4月1日の株価は、新元号「令和」への祝儀相場で303円高であった。2日は少し冷静になったか、3円72銭安の2万1505円で引けた。昨日の日銀短観は、祝儀相場とは異なって、大企業の景況感が慎重になっていることを窺わせている。景気動向指数の右肩下がりを素直に反映したものだ。
先ず、日銀短観が教えていることに注目したい。
日銀が、1日発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、プラス12と前回の2018年12月調査から7ポイント悪化した。半年ぶりの悪化で、悪化幅は12年12月(9ポイント悪化)以来6年3カ月ぶりの大きさとなった。大企業製造業のDIは17年12月調査のプラス25を直近のピークに3四半期連続で悪化し、18年12月調査でいったん横ばいになった。今回は再び悪化方向に進み、17年3月(プラス12)以来2年ぶりの低い水準と
なった。
数字の羅列で恐縮だが、要するに大企業製造業の景況判断指数(DI)は、まだプラスを維持しているが、そのプラス幅が縮まってきた点が心配される。来期(4~6月)は、プラス8へとさらに縮小する見通しである。ここで、重要な点を指摘しておきたい。「製造業DIが直近のピーク(25)から13ポイント以上低下する(今回12)と、実際に景気後退につながっている」(日本経済新聞4月2日付け)という点だ。
以上は、大企業製造業の業況判断であるが、大企業非製造業の景況判断指数は、明るさを維持している。今期は21(前回比マイナス3)、来期20(同マイナス1)である。このように、非製造業は製造業と異なるので、仮に景気が低迷局面に入った場合でも全面的な後退という悲観すべき状態ではなさそうだ。
日銀短観は、景気動向指数を先取りしている。これから公表される2月の景気動向指数が、悪化していることは避けられない。
私は、景気動向指数は先行・一致・遅行の3系列で判断しなければ、正しい判断ができないとみている。そこで、今年1月まで公表されている確報値を基にして、日本経済の現状を冷静に見ることをお勧めしたい。思い込みでなく、データが示す「冷厳」な事実である。
先行指数
昨年8月=100.0
今年1月= 96.5(低下率3.5%)
一致指数
昨年8月=102.7
今年1月= 98.1(低下率4.5%)
遅行指数
昨年8月=104.4
今年1月=104.8(増加率0.4%)
先行指数と一致指数がすでに低下に向かっていること。遅行指数がほぼ横ばいであることから、今回の景気上昇は昨年10月がピークであった可能性が強まっている。ちなみに、昨年10月の一致指数は103.7である。
一致指数に含まれるデータは、次のようなものだ。
鉱工業生産指数、鉱工業用生産財出荷指数、耐久消費財出荷指数、所定外労働時間指数、投資財出荷指数、商業販売額(小売業・卸売業)、営業利益、有効求人倍率の9指標から構成される。
景気指標の判断は、健康診断を見るのと同じで、あれこれ理屈をつけないで冷静に読み取ることが重要だ。今回、景気後退局面」に入ったとしても、深刻な事態にはならないであろう。消費税引上げで、大きく崩れる懸念には及ばない。





