勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:経済ニュース時評 > 日本経済ニュース時評

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    中国社会には、日本に対して異なるイメージを持っている人達がいる。政府の宣伝を信じている層と理想国家のイメージを日本に重ねている人達だ。後者は、かなり高い教養を収めた層で日本へリピーターになっている。このリピーターの寄せるSNSの投稿では、日本評価の視点が明らかだ。 生活者レベルでは日本への信頼度・好感度が高いのである。これは、清潔、安全、時間に正確、人が親切、価格が透明 など、生活の質に直結する要素が中国人にとって魅力であるようだ。

     

    中国人リピーター率は、約60%弱である。訪日外国人全体のリピーター率が、約65%であるので中国リピーター比率は低めである。これは、中国の人口規模が大きい結果だ。初回訪問者が常に大量に流入するため、 リピーター比率が上がりにくい構造である。こういう特殊事情を勘案すると、中国リピーター率は他国と遜色ないと言えよう。

     

    『レコードチャイナ』(7月14日付)は、「『日本だけが本当に行きたい旅行先』との投稿に中国ネットで共感=『日本超える国ない』『心が温かくなる』」と題する記事を掲載した。

     

    中国のSNS『小紅書(RED)』(7月13日付)に「日本だけが私が本当に行きたい旅行先」と題した投稿があり、中国のネットユーザーから共感する声が殺到している。

     

    投稿者は、「この1年で日本や韓国、東南アジアに何度も行き、ヨーロッパにも足を運んだ。その中でも一番楽しくて心からリラックスできたのは日本だった。しばらくすると、また行きたくなってしまう」と綴った。

     

    (1)「この投稿に中国のネットユーザーからは、「そうなんだよ。1度行くと、またずっと行きたくなる」「他の国へ旅行するたびに、ますます日本に行きたくなる」「日本には何度か行ったことがあるけど、他の国にはまだ行ったことがない。それでもやっぱり何度でも日本に行きたくなる」「20カ国以上行ったけど、いまだに日本を超える国には出会ってない。他の国はいくらでも欠点が見つかるけど、日本だけは本当に死角がない」と共感する声が相次いだ」

     

    さすがは、リピーターの日本評価論である。日本が、世界の観光競争力で1位であることが、こういう投稿で確認できる。

     

    (2)「また、「私が唯一、一人旅できると思える国」「日本だけは安心して旅行できる。他の国だと盗難や強盗、詐欺を心配しないといけない。ホテルに忘れ物をしたことがあるけど、ちゃんと戻ってきたのは日本だけ。他の国じゃ返ってくるなんてまず期待できない。それに日本は、たとえ観光客向けの割高な店でも基本的に料金はちゃんと表示されている。後からぼったくられるよりずっといい」と、日本の安全性や安心感に関するコメントが寄せられた」

     

    日本旅行が、価格面で安心できるのも高評価の理由だ。

     

    (3)「さらに、「帰国してからしばらく本当にしんどくて、何日か外にも出られなかった。ギャップが大きすぎた」「帰国すると反動がすごい。マナーの悪い光景を見るたびにイライラする。でもそういうのが多すぎて、結局はだんだん麻痺して、文句を言う気力もなくなっていく」など帰国後の反動について訴えるコメントや、「本当にそう。世界中を旅行した結果、最後は日本に住むことにした」「3年前、初めて日本に行って本当に救われた気がした。その後さらに2回行って、去年は行けなかったけど、今年はいっそ移住しようかな。日本さん、これからもずっと仲良くしてください」などと、移住を検討するコメントも寄せられた」

     

    私が、欧州旅行直後に感じた郷愁は、夕暮れ時に打ち響く教会の鐘の音だった。シャワーのように降り注ぐあの独得の雰囲気に圧倒された。また、オルセー美術館で見たミレーの「晩鐘」がもたらす荘厳さと、街に響く晩鐘はヨーロッパ文化の結晶であり心の底まで響くものだ。中国の人達が、日本へ抱く好印象。ありがたいことだ。

     

    (4)「日本の秩序やルールを評価する声としては、「本当にそう。秩序を大事にする人にとっては、日本はものすごく居心地がいい。『ルールが多すぎる』って言う人もいるけど、みんながルールを守るからこそ秩序が保たれて安心できるんじゃない? 中国では外に出れば、バスに乗るにも競争、列に並べば前にも後ろにもぴったり張り付かれて割り込みを警戒しなきゃいけない。地下鉄でもエスカレーターでも、人が降りるのを待たずに乗り込んでくるし、受動喫煙や道端での痰吐き、さらには立ち小便や野外排泄まで気を付けなきゃいけない。毎日ずっと警戒モードで、気が休まらない」とのコメントが見られた」

     

    秩序は、生活の基本ルールである。この底には、無意識ながら宗教による影響力がある。ヨーロッパはキリスト教、日本は仏教である。これが、人々の心の底に「人様に迷惑を掛けない」とい自制心を生むのだろう。

     

    (5)「これに対しては、「私も日本の秩序のある雰囲気や、人との適度な距離感、それにお互いを信頼している空気が好き。ちょっとしたことで心が温かくなることがよくある」「普段からマナーのいい人が日本へ旅行すると本当に快適。でも、中国で好き勝手に振る舞うのに慣れている人が日本へ行くと、あれこれ『地雷』だらけに感じるんだろうね」「他の投稿ではあまり言えないけど、日本旅行は本当に最高だった。受動喫煙もないし、道に痰を吐く人もいないし、ルールもしっかり守られている。本当に快適だった」と同調するコメントが集まった」

     

    こういうマナーの良さが、日本の観光競争力を高めている。

     

    (6)「そのほか、「日本のトイレは本当に世界一きれい。日本旅行は本当にストレスが少ないし、近くて行きやすいのもいい」「誰かわかってほしい。田舎の無人駅ですら、きれいなトイレにウォシュレットまで付いていて、本当に救われる」「日本に10年住んでいて、ほかの国にも行ったことがあるけど、毎回日本に戻って空港のきれいなトイレを見ると幸せな気持ちになる」など、日本のトイレの清潔さや利便性に関するコメントも書き込まれた」

     

    きれいなトイレは、心が安まるものだ。これも、日本人の「おもてなし精神」の発露であろう。

     

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    レアアース(希土類)は、中国輸出の最強製品になっているが、その製品の中で「永久磁石」が最高の地位にある。この特許技術は日本が保有している。永久磁石の需要先は、「重工業・エネルギー・輸送・デジタル機器」の4大分野に集中している。中国も、日本の特許技術を使って永久磁石を生産している。

     

    こうなると、日本へはレアアース輸出を規制する。一方で、日本の技術で永久磁石を製造しているという妙な関係が生まれている。ねじれ関係である。日本の「お人好し」ぶりが浮かび上がる。もっとも、特許保有は民間企業である。政府が強制できない弱みがある。

     

    永久磁石とは、一度磁化すると外部から磁場や電流を与えなくても長期間磁力を保つ磁石である。電磁石と違い、電源がなくても常に磁力を出し続ける特性を持つ。永久磁石は、レアアースの最重要製品である。

     

    日本が、世界トップになった決定的な出来事は、1982年に住友金属工業が「ネオジム磁石」を発明して、世界の磁石産業を一変させたことに始まる。トヨタは、ハイブリッド車で大量採用し、世界市場で圧倒的優位に立った。電動工具・家電・産業ロボットでは、日本製永久磁石が標準化されている。永久磁石は、日本が作った世界標準 である。いわば、日本の「お家芸製品」だ。

     

    『レコードチャイナ』(7月6日付)は、「中国のレアアース産業に『致命的な弱点』台湾メディアと題する記事を掲載した。

     

    台湾メディア『自由時報』(7月6日付)は、中国のレアアース産業には「致命的な弱点」があるとの記事を掲載した。

     

    「記事は、「中国は長きにわたりレアアースの採掘、精製、輸出において独占的な地位を築いてきたが、中国の研究者による最新の研究は、同国のレアアース産業が致命的な弱点を抱えていることを示している」と伝えた。

     

    (1)「さらに、香港英字紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』の報道を引用し、このほど中国科学院院刊に掲載された研究が注目を集めていると言及。中国科学技術大学の研究者らによる同研究は「レアアースを用いた高機能材料を支える重要特許は依然として主に日本と米国によって握られている」とし、「一部の分野における重要な中核技術の掌握という点で、中国は先行する立場にはない」と結論付けられている」

     

    永久磁石などを指している。日本は、レアアースの「川下技術」で世界最強である。

     

    (2)「記事は、「こうした加工レアアースから製造される川下製品の化合物や部品には、永久磁石、触媒、発光材料、研磨材料などが含まれる。これらは世界のレアアース関連特許の80%以上を占めており、同産業において最も商業的価値の高い分野となっている」と指摘した。その中で、永久磁石については「日本が多数の重要特許で技術的優位を維持している」と説明。同研究では、「中国が競合国を上回っているのは一部の合金関連技術に限られ、永久磁石材料、金属粉末加工、コバルト基合金、焼結、ローターコア技術では、依然として日本や米国に後れを取っている」と評価されたことを伝えた」

     

    中国が遅れた理由(構造的)は次の通りである。

    1)原料依存で加工技術の蓄積が弱い。 原料は強いが、川下製品の特許が少ない。

    2)特許戦略が不十分 である。 高価値特許の割合が低い。

    3)産学連携が弱い 。大学は論文重視、企業は知財部門が弱い。

    4)精密加工技術が育ちにくい産業構造 である。日本のような「精密工業文化」がない。

    5)品質管理の文化が弱い 。 高性能磁石・触媒・発光材料は品質管理が生命線である。

     

    結論としては、中国が「量の国」である。日本は、「質の」 という構造的違いがある。

     

    (3)「また、「この差は触媒材料の分野ではさらに顕著で、米国はほぼすべての中核技術で優位に立っている。発光材料も同様で、米国が多数の重要技術で優位を維持している一方、中国が優位に立っているのは一部のシリコン含有材料に限られる。研磨材料の分野でも、米国は主要な製造プロセスの多くでトップを占めている。中国も一部の技術では競争力を維持しているものの、研磨用化合物、研磨剤、レアアース化合物、および半導体や精密製造に不可欠な複数の生産プロセスにおいては依然、後れを取っている状況だ」とした」

     

    触媒材料や発光材料の分野は、米国が多数の重要技術を保有している。

     

    (4)「記事は、「このことは原材料における優位性が、そのまま高付加価値製品を生み出す技術における優位性を意味するわけではないことを示している」と言及。同研究ではこの差の要因について、「中国は世界のレアアース製品の60%以上を供給しているが、国際的な特許戦略は依然として不十分であり、高価値特許の割合も相対的に低い」と指摘されているという」

     

    中国は、基礎研究不足と産業現場との連携がうまく取れないという欠陥も響いている。原料はあっても、高付加価値製品が製造できないのだ。

     

     

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    中国は、もはや「世界の工場」でも「宝の山」でもなくなった。日本の中小企業は、長引く米中対立や成長鈍化、反スパイ法といった「チャイナリスク」の高まりを受け、中国事業から撤退するケースが増えている。代わりにアジアや米欧事業を強化したり、国内回帰で新たなサービスや商品を提供したりすることで成長の機会を探っている。

     

    『日本経済新聞 電子版』(7月13日付)は、「中小で相次ぐ中国撤退、反スパイ法など懸念 『見えぬリスク増えた』」と題する記事を掲載した。

     

    人材紹介・派遣などを手がけるクイックの川口一郎会長は、「中国は世界の工場として多くの日系企業が進出したが、予見できないリスクが増えたことで撤退を決めた」と語る。1980年設立のクイックは、2003年に中国・上海で全額出資子会社を設け、25年末に子会社を清算した。中国には労働関連の独自の法律や行政解釈があるため、それに見あう人材コンサルティングやアドバイスを日系中国企業にしていた。

     

    (1)「03年以降、日系企業の進出増加で相談件数は伸長したが、同社の推定では20年ごろを境に進出企業数が減少傾向に転じた。中国経済は新型コロナウイルス禍後に成長の鈍化が明確になり、規制や関税などで米国との対立も激しくなった。日系企業の社員らに、中国当局が反スパイ法違反の容疑をかける事例も出てきた。24年夏から撤退の検討を始め、現地の従業員対応や役員会で議論を重ねた。川口会長は「中国撤退の判断は少し遅かったかもしれないが、リスクが色々と顕在化しているので結果として良かった」と振り返る」

     

    中国の日系企業への人材紹介・派遣などをビジネスにする企業まで、中国を撤退する事態になっている。中国経済の混乱ぶりが手に取るように分かる話だ。

     

    (2)「クイックは、1999年に進出した米国は人工知能(AI)需要などで堅調な成長が続く。過去4年間で事業拠点を2カ所から7カ所に増やし、中部ダラスを本拠に東海岸から西海岸までをカバーする体制を整えた。現地の日本商工会と連携しながら、日系企業の現地法人での採用支援や人事コンサルを進める。欧州は英国やオランダに地域統括会社を設ける日系企業が多い。各国の法律や賃金形態が異なるため、日系企業に適切な情報を提供することで事業を後押しする」

     

    中国を撤退した日系企業の人材派遣会社は、米国では好調そのもの。米中の経済実態が手に取るように分かる。

     

    (3)「日系企業の中国事業は曲がり角を迎えている。帝国データバンクによると、中国進出の日系企業数は24年時点で約1万3000社とピーク時の12年よりも1割弱減った。帝国データは「対中進出意欲はピークアウトの傾向がみられる」と指摘する。日本貿易振興機構(ジェトロ)は25年度の「海外進出日系企業実態調査・中国編」をまとめるなかで、今後12年の事業展開の方向性を784社に聞いた。中国事業を「拡大」するとの回答が21.%と07年度の調査開始以降で最低水準となった一方で、「縮小・移転・撤退」の意向は14.%と過去最大に増えた。「現状維持」は64.%と横ばいだった」

     

    中国進出の日系企業数は、24年時点で約1万3000社。ピーク時の12年よりも1割弱も減った。今後12年の事業展開の方向性を784社に聞いた動向は、「拡大」21.3%、「縮小・移転・撤退」は14.%。いずれも、過去最大になった。未だ拡大が縮小等を上回っているが、いずれ逆転方向であろう。

     

    (4)「介護事業を手がけるケアサービスは25年10月、上海の全額出資子会社を清算した。中国に進出したのは、高齢化社会の到来を見据えた上海市当局から、当時普及していなかった日本式サービスを提供するよう請われたことが一因だった。進出から10年たち、自社と同様のサービスを提供する地場企業も現れた。福原俊晴社長は、「中国経済の混乱から先行きが見通しにくくなり、中国から撤退して日本国内の事業に専念することにした」と語る」

     

    介護事業を手がけるケアサービスが、上海を撤退した。中国で、最大の需要増が見込めるこの分野で、日本企業が撤退するのだ。競争が激化して採算がとれなくなったのであろう。中国の不況深化による影響であろう。

     

    (5)「京都銀行には、24年10月から26年6月の間に取引先企業から中国撤退の相談が7件あった。アジアでみると撤退の相談は中国が最も多く、逆に新規進出の問い合わせはインドとベトナムがいずれも20件を超えた。同行国際営業部は「仮に中国から撤退する場合、従業員との折衝が重要だ。1〜2年前から検討することが大事になる」と話す。

     

    京都銀行ではここ8ヶ月で、取引先で中国撤退案件7件、インドとベトナムへの進出がいずれも20件となった。時の流れは、中国撤退の一方でアジアや北米へ向っている。

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    韓国半導体は、メモリ半導体市況の高騰で1人当たりボーナスが5000万円台と「大盤振る舞い」である。政府までが、これにあやかった半導体依存の経済成長計画を発表した。李大統領は、「潜在成長率3%、世界貿易4強、国民所得5万ドル」というのだ。具体的な目標達成時期は示されていない。多分に、政治スローガンの色彩が濃く、実現性は困難とみられる。日本意識したものであろう。

     

    韓国の潜在成長率は、2020年代にはいって、2% →1.5%1%台へ低下している。これを3%へ引き挙げるには、産業組織の改善から行わなければならない。大企業優先を改めて中小企業活性化が必要である。

     

    『中央日報』(7月14日付)は、「韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は14日、「今年が潜在成長率3%、世界貿易4強、国民所得5万ドルという『代替不可能な大韓民国』へ飛躍する元年として記憶されるよう力を合わせてほしい」と呼びかけた。

     

    (1)「李大統領はこの日午前、青瓦台(チョンワデ、大統領府)で主宰した国務会議の冒頭発言で、「今年下半期にどのような成果を生み出すかによって、大韓民国の今後30年が左右される」と述べた。李大統領は「今年上半期の輸出は5000億ドル(約81兆1400億円)に迫る勢いで急増している。半導体が成長を牽引(けんいん)する中、他の品目の輸出も前年より16%増加した結果」とし、「世界貿易4強入りももはや不可能な目標ではなくなった」と評価した」


    韓国は、少子化が世界最悪(合計特殊出生率0.7)常態である。労働人口が急減しており、高齢化の速度が日本より速いという悩みを抱えている。設備投資は、半導体依存であり、TFP(全要素生産性)は伸び悩むという構造問題を抱えている。

     

    潜在成長率を3%へ引き上げるには、「国家構造」そのものを作り替える必要があるほど。具体的には、医師や公務員志望という偏った就職パターンの改革が不可欠だ。これが、人材の偏りを生んでいる。儒教500年の痕跡が、近代化志向を阻んでいる。

     

    国民所得5万ドル目標は、非現実的である。韓国の1人当たり国民所得は、2023年に3.2万ドルで、24〜25年は、円安効果で日本を上回ったが、鈍い伸びである。5万ドルへ到達するには、高成長(3〜4%)を10年以上継続し、通貨価値の安定と高付加価値産業の拡大 が必要である。韓国は、半導体依存で輸出集中度が高いという悩みを抱えている。景気変動が激しい ため、持続的な高成長は困難である。

    世界貿易4強入りは、数字上は可能性もある。韓国は半導体、自動車、石油化学、船舶 などで強い競争力を持っているが、世界貿易4強(米・中・独・日本の領域)に入るには、輸出総額で日本を抜く。半導体以外の柱を増やす必要がある。韓国の輸出は、半導体一本足打法であり、構造的リスクが大きい。

     

    (2)「また、「こうした目覚ましい輸出実績と設備投資の増加を背景に、今年の実質成長率は3%に達するとの見通しも相次いでいる」とし、「人工知能(AI)革命が引き起こした世界的な産業再編が、われわれに新たな機会の窓を開いている」と述べた。さらに、「下半期には本格化する経済の大転換を一層加速させ、『代替不可能な大韓民国』への道をさらに広げなければならない」とし、「そのためには国民の生活に直結する物価と不動産の安定に全力を尽くすとともに、超格差・超革新の成長エンジンを育成し、潜在成長率を段階的に3%まで引き上げていかなければならない」と述べた。


    韓国半導体は、メモリ半導体である。世界半導体の「王者」は、ロジック半導体である。メモリ半導体は、ロジック半導体の下位にある。日本のラピダス半導体(ロジック半導体)が、本格操業に入ると韓国は日本の下請けの関係になる。これは、韓国としてプライドに大きな傷を受ける事態だ。

     

    (3)「特に、「その中核と言える3つのメガプロジェクトの早期実現に向け、中央政府と地方政府、企業が一体となって一生懸命取り組まなければならない」とし、「今1日短縮すれば、将来10日、あるいは100日を稼ぐことができるという姿勢で、あらゆる関連手続きを可能な限り迅速に進めてほしい」と指示した」

     

    韓国が、前記3大目標を実現するには、大統領による発言で済むことではない。政府全体が取組むべきテーマである。言いっ放し聞きっぱなしに終わる危険性が大きい。

     

    (4)「また、「持続可能な成長エンジンを稼働させる一方、社会の構造的問題の解決にも力を注がなければならない」とし、「共同体の未来である若者に対し、雇用・住宅・資産形成・能力開発など多層的な成長のはしごを提供するとともに、労働市場の格差緩和や公共機関の財政・規制分野でのイノベーションも加速させる必要がある」と求めた」

     

    韓国は、財閥制度へメスを加えなければならない。これが、強い労働組合(貴族労働組合)という揶揄を生む遠因であろう。労使が仕切り直ししない限り、「経済の民主化」は進まない。 

     


     

     

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    夏といえば、生ビールの季節である。かつては、ビルの屋上でビアガーデンが盛況を極めたが、若者のアルコール離れという難敵に遭遇している。この状況打開にビール4社は知恵を絞っている。海外での販路拡大か、健康部門への進出である。この二つの選択で、ビール4社は将来を賭ける。

     

    『ロイター』(7月9日付)は、「大手4社の『脱国内ビール依存』戦略、祖業か健康かで行先二手に」と題する記事を掲載した。

     

    酒離れが進む日本で、「脱国内ビール依存」を共通の目標としながらも大手4社の成長戦略は二分化が鮮明になっている。サッポロビールとアサヒグループホールディングスは、祖業の酒類事業に力点を置いて海外市場の開拓を模索。一方、キリンホールディングスとサントリーホールディングスはヘルスサイエンス分野で海外成長を図る。市場関係者からは、各社は「似て非なる会社」となりつつあり今後その差はさらに広がっていくとの見方が出る。

     

    (1)「日本で人口減や若者のアルコール離れが進む中、海外に市場を求める動きが相次いでいる。「海外の成長戦略において極めて重要なマイルストーンだ」。サッポロビールは6日、デンマークのビール大手カールスバーグとの資本業務提携を発表し、時松浩社長は会見でこう語った。シンガポールに合弁会社を設立し、カールスバーグが高い市場シェアを持つ東南アジアでサッポロプレミアムビールを拡販する」

     

    「先ず、一杯」と言えば、ビールであった。ビールで喉を潤して、それぞれ好きな酒を飲む。こういう夏の風物詩は消えたのだろう。ビール4社が、苦境打開策を求めている。サッポロは、デンマークのカールスバーグと組む。ヨーロッパでのカールスバーグは、絶対王者だ。こことの提携は、世界販路へ手を伸すことになろう。

     

    (2)「時松氏は、これまでの海外事業を振り返り「海外市場で独自に強固な販売網を構築するにはかなり長い時間を要する」と指摘。 今回の提携は「そうした課題を解決し、より効率的かつスピーディーに成長を実現するための戦略的な選択だ」と語った。サッポロは物言う株主である投資ファンド、3Dインベストメント・パートナーズから不動産事業売却の働きかけを受け、昨年12月に「恵比寿ガーデンプレイス」などの不動産事業を手掛けるサッポロ不動産開発を4770億円で米投資会社などに売却することを決めた。時松氏によると、合弁会社への出資約1029億円の原資は売却益だという」

     

    サッポロは、今回の提携資金としてサッポロ不動産開発を売却する。不退転の決意だ。祖業で得た資産を生かした新展開である。

     

    (3)「アサヒグループHDも昨年12月、英酒造大手ディアジオの東アフリカ事業を計約4654億円で取得すると発表。勝木敦志社長は8日の決算会見で「東アフリカ市場は、人口増加や経済拡大を背景に今後の高い成長が期待される地域」とし、取得する企業はケニア、タンザニアで高い市場シェアを持つため「事業ポートフォリオの強化を実現する上で重要なドライバーとなる」と期待を込めた」

     

    アサヒは、英酒造大手ディアジオの東アフリカ事業を買収する。アフリカという巨大市場への開拓である。アフリカは、若者が急増している。狙い目であろう。

     

    (4)「健康関連事業の拡大を進めるキリンHDの吉村透留常務(ヘルスサイエンス事業本部長)は8日、都内で開いた投資家向けイベントで、同事業は「基盤構築のフェーズを終え、利益成長を加速する段階に移行した」と述べた。19年に同事業を開始後、23年にサプリメントなどの健康食品事業を手掛ける豪ブラックモアズを買収。24年にはファンケルを株式公開買い付け(TOB)で完全子会社化した。25年12月期に初の黒字化を達成。35年に売上収益5000億円を目指す」

     

    キリンは、健康事業へまっしぐらだ。サプリメント事業の拡大である。豪ブラックモアズの買収やファンケルを完全子会社化した。

     

    (5)「主力の「プラズマ乳酸菌」について、6月にオーストラリアの医療製品管理局(TGA)から素材使用承認を取得し「海外展開拡大への大きな一歩」となった。8日には同菌を配合した飲料を初めてシンガポールで発売すると発表。吉村氏は、さらなる成長に向けM&A(合併・買収)によるインオーガニック成長も組み合わせるとし「世界最大の市場でもある北米市場なども進出の視野に入れていきたい」と語った。キリンは、2月にバーボンウイスキーの「フォアローゼズ」を米酒造会社に売却すると発表。得られる資金の用途は検討中としている。」

     

    キリンのもう一つの健康事業は、プラズマ乳酸菌である。ヤクルトとは「効果が違う」と強調する自慢の分野だ。海外への販路拡大でシンガポールや北米の市場を狙う。

     

    (6)「サントリーHDは、4月に第一三共の連結子会社、第一三共ヘルスケアの買収を発表した。解熱鎮痛薬「ロキソニン」、風邪薬「ルル」など「非常に強いブランドを保有している」(宮永暢・常務兼経営戦略本部長)という同社と自社の健康食品・飲料などとのコラボレーションでシナジー発揮を狙う。健康領域での売上高を足元の2000億円規模から2035年に約2倍に増やすとの目標を掲げている

     

    サントリーは、大衆医薬品へ進出する。かつて「整理」した医薬品部門を中味は違うが、再び第一三共から「買い戻す」形になった。

     

     

     

     

     

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