高市人気の秘密は、どこのあるのか。2カ所での選挙演説をすべてユーチューブで聴いた感想は、言葉に無駄がないことだ。聴衆を聞き飽きさせない「話術」は、歴代首相の中ではピカイチであろう。人気が出るのは自然な感じである。戦後の首相では、石橋湛山の演説も聞く者を引きつけた。夢を語り希望を持たせたからだ。高市人気の秘密は、この「希望」で聴衆に夢を与えているのかも知れない。若い層での人気がトップというのは、こういう背景であろう。
高市人気が、そのまま選挙結果に現れると、自民党単独で過半数超えになる。このことから、連立の組み替え予想が出てきた。参院での過半数維持には、国民民主党を連立に引き入れることが必要という根拠である。さて、どうなるか。
『毎日新聞 電子版』(2月6日付)は、「自民単独過半数なら『高市カラー』加速 連立組み替えも選択肢に」と題する記事を掲載した。
毎日新聞が実施した衆院選(8日投開票)の終盤情勢調査では、自民党が単独で過半数(233議席)を大きく上回る勢いとなっている。一方、立憲民主党と公明党が結成した新党・中道改革連合は大きく議席を減らす公算が大きい。選挙結果が今後の政権の行方を左右するが、想定される衆院選後の動きをシミュレーションした。
(1)「国旗損壊罪を新設する刑法改正案やスパイ防止法案など与野党対決が想定される法案は、日本維新の会との連立政権合意に盛り込まれていたが、成立の見通しが立っていなかった。だが、自民党が単独で過半数を得て大勝した場合、高市早苗首相(自民総裁)はこうした保守色の強い肝いり政策を推進するとみられる。政権基盤が安定し、強気の政権運営ができるようになれば、維新の存在感が低下する可能性がある」
自民党の過半数超えが実現すれば、強気の政権運営になるのは予想できる。それが、維新の存在感を低下させる。物理現象であろう。
(2)「第2次高市内閣が発足すれば、まずは衆院解散で遅れている2026年度当初予算案の審議を急ぐことになる。予算軽視の「自己都合解散」との批判を避けるため、中道改革連合の枝野幸男氏が就いていた衆院予算委員長ポストを自民が奪還し、「スピード成立」を目指す。それでも、年度内成立は極めて困難だ。4月以降にずれ込めば、成立までの「つなぎ」として必要最小限の経費を計上する「暫定予算案」で対応することになる。予算審議後には、インテリジェンス(情報収集・分析)の司令塔機能を担う「国家情報局」の設置など「高市カラー」の強い法案の審議が本格化するとみられる。1月段階では政府提出法案のリストで、旧姓の通称使用の法制化法案や、旧宮家出身の男系男子が養子として皇室に入る案を「第一優先」とする皇室典範改正案は「検討中」とされた。選挙結果を「民意」として、法案提出の動きが加速する可能性がある」
保守色の強い法案が、提出されるという。「国家情報局」は、日本がスパイの巣になっている現状を放置するかどうかという視点の問題だ。国家情報局は、戦時中のイメージが暗すぎることからくる反対論もあるであろう。
(3)「日本の国旗を損壊したり汚したりした場合に刑事罰を科す国旗損壊罪の新設は、衆院選の第一声で訴えた。首相は1月27日、東京・秋葉原の街頭演説で、刑法改正案を審議する衆院法務委員長ポストを「最も反対しそうな党(中道)」に握られており、法案提出は「今年の国会では諦めざるを得なかった」と悔しさをにじませた。衆院選で与党の議席数が、委員長ポストを与党が独占できる安定多数(243議席)、さらに全委員会で過半数を得られる絶対安定多数(261議席)を超えれば、法改正の動きが加速する見通しだ」
国旗損壊罪の新設は、どこの国でも行っていることであろう。国旗を大切にすることは、日本人として自然の行為であろう。外国人も同様である。
(4)「政権内にも慎重論があったスパイ防止法も、検討が進むとみられる。また、首相が「悲願」と言及した飲食料品の「2年間消費税ゼロ」について、首相がどこまで実現に向けた動きを具体化するかも焦点となる。一方、参院では与党が過半数に満たない「衆参ねじれ」の状況が続くため、法案成立には野党との連携が必要となる。もっとも、衆院選で与党が3分の2(310議席)を超えた場合、参院で法案を否決されても、衆院で再可決して成立させることが可能となる。参院で野党の賛同が得られない場合でも、与党が衆院で強引に「数の力」で押し切ることもできる」
2年間消費税ゼロは、財政政策上も止めた方が無難である。低所得者保護という理由だが、富裕者はこれによって大きな利益を得る点で、不平等拡大になる。それよりも、物価引下げ策のほうがどれだけ有益かである。
(5)「自民が政権の足場を固めれば、維新が「連立の絶対条件」としてきた衆院議員定数の削減や、首都機能のバックアップを図る「副首都構想」は実現の機運が弱まる可能性がある。定数削減は昨秋の臨時国会で法案審議に入れず、さらに結論が先送りされれば、維新内で連立離脱論が再燃しかねない。ただし、与党が少数の参院で国民民主会派(25議席)の協力が得られれば、自民会派の101議席と合わせて過半数(125議席)に届く。衆院で自民が多数を確保すれば、連立の組み替えも選択肢に浮上する。組み替えに至らなくとも、自民が政策ごとに維新と国民民主をてんびんにかけ、取り込みを図る戦略を取ることも想定される」
国会の定数削減問題は、自民党が絶対多数を握れば猛反対が出るだろう。幅広い民意を聞くという視点から言えば、本筋論から外れている。少数意見を反映した「少数政党」も必要であるからだ。それが、国民の政治への関心を高める手段になる。




