勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 韓国経済ニュース時評

    a0960_008564_m
       

    韓国の合計特殊出生率が、低下記録を更新し続けている。23年は「0.72」と世界ワースト記録を塗り替えた。韓国統計局によると、24年は「0.68」へさらなる低下が見込まれるという。23年12月の記者会見で公表した。

     

    韓国は、世界で最初に「消える国」とまで酷評されている。若い女性に「結婚願望」がないことが、大きな問題として指摘されている。さらに、結婚しても「子どもは要らない」という認識が広く共有されるという事態だ。韓国の未来が閉塞状態であるも影響している。

     

    こうした結果、働き手の中心となる15〜64歳の生産年齢人口は、72年に1658万人となる。22年から約55%減少する。人口を年齢順に並べた中央値を示す中位数年齢は、22年の44.9歳から72年には63.4歳と超高齢化が進む。韓国が、世界で最初に「消える国」と言われるのは、決して誇張したものではない。

     

    韓国の合計特殊出生率は、15年まで1.1〜1.3の間で横ばいを保った。それが、16年になって底が割れたように急落が始まった。18年に1を下回り、23年の0.72まで8年連続で低下している。生まれてくる子供の数は、8年間でほぼ半減状態である。この経緯をみると、日本も他人事ではなくなる。現在の日本の合計特殊出生率は1.26(22年)である。だが、韓国と同様にこの段階から「底割れ状態」が起こらないとは限らないのだ。日本は、韓国のケースを深く研究しなければならない。

     

    『中央日報』(2月28日付)は、「出生率0.72人で最下位の韓国、人口減少スピードさらに速まる」と題する記事を掲載した。

     

    韓国統計庁が28日に発表した「2023年出生・死亡統計(速報値)」によると、昨年の出生数は23万人で、前年の24万9200人より7.7%の1万9200人減少した。女性1人が生涯に産むと予想される平均出生数である合計特殊出生率は2022年の0.78人から昨年は0.72人に落ち込んだ。男女100組を基準として72人だけ子どもが生まれるという意味だ。専門家らは人口を維持するのに必要な出生率を2.1人とみる。

     

    (1)「少子化にブレーキはない。むしろアクセルをさらに強く踏み込む様相だ。前年比の出生数減少率は2021年が4.3%、2022年が4.4%だった。2016~2020年に記録した年間7~11%台の減少率をより低くなり少子化速度は鈍化するようだった。しかし昨年は7.7%を記録しそうした希望までへし折られた。さらにコロナ禍も収束しただけに「コロナ禍のため」という少子化原因説明ももはや説得力を失った形だ」

     

    ここ3~4年、パンデミックを出生減の理由にしてきた。だが、現在は説明力を失っている。「子どもを産みたくない」という風潮が余りにも大きくなっているからだ。


    (2)「2017年に始まった出生数減少と出生率低下が、すでに8年にわたり続いている。今年も続く可能性が大きい。昨年10-12月期だけ見れば合計特殊出生率は0.65人だった。四半期基準で出生率が0.6人台を記録したのは初めてだ。統計庁のイム・ヨンイル人口動向課長は「昨年の将来人口推計で24年は0.68人と予想した。数年前だけでも0.6人台までは落ちないだろうみていたが四半期単位で0.6人台が出てくるなど現実に近づいているようだ」と話した」

     

    大都市での合計特殊出生率は、すでに「0.6台」というゾッとする数字が珍しくなくなっている。人々の予想を上回る速度で「出生率低下」が始まっているのだ。

     

    (3)「首都圏集中とこれによる過度な競争、不動産価格上昇などが出生数減少の主要因に挙げられる。実際に大都市の出生率が低かった。昨年、ソウルの出生率は0.55人で、前年の0.59人より0.04人下落した。釜山(プサン)が0.66人、仁川(インチョン)が0.69人などと続いた。合計特殊出生率が1人を超えていた世宗(セジョン)まで0.97人に落ちた。もう全国の市・道のうち出生率が1人を超える所は1カ所もなくなった」

     

    ソウル一極集中の是正もテーマになる。尹大統領は2月13日、韓国の現状を「コート全体をまともに使えないサッカー」と例えた。首都圏への人口集中が少子化の原因だと断じ、税制支援などを通じて地方に企業を移転し、社会インフラを整える戦略を示した。政府の直接支援だけでなく、企業を通じた社会づくりも重視する。出産支援や育休取得に積極的な企業への税制優遇を検討する。従業員の子育てを支援する企業を評価する社会の雰囲気を醸成することを狙う。

     

    (4)「人口ショック」は避けられない現実として近づいた。昨年末の韓国の人口は5132万5000人だ。昨年1年間に生まれた子どもは全人口の0.4%水準にすぎない。年間100万人ずつ生まれたベビーブーマー世代が、高齢層に入るなど高齢化の速度は速い。少子化が続いたため、新たに生まれる世代の扶養義務が急速に高まっている」

     

    韓国は、「国が消える」騒ぎまで起こっている以上、あらゆるタブーに挑戦する気構えで対応するほかない。地方経済を立直し、人口最適配置の構図が不可欠になっている。

     

    a0960_008417_m
       

    世界の半導体業界は、AI(人工知能)の実用化にともない、半導体需要が急増している。この好影響を最も受けているのは、エヌピディアとTSMCである。いずれも「台湾系」である。米国ではこれに対抗して、インテルとMS(マイクロソフト)が組んでAI半導体で地盤を築くと宣言。6年以内にサムスンを抜いて、世界2位を奪回するというのだ。 

    『東亜日報』(2月23日付)は、「『6年以内に三星を追いつく』インテルの半導体宣戦布告」と題する社説を掲載した。 

    米半導体企業のインテルが一昨日、2030年までファウンドリ(半導体受託生産)市場で2位になると公式宣言した。会社名については言及しなかったが、現在2位の三星(サムスン)電子を直接狙ったものだ。直ちにマイクロソフト(MS)と提携し、今年末までに1.8ナノチップの量産に乗り出すと明らかにした。

     

    (1)「公言どおりなら、25年に2ナノの量産を計画する三星電子や台湾TSMCより速いスピードだ。1.4ナノの超微細工程も、三星・TSMCと同様に2027年に量産する計画を明らかにした。一昨日、インテルが開催した初のファウンドリ行事は、米国がアジアに奪われたファウンドリの主導権を取り戻すという宣戦布告の場だった。現在、アジアに80%を依存する世界半導体生産の半分を欧米に持ってくるという 

    インテルは、半導体草分け企業としてメンツに賭けてもランクアップを図りたいところだ。減産時に、後発のサムスンに振り回されるという屈辱を味わって来た。それだけに、リーディングカンパニーとしての矜持を保ちたいところだろう。下線部には、米国のプライドが現れている。米国経済復活へのテコにしたいのだ。 

    (2)「レモンド米商務長官が第2の半導体法を予告し、破格の支援を約束し、MSやオープンAIなど米人工知能(AI)代表企業の最高経営者らも総出動して支援射撃を行った。「半導体は未来の石油」「インテルは米国のチャンピオン」「米国のサプライチェーンの再建」などの発言も出た。2021年3月、ファウンドリ産業に再挑戦した後発走者のインテルが、一気に先頭圏に躍り出ることはできないだろうという見方もある」 

    非メモリー半導体(ファウンドリ産業)は、高度の技術を持ちあらゆるユーザーの動向に合わせて技術蓄積している。TSMCは、研究開発部門も24時間3交代制という突貫態勢である。このTSMCを技術でキャッチアップするのは、極めて困難であろう。しかも、日本との連携強化によって設備・素材で最高の供給を受けられる体制を作りあげている。「アメリカンワンチーム」になれば、「日台ワンチーム」もこれに対抗して強化するとみられる。サムスンは、このいずれにも加わらず、どうするのか。

     

    (3)「インテルは過去、7ナノ工程でも苦労しており、現在、ファウンドリの市場シェアは1%前後に過ぎない。だが、往年に「半導体帝国」と呼ばれたインテルの底力に、米政府と企業が一丸となった「アメリカワンチーム」の全面的な支援まで考慮すれば、無視できない事態だ。インテルの参戦により、韓国の半導体に赤信号が灯っている。主力メモリー半導体の業況回復がまだ遅い状況で、ファウンドリ市場でややもするとTSMCとインテルの狭間になる危機に直面している」 

    サムスンは、国内の「反企業ムード」と戦わねばならない。左派の地方自治体は「反企業ムード」が高く、企業の設備投資へ協力的でない。 

    (4)「インテルは、米政府を味方につけている。三星電子の前は茨の道だ。インテルは、米政府から13兆ウォン台の補助金を受け取ることになるという観測が出ているが、三星電子は現在、米国投資に対する補助金の規模などが不透明な状態だ。韓国国内投資に対する税額控除も、やはり競争国に比べて高い法人税率などでその効果は微々たるものだ」 

    サムスン電子の監査報告書によると、昨年7~9月期まで保有していたオランダ先端半導体製造設備授業のASML株式158万407株(持ち分比率0.4%)を10~12月期中に全て売却した。ASMLの株価から推計すると、売却により1兆2000億ウォン(約1350億円)前後の資金を手にしたとみられる。サムスン電子は2012年、次世代露光装置の開発協力のためにASMLの持ち分3.0%を約7000億ウォンで取得した経緯がある。それにもかかわらず、ASML株を全株手放したのは設備投資資金調達目的である。『聯合ニュース』(2月21日付)が報じた。できれば、売却したくなかったであろう。苦衷の決断だ。

     

    (5)「半導体市場は、急成長が予想されるAI半導体を先取りするための先端技術競争が真っ最中だ。オープンAIを皮切りに投資競争が激しく繰り広げられ、NVIDIAへの依存度を下げようとする多様な合従連衡が進められている。三星電子など国内半導体企業にとって、危機は新たなチャンスになり得る。結局、生きる道は超格差技術の競争力を確保することだけだ。政府も破格の支援と精巧な外交・産業政策で後押ししなければならないだろう。 

    エヌピディアが画像処理半導体(GPU)で培った技術は圧倒的である。ライバルが存在しなかったからだ。それだけに、エヌピディアとTSMCの台湾系連合軍を抜くのは困難である。となると、インテルはサムスンを標的にすることになろう。

     

     

    テイカカズラ
       

    半導体の「チップ4同盟」(日本・米国・台湾・韓国)の中で、日台が接近し、米国は国内半導体強化を打ち出している。韓国だけが取り残される形になった。ただ、「チップ4同盟」は、対中国への輸出規制では共同歩調を取っており、この面での連帯強化は不変である。 

    『中央日報』(2月23日付)は、「台湾・日本同盟に続いて「チームアメリカ」、追い込まれる韓国ファウンドリー」と題する記事を掲載した。 

    米国はインテルを後押しし、台湾と日本の半導体が接近している。だが韓国は、形勢を変えるような強力な顧客を取り込んでいない。「チップ4同盟」(韓国・米国・日本・台湾)のうち、韓国の直面している厳しい現実だ。サムスン電子は、世界ファウンドリー(半導体委託生産)2位である。1位のTSMCと差を狭めるのが容易でないうえ今後、2位を維持できるかも断言できない状況だ。急変する情勢に合わせたファウンドリー戦略が必要という指摘が出ている。

     

    (1)「レモンド米商務長官が21日、「我々は、米国でより多くの半導体を生産しなければいけない。シリコンをまた『シリコンバレー』に引き込まなければいけない。私たちの世代がこの課題を解決しなければいけない」と、米カリフォルニア州サンノゼコンベンションセンターで開かれた「インテルファウンドリーサービス(IFS)ダイレクトコネクト」行事で語った。レモンド氏は、「私たちはすべての種類の半導体を作ろうというわけではないが、人工知能(AI)に必須の最先端チップは直接生産しなければいけない」と指摘した。レモンド長官は全世界の半導体関係者5万2000人が参加したインテルの初のファウンドリー(半導体委託生産)行事で「アメリカワン チーム」を強調した」 

    米国は、AIに必要な半導体を米国内で生産する意思を固めている。レモンド長官が、「アメリカワン チーム」を強調した理由だ。 

    (2)「レモンド長官はインテルのゲルシンガー最高経営責任者(CEO)との対談でも「インテルは米国のチャンピオン企業」と称賛した。また「私たち」という言葉を繰り返し、同じチームという点を暗示した。ゲルシンガー氏もサプライチェーン弾力性を理由に米国で半導体を製造するべきだと強調した。ゲルシンガー氏は「現在、世界の半導体の80%がアジアで生産されている。半導体生産は特定の地域・国に依存してはいけない」とし、「10年以内に米国・欧州が世界半導体の50%を生産できるようにする」と述べた。

    インテルは、10年以内に米国・欧州が世界半導体の50%を生産できるようにする、としている。これは、インテルの米国や欧州の工場が担うという宣言である。TSMCへの強力な「反撃宣言」を出した。

     

    (3)「この日、インテルがマイクロソフト(MS)を1ナノ級工程の顧客として確保したと伝えられた。事前録画映像に登場したMSのナデラCEOは、「MSはインテルの18A(1.8ナノ級)工程で半導体を生産する」と明らかにした。インテルがMSなどから受注した金額は150億ドル(約2兆2600億円)にのぼる。ファウンドリービジネスでは、顧客確保がカギを握る。インテルが、TSMCやサムスン電子よりAIで先頭を走るMSの手を握った形だ。この日、エヌビディアは昨年10-12月期の売上高を前年同期比265%増の221億ドルと明らかにし、純利益もウォール街の予想を上回った。半面、多くのエヌビディアの挑戦者は退却している」 

    インテルが強気になっているのは、マイクロソフト(MS)から1ナノ半導体150億ドルの受注を確保できたという背景もある。ただ、エヌピディアはAI半導体のトップ企業である。MSがこの牙城を崩せるか疑問だ。エヌピディアは、TSMCと一体化しているので、インテル・MS連合がTSMC・エヌピディアとどこまで対抗できるか、であろう。米IBMは、日本の国策企業ラピダスを技術・営業で全面的に支援している。

     

    (4)「チップ4のアジア3カ国のうち、日本と台湾は急激に接近している。ロイター通信は過去2年間に9社以上の台湾半導体企業が日本で支社を設立したり事業を拡張したりしていると報じた。半導体事業の復活に取り組む日本と、米国の要求で「中国デカップリング(脱同調化)」をしなければならない台湾は、両国の必要の一致と円安効果で半導体協力が急速に進んでいる」 

    台湾の半導体企業は、TSMCを先頭に日本へ急接近している。物理的に増産体制が可能という背景のほかに、日本が政府・自治体が大歓迎しているからだ。台湾政府も日本進出へ後押ししている。安全保障面の配慮もあるのだろう。 

    (5)「TSMCは、24日に熊本県に第1工場を完工し、第2工場は2027年に完工するが、TSMCについて台湾半導体企業も日本に渡っている。TSMCは米国政府の勧誘および圧力で米アリゾナ工場を建設しているが、海外生産基地は日本に速いペースで構築されている。ロイター通信は「日本政府が寛大な補助金(最大50%)を迅速に支給し、人材も優秀なため」と分析した。TSMC日本工場は12-28ナノ級のレガシー(非先端)工程だが、車載用半導体やイメージセンサーなど日本産業の需要に合わせてチップを生産する」 

    日本政府が、TSMCへ出した条件は3つある。

    1)10年間は撤収しない。

    2)製造装置と素材の半分以上は日本国内で調達する。

    3)半導体供給が難しい状況でも増産する。

    日本は、将来を見据えた条件を出している。TSMCにとっては、なんら負担にならない条件ばかりだ。あえて言えば、3)であろう。日本国内での供給責任を果すことだ。

     

    テイカカズラ
       

    韓国は、大型病院の専攻医(インターン・レジデント)らが医学部の定員増員政策に反対し、20日から勤務を中断するストライキに入っている。ただ、ストに加わっていないインターン生が45%いると報じられている。

     

    インターン生の主張は、韓国で医師がすでに過剰というもので、医学部増員は「医師過剰」に拍車を掛けるとしている。この主張は間違いだ。22年時点で、人口1000人当たりの医師数が2.6人と、経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均3.7人を下回っている。先週、発表された韓国ギャラップの世論調査では、国民の約76%が医学部増員を支持している。

     

    韓国政府は、2025年度から医学部の定員を2000人増やし、35年までに医師を1万人増やすことを目標としている。現在の医学部の入学定員数は約3000人である。これが、2000人増となれば、「医師の価値」が下がるとして反対しているのであろう。国民の医療福祉充実よりも、医師としての価値(給与)を守ろうという露骨な自己防衛策に見える。韓国社会独特の「既得権益確保」の一環である。

     

    『ハンギョレ新聞』(2月20日付)は、「結局は病院を空けるという韓国の医師たち、無責任の極みだ」と題する社説を掲載した。

     

    大型病院の専攻医らは医学部の定員増員政策に反対し、20日から勤務を中断する方針だ。大義名分のない集団行動に対して世論は冷淡であり、労働・市民団体は、医師団体を糾弾する「国民ろうそくデモ行動」を推進している。国民と政府、法の上に君臨しているという特権意識を捨て、患者を守る本来の場所に戻らなければならない。

     

    (1)「ソウルの上級総合病院5カ所の専攻医約2700人は、予告したとおり、20日午前6時から集団休診に入る。政府の医学部増員政策の撤回を要求して辞表を提出した後、本格的な集団行動を始めるとのことだ。大韓専攻医協議会の会長が所属するセブランス病院の場合、19日から専攻医の一部が勤務を中断している。辞表提出と休診は、他の病院の専攻医に広がっており、余波は小さくない見通しだ」

     

    韓国では、最高のエリートが医師とされている。ソウル大学へ入学できても、医学部でなければ「再受験」というのがパターンだ。現代の「科挙」志向である。20代からこういう特権意識に憧れる韓国社会は、癒やしがたい病的側面を持っている。

     

    (2)「政府は、専攻医の離脱による診療空白を最小化するため、公共病院の診療時間延長▽非対面診療の範囲拡大▽公衆保険医・軍医官など代替人材の配置の検討などの対策を出したが、患者と家族の不安は高まっている。当面は、応急に該当しない手術日程の延期で済んだとしても、長期化する場合、応急・重症患者の被害が続出する可能性があるためだ。少なくとも、2020年の専攻医の集団休診事態の初期には、応急室や集中治療室、透析室など患者の生命に直結する必須医療分野の人材は参加しなかった。今回はそうした最小限の配慮さえみられない。患者の生命と健康を守らなければならない医師たちが、政府の政策を中断させるために「病院を空ける」という無責任な態度を貫いているのだ」

     

    医師の使命は、「仁術」にあるはずだ。韓国は、「算術」である。医師になっても、儲かる美容整形医に走っているという。美容整形医は必要不可欠である。だが、「儲かる」を理由とすれば、典型的な「算術」である。

     

    (3)「専攻医はこれ以上、孤立を自ら招いてはならない。政府は19日、全国の研修病院221カ所の専攻医全員に診療維持命令を下した。違反行為が確認された場合、3年以下の懲役または3000万ウォン(約340万円)以下の罰金に処されうる。改正医療法により、医師免許を剥奪される範囲も広がった。市民社会は、医学部増員に賛成するろうそくデモを行うことを提案する一方、医師たちの診療中断を談合として公正取引委員会に告発するという計画まで提起している」

     

    悪質なケースでは、医師免許の剥奪も行うべきである。政府は、利益のために「手段を選ばない」やり口に対して厳罰で臨むべきだ。ここで妥協すれば、今後も繰返されるだろう。

     

    (4)「医療界の一部からも、「医師たちの集団行動は名目が立たず、希少価値から生じる既得権を今後も維持するという行動」だとする自省の声が出ている。急速な高齢化とコロナ禍を経験し、医師の数を増やさなければならないという国民的な共感も増えている。医師たちにとっては、診療拒否をするときではなく、必須・公共医療陣の拡充のために、政府と膝を突き合わせなければならないときだ」

     

    韓国は現在、政界も露骨な既得権益争いを行っている。利益のためなら手段を選ばないのだ。左派でも右派でもない「第三極」政党が、結党後わずか11日で分裂する騒ぎである。大義名分もない分裂劇をみると、韓国社会の未来は、極めて暗いと言うほかない。朝鮮李朝の末期状態が、再現されている感じだ。

    a0070_000030_m
       

    経済産業省は、21年6月に「半導体・デジタル産業戦略」を取りまとめた。低迷が続いていた国内半導体産業の復興に向け、補助金などで直接支援する方針にかじを切った。台湾半導体TSMCは、日本半導体復興第一弾として誘致された。

     

    台湾TSMCの熊本工場が、2月24日竣工式を迎える。2021年10月に建設計画を発表してから2年4ヶ月で稼働するという超スピードである。普通なら5年の工期が必要なところを、わずか20ヶ月で完成するという離れ業をみせた。昼夜問わずの突貫工事の成果である。日本が、半導体復興へ掛ける気合いをみせつけた。

     

    『東亜日報』(2月20日付)は、「『5年工期』の半導体工場を20ヵ月間で完成した日本、『早くて8年』かかる韓国」と題する社説を掲載した。

     

    日本政府が「半導体産業の立て直し」の目標を掲げて全面的な支援を行ってきた台湾TSMCの熊本工場が、24日完成する。2021年10月に建設計画を発表してから2年4ヶ月、2022年4月に着工してから1年10ヶ月ぶりのことだ。昨年末にすでに試験製作に突入したことを勘案すれば、事実上20ヵ月ぶりに半導体工場を建設したことになる。未曽有の早いスピードだ。

     

    (1)「当初、5年はかかると見ていた工場建設は、計画樹立からインフラ造成、着工、完成まで淀みなく進められた。通常2年間がかかる計画発表後から着工までの期間を、6カ月に短縮した。365日24時間休まず工事を行い、工事期間をさらに2ヵ月短縮した。地方自治体は、工業用水や道路整備などの問題解決に積極的に乗り出した。日本政府も、投資金の40%である4760億円(約4兆2400億ウォン)を補助金として支給し、積極的な支援を行ってきた」

     

    日本政府による「半導体産業の立て直し」1号案件がTSMCの熊本第1工場だ。経産省が構想から関与し、最大4760億円の補助金を用意して誘致した。工場で使う工業用水の整備費用の補助などインフラ支援も検討する。経産省は、TSMC第2工場向け(27年末までに稼働予定)に最大7700億円の予算を用意する。自動運転向けなどの先端半導体を輸入に頼らず自給する狙いだ。これによって、日本自動車産業の基盤を固める。 

     

    (2)「半導体の復活を宣言した日本は、官民が力を合わせて総力戦を繰り広げている。半導体サプライチェーンの確保のため、プライドを曲げて外国企業が建設する工場にも、税金と支援を惜しみなく投入してきた。50年以上縛ってきた規制を緩和し、農地と林野にも半導体やバッテリーなどの先端産業工場を建設できるようにした。1980年代に世界半導体市場で羽振りを利かせてきた韓国や台湾に押され、辺境に置かれた過去を深く反省し、歯を食いしばったのだ」

     

    日本は、半導体産業をテコにして産業の高付加価値化を実現する青写真をつくっている。1980年代後半、世界の半導体の頂点に立っていたプライドに賭けてもその地位奪回という夢を持っているのだ。日本は、半導体の設備や素材で圧倒的な競争力を持っている以上、半導体製品でもトップに立っても不思議はない。こうした、当たり前の夢を持てる環境が醸成されているのだ。

     

    (3)「韓国は、半導体の速度戦で大きく遅れを取っている。SKハイニックスの龍仁(ヨンイン)半導体クラスターは、2019年2月に敷地が選定されたが、まだまともに工事を開始していない。当初の計画通りなら、2022年に工場建設が始まらなければならなかったが、地元の苦情や土地補償、用水供給許認可などに何度も足を引っ張られ、5回以上も着工が延期された。来年着工し、2027年に稼動する予定だから、計画通りに進んでも8年もかかることになる。三星(サムスン)電子の平沢(ピョンテク)工場も、送電塔を巡る対立だけで5年を費やした」

     

    韓国は、日本と異なり「反企業熱」が極めて強い。地方自治体では、日本と異なり左派が実権を握っているので、建設に協力しないのだ。

     

    (4)「韓国の半導体は、最初からこんなに緩かったわけではない。41年前に三星が「東京宣言」で半導体産業に進出した時、たった6ヶ月で半導体工場の建設を終えた。半導体立国のために、政府と企業が切羽詰まった気持ちで団結したために可能なことだった。先月、政府は2047年までに半導体クラスター造成に662兆ウォンを投資するという青写真を出したが、実行が伴わなければ意味がない。技術変化の速度がますます速くなる状況で、果敢な投資と一足早い執行が後押しされてこそ、半導体戦争で生き残ることができる」

     

    韓国は、1987年の「民主化宣言」により軍事独裁体制が終わった。軍事政権は、産業振興に積極的であった。サムスンの半導体進出(1983年)も、こういう軍事政権時代の余慶を受けた。その後の民主化によって、左派が強い権力を握っており、企業の希望を通すことはまれになっている。

     

     

     

     

    このページのトップヘ