韓国経済が病んでいる。昨年、韓国の信用不良者(現在の呼称は金融債務不履行者)が再び100万人に迫り、2017年以降で最多となった。信用不良者になると、クレジットカードの発行を受けられず、新規融資も利用できない。信用不良者が増えると、経済全体で内需回復の足かせとなる。低成長に陥っている韓国経済にとって、新たな懸念材料が増えている。
韓国人口に占める信用不良者数は、総人口5100万人に対して1.96%である。先進国では、信用不良者(長期延滞者)が人口の1%を超えると危険水域として警戒される。韓国は、実にこの2倍もの比率であるだけに、個人消費へも強いプレッシャーとなる。韓国の家計債務の対GDP比は、105%と世界のワースト記録だ。高い信用不良者数比率は、当然の結果と言えよう。この背景には、年功序列・終身雇用制による労働流動性遮断という大きな制度的歪みが存在する。労組が、終身雇用制を絶対堅持と政府に働きかけている結果でもある。
『朝鮮日報』(3月9日付)は、「声なき絶望 韓国信用不良者100万人時代」と題する記事を掲載した。
金相勲(キム・サンフン)国会議員(国民の力)が、韓国信用情報院から提出を受けた資料などによると、昨年末時点で国内の信用不良者は93万5801人だった。2017年(94万2634人)以降で最多だ。信用不良者は元金や利息などの債務を返済期日から90日以上延滞した場合が集計対象となる。
(1)「信用不良者は、2003年のカード問題の際に370万人に達したが、その後は着実に減少し、17年には90万人台にまで抑えられた。その後も減少傾向が続き、22年には73万1428人まで減少したが、コロナ危機の影響で22年から再び急増し、25年までの3年間で20万人以上増加した」
高金利と内需低迷が長期化する中、90日以上返済が滞る信用不良者が昨年末時点で93万人を超えた。今年は100万人を超えるとの予測もあるほどだ。金融的に脆弱な層の信用不良が、定着するという危機感が高まっている。
(2)「特に韓国経済の要である40、50代の信用不良者は約44万人で、全体の半数に迫っている。40、50代の経済活動人口約1300万人の3.3%が金融取引をできない状態になっていることを意味する。特に自営業の割合が高い40、50代男性の信用不良者は4年前より3万人以上増加した」
韓国経済を支える層の崩壊が深刻だ。昨年末の延滞者全体に占める40、50代の割合は半分に迫った。50代が22万8235人(24.4%)で最も多く、40代が21万5479人(23.0%)で続いた。40代・50代で合計47.4%に達している。経済活動人口のうち40・50代が約44%を占めるが、信用不良者はそれよりも高い割合だ。
(3)「西江大経済学部のパク・チョンス教授は、「実体経済が厳しいため、信用不良者のように経済的な困難を抱える人が増えている」とした上で、「一時的に金銭が不足しているのではなく、構造的に返済能力が乏しく、信用不良者に陥る人がさらに増える可能性が高い」と述べた。金融当局関係者は、「コロナ当時に貸し出された多額の借金を返済できず、信用不良者が増加傾向にある。今後国民が債務負担を軽減できるような実質的な対策を整えていく」と語った」
専門家は、急増する信用不良者の問題を単なる個人の道徳的怠慢と見なすべきではないと警告している。信用不良者が、経済活動人口から離脱すればするほど、国家経済の活力が低下するからだ。終身雇用制という制度へ切り込み是正しない限り、こういう事態は永遠に改善しないであろう。





