勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 韓国経済ニュース時評

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    韓国半導体は、メモリ半導体市況の高騰で1人当たりボーナスが5000万円台と「大盤振る舞い」である。政府までが、これにあやかった半導体依存の経済成長計画を発表した。李大統領は、「潜在成長率3%、世界貿易4強、国民所得5万ドル」というのだ。具体的な目標達成時期は示されていない。多分に、政治スローガンの色彩が濃く、実現性は困難とみられる。日本意識したものであろう。

     

    韓国の潜在成長率は、2020年代にはいって、2% →1.5%1%台へ低下している。これを3%へ引き挙げるには、産業組織の改善から行わなければならない。大企業優先を改めて中小企業活性化が必要である。

     

    『中央日報』(7月14日付)は、「韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は14日、「今年が潜在成長率3%、世界貿易4強、国民所得5万ドルという『代替不可能な大韓民国』へ飛躍する元年として記憶されるよう力を合わせてほしい」と呼びかけた。

     

    (1)「李大統領はこの日午前、青瓦台(チョンワデ、大統領府)で主宰した国務会議の冒頭発言で、「今年下半期にどのような成果を生み出すかによって、大韓民国の今後30年が左右される」と述べた。李大統領は「今年上半期の輸出は5000億ドル(約81兆1400億円)に迫る勢いで急増している。半導体が成長を牽引(けんいん)する中、他の品目の輸出も前年より16%増加した結果」とし、「世界貿易4強入りももはや不可能な目標ではなくなった」と評価した」


    韓国は、少子化が世界最悪(合計特殊出生率0.7)常態である。労働人口が急減しており、高齢化の速度が日本より速いという悩みを抱えている。設備投資は、半導体依存であり、TFP(全要素生産性)は伸び悩むという構造問題を抱えている。

     

    潜在成長率を3%へ引き上げるには、「国家構造」そのものを作り替える必要があるほど。具体的には、医師や公務員志望という偏った就職パターンの改革が不可欠だ。これが、人材の偏りを生んでいる。儒教500年の痕跡が、近代化志向を阻んでいる。

     

    国民所得5万ドル目標は、非現実的である。韓国の1人当たり国民所得は、2023年に3.2万ドルで、24〜25年は、円安効果で日本を上回ったが、鈍い伸びである。5万ドルへ到達するには、高成長(3〜4%)を10年以上継続し、通貨価値の安定と高付加価値産業の拡大 が必要である。韓国は、半導体依存で輸出集中度が高いという悩みを抱えている。景気変動が激しい ため、持続的な高成長は困難である。

    世界貿易4強入りは、数字上は可能性もある。韓国は半導体、自動車、石油化学、船舶 などで強い競争力を持っているが、世界貿易4強(米・中・独・日本の領域)に入るには、輸出総額で日本を抜く。半導体以外の柱を増やす必要がある。韓国の輸出は、半導体一本足打法であり、構造的リスクが大きい。

     

    (2)「また、「こうした目覚ましい輸出実績と設備投資の増加を背景に、今年の実質成長率は3%に達するとの見通しも相次いでいる」とし、「人工知能(AI)革命が引き起こした世界的な産業再編が、われわれに新たな機会の窓を開いている」と述べた。さらに、「下半期には本格化する経済の大転換を一層加速させ、『代替不可能な大韓民国』への道をさらに広げなければならない」とし、「そのためには国民の生活に直結する物価と不動産の安定に全力を尽くすとともに、超格差・超革新の成長エンジンを育成し、潜在成長率を段階的に3%まで引き上げていかなければならない」と述べた。


    韓国半導体は、メモリ半導体である。世界半導体の「王者」は、ロジック半導体である。メモリ半導体は、ロジック半導体の下位にある。日本のラピダス半導体(ロジック半導体)が、本格操業に入ると韓国は日本の下請けの関係になる。これは、韓国としてプライドに大きな傷を受ける事態だ。

     

    (3)「特に、「その中核と言える3つのメガプロジェクトの早期実現に向け、中央政府と地方政府、企業が一体となって一生懸命取り組まなければならない」とし、「今1日短縮すれば、将来10日、あるいは100日を稼ぐことができるという姿勢で、あらゆる関連手続きを可能な限り迅速に進めてほしい」と指示した」

     

    韓国が、前記3大目標を実現するには、大統領による発言で済むことではない。政府全体が取組むべきテーマである。言いっ放し聞きっぱなしに終わる危険性が大きい。

     

    (4)「また、「持続可能な成長エンジンを稼働させる一方、社会の構造的問題の解決にも力を注がなければならない」とし、「共同体の未来である若者に対し、雇用・住宅・資産形成・能力開発など多層的な成長のはしごを提供するとともに、労働市場の格差緩和や公共機関の財政・規制分野でのイノベーションも加速させる必要がある」と求めた」

     

    韓国は、財閥制度へメスを加えなければならない。これが、強い労働組合(貴族労働組合)という揶揄を生む遠因であろう。労使が仕切り直ししない限り、「経済の民主化」は進まない。 

     


     

     

    あじさいのたまご
       

    韓国は、半導体景気で潤っている。だが、サムスンやSKハイニクス2社が、メモリー半導体好況の影響を受けているだけで、韓国企業全体へ「恩恵」は及んでいないのだ。若者は数十万人が、就職活動を放棄するという危機的状況にある。若者失業率は、7.4%(2026年1~3月期)と高いのだ。それにもかかわらず、政府高官が「韓国は日本の後を最も忠実に追ってきた国から、その道を最初に抜け出す国になれる」と述べネットで批判をあびている。

     

    『レコードチャイナ』(7月13日付)は、「韓国政府高官『日本の後を忠実に追ってきた国から最初に抜け出す国に』=韓国ネット『口先だけ』」と題する記事を掲載した。

     

    韓国メディア『チャンネルA』(7月12日付)は、金龍範大統領室政策室長が韓国経済について「韓国は日本の後を最も忠実に追ってきた国から、その道を最初に抜け出す国になれる」と述べたと報じた。

     

    (1)「金龍範(キム・ヨンボム)大統領室政策室長は、韓国経済の成長率が持ち直しの兆しを見せていることについて、「単なる景気回復ではなく、長期的な成長トレンドそのものが変わる可能性を示す初期段階として受け止めるべきだ」との見方を示したと報じた。記事によると、金氏は自身のSNSで、「韓国は日本の後を最も忠実に追ってきた国から、その道を最初に抜け出す国になれる」と述べた」

     

    韓国経済は、短期・中期・長期と分けて考えなければならない。短期的には、高い失業率と多数の「ゾンビ企業」を抱えている。ゾンビとは、営業利益で金融費用を支払えない状況を指す。これが、上場企業の4割も占めているのだ。就職難は、当然であろう。この状況が改善されて、韓国は日本の後塵を拝する状態から抜け出すとしている。日本と競争するというのだ。

     

    (2)「その条件として、AIによる生産革命と資本市場改革が同時に進み、サプライチェーンの中核拠点としての競争力強化や、韓国政府が4755兆ウォン(約512兆円)を投資して進める三大メガプロジェクト(半導体・フィジカルAI・データセンター)によって生産能力が押し上げられることを挙げた。また、「一国の成長の法則が変わり、市場がその国の将来を見る基準そのものが変化する瞬間というのは10年、20年に一度あるかないかだ」とした上で、「2025年は後に振り返れば、韓国経済の長期的な成長トレンドが転換し始めた年として記憶される可能性が十分にある」と強調した」

     

    韓国は、「半導体・フィジカルAI・データセンター」によって、日本へ競争を挑むとしている。韓国半導体は汎用品である。半導体には2種類ある。メモリーとロジックである。韓国半導体はメモリーで市況変動の激しいのが難点だ。ロジックには、技術的難度が高く成功できずにいる。フィジカルAIでは、ロジックが前提である。韓国技術ではフィジカルAIへ取組めないのだ。こういう限界も弁えず、夢をばら撒いている。日本のラピダスは、ロジック半導体であるからフィジカルAIは「お手のもの」だ。こうなると、韓国政府高官は、フィジカルAIを政治スローガンで言っているだけで実現不可能である。

     

    (3)「さらに金氏は、「東アジアの低成長の代表例とされてきた国が、先進国の中で最も力強い成長力を持つ国として評価され始めている」と述べ、「これは単なる景気回復ではなく、市場が韓国経済の長期的な成長トレンドラインを描き直している」と分析した。その上で、「今では2%台後半の経済成長率が現実的な見通しとして語られ、長らく非現実的と考えられてきた潜在成長率3%への回復も、決して手の届かない目標ではないとの議論が始まっている」と述べた」

     

    このパラグラフは、全て実現不可能である。韓国が、潜在成長率3%への回復は不可能である。それほど自信があるのなら、日韓経済共同体をつくろうなどと提案しないことだ。言行不一致である。

     

    (4)「これについて、韓国のネットユーザーからは「根拠のない自信」「こんなコメントで国民が『そうなんだ』と希望を持てるわけがない」「政府関係者のこういうのはいつも口先だけだ」「自分が半導体の成長に何か貢献したわけでもないのに、こんなのをなぜSNSに載せるんだ」「まずは物価をどうにかしてほしい」などの声が上がった」

     

    ネットユーザーが、からかうのは当然である。政府高官は、半導体知識ゼロで、半導体を「打ちでの小槌」と錯覚している。

     

    (5)「また、「AIブームに伴う半導体の好調、それによる経済成長に酔いしれて、すべてに対し過度に楽観的な見方をしているようだ」「サムスンやハイニクスがいなければ何もできない政府なのに偉そうに」「半導体が好調なだけで、他産業は不景気で困っている」「相変わらず高い不動産価格をどうにかしてほしい」などの声も見られた」

     

    韓国ネットユーザーの見方が正しい。政府高官が、根も葉もない楽観論を振りまくことは、百害あって一利なしである。



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    韓国が、急に日本へ接近し始めている。背景は、中朝の緊密化と中国経済不振に危機感を覚えたのであろう。ただ、これまでの「反日路線」はどうなるか。結論から言うと、反日感情は消えたのではなく、棚上げされた状態である。何か、きっかけがあれば猛然と吹き上げるリスクを抱えている。この現実を忘れていると、大きなしっぺ返しを受ける。

     

    『中央日報』(7月8日付)は、「韓国国民の70%『韓日経済共同体が必要』日本国民も60%が賛成」と題する記事を掲載した。

     

    韓国国民10人のうち7人が欧州連合(EU)式の韓日経済共同体の推進に賛成していることが調査で分かった。日本国民の10人に6人も賛成する考えを示した。

     

    (1)「大韓商工会議所は韓国リサーチに依頼し、韓日両国の国民各500人を対象に実施した「韓日観光協力および経済共同体推進に関する意見調査」の結果を7日、発表した。調査結果によると、韓日間の経済共同体構成について韓国国民の52.6%は「今すぐは難しいが、中長期的に推進する必要がある」と、17.2%は「積極的に賛成し、迅速な推進が必要だ」と回答した。69.8%が経済共同体構成の必要性があると考えているということだ」

     

    韓国は、なぜ急に日本へ接近し始めたのか。 中朝が、軍事的に緊密化し始めたからだ。北朝鮮と中国の関係が「準同盟」レベルに近づいていること。北朝鮮は、核・ミサイル能力を急拡大していること。中国は、北朝鮮を戦略的カードとして利用する姿勢を強化していることである。韓国にとっては、 「中国+北朝鮮」という二正面の脅威が現実化したということだ。この状況で、韓国が頼れるのは米国、日本、韓米日三角連携 しかない。

     

    韓国の不思議なところは、自らを守って欲しい願望しながら、インド太平洋戦略に加わらないことだ。これは、余りにも「身勝手」というほかない。他国には奉仕せず、自国の安全保障だけを願うという「片務的安保論」は、他国の理解を超えている。これは、中国の反感を受けないという「事大主義」の名残であろう。

     

    韓国の「反日論」は、どうなるのか。 反日は「消えた」のではなく、「封印されている」のが正しい見方であろう。韓国政府はこれまで、反日を政治的に利用してきた。しかし今は、安全保障が最優先である。反日を続けると、日本との協力が壊れるからだ。こうして、「反日カード」を一時的に棚上げしている。 反日論は構造的に残っているが、戦略的に使えない状況にあるにすぎない。

     

    (2)「調査に参加した日本国民の59.8%も賛成した。特に5年以内に韓国を訪問した日本国民の賛成比率(74.5%)は訪問経験がない国民(45.4%)よりも高かった。一方、今回の調査で韓国国民の76.8%、日本国民の58%が両国間の観光協力拡大に賛成した。大韓商工会議所が最近提案した旅券なく住民証だけで韓日間の出入国を認めることについても、韓国国民の60.4%、日本国民の44.8%が賛成し、反対(韓国32.8%、日本35%)を上回った」

     

    文政権時代の激しい反日論を聞かされた者には、こういう世論調査結果に驚くほかない。日韓両国首脳による相互訪問が、和解ムードを高めている。となれば、韓国政権が反日へ動くことによって、この雰囲気は一気に壊される危うさを内包している。「民族の恨みは永遠に忘れない」と言った保守派大統領もいた。民族感情は、1~2年程度の融和ムードで消えるはずはない。日本の植民地経験を持つ台湾と韓国の違いは、儒教思想の有無によるものだ。儒教による「自己絶対論」は、自分中心主義である。現在の中国もこれだ。

     

    韓国の世論は、二層構造である。若い世代は、反日感情が弱い。中高年層は、歴史問題で強い反日感情を持つ。しかし、安全保障の危機が強まるほど、反日は優先順位が下がるのだろう。韓国政府は今、 「反日を使う余裕がない」というのが真実であろう。


    (3)「第3国の国民が、韓国または日本のビザだけで両国を旅行できる「韓日版シェンゲン協定」制度については、韓国では賛成(50%)が反対(45.2%)をやや上回った半面、日本では反対(38.6%)が賛成(34.6%)をやや上回り、意見が分かれた」

     

    シェンゲン協定は、EUのように政治的・経済的に統一された「連合国家」において成立するものである。そういう制度のないところへ、適応されるはずがない。愚問である。

     

     

     

    あじさいのたまご
       

    韓国の半導体大手サムスン電子とSKハイニックスは、人工知能(AI)ブームに乗じる形で、総額数千億ドル規模という総額896兆ウォン(約94兆円)を行う史上最大級の賭けに出た。これほどの生産能力拡充計画は、今後AI関連の支出が冷え込んだ場合、非常に大きなしっぺ返しに見舞われるのではないかとの懸念も高まっている。もう一点、AIが現在のクラウド型から日本のラピダスが開発中の分散型へ移行すると、メモリー半導体需要が減るという「構造変動」が起る。これは、韓国にとっては大きな賭だ。

     

    『ロイター』(7月1日付)は、「AIブームに賭ける韓国、サムスンとSKの巨額投資にはリスクも」と題する記事を掲載した。

     

    両社の決断は李在明大統領から高く評価され、政府の半導体政策を後押しする象徴的な動きとなった。これまで業界はメモリー価格の急騰と暴落を繰り返し体験してきた歴史から、設備投資には慎重な姿勢を維持してきたが、今回の動きはそうした方針からの大きな転換を意味する。

     

    (1)「政府は両社の計画を通じて、今後5年で国内のメモリー半導体の生産能力が倍増することを期待。サムスンとSKハイニックスは、既存の龍仁(ヨンイン)半導体クラスターにおける工場建設も加速させ、通常7~12年かかるとされる建設期間を短縮してより早期に新たな生産能力を市場に投入する方針だ。両社が掲げた投資総額は3200兆ウォン(2兆0700億ドル)に及び、これには南西部に新設される800兆ウォン規模の半導体クラスターなど既存計画も含まれる」

     

    今後5年で、韓国のメモリー半導体の生産能力は倍増するという「大計画」である。現在のメモリー半導体需要はいつまで続くか、それが当面のポイントになる。楽観的見方では、30年頃としている。慎重派は28~29年とみている。いずれにしても、現在の韓国2社の計画で工場が完成する時は、メモリー半導体市況が下落局面と重なるリスクを抱えている。このほか、情報処理がクラウド型からラピダスが開発中の分散型へシフトし始めるという「技術移行期」という大きなリスクも存在する。これは、世界の半導体業界がじっと状況変化を見つめていることに表れている。

     

    (2)「韓国は現在、AI投資の世界的な拡大の恩恵を受ける「勝ち組」の一角となりつつある。その背景には、AI向け先端半導体に不可欠な高帯域幅メモリー(HBM)でサムスンとSKハイニックスが圧倒的な競争力を持っている点がある。今回の投資決定は、AI向けクラウド事業者(ハイパースケーラー)からアップルのような電子機器メーカーまで、幅広い顧客がメモリー需要を急増させていることに対応した形だ。現在は世界的に供給不足が続いており、半導体価格も今年第1・四半期だけでほぼ倍増した」

     

    AI向けクラウド需要が、メモリー半導体市況を高騰させている理由である。問題は、クラウド需要が膨大な電力需要をもたらしていることだ。技術とは、こういう制約条件が生まれると、必ずこれを回避する動きを見せるものだ。分散型登場には、こういう技術的必然性がある。例えば、メインフレームからパソコン(分散)へ、クラウドからエッジAI(分散)へという流れだ。これは、処理すべきデータ量が増えるほど、中央集権では限界が来るという理屈である。

     

    (3)「ただ、こうした追い風にもかかわらず、半導体工場の建設と生産立ち上げには長い時間を要するため、今回の大幅な増産能力が実際に市場に効果をもたらすのは次の10年に入ってからになる見通し。モーニングスターのアナリストは「今後数十年にわたり設備投資が加速すれば需給バランスが崩れ、過剰供給リスクが高まる」と警告するとともに、現在のメモリー市況の好調がAI企業の投資継続に引き続き依存せざるを得ない点に言及した。ソウル大学のイ・ジョンホ教授も「企業の将来を左右しかねない規模の投資だが、3年後の需要すら見通せない中で、慎重な判断が求められる」と指摘し、今回の決定がやや性急だったように見受けられると付け加えた」

     

    今回の大幅な増産能力が、市場に効果をもたらすのは次の10年に入ってからとしている。これは、計画が完成するまでの見通しであり、部分的稼働はもっと早まる。そのときのメモリー半導体市況が、どうなっているかであろう。

     

    (4)「野村証券のアナリスト、CWチョン氏は「他の地域への投資は、龍仁半導体クラスターをめぐる不確実性をヘッジする方法になり得る」と述べた。もっともアナリストの多くは、過去の経験を踏まえれば企業側は柔軟に投資ペースを調整するだろうとみている。例えばサムスンは、40年までの投資計画を掲げつつも、市況に応じて支出を見直す方針を明言している。実際24年には市況悪化を受けて平沢工場の建設を約2年間中断した経緯もある。SKハイニックスも需要動向を見極めながら投資規模を決める考えを示しており、現時点では依然として供給不足の解消が難しいとの認識を示している」

     

    企業は、実際の工事進捗について市況変化に合わせるであろう。ただ、完成後に市況急変が起れば、事態は変ってくる。メモリー半導体市況は、これまで「大波」を経験してきたことを忘れてはならない。

     

     

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    韓国の大韓商工会議所文化観光産業委員会が、日韓の観光協力強化に向け、出入国手続きの簡素化や決済インフラの拡充などを提言した。韓国の住民登録証や日本のマイナンバーカードなどの身分証だけで、両国を往来できる制度の設定を提案したという。この背景には、韓国の日本に対する旅行収支赤字額が25年、57億540万ドル(約9215億円)で、統計を取り始めた1998年以降で最大の数値を記録したこともあろう。パスポートなし旅行とは、ビックリ仰天の提案である。

     

    『レコードチャイナ』(6月28日付)は、「『パスポート不要で日韓往来を』観光業界が両国政府に提言=韓国ネットは猛反発」と題する記事を掲載した。

     

    韓国メディア『アジア経済』(6月25日付)は、によると、大韓商工会議所文化観光産業委員会が、日韓の観光協力強化に向け、出入国手続きの簡素化や決済インフラの拡充などを両国政府と国会に提言した。

     

    (1)「同委員会は25日、ソウルで「韓日観光協力討論会」を開き、韓国の住民登録証や日本のマイナンバーカードなどの身分証だけで両国を往来できる制度のほか、キャッシュレス決済システムの相互利用拡大、「韓日版ユーレイルパス」や「韓日版シェンゲン協定」などについて議論した。また、「欧州連合(EU)加盟国がシェンゲン協定によって自由に往来できるように、『韓日版シェンゲン協定』を締結すれば、両国をセットで旅行する第三国の観光客誘致に大きな効果が期待できる」との提案があった。試算では、「韓日版シェンゲン協定」が実現した場合、韓国の観光収支赤字は最大19%縮小し、経済成長率も約0.11ポイント押し上げられるとの結果が示されたという」

     

    パスポートなしで、韓国の住民登録証や日本のマイナンバーカードなどの身分証だけで両国を往来する。これは、仰天するアイデアである。韓国にとっては、年間9200億円超の旅行収支で赤字を出しているだけに真剣である。

     

    (2)「キャッシュレス決済インフラの拡充の必要性も指摘された。韓国観光公社の関係者は、「最近は20~30代の日本人女性の韓国再訪率や、同年代の男性の訪韓率が急速に上昇しており、決済の利便性向上がこれまで以上に重要になっている」と述べている。このほか、韓国の高速鉄道(KTX)、日本の新幹線、日韓航路の旅客フェリーを組み合わせた統合交通・観光ネットワークの構築など、交通分野での連携強化も提案された」

     

    両国で、交通や観光のネットワークづくりを進めることは良いとしても、「ノービザ」は警察当局が首を縦に振るまい。

     

    (3)「日本側からは、「日韓の往来は大幅に増えたものの、観光客は依然として出入国手続きや決済インフラ、公共交通機関などで不便を感じている」「最初から制度の完全統合を目指すのではなく、旅行者が利便性を実感できる分野から段階的に相互利用を進めるのが現実的だ」との意見が示された。その上で、「特定の路線や都市に限って、パスポートなしで身分証だけで往来できるようにしたり、決済システム統合の実証事業から始めたりしてはどうか」と提案した」

     

    会議に出た日本側も、韓国の「ノービザ」に驚いている様子で、段階的に相互利用を進めるのが現実的だと一歩引いている感じだ。

     

    (4)「この記事に、韓国のネットユーザーからは「実現したら新世界が開かれるね」「欧州みたいに自由に行き来できたら、経済効果の面ではとてもいい」など歓迎の声も寄せられているが、多くのコメントは「バカを言わないでほしい。欧州だってパスポートチェックは厳しくやってるよ」「パスポートなしで往来できたら、犯罪者も行き来できてしまう。どういうつもりでそんな提言をしたのか」「国を売り渡すつもり?寝ぼけたことを言うな」など、否定的な内容となっている」

     

    韓国のネット民からは、評判が極めて悪い。これは、「反日」という意味ではなく、実務面からみて実現困難ということであろう。

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