豪州政府が18日、中国系投資家による自国内レアアース企業への影響力拡大を阻止する措置に乗り出した。中国系株主6人に対しレアアース企業の株式売却を命じたもの。レアアースは、最重要な戦略資産になっている。中国は、世界でレアアース製品の9割を占めている。西側諸国は、これに対抗すべく種々の対応を進めているが、豪州もその一環として「中国締出し」へ動いている。
新型コロナ前まで、豪州は大変な「親中国」であった。この豪州が現在、中国に対して「敵対国扱い」するほど先鋭な関係になっている。豪州が、中国に対して「コロナの原因を究明し発表するよう」に発言したことが発端だ。これに反発して中国が、一方的な輸入制限を課して今日の事態を招いた。習近平氏の奢りが招いた結果である。
『江南タイムズ』(5月19日付)は、「豪州、中国系投資家にレアアース企業株売却命令…『国益保護が目的』」と題する記事を掲載した。
半導体や防衛産業に不可欠な重希土類(レアアース)供給網を巡り、西側諸国と中国の対立が激化する中、オーストラリア政府が18日、中国系投資家による自国内レアアース企業への影響力拡大を阻止する措置に乗り出した。
(1)「豪州のジム・チャーマーズ財務相は同日、中国と関係の深い投資家らがレアアース探査・開発企業ノーザン・ミネラルズの経営権掌握を図った懸念があるとして、中国系株主6人に対し保有株式の売却を命じたと明らかにしたという。チャーマーズ財務相は、声明で「豪州は強力かつ非差別的な外国投資審査制度を運用しているが、国益保護のため必要な場合には措置を講じなければならない」と説明した。豪州政府は今回の措置について、国家利益保護と外国投資規制順守の確保が目的だとしている。ただし、売却命令の対象となった投資家の実名は公表していない」
中国と関係の深い投資家らが、レアアース探査・開発企業ノーザン・ミネラルズの経営権掌握を図った懸念があるとして、保有株式の売却を命じた。徹底的な中国勢力の排除である。
(2)「ノーザン・ミネラルズは、西オーストラリア州キンバリー地域のブラウンズレンジで重希土類開発プロジェクトを進めている。特に、電気自動車(EV)向け高性能磁石に使われる重要レアアースのジスプロシウムの生産分野で、中国の支配的地位に挑戦している企業として知られる。ジスプロシウムは、半導体や防衛産業にも不可欠な素材とされる。豪州政府は、中国資本による戦略鉱物産業支配を防ぐため、2024年にも同様の措置を講じていた。当時、豪州は外国企業買収規制法に基づき、中国関連投資家5社に対してノーザン・ミネラルズ株の売却を命じていた」
ノーザン・ミネラルズは、中国へ重要レアアースのジスプロシウムで挑戦している。それだけに、攻撃の矛を恐れて画策を狙っていたのであろう。
(3)「その後、一部投資家が香港の投資会社Ying takに株式を移転していたことが判明し、迂回的な再参入ではないかとの議論が浮上していた。これを受け、チャーマーズ財務相は今年4月、Ying takに対して暫定命令を発動し、ノーザン・ミネラルズ株主総会での議決権行使や株式処分を制限した。今回、売却命令を受けた6社のうち、3社は中国本土、2社は香港、1社は英領バージン諸島に登録されているという。メディアは、これら投資家がノーザン・ミネラルズ流通株式の約27%を保有していると推定した。このうち4社は、主要株主に該当し、最大株主のバストネス・インベストメントは約7%の株式を保有している。豪州財務省は中国系投資家に対し、この日から2週間以内に株式を処分するよう指示した」
今回、株式売却命令を受けた6社は、ノーザン・ミネラルズ流通株式の約27%を保有しているとみられる。これだけの大株主になれば、経営秘密を盗み出すことは容易である。「獅子身中の虫」になって、暴れ出す危険性があった。
(4)「パースに本社を置くノーザン・ミネラルズは、声明で「財務省命令の内容を精査しており、評価完了後に市場へ通知する」と明らかにした。豪州政府は昨年、中国企業1社が既存の売却命令に違反したとして提訴し、勝訴している。また、豪州財務省は先月、一部の関連投資家が現在も命令に違反している可能性を懸念していると公表した。ノーザン・ミネラルズの株主構成を巡っては、2024年以降、豪州政府が繰り返し介入してきた。ノーザン・ミネラルズ側も、敵対的または非公開型買収のリスクを懸念し、2025年11月に自主的に外国投資審査委員会(FIRB)へ審査を申請している」
中国は、かつて豪州国会へスパイを送込み、豪州が日本製潜水艦購入契約の成立を阻むために議員を買収した一件が暴露されたことがある。中国のスパイ行為は、筋金入りである。
(5)「豪州のジェイソン・クレア教育相は、無人機(ドローン)、サイバーセキュリティー、新エネルギー技術などに関連する研究協力プロジェクト13件への支援を打ち切ったと明らかにした。豪州では過去10年間に、豪州国内研究者が中国、ロシア、イラン、北朝鮮の研究陣と少なくとも1500件に及ぶ共同研究を実施していたことが判明しており、豪州政府は研究安全保障規制を強化している」
豪州の国内研究者が、中国、ロシア、イラン、北朝鮮の研究陣と共同研究していた件数が1500件を上回るという。豪州が、穴場とみられていたのだ。





