だから、たばこの吸い殻を投捨てる人もいない。これが習慣になると、禁を破るには相当の勇気がいる。周囲の「同調圧力」で押し潰されるからだ。中国旅行者は、日本の「ここを」嫌いという指摘も多い。中国で「放縦」に生きてきた人は、「日本批判派」になる。

     

    (4)「3点目は「静か」で、「この点は一人旅行にとても優しい。国内の高速鉄道地下鉄は時々うるさい(私も気持ちがたかぶると声が大きくなるので理解はできる)。もちろん、静かである反面、抑圧的。だからこの長所は欠点でもある」と述べた。4点目は「人が少ない」で、「海外で人が多いと言われる場所は、ほぼ国内の日常的な人の量だ。そのため、海外で人が少ないと言ったらそれはもう(中国の感覚では)本当に人がいない。中国の祝日に旅行するなら目的地は絶対に国内にはならない(人が多すぎるから)」とつづった」

     

    日本の良さに、「人の少なさ」を挙げる例は極めて多い。「一人になりたい」は、かなり教養度の高い人であろう。中国社会は二派あって、大騒ぎが好きというグループと、静寂さを求めるグループが存在する。やたらと「爆竹」を好む人達は、確実に減っている。中国社会の底流が変りつつある証拠だ。

     

     

    このページのトップヘ