勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

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    あじさいのたまご
       

    中国の3番目の空母「福建」は、2022年に「遼寧」「山東」に続き進水以降、試験運航を経て11月5日に就役した。中国当局は、「福建」が以前の「遼寧」「山東」が使用したスキージャンプ式離艦方式ではなく、米フォード級と似た電磁式の航空機射出装置を中国艦艇に初めて搭載したとし、大々的に広報した。だが、米独の専門家が相次いで批判。ドイツ専門家は、設計に致命的欠陥があると指摘した。

     

    『レコードチャイナ』(11月29日付)は、「中国の新空母の致命的な欠陥とは?―独メディア」と題する記事を掲載した。

     

    独『ドイチェ・ヴェレ』(11月25日付)は、中国で就航した新たな空母「福建」の設計に致命的な欠陥があるとする、ドイツ紙の報道を紹介した。写真は中国軍の3隻目となる空母「福建」。

     

    (1)「記事が紹介したのは、ドイツ紙『ディ・ヴェルト』による報道。同紙は中国海軍にとって3隻目の空母となる「福建」が今月初め就役し、海南省の海軍基地で行われたセレモニーに習近平国家主席が出席したことからも、中国がこの空母をいかに重要視しているかがうかがえると伝えた。「福建」が全長315メートル、排水量8万トンで、米国を除く世界最大の空母だと説明。米国の最新空母と同様に電磁カタパルトシステム(EMALS)を採用しており、より重く航続距離の長い艦載機を発艦させることができ、中国にとっては南シナ海の「第二列島線」へ相当数の戦闘機を展開可能になる一方、日本やフィリピン、台湾、ベトナムにとっては懸念材料であると解説した」

     

    「福建」は、米国の最新空母と同様に電磁カタパルトシステム(EMALS)を採用した。この技術は本来、中国にないもので他国技術を導入したはずだ。要するに、借り物技術だけに問題を起しているのであろう。かつて、中国専門家は「他国から窃取するほかない」と技術の壁を漏らしていた。

     

    (2)「同紙はその上で、「福建」が抱える「設計士の経験不足による致命的な欠陥」として、巨大な艦体を持つにもかかわらず複数の艦載機を同時に離着陸させることができないと指摘。艦体から斜めにずれた飛行甲板(アングルドデッキ)の設計により、艦載機が離着陸する際に3本ある電磁カタパルトのうち2本を横切ってしまうほか、1本のカタパルトの噴射偏向板が作動すると、着陸した機体が整備エリアへ移動できずに複雑な旋回が必要となり、後続の機体の離着艦を妨げると説明した。このため、「福建」の艦載機による離着陸量は、米国が保有する同等の空母の約半数にとどまると同紙は指摘している」

     

    「福建」の艦載機による離着陸量は、設計上のミスで米国が保有する同等の空母の約半数にとどまるという。

     

    (3)「記事は、「福建」が持つ「致命的な欠陥」と近代的空母の運用経験不足から、中国海軍は短期的には米海軍に対抗する戦力とはなり得ないと予測する一方で、衛星画像からは中国4隻目の空母が米国の最新鋭空母に匹敵する排水量11万トン超の原子力空母となることが示唆されており、中国の戦力が米国に匹敵するのは時間の問題だとも伝えた。その上で、「福建」は総じて中国が遠洋で軍事力を誇示できる新時代の始まりを告げるものであり、中国の学習能力と海洋強国への決意を示す警告信号でもあると結論づけている」

     

    空母の離着陸技術は、極めて高度なものとされている。米国でも当初は多くの犠牲者を出した。それだけに、「福建」の「致命的な欠陥」と近代的空母の運用経験不足によって、戦力は米国よりもはるかに劣る、というのは当然であろう。

     

    『中央日報』(11月18日付)は、「空母『福建』酷評に…中国メディア『米専門家らの概念不足』」と題する記事を掲載した。

     

    中国メディアが自国の最新鋭空母「福建」に対する西側の酷評に反論した。「福建」は米国の最新鋭空母「フォード」に匹敵する性能と主張しながらだ。

     

    (4)「中国の3番目の空母「福建」は、11月5日に就役した。しかし、「福建」の電磁式射出装置に対する西側の評価は厳しかった。米海軍空母で勤務したカール・シュスター予備役大佐はCNNに出演し、「『福建』着艦区域が船体中心線から6度にすぎず、米海軍空母の9度と比較すると角度が小さい」とし「このため着艦用滑走路と船首側に配置された2つの射出装置の間に確保される空間が制限される」と主張した。したが甲板の余裕空間が減り、同時に離着艦能力が落ちるしかないという論理だ。「福建」の実質的な作戦能力がフォード級より一段階低いニミッツ級空母の約60%水準というのがシュスター大佐の結論だった」


    着艦区域は、空母の「まっすぐな中心線」から少し斜めに配置されている。なぜ斜めかというと、もし着艦に失敗しても、飛行機が空母の前方にある他の設備にぶつからないようにするためだ。「福建」は、この斜めの角度が6度しかない点が問題とされている。米国の空母では9度くらいあるのが一般的である。この差が何を意味するかといえば、次のような問題が起こる。

     

    角度が小さい(6度)と、滑走路が船の中心に近くなる。その結果、滑走路の周りにある「飛行機を発射する装置(カタパルト)」との間のスペースが狭くなる。これによって、同時に複数の飛行機を離着艦させる効率が落ちるというのだ。「福建」の実質的な作戦能力が、フォード級より一段階低いニミッツ級空母の約60%水準とされている。これは、「福建」の戦闘能力が大きく落ちることを意味する。一大事だ。 

     

     

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    中国経済は、「進むも地獄、退くも地獄」という進退に窮した局面へ向っている。過剰投資=過剰生産=価格下落の連鎖を断ち切るには、過剰投資を抑えることがポイント。投資は、GDPを押上げる即効性があるだけに、地方政府がブレーキを踏めずにきた。それが、習氏の発言で投資抑制へ動き始めた。26年以降のGDP成長率は急激な左肩下がり必至となった。

     

    『フィナンシャル・タイムズ』(11月26日付)は、「中国の固定資産投資減、『反内巻』政策影響か 過当競争抑制が響く」と題する記事を掲載した

     

    中国の統計上に表れる投資が急減し、産業の過当競争を抑制しようとする習近平国家主席の政策が、世界2位の中国経済に影響を与えている可能性が出てきた。固定資産投資の落ち込みは予想外で、減少を記録したのは過去数十年間であまり例がない。

     

    (1)「中国共産党の理論誌「求是」は11月、産業発展の優先的取り組みに関する習氏の様々なコメントを掲載したが、その中に習氏の「バブル経済への突入を阻止しなければならない」との発言があった。固定資産投資に関するデータの質にはかねて疑問が呈され、10月の統計は技術的な変更の影響が大きかったかもしれないとのアナリストの見方があるものの、劇的な落ち込みは中国の成長を著しく左右する可能性がある。オランダ金融大手ノING中華圏担当チーフエコノミスト、リン・ソン氏は「多くの中国企業に話を聞くと、投資面でかなりの慎重さがある」と語り、「中国政府が今年半ばに反内巻政策に言及し始めて以来、公共部門でも慎重姿勢が強まっている可能性がある」と指摘した」

     

    習氏の「バブル経済への突入を阻止しなければならない」との発言で、設備投資へのブレーキがかかってきた。公共部門のインフラ投資でも慎重姿勢が強まっている。

     

    (2)「中国政府が、11月に発表した110月の固定資産投資は前年同期比1.%減少した。19月は0.%減だった。2020年の新型コロナウイルス禍初期を除くと、固定資産投資の落ち込みは過去数十年間でこの2回だけにとどまっている。中国は固定資産投資の変化率を単月で公表していないものの、データの急激な下げ幅から10月は前年同月比11%減だったことが推定される。英調査会社アブソリュート・ストラテジー・リサーチのエコノミスト、アダム・ウルフ氏は「私にとっては本当に謎だ」と話した。これほど「広範な減速」が起きるには、反内巻政策以外の要因があるはずだという」

     

    10月の固定資産投資は、前年同月比11%減と推定される。急激な落ち込みである。ここまで、急落するとは謎とされている。

     

    (3)「米金融大手ゴールドマン・サックスのアナリストらは、固定資産投資の減少幅の約60%が「過去に過剰申告されていたデータの統計的補正」によるものだと推測している。ゴールドマンは11月下旬に発表したリポートで、セメント生産や鉄鋼需要などのコモディティー(商品)指標に基づき、過去の過剰申告が今回の減少の余地を生んだとの見方を示した。「直近の固定資産投資の落ち込みは、投資意欲の減退を実際より誇張して示している可能性がある」という。それでもゴールドマンのアナリストらは、減少幅の約40%が政府の反内巻政策、不動産市場の減速、インフラ関連の財政支出の鈍化で説明できると指摘した」

     

    10月の固定資産投資の急減は、約60%が「過去に過剰申告されていたデータの統計的補正」。つまり、過去のGDPが「水増し」されていたという意味だ。約40%が、政府の反内巻政策、不動産市場の減速、インフラ関連の財政支出の鈍化で説明できるという。これが、正味の減少だ。

     

    (4)「投資の減少により、代わりの成長源を探すよう地方政府に求めるプレッシャーは一段と強まる見通しだ。中国の不動産不況が5年目に入ったにもかかわらず、10月に不動産価格の下落が加速したという状況ではなおさらだ。他の産業分野もつまずいている。中国の対米輸出は何カ月も減少が続いてきたが、10月は全体のドル建て輸出額まで減少に転じた。英調査会社キャピタル・エコノミクスによると「米国以外の市場への出荷の広範な減少」が原因だった。キャピタル・エコノミクスの黄梓純氏は、輸出が「成長の重要なけん引役」にとどまる公算が大きいものの、近年に比べると寄与度は小さくなるだろうと話した」

     

    中国の不動産不況が5年目に入ったにもかかわらず、10月に不動産価格の下落が加速している。住宅過剰在庫の「防波堤」が、持ちこたえられずに決壊したようなものであろう。とすれば、住宅不況はこれからが本番になる。

     

    (5)「こうした中で、習氏の反内巻政策は新規投資に一段と下押し圧力がかかることを暗示する。過当競争の取り締まりが現在行われているのは、世界市場で支配的な中国のバッテリー生産を支えるリン酸鉄リチウムイオン(LFP)業界だ。中国化学物理電源産業協会の湯雁・副秘書長によると設備稼働率がわずか50%で、業界全体での赤字が36カ月続いている。国営メディアによると湯氏は11月、「ようやく獲得した世界のサプライチェーンでの中国の優位性を無秩序な競争で損ない続けている」と述べた」

     

    電池業界の稼働率はわずか50%で、業界全体での赤字が36カ月続いている。「新種の神器」(EV・電池・太陽光パネル)は、すべて赤字か、赤字に近い状況だ。「新質生産力」は、「赤字生産力」と化している。

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    台湾有事を巡る高市早苗首相の国会答弁を巡り、中国が日本に圧力を加えようと欧州にも外交戦を展開している。中国の王毅外相は27日、フランスのボンヌ大統領外交補佐官との電話協議で高市政権を批判し、フランス側の同調を呼びかけた。現実には、台湾問題を巡る溝は中国と欧州との間でも深まっている。事態が、習近平指導部の思惑通りに進むとは考えにくい。欧州は、G7で日本の「味方」なのだ。

     

    『毎日新聞 電信版』(11月28日付)は、「台湾有事答弁巡り、中国が欧州にも外交戦 現実はあつれき絶えず」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「中国外務省によると、王氏はフランスのボンヌ大統領外交補佐官との電話協議で「日本の現職指導者は台湾に関して挑発的発言を行い、中国の主権と領土の一体性を侵害した」と主張。フランス側に「第二次世界大戦勝利の成果を共同で守り、互いの核心的利益に関わる問題で互いに支持すべきだ」と述べた。中国側の発表では、ボンヌ氏は「台湾問題での中国の正当な立場を理解する」と表明したという」

     

    外交用語では、「理解」や「尊重」は、「承認」と違って法的意味のない言葉とみなされている。ボンヌ氏は「台湾問題での中国の正当な立場を理解する」と述べた。外交的には法的意味のない言葉を使っている点に注目すべきだ。「聞き及びました」という意味だ。

     

    (2)「仏ルモンド紙によると、フランスは、マクロン大統領が12月3~5日の日程で訪中すると発表しており、今回の電話協議はそのための事前準備とみられる。これから年明けにかけて中国は欧州主要国の首脳を相次いで迎えようとしている。ロイター通信によると、1月にもドイツのメルツ首相が訪中する予定で、英メディアはイギリスのスターマー首相も1月の訪中を調整中と報じた」

     

    王外相は、習国家主席の手前、日本へ強腰を見せている。日本留学経験のある王氏は辛い立場だ。

     

    (3)「米国に対抗するため、中国は欧州との連携強化を望んでおり、トップ外交を重要な機会と位置づける。さらに、王氏とボンヌ氏の電話協議からは、この機に乗じて台湾問題で日本に圧力をかけようとする思惑も浮き彫りになった。しかし、中国側があえて触れようとしない不都合な現実がある。それは欧州諸国との間でも台湾問題を巡るあつれきが絶えないことだ。11月には、台湾の蕭美琴副総統がベルギー・ブリュッセルの欧州連合(EU)欧州議会で演説した。台湾の高官が欧州議会で演説したのは初めてという。同じ時期に蔡英文前総統もドイツ・ベルリンでのイベントで民主主義や自由の重要性を訴えた。蔡氏は昨年以降、チェコやデンマークを訪問した。度重なる台湾要人の訪欧に、中国側は神経をとがらせている」

     

    台湾首脳や元首脳は、欧州を相次いで訪問している。EUは、台湾の立場に深い同情を寄せているのだ。それを知ってか知らずか、台湾と日本を非難している。

     

    (4)「欧州が、台湾問題への関心を強めるのは、ウクライナに侵攻するロシアを経済面で支える中国に対し、安全保障上の警戒心が高まっていることが大きい。今年5月には、マクロン氏がシンガポールでのアジア安全保障会議で「ロシアがいかなる制約もなくウクライナ領土の一部を奪うことが許されると考えると、台湾では何が起きるだろうか」と問題提起した」

     

    欧州からみる中国は、ウクライナ侵攻を背後から手助けする国と冷笑されている。自らの矛盾した立場を弁えない王氏は、さしずめピエロ役であろう。

     

    (5)「中国が、意に沿わない国々への「威圧」を常とう手段としていることは、欧州が身をもって経験している。近年、習指導部は、台湾と交流を深めたリトアニアに経済的圧力を加えてきた。過去にはノーベル平和賞を中国の民主活動家、劉暁波氏が受賞したことで、ノルウェー産のサーモン輸入を差し止めたこともあった。欧州では、中国との間でレアアース(希土類)問題を含む貿易摩擦への懸念も深まっている。日中関係筋は、「中国の主張が国際社会に浸透しているとは思えない。中国のやり方に、閉口するような空気も感じられる」と明かした」

     

    EUは心底、中国を「厄介者」扱いしている。ダンピング輸出や威圧で、どれだけ迷惑をかけているか、だ。そういう事実を忘れたような顔をしているのは、なんとももの悲しい話である。

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    習近平国家主席は、高市首相の台湾発言に「まなじりを決する」勢いで立ち向かってきたが、国内企業の業績不調にはお手上げである。打つ手がないのだ。1~9月の企業業績は、4社が1社赤字という悲惨な状態である。高市発言を非難する調子で、経済対策を行ったらどうか。こういう影の声も聞こえるほどのていたらくだ。

     

    『日本経済新聞 電子版』(1127日付)は、「中国企業4社に1社が赤字 19月過去最悪、不動産・太陽光が不振」と題する記事を掲載した。

     

    中国企業が業績悪化に苦しんでいる。上場約5300社の2025年1〜9月期決算は、最終赤字となった企業の割合が24%と前年同期から1ポイント上昇し、データがそろう02年以降で最悪だった。不動産と太陽光関連は、およそ半数が赤字だ。赤字の背景にある内需の落ち込みや過剰生産は、世界景気を下押しするリスク要因にもなる。

     

    (1)「上海や深圳など中国本土市場に上場する企業(金融を除く)を集計した。新型コロナウイルス禍から内需回復が遅れたこともあり、赤字企業の割合は17年(7%)を底にほぼ右肩上がりで上昇している。25年1〜9月期は3割超の企業が最終減益で、増益企業は4割にとどまった」

     

    1〜9月期は、3割超の企業が最終減益、増益企業は4割にとどまった。 1~10月の工業利益は、前年同期比1.%増。製造業や公益事業は引き続き高い伸びを示す一方、鉱業は2桁台の減益が続いた。このように、企業収益は苦境が続いている。生産者物価指数(PPI)の落ち込みは、すでに3年を超えている。赤字企業が、1~9月で25%にも達するのは当然だ。

     

    (2)「特に不動産は、20年に習近平指導部が融資規制を打ち出して以降、業績の悪化に歯止めがかからない。25年1〜9月期は、上場100社中48社が最終赤字だった。中国国家統計局によると、新築住宅の販売面積は19月に前年同期と比べ6%減少した。マンション大手の万科企業は、19月期の最終損益が280億元(約6100億円)の赤字と中国上場企業の中で最も赤字額が多かった。経営トップが1年足らずで交代するなど企業統治の面でも混乱が続く。不動産100社合計の最終損益は647億元の赤字だった。建設業の3割超が最終赤字になるなど関連産業への影響も大きい」

     

    不動産の万科は、深セン市が筆頭株主であるが、大手銀行2行から融資を断られるという最悪事態だ。深セン市も、これ以上の資金援助は不可能としており万策尽きた感じである。

     

    (3)「供給が需要を上回る産業では、「内巻」と呼ばれる価格競争が起き、採算の重荷になっている。典型が太陽光関連で、晶科能源(ジンコソーラー)はじめ大手各社が軒並み最終赤字となった。大手は、蓄電事業の強化を打ち出しているが、事態打開のための新規施策でも今後、過当競争が起きる可能性がある」

     

    太陽光は、ダンピング輸出で世界中へ災難を振り撒いているが、赤字へ落込んだ。「身から出たサビ」とか、「自業自得」とか、批判されても当然である。特に、欧州からは深い恨みを買っている。

     

    (4)「自動車は乗用、商用車メーカー21社中6社が最終赤字となり、純利益合計は前年同期を10%下回った。国有の広州汽車集団が43億元の最終赤字になったほか、比亜迪(BYD)は8%の最終減益だった。中国の19月の新車販売は累計2436万台と前年同期を13%上回った。買い替えを支援する補助金もあって市場は拡大基調を保つ半面、電気自動車(EV)など新エネルギー車は価格下落が目立つ。中国当局は需要の下支えを継続すると同時に、ある程度の値下げは国際競争力を高めるとして容認する考えだ」

     

    自動車も赤字だ。EV(電気自動車)は、過剰生産が価格低落を引き起して「自滅」の形だ。地方政府の補助金が招いた事態である。

     

    (5)「業績が好調だったのは、政府が重点産業に位置づける半導体関連など一部業種に限られた。半導体産業を巡っては補助金や税減免に加え、人工知能(AI)向け半導体などで国産品を優先するよう働きかけている。25年1〜9月期は受託生産や設計・開発、製造装置など多くの分野で伸び、最終増益率は50%と前年同期(23%)から大きく上昇した。習指導部はハイテク産業への傾斜を強めているが、不動産市場の低迷が消費意欲の減退を招く「逆資産効果」もあって消費は弱い。商業・小売りは35%減益、食品も5%の減益となった」

     

    半導体は、政府の手厚い支援を受けているが、過剰生産に陥っていない。それだけ、技術的に未熟で乱売戦に入れるほどの生産レベルに達していない証拠だろう。

     

    (6)「約5300社の純利益合計は前年同期比で2%増にとどまった。半導体をはじめ国策の恩恵を受ける一部業種に利益が偏る構図で、純利益合計額はピークの22年1〜9月期より1割ほど低く、企業業績の停滞感は強い。中国は中央、地方政府ともに債務増が続いており、内需テコ入れのための大盤振る舞いは難しくなっている。米国との対立を見据え半導体などの供給網構築を優先しており、消費喚起は後手に回る状況が続きそうだ」

     

    1~9月では、約5300社の純利益合計が、前年同期比で2%増にとどまった。1~10月の工業利益が、1.9%増であることから、中国経済の実態は、2%前後の水準まで落込んでいることを示唆している。

     

     

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    習近平氏は、高市発言をめぐってトランプ氏まで電話をするほどの騒ぎを引き起したが、これで一段落する気配も漂い始めている。中国のイメージダウンになることに気付いたようで、振りかざした拳を下ろす気配がみえてきた。と言っても、現状はそのまま。互い睨み合いの状態がつづきそうだ。

     

    『ハンギョレ新聞』(11月27日付)は、「中国、日本に『追加対応』警告後に様子見…中日、緊張のなか関係改善の見通し」と題する記事を掲載した

     

    日本の高市早苗首相の「台湾有事で集団的自衛権の行使は可能」発言後、圧力を加えている中国は、発言が撤回されなければ追加措置がありうると警告していたが、その後の局面では逆効果を懸念し、対応の度合いを調整しているという分析が示された。

     

    (1)「香港『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』(11月26日付)は、専門家らの話を引用し、中国が日本にさらに圧力を加えることはすぐにはないだろうと報じた。これは、トランプ政権の高率関税措置などに備え、中国が最近強調しているルールに基づく開放的な国家というイメージを損ね、外国人投資家の間で不確実性への懸念を強める恐れがあるためだと説明した。華南理工大学公共政策研究所の徐偉鈞研究員は「(日本に対する)経済的対応に過度に依存すれば、開放的な貿易大国としてみなされることを望んでいる中国の戦略を弱め、外国人投資家や企業を不安にさせる恐れがある」と指摘した」

     

    香港『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』は、中国政府が日本へさらなる圧力を掛けることはないとの予測記事を掲げた。これ以上踏み込めば、日本がやむなく「応戦」して、中国が痛手を被るからだ。中国が、日本へ圧力かけられる限界を示している。

     

    (2)「高市首相は今月初めに国会で、中国の侵攻にともなう台湾有事の状況は、日本が集団自衛権を行使できる「存立危機状況」だと発言した。台湾を自国の領土の一部とみなす中国は、内政干渉であり、日本の軍国主義の復活を予告するものだと強く反発している。中国は、自国民の日本への旅行・留学の自制命令、日本産水産物の輸入再開の停止、高官級会議の延期通知などで対応している」

     

    台湾は、国際法的に言えば中国の領土ではない。北京政府に統治権がなく、実効支配していないのだ。台湾侵攻は、中国の侵略行為になる。

     

    (3)「レアアースの輸出規制などを管轄する中国商務部の何詠前報道官は、20日の定例会見で、高市首相が発言を撤回しなければ「必要な措置」を取るなどと述べ、追加対応を示唆した。言及されている中国の追加圧力措置としては、日本への旅行の自制ではなく「禁止」、観光目的などでの中国入国時のビザ免除の終了、レアアース輸出規制の強化などがある。日本製品の輸入制限や日本人による直接投資の規制などを導入する可能性があるとの見方も出ている」

     

    中国が、日本へレアアースを止めれば、日本は半導体素材を輸出ストップにする。中国は代替先がないから、半導体生産はストップする。それを覚悟なら、「おやりなさい」だ。大言壮語もほどほどにしないと、経済の寿命を縮めることになろう。

     

    (4)「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット」のシニアアナリストのチム・リー氏は、このような措置によって、日本の自動車産業が影響を受ける可能性があると指摘した。リー氏は「このような措置が導入された場合、元に戻るのは困難」だとして、「中国と日本はいずれもこのような措置を限界ラインとみている」と分析した。しかし、中国は友好的な日本企業との関係を維持して、外国人の投資を拡大し、米国に対する依存度を減らそうとしており、経済的影響は限定的だとリー氏は予測した」

     

    中国が、レアアース輸出を止めた場合の代償は大きくなる。「このような措置が導入された場合、元に戻るのは困難」になる。中国は、何と言ってレアアース輸出規制を解除するのか。「弁解」しにくくなろう。

     

    (5)「米中関係の改善も、中日の緊張に影響を与える見込みだ。四川大学経済学院の龐中英教授は、来年予定される米中首脳の相手国訪問が、中日関係の見通しを改善しうるとみている。龐教授は「第2次世界大戦後の日本の対中国政策は、おおむね米国の動きに追随してきた」と指摘した。龐教授は「もし、米国が中国との関係を安定化させようと動けば、日本もそれに従うことになる」として、「最終的に中日関係の行方は、緊張下にあっても改善に向かう可能性が高い」と述べた」

     

    習氏は、トランプ氏へ「言いつけた」から、儀式が終ったのであろう。習氏のトランプ氏への電話は、どう意味づけになるのだろうか。それなら、高市氏へ電話するのが筋であろう。それができないから、不満をトランプ氏へ言ったに違いない。

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