勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

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    韓国の労働組合員は、「貴族労組」と言われて優雅な生活を送っている。所得最上位20%に入っているからだ。その「貴族」が突然、文政権に縁切り状を渡して、政権打倒に邁進するというから、外部の者には事情が飲み込めない。文政権が、貴族労組の存在がお荷物になってきたのだ。政権が、労働運動で暴力沙汰を起こしている労組を、これ以上かばい立てできないという意味なのだろう。となれば、政権は労組と「喧嘩別れ」になる。

     

    『聯合ニュース』(6月25日付)は、「韓国有力労組、文政権との全面闘争宣言、労働弾圧粉砕掲げストへ」と題する記事を掲載した。

     

    韓国労働組合の全国組織、全国民主労働組合総連盟(民主労総)は24日、青瓦台(大統領府)前で記者会見を開き、金明煥(キム・ミョンファン)委員長の逮捕を批判した上で、全面的な闘争に入ると宣言した。来月18日に「文在寅(ムン・ジェイン)政権の労働弾圧粉砕」を掲げる全面ストライキを実施する。

    (1)「金氏は国会前での集会で警察を暴行するなどの違法行為を計画、主導した容疑で、21日に逮捕された。民主労総は記者会見で、金氏の逮捕を「文在寅政権の宣戦布告」と見なし、「文政権はスローガンでしか存在していなかった『労働尊重』を放棄し、『財閥尊重』と『労働弾圧』を宣言した」と批判。「全面的かつ大々的な闘争を並々ならぬ決意で組織する」と表明した。

     

    警察官に暴行を加えた以上、警察もメンツにかけて逮捕せざるを得まい。労組側は見逃してくれると高をくくっていたようだ。次の記事(『中央日報』6月24日付)が、この間の事情を説明してくれる。

     

     全国民主労働組合総連盟(民主労総)は現政権からパートナー待遇を受けた。政府は積弊清算という基準で前政権における「被害者」概念を民主労総に植えつけた。ほとんどの違法デモに目を閉じた。警察が暴行を受けても、器物が損壊しても、公共機関が占拠されても、ただ黙っていた。被害者が悔しさを噴出させていると見なすようだった。

      
    キム・ミョンファン民主労総委員長がソウル永登浦(ヨンドンポ)警察署に出頭した当時、「逮捕状を請求しないはず」という見方が多かった理由だ。警察は逮捕状を請求した。逮捕の必要性に対する証明資料は意外にも緻密だった。裁判所が認めた。  民主労総は激高した。まさかが現実となり、予想以上に衝撃が大きかったようだ。「もはやロウソク政府ではなく労働弾圧政府だ。全面的かつ大々的な闘争をする」と明らかにした。パートナーシップ破棄だ」といきり立っている



    (2)「ストに先立ち、今月26日に蔚山で全国労働者大会、27日に最低賃金1万ウォン(約927円)への引き上げと労働弾圧粉砕を訴える決起大会、28日に全国の単位事業場代表者による決起大会を開く計画だ。一方、民主労総は最低賃金委員会を含め、政府の53の委員会(2018年11月時点)に参加している。これらの委員会を欠席するかどうかは、今後議論して決める」

     

    民主労総は、決起大会を開くと意気盛んだが疑問視する見方が出ている。前記の『中央日報』から掲載する。

     

     民主労総が「総団結強力闘争」を宣言したが、効果は未知数だ。3月のゼネストでは全体組合員の1%にもならない3000人が参加にとどまった。動力をほとんど失った状況だ。ルノーサムスン車で見られたように産業現場の労働組合離脱現象も尋常でない。パク・ジスン高麗大法学専門大学院教授は「民主労総が社会的な対話など変化を図らない限り、労政の葛藤が今後、政府の民主労総離れにつながることもある」と述べた。

     

     

     

     

     

     


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    シンガポール首相が、TPP(環太平洋経済連携協定)加盟国拡大策として、将来は中国を加盟させるべきだと語った。

     

    TPPは、もともと中国が加盟できないように、米国が加盟条件を厳しくした。経済の自由化を極限まで求め、国有企業の比重をギリギリまで下げるなど、「米国型経済システム化」されている。ここへ、現在の国有企業の比重が高い中国が加盟することは不可能である。中国に異変でも起こって、市場経済化=民主化という政治と経済の革命が起こらなければ無理なことだ。シンガポール首相は、中国でそれが起こるとでも見ているのか。興味は、先ずそちらへ向くのだ。

     

    『日本経済新聞 電子版』(6月24日付)は、「シンガポール首相、TPP拡大に期待、『中国も歓迎』」と題する記事を掲載した。

     

    シンガポールのリー・シェンロン首相は24日、米国を除く11カ国の環太平洋経済連携協定(TPP)について「韓国やタイ、英国が参加への関心を表明していることは喜ばしい」と参加国の早期拡大に期待を示した。中国の将来的な参加も「歓迎する」と明言した。米中の貿易摩擦の長期化は「供給網の分断など数十年間続く世界経済の構造問題になり、金融危機以上の深刻な問題になりうる」と両国に早期の歩み寄りを促した。

     

    (1)「首相官邸で24日、日本経済新聞の単独会見に応じた。リー氏はTPPへの参加を検討する韓国、タイ、英国に関して「英国の欧州連合(EU)からの離脱問題など今は3カ国それぞれ優先課題を抱えているが、3カ国の準備が整い次第、11カ国は参加の是非を判断する必要がある」との認識を示した。参加国の拡大の判断には「申請国が世界のどの地域を代表しているかが重要だ」と述べるとともに「韓国はアジア経済で重要な位置を占め、タイも経済小国ではない」と指摘した。これは両国の参加に賛同する意向をにじませたものだ。中国の参加についてもTPPの水準を満たすのに時間はかかるだろうが、シンガポールは中国の参加を歓迎する立場だ」と話した」

     

    下線をつけたように、リー首相は中国がTPPへ加盟できる政治状況になるには相当な時間がかかると見ている。となれば、中国への「リップサービス」とも言える。現在の統制経済が破綻して、見る影もない状態まで落込み、共産党独裁が崩れるという前提が実現する。そういうことなしに、TPP加盟問題は出てこないはずだ。

     

    現状は、中国が世界覇権を握ると息巻くほど、現実感覚において狂った状況にある。これが、正常化して、「悪い夢にうなされていた」との自覚が出てからの話だろう。

     

     

    (2)「米中の貿易摩擦の現状については、「電気や精密機械など輸出産業を中心にシンガポール経済に既に影響を与え、心配している」と述べた。2829日に大阪で開く20カ国・地域首脳会議(G20サミット)にあわせて開催予定のトランプ米大統領と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席の会談にも触れ「解決の出発点になることを望むが、大阪で問題が解決するとは思っていない」と指摘した。

     

    米中貿易協定が結ばれても、それで一件落着ではない。中国は協定違反をやって、米国が制裁する。それに中国が反発して、「協定離脱だ」などという騒ぎは、中国経済の「落命」まで続くだろう。その過程で、共産党支配が揺れて、ベトナム型の共産党支配まで後退するのかだ。中国のTPP加盟が実現するときは、中国の政治と経済が末期的状態まで行き着かねば、実現するはずがない。

     


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    「象牙の塔」である韓国経済学会の3長老が、ついに文政権へ経済政策変更を迫る異例の事態を迎えた。チョ・チャンウク西江大名誉教授、キム・ギョンス成均館大名誉教授、ク・ジョンモ台湾CTBCビジネススクール碩座(せきざ)教授の3氏である。

     

    韓国経済学会は、経済学会全体を統括する「韓国連合経済学会」という色彩が濃い。2016年から昨年まで韓国経済学会を率いてきた3人の会長経験者が24日、ソウル市内で行われた特別座談会で、現政権の経済政策について「全般的な軌道修正が必要だ」と厳しい評価を下した。

     

    経済学会3長老が、特別座談会で経済危機を訴えたのは、現状が余りにも悪化していることにある。文政権は、依然として「所得主導成長論」を守っており、大幅最低賃金引上げの正統性を主張している。この説の誤りは、生産性を無視してでも最低賃金の大幅引上げを行えば、個人消費が増えて経済全体を引き上げるというもの。

     

    現実は、失業者の増加という事態に直面している。昨年の個人事業主は、100万件以上が廃業を迫られた。最賃大幅引上げが、経済成長に負の結果をもたらした証明である。

     


    『朝鮮日報』(6月24日付)は、「韓国経済の最大のリスクは文在寅政権の政策」と題する記事を掲載した。

     

    読者が理解しやすいように、私が発言要旨を箇条書に整理した。

     

    チョ・チャンウク西江大名誉教授

    .経済の失速傾向は当面止めることはできない。

    .現政権に入って成功した経済政策は一つもなかった。法人税の引き上げ、最低賃金引き上げ、労働時間短縮など、経済にしわ寄せがいくような政策ばかり打ち出した。

    .来年は間違いなく今以上に悪化するだろう。これらの政策リスクが、韓国経済最大のリスクである。

    .国内向け政策の不確実性が、韓国大企業による製造業エクソダス(国外脱出)招いた。5.分配政策を推進するために、経済がうまく回っていなければならず、経済を崩壊させるようでは分配政策を推進することができない

    .韓国政府の政策は、雇用と成長、さらに分配までも悪化させている。

    キム・ギョンス成均館大名誉教授

    .グローバル経済が大失速した2011年から韓国経済は成長率が23%と鈍化し、全要素生産性の増加率が急激に落ち込んだ。

    .その傾向が最近さらに強まっていると指摘した。

    .生産性を高めなければ、低成長から抜け出すのは困難だろう。

     

    ク・ジョンモ台湾CTBCビジネススクール碩座(せきざ)教授

    .2013年から始まった慢性的な長期低迷が今まで続いている。

    .韓国は半導体好況のせいで景気の状況を錯視し、問題点を忘れて政策実験ばかりに熱を上げている。

    3,状況がさらに悪化する恐れがあると懸念を示した。

     

    3教授の指摘は、その通りである。私がこれまでのブログで指摘してきた点と同一である。その中で注目すべき点は、キム・ギョンス成均館大名誉教授の指摘する点だ。

     

    「2011年から韓国経済は成長率が2~3%と鈍化し、全要素生産性の増加率が急激に落ち込んだ。その傾向が最近さらに強まっている」

     

    全要素生産性とは、技術の進歩や生産の効率化など、資本や労働の量的変化では説明できない部分が、GDP成長に寄与する度合を示すもの。その全要素生産性の増加率が急激に落ち込んだのは、韓国社会が労組を含めて制度全体が硬直化していることだ。社会が弾力性を失い改革を阻止する勢力が台頭していることを示す。文政権の登場は、さらに全要素生産性を低下させる要因になっている。いわゆる「疫病神」となった。この事実は重大である。


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    この記事を読まれると、日本に生まれた幸せを実感するであろう。中国の「社会信用システム」は、当人が知らぬ間に行政が決めた基準によって採点されている。悪い点をつけられると不利益を被るという。福沢諭吉の「天は人の上に人をつくらず」とは、全く違う世界が中国である。

     

    『ブルームバーグ』(6月20日付)は、「社会信用システムで壮大な実験進める中国、暗黒社会到来の前触れか」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「中国江蘇省の蘇州市は、市民の振る舞いに対して賞罰を与える社会信用システムの実験で、習近平政権が2018年に選んだ12カ所の1つである。市の花「桂花」がこのシステムの名称だ。配偶者の有無や学歴、社会保障給付などの約20の指標に関するデータが収集される仕組みだが、ペンス米副大統領ら欧米の政治家は英国の作家ジョージ・オーウェルが描いた暗黒社会につながる制度だとこのシステムを激しく批判している。世界中の独裁国家のモデルとなり得るかもしれないからだ」

     

    約20の項目についてのデータが収集されている。配偶者の有無や学歴、社会保障給付などだ。結婚は、個人の自由だが、未婚はマイナス点がつけられているのだろう。税金の未納もチェックされている。滞納を防ごうというねらいだ。

     

    (2)「社会信用システムの支持者は、米国で多くの個人向け融資の審査に使われる信用スコア「FICO」に近いものだと主張するが、中国の制度は国民を監視するため公共の場所での監視カメラや決済システムなど広範な監視ネットワークを用いており、はるかに厳しいものであることは間違いない。ボランティア活動や期限通りの支払い、ごみの投げ捨てがないなどの良い行いに対しては特典が付与される一方、悪い行いをすれば金融・公共サービスが突然受けられなくなることもあり得る」

    ボランティア活動・期限通りの納税・ゴミを投げ捨てない「善良」な行為は加点される。悪い行為をすれば、金融や公共サービスを受けられなくなるという不利益を受ける。幼稚園か小学生並みの扱いだ。中国のモラルの低さを反映した評価システムであることは間違いない。ここまでやらなければ、「ゴミの投げ捨て」を防げないとは情けない社会だ。

     

    (3)「蘇州市によれば、桂花は社会保障や民事など20程度の公的部門から個人情報を収集している。スコアは基準の100点から始まり、良い行いをすれば最高200点までポイントが増える。ただ社会信用システムを利用する他の地方当局同様、蘇州市は悪い行いを定義付けてどれだけポイントが減らされるかについてのルールをまだ導入していない」

     

    スコアの基準は100点。善行には200点までの加点がつく。

     

    (4)「地元メディアの報道によると、蘇州で監視対象となっている1300万人のうち約8人に1人が昨年8月時点で100点を超えるスコアだった。100点に満たなかったのは4731人だけで、その全員が融資返済を怠ったか、裁判所の判決に従わなかった「不履行者」だった。残る1100万人余りは基準の100点だ。それでも罰則という考えは、すでに懸念を広げつつある。隣接する浙江省の義烏市では、歩行者に道を譲らなかったとして交通警官から3点を差し引かれた市民が銀行融資を断られたと語った。システムの乱用・悪用を防ぐチェック・アンド・バランスの機能を確保しながら、どう現行の法制度に組み入れていくかが問題だ」

     

    基準点100に、減点と加点されて合計点が算出されるシステムである。蘇州で監視対象となっている1300万人のうち約8人に1人が、昨年8月時点で100点を超えるスコアだった。100点に満たなかった「落第組」は4731人。この比率は、0.036%にあたる。比率で見れば「微少」だが、1300万都市で4731人に不利益が及ぶとはショックである。

     


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    文在寅(ムン・ジェイン)政権は、言うまでもなく5年間の任期である。だが、自らの政権の人気を高めるべく行っている政権戦略が、韓国の永遠の発展に資する国家戦略から見て著しくかけ離れていることが分る。

     

    「親中朝・反日米」が、文政権の本音である。反日は鮮明に打ち出している。親日排除という形で現在、韓国全土に吹き荒れているところだ。日本を侮辱しておきながら、「未来戦術では日韓が手を取り合って」と言われても、日本が「ハイ、そうしましょう」と言うはずがない。文氏には、人情の機微が分らないとすれば「人間失格」と言わざるを得ない。

     

    『朝鮮日報』(6月23日付)は、「康京和外相は『人形』にすぎない」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙の楊相勲(ヤン・サンフン)主筆である。

     

    (1)「1カ月前に米国ワシントンを訪問したある人物は、米国で北朝鮮の話がほとんど持ち上がらなくなったのを見て、非常に驚いたという。最初から最後まで中国関連の話で持ち切りだったのだ。「今こそ中国を抑制する最後のチャンス」という米政界のコンセンサスを強く感じたという。習近平は、「今後100年は頭角を現すことなく待ちなさい(韜光養晦〈とうこうようかい〉)」と諭した鄧小平の遺言を破り、50年にもなる前から自己主張を始めたことで、深刻な逆風にさらされている。だからといって退くこともできない。権威が失墜し、中国国内の反・習近平勢力が力を付ける恐れがあるからだ」

     

    習近平氏は、中国国内で逆風に出会っていると言う。米国と貿易戦争を始めたからだ。現在の国力で、米中が互角に戦えるはずもなく、トランプ旋風にやられっぱなしである。文大統領は、こういう中国の「反習近平」の突風を理解せず、米中覇権争いで去就を決められずにいる。国家戦略とすれば、米韓同盟がある以上当然の選択だ。だが、「政権戦略」としての「親中朝・反日米」が足かせになっている。

     


    (2)「日本の安倍晋三首相は、対日強硬一辺倒の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領と韓国に向かって「愚かだとしか言いようがない」と言ったという。当時日本は「インド・太平洋戦略」を推し進めながら、米国を説得していた。米国、日本、オーストラリア、インドがインド・太平洋で中国を包囲し抑制しなければならないという同戦略は、現在そのまま実行されている。米国は歴史と伝統が備わった「太平洋司令部」という名称を「インド・太平洋司令部」へと変更した。韓国が含まれていないにもかかわらず、在韓米軍と韓米連合司令部の指揮機関名が変更された意味合いについては、韓国国内ではほとんど論議されなかった」

     

    (3)「日本は中国に次いで空母2隻を導入するようになる。これは米国も承認済みだ。もともと親日国家であるインドは、日本とマラッカ海峡近くで1年に5回も合同軍事演習を行った。中国がインド洋に確保したスリランカ海軍基地の近くに、日本とインドが海軍基地を建設する。韓国油槽船はこの基地の前を通ってマラッカ海峡に進入しなければならない。「愚かだとしか言いようがない」という言葉が「韓国の国家戦略は何なのか」を問う質問ならば、一体何と答えるのだろうか。北朝鮮に対する太陽政策がその回答なのか。太陽政策は国家戦略なのか、それとも政権戦略なのか」

     

    朝鮮李朝以来、韓国は外交がきわめて下手である。右顧左眄しており、「洞ヶ峠」を決め込むうちに大勢を見失うという、笑いにもならない失策を繰り返している。この原因は、余りにも目先の利益を重視するからだ。「安物買いの銭失い」が、韓国外交を失敗させる原因に違いない。

     

    (4)「韓国の力は現在われわれ自らが実感している。米中間に挟まって呼吸すらできないような状況だ。日本は最も早く米国の側に付いた。しかし、中国は韓国には脅しを掛けながらも、日本には何も要求していない。日本のGDPにおける対中輸出は3%にすぎない。貿易関係が崩れれば、苦しむのは中国の側だ。韓国のGDPにおける対中輸出は10%を占めている。貿易関係が消滅すれば、中国よりも韓国の方が痛手を負う。これが韓国の国力なのだ。韓国の周りには、強大国だけがひしめいている。われわれは強大国に影響を及ぼすことができる国ではなく、強大国の影響を受ける国なのだ。強大国の動向を真っ先に把握して、これに対応し、国家戦略の方向性を決定しなければならない」

     

    日本は、明治維新以降の歴史で日米が安定的関係を維持できた時、平和の配当金を得られた。韓国も、米韓同盟の原点に立ち返るべきである。同じ思想の国が手を取り合うのが原則である。哲学者カントが『永遠平和のために』で主張するように、民主国は民主国で手を取り合うのが原則なのだ。「親中朝・反日米」は政権戦略である。「国家戦略」はカントの永遠平和論である。

     


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