勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 韓国経済ニュース時評

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    韓国自動車業界は、悪名高き「労働貴族」と呼ばれて来た。生産性向上に協力しないで、高額賃上げだけを要求する行動を続けてきたからだ。ところが、今年は業界全体で賃上げストなしという珍記録になりそう。12年ぶりである。この背景には、保守派政権の登場やEV(電気自動車)移行で雇用減少を警戒したと見られる。生産性向上に協力して、その範囲内で賃上げを実現するという常識的な労組に生まれ変われるのか。まだ、結論は出せないであろう。

     


    『東亞日報』(9月7日付)は、「自動車業界『12年ぶりのスト無し』、EV時代のニューノーマルになるべきだ」と題する記事を掲載した。

     

    今年、韓国国内自動車メーカー各社の賃金や団体協約交渉が紛争なく終わるだろうという期待が高まっている。業界の長兄である現代(ヒョンデ)自動車は先月19日、早期に賃金団体交渉を妥結した。4年連続の無紛争妥結で、1987年の労組設立以降、最長の無紛争記録を続けている。ルノーコリアの労使も先月末、暫定的合意案を可決させた。賃金交渉は合意し、団体協約だけが残った起亜(キア)自動車も無紛争妥結が予想される。双龍(サンヨン)自動車は今年賃金団体交渉がなく、韓国GM労組が進めている暫定合意案の投票さえ可決されれば、全ての自動車メーカーが12年ぶりに紛争なく賃金団体交渉を妥結することになる。

     

    (1)「過激な貴族労組の代名詞と認識されてきた自動車メーカーの労組が紛争なしに労使交渉を進めたのには、ドル高や物価高、金利高の「3重苦」の危機の中で、会社と力を合わせなければならないという雰囲気が働いたという。新型コロナと米中新冷戦の影響で鉄鋼価格が高騰し、半導体などの供給難まで重なった状況で、海外のライバル企業より生産を増やさなければならないという危機感が大きかったという」

     

    労組リーダーの世代交代も影響しているはずだ。これまでのリーダーは、ほとんど「闘争至上主義」に酔ってきた。少しは、世間の冷たい風を認識することも必要である。ストライキ日数は、世界一である。外資系の経営者は、社長室に閉じ込められるなど暴力行為も頻繁に起こっていたのである。

     


    (2)「通常第3四半期は、労働界の「夏闘」により生産支障が最も多い時期だ。しかし、紛争のない今年は状況が変わった。先月、現代自動車は国内外で1年前より11.6%増の33万5000台、起亜自動車も10.4%増の24万台を販売した。ルノーコリアと韓国GMも、販売台数が31.4%と9.6%急増した。業績改善は補償につながり、労使紛争の可能性をさらに下げた」

     

    会社が、赤字でも容赦なく大幅賃上げを要求する。こういう非常識な闘争スタイルが定着してきた。その過激な闘争が、姿を消したとすれば驚くほかない。保守派政権に交代して、違法ストへは警察が介入すると警戒したのか。ともかく、不思議な現象が起こっている。正常化することは良いことであるが、今度はその理由を知りたくなる。

     


    (3)「電動化の急激な進行で、自動車産業は激変期を迎えている。内燃機関車の時代が急速に幕を下ろし、世界各国は「自国保護主義」に基づいた新しい戦略を練っている。米国で組み立てられた電気自動車(EV)だけに補助金を与え、韓国EVは不利益を受けることになった「インフレ削減法」は、その引き金に過ぎない。後発国から出発してトップ圏に進入したばかりの韓国企業にとって耐え難い変化だ」

     

    世界が、EV化に向かっている。部品点数は約3割減る。当然、作業工程は減るので労働力も不要になろう。こういう客観的な状況変化が、自動車労組の行動を変えたのであろうか。もしそうであれば、自動車労組にも「合理的思考力」があったことを証明する。

     

    (4)「部品と生産過程が内燃機関車より30%以上減少するEV時代には、必要労働力も少なくなる。人員削減に対する労働者、労組の恐怖が大きいのは当然だ。競争力の高い車を開発して、減少する労働需要以上に生産、販売を増やすことが労使対立を減らし、持続成長を図る道だ。自動車業界の無紛争賃金団体交渉の妥結は、韓国の自動車産業が目指すべき新しい基準を提示したという点で意味が大きい」

     

    この自動車労組の「覚醒」は、他の韓国労組全体に広がるべきだ。未だに、公営企業の民営化を絶対阻止するという時代離れした感覚に浸っているのである。OECD(経済協力開発機構)の中で、韓国は最大の公営企業数を抱えている国である。

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    韓国政治は、落ちるところまで落ちた感じである。最大野党「共に民主党」代表の李在明(イ・ジェミョン)氏は8日、検察から都市開発疑惑で起訴された。検察から召喚状が出ていたものの拒否していた。「共に民主党」は、これに対抗して尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領「疑惑究明」の真相究明団を発足させるという。

     

    ウォン相場が急落するなど、韓国経済は危機に立たされているにもかかわらず、権力闘争に熱中しているのだ。そう言っては失礼だが、民度の問題と関わっているように思える。政治の責務を放り出して党利党略で夢中になっているのは異常である。

     


    『朝鮮日報』(9月8日付)は、「韓国検察、李在明代表を起訴 都市開発疑惑めぐる虚偽発言で」と題する記事を掲載した。

     

    韓国最大野党「共に民主党」の李在明代表が8日、公職選挙法違反の罪で韓国検察に起訴された。李在明代表は、ペクヒョン洞と大庄洞の開発疑惑に関連し虚偽の内容を公表した疑いが持たれているが、検察の出頭要請に応じず、書面での答弁にとどまっていた。

     

    (1)「大庄洞開発事業をめぐる優遇疑惑に関連して故キム・ムンギ元城南都市開発公社開発事業第1処長を「知らない」と発言し虚偽事実を流布した容疑についてはソウル中央地検、ペクヒョン洞をめぐる虚偽事実流布については城南支庁がそれぞれ起訴した。李代表は故キム・ムンギ氏について「城南市長だった当時は知らなかった」と虚偽の発言をした疑いが持たれている。キム・ムンギ氏は大庄洞疑惑をめぐって検察の事情聴取を受けた後、昨年12月21日に自ら命を絶った。これについて李代表は放送で「よく知らない人」と発言していた」

     

    大庄洞開発事業は、李氏が城南市長時代に行なった都市開発事業である。これに絡んで、開発企業が暴利を上げた事件だ。李氏は、自分の無実を言い募るために、元城南都市開発公社開発事業関係者について、「良く知らない人」と発言、責任回避を図ったとされている。この関係者は、その後自ら命を絶った。

     


    (2)「この発言を受けてキム・ムンギ氏の遺族は、李代表とキム・ムンギ氏が海外出張で一緒に撮影した写真を公開。検察はこれに関連し、6日に京畿道庁に家宅捜索に入っていた。李代表はまた、ペクヒョン洞事業に関する昨年の国政監査で「国土交通部(省に相当)に土地の用途を変更するよう脅迫された」と虚偽の発言をした疑いも持たれている」

     

    李氏は、弁護士資格を持っている。それだけに、法の網をくぐる術を心得ているが、キム・ムンギ氏を「良く知らない人」と言ったのは不覚であった。知らないどころか、最も親しい関係であり、海外旅行も一緒にしている。その際の記念写真まで残されているのだ。

     

    疑惑の舞台になった土地の用途変更は、国土交通省の脅迫と言い逃れ発言をしている。これは、国土交通省を調べればすぐ分かること。李氏は、不倫問題で裁判沙汰になったが、徹底的に「知らない」で通した。不倫裁判では、「知らない」で責任を回避できたが、都市開発疑惑では証拠が山のほど残されている。

     


    野党「共に民主党」は、国政そっちのけで尹錫悦大統領夫人を先ずターゲットにしている。夫人が、高価なアクセサリーを申告しなかったとして告発しているのだ。さらに、尹大統領に関連する多くの疑惑に対する国政調査に備え、院内真相究明団を構成することにしたと8日、明らかにした。

     

    『中央日報』(9月8日付)は、「韓国最大野党『尹大統領の疑惑すべて明らかにする』、真相究明団を構成」と題する記事を掲載した。

     

    韓国野党第一党の共に民主党が、「金建希(キム・ゴンヒ、大統領夫人)特検法」に先立ち、尹錫悦大統領に関連する多くの疑惑に対する国政調査に備え、院内真相究明団を構成することにしたと8日、明らかにした。

    (3)「民主党の呉永煥(オ・ヨンファン)院内報道官はこの日午前、国会で開かれた政策調整会議の後、記者らに対し「大統領室関連の疑惑について常任委別にかなり分散しているため、総合的に資料収集をして整理するため」とし、このように述べた。民主党の呉永煥(オ・ヨンファン)院内報道官は8日午前、国会で開かれた政策調整会議の後、記者らに対し「大統領室関連の疑惑について常任委別にかなり分散しているため、総合的に資料収集をして整理するため」とし、このように述べた」

    最大野党の尹大統領追及は、検察による李在明氏起訴への「嫌がらせ」である。こういう泥仕合によって国政がマヒすることは確実である。国民の税金を使って、国会で権力闘争にうつつを抜かしているのだ。これが、道徳性の高いと自慢する民族の振る舞いである。しかと見届けるべき「政治ショー」である。


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    韓国政府は7日(現地時間)、パリにある博覧会国際事務局(BIE)に「2030釜山(プサン)世界博覧会(エキスポ)」誘致計画書を公式に提出した。すでに、日本へは支援協力を依頼しており、実現に向けて動き出している。サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長とSKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長が、大統領特使の資格でそれぞれ英国と日本を訪問し、2030年の釜山(プサン)万博誘致支援に出る予定である。

    ところが、中国は2030年のエキスポに立候補するサウジアラビアを支援する動きを見せている。習近平氏が、その旨の秘密親書を送ったというのだ。中国は最近、半導体を目的に韓国へ一段の接近をしている一方で、サウジアラビアへも原油確保の目的で急接近している。中国の「二股外交」ぶりが明らかになったのだ。これで、韓国の「中国熱」はさらに冷めるであろう。

     


    『中央日報』(9月8日付)は、「サウジに『秘密親書』送った習近平氏、釜山エキスポ誘致が非常事態に陥った」と題する記事を掲載した。

     

    5日、中国の習近平国家主席がサウジアラビアのサルマン・ビン・アブドルアジーズ・アール=サウード国王に親書を送り、サウジアラビア・リヤドの2030年世界エキスポ開催支持を表明したとサウジ通信社(SPA)が同日、報じた。

     

    (1)「多数決で決まるエキスポ主催争いで、中進国の投票者の心をリードできる中国がいち早くリヤド支持の意思を明らかにしたことにより、釜山(プサン)誘致戦を繰り広げている韓国にとっては厳しい競争を強いられる見通しだ。習主席の親書はこの日、陳偉慶サウジアラビア大使がリヤド外交部庁舎でワリド・ビン・アブドルカリーム・アール=フライジ外交部次官に伝達した。異例のことだが、今回の習主席の親書伝達の便りは中国官営メディアはもちろん、外交部やサウジ大使館ホームページにも全く公開されなかった」

     

    中国が、秘密裏にサウジアラビアへ親書を送ったのは、韓国を刺激したくなかったもの。韓国へは半導体で接近しているからだ。だが、中国はサウジアラビアへも原油確保で最大の投資を始めている。

     

    サウジアラビアは近年、中国との友好関係を深めている。16年に中国と全面的な戦略パートナーシップを結び、19年に両国は合同軍事演習を行った。サウジは昨年、中国の最大原油供給先となった。今年上半期における中国の対サウジ投資額は55億ドル(約7783億円)に達した。「一帯一路」参加国の中で最も多い。うち46億ドル(約6509億円)は原油や天然ガス開発に投じられる。

     

    韓国は、中国の「裏の顔」を知って目が覚めるであろう。中国は、半導体と原油の両方を離したくない結果、綱わたり外交をしているのだ。

     

    (2)「SPAは、習主席の親書の中で両国と国民をつなぐ堅固で緊密な二国間関係が記されていたと報じた。この日、ファイサル・ビン・ファルハーン・アル・サウード王子に代わりに出席したアール=フライジ次官は、陳大使と会談を行い、両者関係を検討して多様な関係で協力を強化する一方、相互利益問題についての見解を交換したと通信は伝えた。中国がこのように秘密裏に2030世界エキスポ開催地でリヤド支持の意思を明らかにし、釜山の誘致戦は大きな苦戦が予想される」

     

    中国のサウジアラビア支援姿勢は、韓国を軽く見ている証拠である。韓国を脅せば、大丈夫と踏んでいるのであろう。韓国も、怒るべき時は怒らなければ鼎の軽重を問われる。

     


    (3)「2030世界エキスポ開催地は来年11月、フランス・パリで加盟170カ国の投票で決まる。3分の2の賛成を受ける国家が出てくるまで繰り返し投票が行われる。韓国は2020年世界貿易機関(WTO)事務局長の選挙でも、産業通商資源部の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長が米国の公開支持を受けて最終候補2人に進出したが、中国が支持したナイジェリア元財務長官出身のンゴジ・オコンジョ・イウェアラ氏に押されて結局候補から辞退したことがある」

     

    韓国は、WTO事務局長選で韓国候補が敗退した苦い経験がある。あの選挙は、EU・日本・中国が揃ってナイジェリア候補を支援していた経緯があった。今回の2030年エキスポは、まだそういう状況にはなっていない。

     

     

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    中国経済と道連れの運命

    半導体は米国一強体制へ

    コリア有頂天時代に別れ

    世界の激浪に翻弄される

     

    韓国のウォン相場が急落している。9月7日のオフショア市場では、1ドル=1386ウォン(16時15分)まで下げた。1400ウォン割れが目前である。過去2回(1997年と2008年)の通貨危機では、1400ウォン割れは通過点であった。

     

    今回の場合は、米ドルが高金利に支えられて突飛高を演じている。これにより、ウォンが安値に追込まれているという事情はある。日本円も例外でないからだ。理由は、それだけでないところに深刻さがある。次のような事情を抱えている。

     

    1)韓国輸出の首位である中国経済が、長期停滞予想を強めていること。

    2)韓国代表の半導体産業が、米中デカップリン(分断)の中で米国一強体制再編により弾き出されること。

     

    前記の2点によって、韓国経済はこれまでの成長基盤をひっくり返されるに等しい事態を迎えるであろう。韓国が、こうした状況変化に上手く対応できる可能性はゼロだ。ここに深刻さがあるのだ。

     

    中国経済と道連れの運命

    前記に2点について、私のコメントを付けたい。

     

    1)韓国は、輸出全体の25%強が中国向けである。香港を含めれば30%を超える。こうした輸出の中国依存度の高さから、これまで「経済は中国、安保は米国」と割り切り、いわゆる「二股外交」に余念がなかった。その中国経済が、明らかに成長路線から転落する兆候を強めている。不動産バブル崩壊によって、住宅需要が急減しているのだ。しかも、住宅ローン返済拒否が、大きなうねりを見せている。

     


    頭金を払って住宅購入契約を結びその後、毎月の住宅ローンをきちんと払い続けても念願のマイホームが手に入らないのだ。建設業者が、資金繰り難で工事をストップさせている結果である。現在、住宅ローン返済拒否をしているローン残高は、S&Pグローバルによれば0.97兆~2.44兆元(約20~50兆円)と推計されている。

     

    この住宅ローン返済拒否は、インターネットによって全土に知れ渡っている。こういう現実を知った人たちが、新規に住宅を購入しようするだろうか。悪い話が耳に入れば、誰でも住宅購入を控えるはずだ。特に、中国社会はこういう情報に敏感である。

     

    中国の大手銀行では、融資残高の3分の1が不動産関連である。この状態で、前記のような住宅ローン返済拒否が起これば、「一波は万波を呼ぶ」の喩え通り、波及先は極めて広範囲になる。こうして、金融不安へ飛び火するリスクを抱えるのだ。

     

    中国経済の抱えるもう一つリスクは、ゼロコロナの継続である。ゼロコロナ政策が、防疫対策の域を超えて政治問題になっている。習近平氏は、次期国家主席を目指しており、ゼロコロナ維持が至上命題にしている。これに反対する者は、「反党分子」という剣幕なのだ。ここまで思い込んでいる以上、習氏が簡単にゼロコロナ政策を止めるとは思われない。

     

    現在の予測では、来年以降も継続すると見られている。長期のロックダウンが、若者の意識に重大な変化をもたらしているのである。英医療専門誌『ランセット』(6月号)に掲載された論説によれば、「メンタルヘルスの不調が、今後何年にもわたって中国の文化・経済に悪影響を与える兆候が出ており、中国のロックダウンは非常に大きな人的コストを生み出している」と指摘している。『ロイター』(8月30日付)が伝えた。最近、「結婚したくない」、「子どもを生みたくない」というネガティブ思考蔓延の背景にこれがあるのだ。

     

    中国経済は、不動産バブル崩壊とゼロコロナによる負の連鎖で、これから急速に潜在成長率を押し下げて行くだろう。

     


    韓国は、すでに5月から連続で対中貿易において赤字に陥っている。これまでにない現象だ。韓国貿易は、対中輸出で黒字を出し、その黒字で対日貿易赤字を消す。さらに、対米輸出で全体の黒字を計上する仕組みが出来上がってきた。だが、頼みの対中貿易が赤字になっている状況下で、今後は安閑としていられなくなった。「お尻に火がついた」状況だ。

     

    半導体は米国一強体制へ

    次の問題に移ろう。

    2)韓国を代表する半導体産業は、米中デカップリン(分断)の中で、米国一強体制によってはじき出される危険性が強まっている。半導体は米国生まれの技術である。基本特許は、米国が抑えている以上、韓国は最終的に米国の意向に逆らえないのだ。米国は現在も、半導体の設計や設備で世界を支配する。日本は、素材と設備でその存在感を維持している。韓国は、メモリー半導体の生産で存在感を強く打ち出している。

     

    半導体が、安全保障上において最大の戦略物資になっている以上、西側諸国は「中ロ枢軸」に対抗すべく再編成が求められている。こういう事情から、日米韓の半導体企業を結集させると、韓国が中国へも工場進出して二股で存在できないことは明らかだ。韓国半導体が、これまで成長発展できたのは、「グローバル経済」下にあったからこそ可能になったのである。

    (つづく)

     

    次の記事もご参考に。

    2022-09-01

    メルマガ391号 韓国半導体が危機、米国「チップ囲い込み」戦略で大津波 対中二股は不可能

    2022-09-05

    メルマガ392号 中国ファーウェイ「巣ごもり宣言」、米国の技術輸出禁止で「ノックアウ

     

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    二転三転していた旧徴用工賠償問題は結局、2019年に韓国国会議長であった文喜相氏の提案に舞戻ることになった。文喜相案によると、関係した日韓企業の資金拠出と国民からの寄付金によって賠償資金を作るというもの。この案は、文在寅大統領(当時)が、難色を示して廃案になった。当時の与野党が合意していただけに、ここでも文氏の「反日」がブレーキを掛けたのだ。

     

    韓国政府は来月、日韓企業による資金拠出案を日本政府へ提案するという。もともと、この案には安倍政権(当時)も「了承」意向を韓国へ伝えていたとされる。

     


    韓国紙『東亞日報』(9月7日付)は、「日本に来月にも解決策提示へ、元徴用工問題で韓国政府が方針」と題する記事を掲載した。

     

    韓国政府が来月、戦時中の元徴用工の訴訟をめぐる問題の解決策を日本政府に提示する方針だ。政府は既存の財団を活用するが、日本の政府や企業も賠償主体として参加して被害者に賠償する案を優先的に考慮するという。

    (1)「政府が韓日関係改善の支障となっている元徴用工問題の解決に向けてスピードを出すのは、大法院(最高裁判所)が決定した、日本企業の韓国内資産の売却手続きが近づいているためだ。6日、東亜(トンア)日報の取材を総合すると、政府は2014年に設立された「日帝強制動員被害者支援財団」を活用し、元徴用工に賠償することをまず検討する。政府関係者は、同紙の電話取材に対し、「新たな基金の新設など手続きを踏むには時間がないのが事実」とし、「(日帝強制動員被害者支援)財団が正常化しているので、これを主体にすることに障害はない」と話した」

     


    韓国政府は5日、4回目の徴用被害者の賠償問題解決のための民官協議会を開いた。韓国政府と被害者側はこの会議で、日本企業が徴用被害者らに賠償すべき額を韓国政府の予算で先に支払い、後で日本側に請求するという方式の、いわゆる「代位弁済」は望ましくないということで同意したと伝えられる。こうして、2019年に韓国国会議長が提案した「募金案」に舞戻ることになった。

     

    韓国政府は、2014年に設立された「日帝強制動員被害者支援財団」を活用し、元徴用工に賠償することをまず検討するという。ここで、日韓企業の募金による賠償案が取り上げられる見通しのようだ。

     


    (2)「政府は、日本に韓国がまとめた解決策を伝え、日本も賠償にある程度貢献するよう要請するものとみられる。元徴用工らが日本企業の賠償参加を強く主張しているためだ。日本の政府や企業の謝罪をどのように取りつけるかが鍵だ」

    韓国政府は、被害者の高齢化などを考慮して、速やかに解決案を整備したい方針だ。外交部は「放置しておけない問題で、真剣に日本と話をしている」としている。ただ、日本政府が韓国側の「誠意ある対応」に対して、何の反応もしていないと、韓国メディアは報じている。

     

    韓国企業側の拠出金には、1965年の日韓基本条約の恩恵を受けたポスコが拠出した60億ウォン(約6億円)を活用できる。この資金は現在、強制動員被害者支援財団で管理している。カギは、日本側で三菱重工業と日本製鉄などの企業が、資金拠出に参加するかどうかである。



    旧徴用工側は、日本企業による基金への拠出を代位弁済の必須条件としている。これに対し日本側は、1965年の日韓基本条約ですべての賠償が完了している、日本企業に拠出を強制すべきではないという立場だ。韓国政府は、日本企業を財源確保の必要上、ぜひ参加して貰いたいが「自発的参加」を求めているという。これを通じて、旧徴用工側が第三者による代位弁済を受け入れる「名分」をつくるとしている。

     

    日本側としては、1965年に日韓基本条約で無償3億ドルを払って旧徴用工問題を解決している。それにも関わらず、韓国政府がこの資金の一部を徴用工に支払わず、高速道路と製鉄所建設の資金に回してしまったのである。韓国大法院(最高裁判所)は、こういう実態を知りつつ、無償3億ドルの支払い名目が「賠償金」でなく「経済協力金」であるから、もう一度払えという、理不尽な判決を下したのだ。文在寅大統領(当時)の強い意志を反映したことは間違いない。政治的な判決である。

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