中国の3番目の空母「福建」は、2022年に「遼寧」「山東」に続き進水以降、試験運航を経て11月5日に就役した。中国当局は、「福建」が以前の「遼寧」「山東」が使用したスキージャンプ式離艦方式ではなく、米フォード級と似た電磁式の航空機射出装置を中国艦艇に初めて搭載したとし、大々的に広報した。だが、米独の専門家が相次いで批判。ドイツ専門家は、設計に致命的欠陥があると指摘した。
『レコードチャイナ』(11月29日付)は、「中国の新空母の致命的な欠陥とは?―独メディア」と題する記事を掲載した。
独『ドイチェ・ヴェレ』(11月25日付)は、中国で就航した新たな空母「福建」の設計に致命的な欠陥があるとする、ドイツ紙の報道を紹介した。写真は中国軍の3隻目となる空母「福建」。
(1)「記事が紹介したのは、ドイツ紙『ディ・ヴェルト』による報道。同紙は中国海軍にとって3隻目の空母となる「福建」が今月初め就役し、海南省の海軍基地で行われたセレモニーに習近平国家主席が出席したことからも、中国がこの空母をいかに重要視しているかがうかがえると伝えた。「福建」が全長315メートル、排水量8万トンで、米国を除く世界最大の空母だと説明。米国の最新空母と同様に電磁カタパルトシステム(EMALS)を採用しており、より重く航続距離の長い艦載機を発艦させることができ、中国にとっては南シナ海の「第二列島線」へ相当数の戦闘機を展開可能になる一方、日本やフィリピン、台湾、ベトナムにとっては懸念材料であると解説した」
「福建」は、米国の最新空母と同様に電磁カタパルトシステム(EMALS)を採用した。この技術は本来、中国にないもので他国技術を導入したはずだ。要するに、借り物技術だけに問題を起しているのであろう。かつて、中国専門家は「他国から窃取するほかない」と技術の壁を漏らしていた。
(2)「同紙はその上で、「福建」が抱える「設計士の経験不足による致命的な欠陥」として、巨大な艦体を持つにもかかわらず複数の艦載機を同時に離着陸させることができないと指摘。艦体から斜めにずれた飛行甲板(アングルドデッキ)の設計により、艦載機が離着陸する際に3本ある電磁カタパルトのうち2本を横切ってしまうほか、1本のカタパルトの噴射偏向板が作動すると、着陸した機体が整備エリアへ移動できずに複雑な旋回が必要となり、後続の機体の離着艦を妨げると説明した。このため、「福建」の艦載機による離着陸量は、米国が保有する同等の空母の約半数にとどまると同紙は指摘している」
「福建」の艦載機による離着陸量は、設計上のミスで米国が保有する同等の空母の約半数にとどまるという。
(3)「記事は、「福建」が持つ「致命的な欠陥」と近代的空母の運用経験不足から、中国海軍は短期的には米海軍に対抗する戦力とはなり得ないと予測する一方で、衛星画像からは中国4隻目の空母が米国の最新鋭空母に匹敵する排水量11万トン超の原子力空母となることが示唆されており、中国の戦力が米国に匹敵するのは時間の問題だとも伝えた。その上で、「福建」は総じて中国が遠洋で軍事力を誇示できる新時代の始まりを告げるものであり、中国の学習能力と海洋強国への決意を示す警告信号でもあると結論づけている」
空母の離着陸技術は、極めて高度なものとされている。米国でも当初は多くの犠牲者を出した。それだけに、「福建」の「致命的な欠陥」と近代的空母の運用経験不足によって、戦力は米国よりもはるかに劣る、というのは当然であろう。
『中央日報』(11月18日付)は、「空母『福建』酷評に…中国メディア『米専門家らの概念不足』」と題する記事を掲載した。
中国メディアが自国の最新鋭空母「福建」に対する西側の酷評に反論した。「福建」は米国の最新鋭空母「フォード」に匹敵する性能と主張しながらだ。
(4)「中国の3番目の空母「福建」は、11月5日に就役した。しかし、「福建」の電磁式射出装置に対する西側の評価は厳しかった。米海軍空母で勤務したカール・シュスター予備役大佐はCNNに出演し、「『福建』着艦区域が船体中心線から6度にすぎず、米海軍空母の9度と比較すると角度が小さい」とし「このため着艦用滑走路と船首側に配置された2つの射出装置の間に確保される空間が制限される」と主張した。したが甲板の余裕空間が減り、同時に離着艦能力が落ちるしかないという論理だ。「福建」の実質的な作戦能力がフォード級より一段階低いニミッツ級空母の約60%水準というのがシュスター大佐の結論だった」
着艦区域は、空母の「まっすぐな中心線」から少し斜めに配置されている。なぜ斜めかというと、もし着艦に失敗しても、飛行機が空母の前方にある他の設備にぶつからないようにするためだ。「福建」は、この斜めの角度が6度しかない点が問題とされている。米国の空母では9度くらいあるのが一般的である。この差が何を意味するかといえば、次のような問題が起こる。
角度が小さい(6度)と、滑走路が船の中心に近くなる。その結果、滑走路の周りにある「飛行機を発射する装置(カタパルト)」との間のスペースが狭くなる。これによって、同時に複数の飛行機を離着艦させる効率が落ちるというのだ。「福建」の実質的な作戦能力が、フォード級より一段階低いニミッツ級空母の約60%水準とされている。これは、「福建」の戦闘能力が大きく落ちることを意味する。一大事だ。





