勝又壽良のワールドビュー

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    カテゴリ:経済ニュース時評 > 韓国経済ニュース時評

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    中国は、韓国を絶対に「手放さない」という意識を鮮明にした。先の中韓外相会談で、韓国外相に対して「5つの応当」を示したからだ。応当とは、「必ず行なう」という強い意味を持つ。

     

    韓国は、米韓軍事同盟を結んでいる国である。米中が対立激化している現在、韓国に対して米韓同盟を半ば離脱せよとの要求に等しいことだ。中国の態度は、外交常識を逸脱している。中国が、いかに対米関係で追詰められているかを例証するものだ。

     


    『中央日報』(8月11日付)は、「中国外交部長『5つの“応当”提示』 米国の代わりに中国選択を圧迫」と題する記事を掲載した。

     

    韓国の朴振(パク・ジン)外交部長官と中国の王毅外交担当国務委員兼外交長官が今月9日、中国山東省青島会談で「チップ(Chip)4」(韓国・米国・日本・台湾の半導体サプライチェーン連合体)と中国の限韓令(韓流制限令)、両岸(中国・台湾)関係、北朝鮮の非核化を巡り立場の違いを鮮明にした。

    (1)「朴氏は会談で、中国側が不快感を示す「チップ4」予備会議出席の事実を通知して理解を求めた。王氏はこれに対して「韓国が慎重に判断するように願う」と答えたという。中国は発言程度を調節したが、今後韓国に対してチップ4を中国排除に利用するなと要求する可能性を開けておいたのだ」

     

    中国は、韓国が「チップ4」へ参加することに神経質になっている。遅れている中国の半導体産業が、一段と窮地に立つことを恐れている結果だ。韓国を繋ぎ止めて利用しようという狙いである。

     


    (2)「北朝鮮非核化協力の場合、北朝鮮が7回目の核実験動向を見せていることから、韓中次官級2プラス2(外交・国防)外交・安保対話を年内に行うことにした。ただし、中国は韓半島(朝鮮半島)平和のための先決条件である米朝関係改善を巡る米国の消極的態度を指摘した。王氏は会談で「5つの『応当』(必ずすべきこと)」を提示したと中国外交部が発表した。

    1)独立自主の堅持 

    2)善隣友好の堅持 

    3)開放とウィン・ウィンの堅持 

    4)平等尊重の堅持 

    5)多国間主義の堅持

    中国の普段からの本音を示したもので、韓米同盟の代わりに中国と手を携えようとの意図が入っている」

     

    中国は、韓国に対して5項目を「応当」という強い言葉で要求している。韓国は、中国の属国になれという要求に等しい話だ。まさに、始皇帝が多用した「合従連衡」の要求である。米国との同盟関係を解いて、中国と手を結べという要求を意味しているのだ。

     

    韓国は、こういう屈辱的な要求に対してどういう対応するのか。無論、無視する以外に方法はないが、報復してくるであろう。中国が、新たに制裁する項目はあるだろうか。THAAD(超高高度ミサイル網)に絡んで、中国はあらかた制裁の手を打っている。後は、輸出規制である。韓国は、逆に半導体輸出規制で対抗すれば中国はお手上げである。

     

    (3)「駐韓中国大使館は10日、報道官名義の論評で「ナンシー・ペロシ米下院議長が中国の強い反対と厳正な交渉にもかかわらず、中国台湾地域を訪問して台湾海峡情勢の緊張を高潮させた」とし「米国は連日台湾関連の問題について繰り返し荒唐無稽な論理をまき散らし、中国の正当な訓練と反撃措置に対して一方的に現状況を変化させて情勢の安定を害するとし謀略している」という内容が入った。中国外交部ではなく駐韓中国大使館が対米非難メッセージを入れた論評を発表するのは異例だ」

     

    中国の焦りが、駐韓中国大使館からの見当違いの声明に現れている。韓国へ脅しを掛けている積もりなのだろう。韓国は、米韓同盟という揺るぎない関係を強化する以外に、中国の脅しをはね返すことはできないだろう。

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    韓国外相は中韓外相会談で9日、中国に対する「安保三不政策」(THAADを追加しない、米国ミサイル防衛・韓日米軍事同盟には不参しない)が、合意や約束ではない点を明らかにしたと強調した。これまで、中国は「安保三不政策」が韓国による「約束」として、その履行を迫っており、韓国側を悩ませてきた問題である。

     

    『中央日報』(8月11日付)は、「韓国外交部長官『THAAD三不、合意・約束ではない』…中国に明確に述べた」と題する記事を掲載した。


    中国を訪問中の韓国の朴振(パク・ジン)外交部長官は10日の記者懇談会で「THAAD(高高度防衛ミサイル)問題に関連し、北朝鮮の核・ミサイル脅威への対応は自衛的防御手段であり、韓国の安保主権事案であることをはっきりと明らかにした」と述べた。

     


    (1)「朴長官は10日の記者懇談会でいわゆる「THAAD三不」(THAADを追加しない、米国ミサイル防衛・韓日米軍事同盟には不参しない)は合意や約束ではないという点を中国側にはっきりと明らかにしたと強調した。朴長官は前日、王毅外交担当国務委員兼外交長官と韓中外交長官会談を行い、THAADやサプライチェーン協力、韓中関係強化、韓半島(朝鮮半島)問題などについて幅広く意見を交換した。朴長官は、「三不関連事案を中国側が繰り返し言及するほど両国国民の相互認識は悪くなり、両国関係に障害物として作用するだけだ。新たな未来志向的関係発展のためにこのことはこれ以上提起しないことが両国関係に資する」という趣旨で述べたという」

     

    中国は、「中韓外交長官、『THAAD』問題について深く意見交換」というタイトルの一文章分の発表文を掲載し、「両側は『THAAD』問題で深く意見を交換し、各自の立場を説明し、互いに安保懸念を重視し、円満な処理に努力し、両国関係に影響を与える障害物になってはいけないと認識した」となっている。つまり、中国は「三不問題」を簡単に手放す積もりがないことを示唆している。

     

    韓国政府は、「安保三不政策」が約束でないと言っているものの、文政権時代にどうしてこういう重要問題について言及したのか疑問が残る。文政権が、いかに中国へ傾斜していたかを物語る格好の材料だ。



    (2)「また今回の会談で、「両側の関心事案に対して率直で建設的な意見を交換した」とし、「両国外交部が実践する具体的な方案を盛り込んだ『韓中関係未来発展に向けた共同行動計画』を提案し、中国も推進に同意した」と説明した。北朝鮮の核問題に関連して朴長官は、「我々の立場をはっきりと説明した」とし、「北朝鮮が挑発をやめて対話に復帰し、真の非核化の道を歩くように中国が建設的な役割をしてほしいと話、中国もこれに対して共感した」と明らかにした」

     

    中国側の公式発表文では、北朝鮮問題が抜け落ちている。中国が文政権時代とは違って、文政権の今後の外交姿勢を見ていると解釈されている。ユン政権は、米国との関係構築に積極的であることを警戒しているのであろう。

     


    (3)「両国側は、韓国文化コンテンツの対中輸出の全面再開と限韓令(韓流制限令)の解除に関連した話し合いも継続した。高位当局者は会談で、朴長官が「中国側は見えない閂(かんぬき)を開けて文化コンテンツ交流の扉を大きく開いてほしい」と述べ、中国側は「文化コンテンツの競争力が重要」と言って応酬したと伝えた」

     

    中国は、「限韓令」を緩和せずにいる。韓流コンテンツを制限しているのは、中国へ資本主義文化を入れない方針によるものだ。習近平氏は、中国をコチコチの共産主義思想に染め上げる計画である。そこへ軟弱と見られる「韓流」文化が流入したのでは、統制が効かなくなるという懸念である。中国は異次元世界へ入り込んでいる感じだ。14億の国民をこういう規制で統制しようというのは、余りにも現実を無視した動きである。

    あじさいのたまご
       


    支持率28%の不気味さ

    文政権も同じ過ちを犯す

    低い支持率で改革不可能

    「泣いて馬謖を斬る」へ

    韓国政治が混乱している。尹(ユン)大統領支持率が、就任後わずか3ヶ月を待たずに30%台を割込む状況だ。進歩派の文政権は、数々の失政を重ねてきただけに、保守政権への期待が強かった。それが、発足後すぐにキリモミ状態で支持率の急落である。

     

    支持率28%の不気味さ

    韓国ギャラップが、7月26~28日全国の18歳以上の男女1000人を対象にした世論調査で、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の支持率は先週より3%ポイント下落した28%となった。韓国ギャラップの世論調査で、尹大統領の支持率が20%台へ低下したのは初めて。不支持率は62%である。

     


    「支持しない理由」は、つぎのようなものだ。

     

    人事問題         21%

    経験・資質不足/無能さ   8%

    経済・民生注力       8%

    独断的/一方的       8%

     

    人事問題は、尹政権のアキレス腱である。尹氏が、検察一筋できたために交友関係が狭く、政界にほとんど有力な関係者がいないことだ。これは一面で、「検察の独立性」を担保していることを表し、歓迎すべきことがらであろう。閣僚人事では、その欠陥が前面に出ており、尹氏の友人・知人が閣僚になっている。

     

    閣僚メンバーの特色は、ソウル大卒・検事出身という極めて狭い範囲から選ばれている点である。尹氏自身が、気心の知れない人物の閣僚採用を忌避したのであろう。これは、「ワンチーム」を作る上で狭量であるとの印象を与える。国民が、尹氏を支持しない理由の第一に人事問題を上げるのは、「もっとも」という感じがする。

     


    尹氏の側近は、前記のように検察出身者である。これは、野党から格好の批判対象にされている。「検察国家を目指す」と言われなき批判を招いている。この批判に拍車を掛けたのが、与党「国民の力」代表の
    李俊錫(イ・ジュンソク)代表(37歳)を6ヶ月の党員資格停止処分にしたことである。李氏が、韓国特有の「性接待」問題疑惑を引き起こしたからだ。


    李氏は、大統領選挙と統一地方選挙において、若手有権者の支持を引きつけた功労者である。その李氏を党員資格剥奪とは、行き過ぎた印象を否めない。この党員資格剥奪には、さらなる「陰謀」が隠されていたのだ。「国民の力」は、非常対策委員会を設置して現行の執行部を解散させたのである。これにより、李氏は党代表の資格を名実ともに失うことになった。

     

    これら一連の動きをリードしたのが、尹氏の検察時代の友人である国会議員とされている。30代の李氏が、与党「国民の力」代表であり続ければ、2年後の総選挙候補者は若返りが進み、50~60代のベテラン議員が引退を余儀なくされると危惧したと見られる。要するに、保身の術で李氏を追放したのであろう。

     


    国民は、こういう騒動を直に見ているのだ。李氏がらみで、尹大統領と与党を支持してきた若者が、李氏追放に呆れて離反するのは当然。大統領選挙で尹氏の得票率は48.56%であった。最近の支持率は28%である。大統領選での支持者のうち、20ポイントの人たちが、すでに尹氏に背を向けているのだ。事態は、深刻である。

     

    文政権も同じ過ちを犯す

    ここで気付くべきことは、文政権においても同じようなことが繰り広げられていたことである。いわゆる「86世代」が、文氏の側近を形成したのだ。「86世代」とは、1960年代生まれで、80年代に大学生活を送り、軍事政権に対抗した学生運動に携わった人たちである。この「86世代」は、「民主主義を擁護した」という特権意識を振り回しており、「親中朝・反日米」を正義の御旗にした。日韓関係が、最悪事態に陥ったのも「86世代」の強い民族主義意識の結果である。

     

    朝鮮半島分断は、日本の植民地政策と、分断を認めた米国の軍事的思惑に基づく。こういう民族主義に基づいていた。文政権が、一貫して対北朝鮮融和策を取った背景がこれだ。文氏は、北朝鮮が核とミサイルの開発を進める状況下で、「南北終戦宣言」を出すという非常識な提案に固執し続けたのは、民族主義による南北統一論に根ざしたものである。南北の政治体制の違いを無視した、学生時代の夢が生き続けていたのだ。

     


    文政権は、「86世代」が支配していた。尹政権は、検事グループが支配するとなれば、韓国政治独特の「党派制」が抜き差しならぬものとして浮き上がってくる。「党派制」とは、一つの主義・主張に凝り固まっていることを指す。韓国には、こういう「仲間内政治」が流行る社会的基盤があるのだ。その象徴的な存在が、韓国の名字に現れている。「李」とか「金」などの数少ない名字に韓国社会の縮図が凝縮されているのである。

     

    韓国では、約280の名字があるという。国民の約5割が、「金(キム)・李(イ)・朴(パク)・崔(チェ)・鄭(チョン)」と言われる。特に、金氏だけで全人口の約20%を占める。その源流を遡ると、同一の「宗族」に辿りつくのだ。同じ一族であることを意味する。

    (つづく)

     

    次の記事もご参考に。

    2022-08-04

    メルマガ383号 韓国は「台湾有事」に無関心 中国だけを見ている「グローバル・コリア

    2022-07-07

    メルマガ375号 韓国「半導体不況」襲来、外貨準備高4ヶ月連続減が示唆する「経済危

     

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    韓国は、ユン政権の下で日韓関係修復へ向けて動いている。文政権の行なった対日政策のすべてを撤廃する以外に道はないことが理解され始めているのだ。徴用工賠償金は、国内企業で資金を出し合う。慰安婦問題は、文政権が破棄した「慰安和解・癒し財団」を復活させる。こういう案が識者から出てきた。

     

    『朝鮮日報』(8月10日付)は、「慰安婦和解・癒やし財団を復旧させるべき」と題するコラムを掲載した。筆者は、洪承祺(ホン・スンギ)仁荷大法学専門大学院教授である。

     

    安倍晋三元首相銃撃のニュースに接した時、「2015年韓日慰安婦合意」が思い浮かんだ。1991年8月11日に朝日新聞が慰安婦問題を初めて提起して以降、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)など韓国の慰安婦活動家が粘り強く要求してきた日本の国家責任を安倍首相時代に日本が受け入れたからだ。それ以前まで日本は1965年の韓日請求権協定でこの問題がすでに終結したと主張していた。



    (1)「朴槿恵政権の強い圧力のおかげで2015年末に劇的に実現した韓日慰安婦合意は、両国が過去を拭って未来へ向かうために作った成果だった。しかし弾劾で政権が交代すると、文在寅(ムン・ジェイン)政権の康京和(カン・ギョンファ)外交部長官は、日本政府が拠出した10億円を韓国政府の予算で充当すると宣言した。女性家族部は、2015年の韓日慰安婦合意の執行機構である「和解・癒やし財団」を突然解散した。ところが、2021年1月の新年記者会見で文在寅大統領は突然「2015年の韓日慰安婦合意は両国政府の公式合意」と公表した。数日後、姜昌一(カン・チャンイル)駐日大使は日本に赴任し、「和解・癒やし財団」解散は、理事長と理事の辞任のためだと責任を転嫁した」

     

    慰安婦問題は慰安婦の実態を議論せずに、日本がやむなく認めた形で10億円を拠出して最終解決を図った曰く付きの事例である。いわば、日本の大きな譲歩があったから、韓国に「和解・癒やし財団」が生まれたものだ。文政権は、こういう事情を無視して反日攻勢の手段に使い、解散させるという暴挙に出た。日本が、この問題で一切の話合いを拒否するのは当然である。

     


    (2)「韓日間の葛藤をさらに深めたのは、徴用賠償判決だった。2012年5月に大法院(最高裁)は、1965年の韓日請求権協定が「植民地支配の不法性」を指摘しなかったため、徴用勤労者の日本企業に対する請求権は生きているとし、徴用被害者の主張を認めた。当時の金能煥(キム・ヌンファン)大法院裁判官は「建国する心情で」という政治的修辞を使って論議を呼んだ。三菱と新日本製鉄は大法院に再上告し、日本政府は国際司法裁判所(ICJ)に提訴するとして抗議した。梁承泰(ヤン・スンテ)大法院長が率いた大法院は一歩遅れて深刻性を悟り、新たな争点でまた破棄差し戻しする余地までも検討し、解決策に没頭した」

     

    徴用工賠償金も実態を無視した事例である。日本製鉄では、朝鮮人徴用工に給料を払い、帰国の際は慰労会を開き餞別まで持たせたと、韓国人徴用工が後に家族へ語っている。こういう、話はすべてかき消され、悪逆非道なことを行なっていたと誇張されている。その方が、韓国世論を味方につけられるからだ。

     


    (3)「再上告判決が遅れた点を後に文在寅政権は、「司法壟断」というフレームをかけて問題にした。文政権に入って金命洙(キム・ミョンス)大法院長体制で2018年10月、大法院全員合議体が再上告事件を棄却して韓日関係は「ジェットコースター」に乗った。2005年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の「韓日会談文書公開対策官民委員会」は、慰安婦の争点が1965年の韓日請求権協定の「範囲外」と主張した。しかし1965年の会談で韓国側代表が旧日本軍慰安婦の請求権に言及した事実が日本側の会議録に残っている」

     

    日韓基本条約締結過程を読むと、韓国側が一方的に高飛車に出て、日本から金をむしり取る様子が記述されている。日本が反論して、植民地時代の施策に触れると激昂して会議を中断させるという圧力を掛けたのだ。日本は、徴用工と慰安婦の問題にも触れている。韓国は、日本から賠償金(日本は経済協力金と称した)を取れば後で、国内において解決すると発言していたのだ。実際には、日本から得た無償3億ドルは、国内で分配せずに高速道路と製鉄所建設資金に化けたのである。

     


    (4)「徴用勤労者の請求権は請求権協定に明確に含まれたが、文前大統領は三権分立を前に出して大法院の徴用賠償判決を擁護した。しかし三権分立という憲法の原理が国際条約を違反した国内判決を正当化する根拠にはならない。「条約法に関するウィーン条約」の序文には、加盟国が各国の憲法を理由に国家間の約束を破ってはならないと明示している」

     

    韓国は、政府も裁判所も下線のような国際法を無視する行動に出た。日本が、絶対に譲歩しないのは当然なのだ。

     

    (5)「日本の敗戦後、連合軍最高司令部(GHQ)は韓国にある日本資産22億8000万ドルを没収し、そのまま大韓民国政府に移譲した。1965年の韓日請求権協定で日本は無償3億ドル、長期低利借款2億ドルを10年間に分けて韓国に提供した。植民地支配がなかったとすれば与える理由がない資金だったうえ、請求権資金は10年間の韓国経済成長に寄与した。なら尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の選択は簡明だ。「和解・癒やし財団」を復旧し、当初予定していた財団事業を継続しなければいけない。韓国政府が徴用被害者に先に賠償し、その次にポスコなど関連企業から補填を受けるのが現実的な解決法だ。日本企業を引き込もうとすれば問題を解決するどころが、葛藤が深まるしかない

     

    下線部分は、韓国で初めてと言っても良い「正論」である。徴用工も慰安婦も、韓国の国内問題として解決するしか道はないのだ。

     




    (6)「在韓日本大使館前の慰安婦少女像も、ウィーン条約を遵守するレベルで移転を前向きに検討するのがよい。日帝の韓半島(朝鮮半島)侵奪の中心地だったソウル南山(ナムサン)統監府の場所に慰安婦少女像を移転するのが適切な代案に挙げられる」

    駐韓日本大使館前に置かれている少女像も、ウィーン条約に違反した行為である。これまで、韓国政府が放置してきた責任を免れないのだ。

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    歴史とは恐ろしいものである。1000年単位で中国に支配されてきた韓国は、未だに中国へ「NO」を言えない国である。それが、最も極端に現れたのが文在寅政権であった。ご機嫌伺いに汲汲として、結果として韓国の地位を貶めることになった。

     

    中韓外相会談が今日、中国山東省青島で行われる。この会談は、韓国政府が米国主導の半導体サプライチェーン協議体「チップ4」の予備会議に参加する方針を決めてから初めての中韓高官が対面する場だ。中国は、チップ4に対し「米国による中国けん制目的」として、「台湾参加」などを理由に反発してきた。

    韓国は、これまでチップ4について明確な態度を示さなかったが、最近になって「予備会議への参加」を表明した。中国側はこのことについて「説明」を求めているようだ。こういう説明を求めること自体、中国外交の威圧を示している。

     


    『中央日報』(8月9日付)は、「試験台に上がった対中外交、柔軟かつ堂々と解かなくては」と題する社説を掲げた。

     

    尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の対中外交が試験台に上がった。外交部の朴振(パク・チン)長官がきょう中国・青島で就任後初めての韓中外相会談をする。続けて韓国政府は近く米国が主導する半導体供給網協議体である「チップ4」予備会議に参加する予定だ。韓国・米国・日本・台湾が参加するチップ4は事実上中国牽制が目的だ。中国と対立する素地がある。きょうの外相会談は容易でない会議になるものとみられる。

     

    (1)「24日には韓中修交30周年だ。だが国際情勢はいつになく複雑で敏感だ。30年前の修交当時の雰囲気とは全く違う。中国とロシアなど権威主義が周辺を圧迫しており、米中は戦略競争で冷戦に突き進んでいる。最近ペロシ米下院議長の台湾訪問を契機に中国は台湾を包囲した軍事演習を実行した。いまは韓半島(朝鮮半島)に近い西海(黄海)に拡大している。韓中外相会談が開かれる青島は、今回の黄海での演習を主管する中国北海艦隊司令部がある所だ。まさにその近海で演習が実施されている。修交30周年を控えた両国の会談が北京でなく海上演習がある青島で開かれる理由から釈然としない」

     


    中国外交の基本認識は、秦の始皇帝時代に戻っている。韓国に中国的秩序と価値、そして中国的国益を強要したいのだ。韓国が、米国的秩序に編入されているので、その基本秩序を脅かして中国的価値観を植え付けようとしている。これが、中国の対韓外交の基本線と見るべきである。中国外交が、日本と韓国で全く異なるのは、韓国の弱腰外交にある。文政権のように脅せば簡単に従う国は、中国戦狼外交の餌食になりやすいのである。

     

    今回の中韓外相会談が開かれる青島近海は、「台湾封鎖」への一環として実弾演習が実施されている場所だ。黄海で演習するのは、韓国への威圧を示している。こういう「舞台装置」の中で、中国は韓国へ圧力を掛ける目的である。

     

    (2)「今回の会談では、台湾情勢と高高度防衛ミサイル(THAAD)、チップ4などが主要懸案として議題に上がるものとみられる。台湾情勢と関連し、中国がペロシ米下院議長の台湾訪問を口実に実施した演習は、激しいという程度ではなく強迫だった。台湾を攻撃するかのようだった。中国の挑発的演習で台湾周辺を航行する民間船舶と航空機が迂回した。国際的な常識と規範から抜け出した間違った行動という非難を受ける理由だ」

     

    中国が、台湾封鎖を行なったように、韓国も封鎖するという「暗示」をかけているのだ。いかにも始皇帝譲りの中国外交の古くさを見せつけている。こういう脅しに屈してはならない。

     


    (3)「THAAD問題もそうだ。中国は依然として尹政権に「THAAD3不」を要求している。しかし防衛兵器であるTHAADの配備は北朝鮮の核・ミサイルから韓国国民を保護するための軍事主権的措置だった。中国の国益とは距離がある。しかも文在寅(ムン・ジェイン)政権が言及したTHAAD追加配備不可などのTHAAD3不は中国と合意した条約や協約ではない。拘束力はない。そうした点から中国はTHAADをめぐる強引な主張より北朝鮮の非核化牽引が優先だ」

     

    韓国は、中国に対して臆することなく堂々と意見を言うべき段階である。中国へお世辞を言えば、何とかしてくれるという安易さを捨てることだ。中国の外交戦術は無慈悲だ。THAAD報復の際に中国は、「猿を怖がらせるために鶏を殺す」という言葉のように韓国を見せしめにした。韓国はこうした中国の戦術を予想できなかったのだ。中国は、韓国が米国に傾かないよう縛っては置くが、大きな関心は傾けない国である。まさに、始皇帝の「合従連衡」にほかならない。中国外交の本質を見抜くべきである。

     



    (4)「チップ4は容易でない難題だ。韓国の半導体の60%ほどが中国と香港に輸出される。そのため韓国が、半導体と関連して中国にあまりに執着すれば国際半導体供給網から排除されかねない。韓米同盟だけでなく韓国の国益とも距離がある。韓国の生き残りがかかるチップ4への参加は断ることはできない事案といえる。したがって、韓国はチップ4に参加するが特定国を排除するより供給網次元で協力し新たな標準を作る外交的努力が必要だ。何より「国益」が重要だ。韓中外交は常識と規範に基づいて原則的だが柔軟かつ堂々と解いていかなければならない」

     

    中国は、韓国の半導体がなければ工業生産が不可能な国である。中国にとっては本来、韓国の機嫌を損ねてはならない関係にある。韓国はその利点を忘れて、逆の行動を取って中国の術策にはまっている。潜在的に中国を怖い怖いと思い続ければ、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」となる。韓国は、国際情勢の急変をしかと見詰めるべきなのだ。

     

     

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