中国社会には、日本に対して異なるイメージを持っている人達がいる。政府の宣伝を信じている層と理想国家のイメージを日本に重ねている人達だ。後者は、かなり高い教養を収めた層で日本へリピーターになっている。このリピーターの寄せるSNSの投稿では、日本評価の視点が明らかだ。
生活者レベルでは日本への信頼度・好感度が高いのである。これは、清潔、安全、時間に正確、人が親切、価格が透明 など、生活の質に直結する要素が中国人にとって魅力であるようだ。
中国人リピーター率は、約60%弱である。訪日外国人全体のリピーター率が、約65%であるので中国リピーター比率は低めである。これは、中国の人口規模が大きい結果だ。初回訪問者が常に大量に流入するため、
リピーター比率が上がりにくい構造である。こういう特殊事情を勘案すると、中国リピーター率は他国と遜色ないと言えよう。
『レコードチャイナ』(7月14日付)は、「『日本だけが本当に行きたい旅行先』との投稿に中国ネットで共感=『日本超える国ない』『心が温かくなる』」と題する記事を掲載した。
中国のSNS『小紅書(RED)』(7月13日付)に「日本だけが私が本当に行きたい旅行先」と題した投稿があり、中国のネットユーザーから共感する声が殺到している。
投稿者は、「この1年で日本や韓国、東南アジアに何度も行き、ヨーロッパにも足を運んだ。その中でも一番楽しくて心からリラックスできたのは日本だった。しばらくすると、また行きたくなってしまう」と綴った。
(1)「この投稿に中国のネットユーザーからは、「そうなんだよ。1度行くと、またずっと行きたくなる」「他の国へ旅行するたびに、ますます日本に行きたくなる」「日本には何度か行ったことがあるけど、他の国にはまだ行ったことがない。それでもやっぱり何度でも日本に行きたくなる」「20カ国以上行ったけど、いまだに日本を超える国には出会ってない。他の国はいくらでも欠点が見つかるけど、日本だけは本当に死角がない」と共感する声が相次いだ」
さすがは、リピーターの日本評価論である。日本が、世界の観光競争力で1位であることが、こういう投稿で確認できる。
(2)「また、「私が唯一、一人旅できると思える国」「日本だけは安心して旅行できる。他の国だと盗難や強盗、詐欺を心配しないといけない。ホテルに忘れ物をしたことがあるけど、ちゃんと戻ってきたのは日本だけ。他の国じゃ返ってくるなんてまず期待できない。それに日本は、たとえ観光客向けの割高な店でも基本的に料金はちゃんと表示されている。後からぼったくられるよりずっといい」と、日本の安全性や安心感に関するコメントが寄せられた」
日本旅行が、価格面で安心できるのも高評価の理由だ。
(3)「さらに、「帰国してからしばらく本当にしんどくて、何日か外にも出られなかった。ギャップが大きすぎた」「帰国すると反動がすごい。マナーの悪い光景を見るたびにイライラする。でもそういうのが多すぎて、結局はだんだん麻痺して、文句を言う気力もなくなっていく」など帰国後の反動について訴えるコメントや、「本当にそう。世界中を旅行した結果、最後は日本に住むことにした」「3年前、初めて日本に行って本当に救われた気がした…。その後さらに2回行って、去年は行けなかったけど、今年はいっそ移住しようかな。日本さん、これからもずっと仲良くしてください…」などと、移住を検討するコメントも寄せられた」
私が、欧州旅行直後に感じた郷愁は、夕暮れ時に打ち響く教会の鐘の音だった。シャワーのように降り注ぐあの独得の雰囲気に圧倒された。また、オルセー美術館で見たミレーの「晩鐘」がもたらす荘厳さと、街に響く晩鐘はヨーロッパ文化の結晶であり心の底まで響くものだ。中国の人達が、日本へ抱く好印象。ありがたいことだ。
(4)「日本の秩序やルールを評価する声としては、「本当にそう。秩序を大事にする人にとっては、日本はものすごく居心地がいい。『ルールが多すぎる』って言う人もいるけど、みんながルールを守るからこそ秩序が保たれて安心できるんじゃない?
中国では外に出れば、バスに乗るにも競争、列に並べば前にも後ろにもぴったり張り付かれて割り込みを警戒しなきゃいけない。地下鉄でもエスカレーターでも、人が降りるのを待たずに乗り込んでくるし、受動喫煙や道端での痰吐き、さらには立ち小便や野外排泄まで気を付けなきゃいけない。毎日ずっと警戒モードで、気が休まらない」とのコメントが見られた」
秩序は、生活の基本ルールである。この底には、無意識ながら宗教による影響力がある。ヨーロッパはキリスト教、日本は仏教である。これが、人々の心の底に「人様に迷惑を掛けない」とい自制心を生むのだろう。
(5)「これに対しては、「私も日本の秩序のある雰囲気や、人との適度な距離感、それにお互いを信頼している空気が好き。ちょっとしたことで心が温かくなることがよくある」「普段からマナーのいい人が日本へ旅行すると本当に快適。でも、中国で好き勝手に振る舞うのに慣れている人が日本へ行くと、あれこれ『地雷』だらけに感じるんだろうね」「他の投稿ではあまり言えないけど、日本旅行は本当に最高だった。受動喫煙もないし、道に痰を吐く人もいないし、ルールもしっかり守られている。本当に快適だった」と同調するコメントが集まった」
こういうマナーの良さが、日本の観光競争力を高めている。
(6)「そのほか、「日本のトイレは本当に世界一きれい。日本旅行は本当にストレスが少ないし、近くて行きやすいのもいい」「誰かわかってほしい。田舎の無人駅ですら、きれいなトイレにウォシュレットまで付いていて、本当に救われる」「日本に10年住んでいて、ほかの国にも行ったことがあるけど、毎回日本に戻って空港のきれいなトイレを見ると幸せな気持ちになる」など、日本のトイレの清潔さや利便性に関するコメントも書き込まれた」
きれいなトイレは、心が安まるものだ。これも、日本人の「おもてなし精神」の発露であろう。




