勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ: NATO

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    ウクライナ侵攻を機に、国際情勢は急変している。「第三次世界大戦」という言葉まで登場しているのだ。中ロの親密化が、こうした懸念を深めることになった。

     

    フィンランドとスウェーデンが、北大西洋条約機構(NATO)加盟申請という歴史的な決断を生んだ。6月1日には、デンマークの国民投票で欧州連合(EU)の共通安全保障・防衛政策への参加を決めた。デンマークは、これまで欧州統合に批判的な姿勢を見せていた。今回の決定には、そのようなEU加盟国が考えを180度変えたことになる。

     


    こうして、欧州では「共同防衛」に向かった結束するという地殻変動が起こっている。アジアでも、中国が地域覇権を目指して空母3隻を配置して常時、戦闘態勢を取るという「異常な時代」へ向かう。日本は、NATOへの加盟を真剣に検討する段階に来ている。

     

    『日本経済新聞』(6月5日付)は、「首相、中ロにらみNATOに接近 首脳会議初出席へ調整 『台湾』意識、関与つなぐ」と題する記事を掲載した。

     

    岸田文雄首相は29~30日に北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席する調整に入った。それに先立ち、シンガポールで開くアジア安全保障会議で日本の安全保障政策について演説する。中国やロシアをにらみ、アジア各国の理解を得ながら米欧の軍事同盟との関係を強化する。

     

    (1)「6月26~28日にドイツで主要7カ国首脳会議(G7サミット)に出席した後、NATO首脳会議を開くスペインの首都マドリードに向かう日程を想定する。実現すれば日本の首相として初参加となる。ロシアによるウクライナ侵攻後、欧州でNATOの重みは増した。NATOはウクライナへの無制限の軍事支援を約束している。北欧のフィンランドやスウェーデンは5月に相次ぎNATO加盟を申請した」

     


    これまでも、G7サミットの後にNATO首脳会談が行なわれている。岸田首相が、G7に出席してNATO首脳会談を欠席するのは、説明がつかないことである。一日ぐらいの日程をスルーするのは、国際社会から笑い者になるだけだ。

     

    (2)「岸田首相は、NATO首脳会議で「いかなる地域でも力による一方的な現状変更は認めない」と強調する見通しだ。ロシアだけでなく、アジアでも中国が南・東シナ海などで覇権主義的な行動を強めている現状などを訴え、理解を促す狙いがある。日本がNATOに接近するのは台湾有事の可能性を意識したものだ」

     

    私は、これまで一貫して日本のNATO加盟論を唱えてきた。同盟という大きな傘に入れば、侵略されるリスクが減る。それこそ、「戦わずして勝つ」ことになるのだ。NATOもそれを望んでいる。地球規模で、権威主義国家から身を守る時代になった。

     


    (3)「東アジアやインド太平洋地域の安保体制は、米国をハブとして米国と同盟国との個別の連携を基盤とする。米欧のNATOと異なり、集団防衛の体制はない。日本としては台湾有事を見据えると、米欧の軍事同盟であるNATOのアジアへの関心をつなぎとめておく必要がある。日本はロシアのウクライナ侵攻後、NATOとの関係を強めてきた。首相は3月にブリュッセルで日本の首相として4年半ぶりにNATO事務総長と会った。4月には林芳正外相がNATO外相会合に、5月には自衛隊「制服組」トップの山崎幸二統合幕僚長がNATO参謀長会議に、それぞれ初めて出席した」

     

    アジアに幅広い軍事同盟をつくることは、中国との対立を浮き彫りにするというマイナス面がある。かえって、中国へ開戦のきっかけを与えるようなものだ。ならば、日本が先ずNATOへ加盟して、豪州やNZ(ニュージーランド)も加盟すればよいであろう。

     


    (4)「NATOは、北大西洋を挟んだ米欧30カ国でつくる軍事同盟だ。日本はG7で唯一の非加盟国にあたる。北大西洋条約は第5条で「締約国に対する武力攻撃を全締約国に対する攻撃とみなす」と明記する。加盟国は自国領土への直接的な被害がなくても、他の加盟国が攻撃されれば共に反撃することになる。日本は、2015年成立の安保関連法で集団的自衛権の行使は容認されたものの、要件は厳格だ

     

    日本が、NATO参加となれば下線部のような法的に詰めなければならぬ点もあるはず。与野党で、議論すべき重要事項である。

     

    (5)「日本は、こうした法的制約からNATOに加盟しない。「パートナー国」との立場でサイバー防衛や海洋安保の分野を中心に連携してきた。14年に当時の安倍晋三首相がNATO本部で演説し、日本とNATOとの協力計画に署名した。日本は18年にNATOに政府代表部も開設している」

     

    日本とNATOの関わりを見ると、一歩ずつ距離を縮めてきたことが分る。NATOは、今年初めて「中国脅威論」を取り挙げることになっている。日本は、NATO「パートナー国」から加盟国へ昇格して、中国脅威を受ける当事国の立場を語らなければならない。

     


    (6)「首相のNATO首脳会議への出席を巡り、政府・与党内では賛否があった。参院選が6月22日公示―7月10日投開票になる見通しで、選挙期間が首相の訪欧日程と重なるためだ。首相の周辺には参院選に向けた選挙活動を重視すべきだとの声はあった。一方、ウクライナ侵攻で外交や安保への関心が高まり、選挙期間中の外国訪問は選挙に有利に働くとの判断もある。首相は与党との調整を踏まえ最終決定する」

     

    なんて、政府・与党内ではみみっちいことを心配しているのだろうか。岸田氏が、NATO首脳会談へ出席していると、参院選が不利になると懸念しているのだ。日本の運命が懸っている防衛問題で、首相が一日ぐらい日程をさくのは当然の義務である。

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    ウクライナは、ロシアの侵攻によって不利な情勢にもかかわらず踏ん張りを見せている。ウクライナ軍が、情報収集においてロシア軍より敏捷に動いている結果であろう。これを支える一つの柱は、NATO(北大西洋条約機構)6機による空からの情報収集結果が、ウクライナ軍へ即時に伝えられていることだ。ウクライナは、NATOへ未加入であるが、「客分」としての礼遇を十分に受けている。

     

    英紙『フィナンシャル・タイムズ』(4月6日付)は、「上空からウクライナ周辺を監視するNATOの航空機」と題する記事を掲載した。

     

    ドイツ北西部にある遮蔽壕の奥深くで、欧州東部の空域図を映し出す大型スクリーンを前に北大西洋条約機構(NATO)の空軍要員十数人がコンピューターの周りをせわしなく行き交う。ロシア、ベラルーシ、ウクライナと接する東部地域の上空に、NATOの航空機を表す30個ほどの緑色の点が集まっている。戦闘機、偵察機、支援機が入り交じったその一群は、ロシアの侵略を抑止するための力を誇示すると同時に、ウクライナでの戦況に関して同国政府にフィードバックできる情報を収集している。「データは山のようにある」とNATOの防衛当局者は話した。「彼らは耳を澄まし、目を凝らしている」

     


    (1)「オランダ国境に近いドイツ・ウエーデムにあるNATOの統合航空作戦センターは、アルプス山脈以北の全ての航空作戦を調整している。平時はNATO域内への侵入を防ぐ空域監視が主な任務だが、約6週間前にロシアがウクライナに侵攻を開始してからは活動の規模と目的を拡大している。NATO加盟国によるウクライナへの武器供与と同じように、ポーランドとウクライナの国境周辺などの空域監視で得られる軍事情報は機密性が高い

     

    NATOは、ウクライナへ武器を供与している。当然、NATO機による軍事情報もウクライナへ伝えられていると見るべきだろう。

     


    (2)「NATOは、ウクライナ政府との機密情報共有の調整や促進には一切関与していないと強調する一方、加盟国が独自の判断でウクライナ軍の防衛に役立つ情報を流すことはありうるとしている。ウエーデムの作戦センターで司令官を務めるハロルド・ファン・ピー少将は、「情報をどのように扱うかは各国の判断による」と語った。「いくつかの国は恐らく、他の利害関係国と情報の一部を共有するだろう。そう言っておこう」と話す。米国の当局者は米政府がウクライナ政府と機密情報を共有していることを認めているが、ロシア側の標的を「リアルタイムで狙う」ことを可能にするデータは提供していないという」

     

    NATO機が得た情報は、NATO加盟国の個別意志でウクライナへ伝えられている模様だ。NATOとして意志決定しているものでない。要するに、建前と実際は別であるが、裏では繋がっている。

     


    (3)「NATOは米ボーイング製の空中警戒管制機(AWACS)「E3A」を十数機保有・運用しており、広範囲を監視できる「空の目」として知られる同機を常時6機ほど飛行させている。これはウクライナ紛争の勃発を受けて東欧の空域監視を強化し、毎日約100機を出動させているNATOの活動の一部分だ。活動には加盟各国が運用する戦闘機や有人・無人偵察機も参加している。ストルテンベルグNATO事務総長は、NATOはウクライナの状況を「非常に注意深く監視している」と述べ、「大量の情報をもたらす監視能力」があるとしている」

     

    NATOは、空中警戒管制機6機を常時、出動させている。ロシア軍のすべてが、空から覗かれているのだ。ロシア部隊の動きは、空から見れば一目瞭然である。

     


    (4)「ストルテンベルグ氏はブリュッセルで5日、「現在、ウクライナで起きているような危険な状況では、もちろん情報と可能な限りの状況把握が極めて重要だ」と記者団に語った。ウエーデムのファン・ピー司令官は「もちろん、我々は国境の向こうをのぞき込んでいる。向こう側で飛んでいるものを我々はリアルタイムで知りたい」と話した」

     

    空には「壁」がないから、NATO機はロシアの動きは逐一、把握可能である。ロシア軍が今週中に、ウクライナ東部を攻撃すると言われている裏には、こういう情報収集も寄与しているのであろう。

     

    (5)「NATOは空域監視の強化と同時に、ロシアの侵攻を受けて防衛態勢の見直しに動く中、東欧の加盟国への地上・海上戦力の配備も増強している。配置済みの部隊の規模拡大と新たな指揮系統を設ける決定により、東部地域でのNATO指揮下の兵力は4万人となり、ロシア、ウクライナと国境を接する加盟国及び黒海に面する加盟国の全てに戦闘群が配備される。加えて、空母打撃群が北海と東地中海に展開し、140隻以上の艦船が出動している。敵の航空機やミサイルを迎撃できる米国製の地対空ミサイル「パトリオット」もポーランド南部とスロバキアに配備された」

     

    NATOは、ウクライナ周辺の情報収集を特別任務で行なわずとも、NATO加盟国の安全保障任務の一環である。ロシア軍は、こうしてNATOから四六時中、監視される仕組みになっている。

     


    (6)「ウエーデムの作戦センターは巡航ミサイルの探知や追跡も担う。かつてNATOが使用していたウクライナ西部の軍事訓練場を攻撃したロシアのミサイルも探知していた。3月のこのミサイル攻撃は、NATOの東欧での空軍力強化による防衛と抑止、監視が並び立つものであることを実地で示したとウエーデムの当局者は話した。ミサイルが12キロメートルしか離れていない国境を越えてポーランドに飛んできていたら、撃ち落とせていたという。「向こう側を深く見ることができればできるほど、いつかこちらに来るかもしれないものに警戒を強められる」とファン・ピー司令官は話した」

     

    ウクライナ軍は、情報収集面でもNATOの全面的な支援を受けている。この事実は意外と知られていないが、ウクライナ軍の戦闘行為において大きな力を発揮しているに違いない。

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    ロシア軍は、ウクライナ首都のキエフ近郊からすべて撤退した模様だ。ウクライナ軍から受けた損害部分を修復するには、数週間が必要と予測されている。これが済み次第、ウクライナ東部・南部へ集中的な攻撃を開始すると予測されている。

     

    この貴重な時間である数週間に、NATO(北大西洋条約機構)加盟国は、強力な反撃可能な武器弾薬をウクライナへ供与すべく、急ピッチな動きが始まっている。軍事専門家は、この武器弾薬の補給によって、ウクライナ軍が守勢から反撃へ移るとの見方もしている。

     

    『日本経済新聞』(4月7日付)は、「米欧、ロシア再攻勢に先手 チェコはウクライナに戦車供与 ロシア軍、東・南部へ再配置」と題する記事を掲載した。

     

    ロシアによるウクライナ侵攻を巡り、米欧は従来より攻撃能力の高い兵器の供与に踏み込む。首都キーウ(キエフ)攻略に失敗したロシア軍は、ウクライナ東部・南部を制圧するための戦力再配置を続けており、先手を打ってこれを阻止する狙いがある。

     

    (1)「英国防省は4月6日、南東部マリウポリで激しい戦闘や空爆が続き、人道状況が悪化していると指摘した。北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は6日、ブリュッセルの本部での外相理事会開幕前に記者団に「ウクライナへの支援をどう拡充するか話し合う」と述べた。加盟国が高度な兵器システムの供与を進めていると明らかにした。戦車などが念頭にある

     

    下線のように、従来から一歩進めた高度の兵器システムが供与されることになった。米国では、ウクライナ兵に最新武器の訓練も行なっている。米軍トップが、ウクライナ戦争が数年かかるかも知れないと見ていることから、最新兵器の供与に踏み切るのであろう。

     

    (2)「米欧はこれまで、ロシアの進軍を阻むための対戦車ミサイル「ジャベリン」や燃料・弾薬、ヘルメットや医薬品などの供与にとどめてきた。ロシアとの緊張が高まることを避けるための判断だったが、ウクライナ側は戦闘機などより攻撃的な兵器の供与も求めてきた。

    戦車供与は従来方針からの転換となる。ウクライナ軍の戦力増強に直結し「ウクライナ側の反転攻勢につながる可能性がある」(防衛研究所の兵頭慎治政策研究部長)」

     

    NATO加盟国は、ウクライナ戦争がウクライナ国内に止まらず、NATO加盟国へ飛び火する危険性を感じている。それだけに、戦線拡大を何としても阻止したいと強い意志を固めている。その表れが、武器弾薬の供与だ。

     


    (3)「NATO加盟国の一部はすでに先行している。ロイター通信によるとチェコ国防当局は5日、旧ソ連製戦車T72や歩兵用戦闘車両をウクライナへ供与したことを認めた。ドイツも、旧東ドイツ政府がかつて管理し現在はチェコの企業が保有する歩兵用戦闘車両について、ウクライナへの引き渡しを承認した。ウクライナの兵器システムは旧ソ連製のものが多い。実戦投入に訓練が必要な最新鋭兵器より、扱いに慣れた旧ソ連製の方が即戦力となる利点がある」

     

    旧ソ連支配下にあった東欧諸国は、旧ソ連製武器を保有している。これを、ウクライナへ供与するもの。ウクライナも武器の使用に習熟しているので、即戦力になる。

     


    (4)「多くの兵器はポーランド国境で引き渡され、陸路で前線に輸送される見通しだ。ウクライナ西部の防空システムは一定程度機能しており、外国からの物資輸送拠点である西部リビウ周辺では5日もロシア軍のミサイルを迎撃した。米欧がウクライナの戦力増強を急ぐのは、ロシア軍が再び攻勢に出る展開が見込まれるためだ。ストルテンベルグ氏は5日の記者会見で「ロシア軍の再配置には数週間かかるだろう」と分析した。再配置完了後に大規模攻撃を仕掛ける可能性があるとの見方を示した。東部ドンバス地域全域を占領すると同時に、南東部の港湾都市マリウポリを攻略し、2014年に併合したクリミア半島とロシア領を結ぶ回廊を築く狙いがあるとNATOはみる」

     

    ロシア軍の再配置には、数週間が必要と観測されている。西側諸国は、この貴重な時間を有効に使い、ウクライナへ強力な武器弾薬の搬入を目指している。

     

    (5)「米国防総省高官は6日、記者団に対してロシア軍がキーウ周辺からの撤退を「完了した」との分析を示した。4日時点で3分の2が撤退を始めたと推計していた。ベラルーシやロシアに移って補給をしているという。今後はドンバス地域での戦闘に加わる可能性がある。軍事当局者は長期戦を視野に入れ始めた。米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は5日、下院軍事委員会の公聴会でウクライナ紛争について「少なくとも数年単位になる」と述べた。14年に始まったウクライナ東部紛争では、停戦合意に至った後も散発的に戦闘が続いた。今後の停戦協議で合意が結ばれても「ずるずると戦闘状態が継続する可能性がある」(防衛研の兵頭氏)との指摘もある」

     

    米軍トップは、ウクライナ侵攻が長期戦になる危険性を計算に入れ始めた。これによって、米国がウクライナへ質的に高度の兵器を供与する可能性を示唆したものだろう。戦争の長期化は、決して好ましいことでない。対ロ経済制裁が効果を上げて、ロシア国内で停戦ムードの高まりを期待するほかない。

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    英国の最新鋭空母「クイーンエリザベス」は、韓国釜山に寄港予定であったが直前に取り止めた。理由は、新型コロナウイルス感染予防というもの。韓国軍とは、形式的な通信の演習に止めた。韓国政府が、中国へ遠慮して「尻つぼみ」になったものだ。

     

    韓国は、寄港直前に釜山寄港を中止するという外交的にも気まずい結果になった。多分、中国の圧力によるものだろう。韓国は、英国にこうした「不義理」をしながら、軽空母建艦に当っては、「クイーンエリザベス」の建艦ノウハウ導入を希望している。英国は、どのように対応するか不明だが、釜山寄港を断わりながら建艦ノウハウは伝授してくれと言う身勝手さである。

     

    『ハンギョレ新聞』(9月6日付)は、「英海軍の空母『クイーンエリザベス』釜山寄らず横須賀に入港」と題する記事を掲載した。

     

    英海軍の最新鋭航空母艦「クイーンエリザベス」が4日、横須賀港に入港した。8月末に予定されていた釜山(プサン)への入港を取り消した直後に行われたことから、関心が集まっている。

     

    (1)「NHKは5日、「英国空母クイーンエリザベスが米第7艦隊の母港横須賀港に入港した。今後自衛隊と合同演習を実施する予定」だと報じた。当初、クイーンエリザベスは8月末に釜山に入港する予定だったが、この計画は「厳しくなった新型コロナ感染拡大状況」(韓国国防部)のため、実現しなかった。このため、韓英海軍は8月31日、東海南部海上で人道主義支援と災害救助中心の訓練など、縮小した交流活動だけを実施した。 韓国と同じくコロナ禍に見舞われている日本は、韓国国防部の決定からわずか4日後、英国空母の入港を受け入れたのだ」

     

    英国は、韓国へ反感を抱いているはずだ。事前の約束である「釜山寄港」をキャンセルしたからだ。文政権は、こういう外交的な不義理をしてまで中国のご機嫌伺いしている。これが、経済的な利益になるという計算だが、中韓の技術格差の接近で「韓国ブランド」は落ち目である。韓国のやっていることは、本末転倒なことばかりである。

     


    (2)「スティーブ・モアハウス空母打撃軍司令官は横須賀到着直後、ツイッターに「この地域で最も密接な安全保障上のパートナーである日本と演習及び交流を行うため、英国空母打撃軍が日本に到着した。英日関係はこの地域の安全と安定に対する英国の関与において非常に重要だ」という書き込みを残した。彼はツイッターに掲載した1分36秒の動画で、「日本をはじめ、志を共にする国々とともに、英国は民主主義の価値を維持し、共通の脅威に対応する」という覚悟を明らかにした。ジュリア・ロングボトム駐日英国大使も、空母が港に接岸した直後に「空母クイーンエリザベスが日本に到着した。横須賀に接岸する船を迎えることができて非常に光栄だ」というメッセージをツイッターに残した」

     

    英空母打撃軍司令官は、横須賀寄港後に下線のような動画と特別メッセージを発表した。日本の加藤官房長官は6日午後の会見で、次のように語った。英海軍の空母クイーンエリザベスを中心とした英国の空母打撃群と海上自衛隊との共同訓練が8月下旬から日本近海で行われてきたことは、日英防衛協力が新たな段階に入った象徴であるとの見解を示したもの。

     


    日本では最近、日英同盟時代への復帰という説が唱えられている。英国は、かつての日露戦争を蔭から支援して、日本勝利に大きく貢献した。同様に、今回の英空母と打撃陣の日本寄港と自衛隊との合同演習が、日英新時代の到来を告げるものである。

     

    韓国としては、英国最新鋭空母が自国へ寄港せず、日本で6日間も寄港することが、国際的にどのようなメッセージを与えるか、深く考えるべきことだろう。

     

    (3)「インド太平洋地域の主要国であり、米国の核心同盟国である韓国と日本がクイーンエリザベスの入港に示した異なる態度は、欧州主要国に参加範囲が拡大している「インド太平洋構想」に対する両国の「戦略的判断」の相違を反映しているといえる。英国など欧州主要国と力を合わせ、事実上「中国牽制」が目的のインド太平洋構想を深めようとする日本と異なり、韓国は米国と中国の間で「微妙なバランス」の維持に努めている

     

    下線部のように、米中対立のデカップリングが進行する中で、韓国が二股外交を継続できるはずがない。韓国のこういう現状認識の甘さが、韓国外交を行き詰まらせるであろう。米国は、同盟国の一致した行動を求めているのだ。

     


    (4)「日本に到着したクイーンエリザベスは同時期に入港した米国、オランダの艦船と共に、7日まで「パシフィッククラウン21-3」という名の多国籍共同訓練を行う。日本の海上幕僚監部は2日、この訓練の実施を知らせる報道資料で、「海上自衛隊は、『自由で開かれたインド太平洋』の実現に向けた連帯を強化すべく、次の通り英海軍、米海軍、オランダ海軍及びカナダ海軍と共同訓練を実施する」と明らかにした。訓練が行われる地域は、中国と日本の間の領土紛争が続いている東シナ海から関東南方につながる広い海域だ。今回の訓練では、クイーンエリザベスの艦載機として、垂直離着陸能力を保有しているF35-Bも参加する」

     

    自衛隊が、東シナ海から関東南方につながる広い海域で、英海軍、米海軍、オランダ海軍及びカナダ海軍と共同訓練を実施する意味を考えるべきである。これは、日本がNATO(北大西洋条約機構)へ加盟する前提での演習であることだ。日本は、NATOへ加盟するとして、韓国はどうするのか。米中の「バランス外交」などと夢のようなことを言わず、厳しい現実認識に立ち返るべきである。

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    G7首脳会談が6月13日に終わった翌日、NATO(北大西洋条約機構 30ヶ国加盟)首脳会談は、中国を安保リスクに掲げた。ロシアのような敵対国の位置づけではないが、それに準ずるということである。

     

    G7では、中国へ対して温度差があると報じられている。ドイツとフランスが、対中経済関係を重視して、他の5ヶ国とニュアンスの違いがあるというもの。だが、NATO首脳会談では、中国を安保リスクと規定する予定である。中国にとっては、芳しからざるニュースである。

     

    『ロイター』(6月14日付)は、「NATO首脳会議、中国を安保リスクと初めて位置付けへ」と題する記事を掲載した。

     

    北大西洋条約機構(NATO)はバイデン米大統領が出席する14日の首脳会議で、中国を安全保障上のリスクと初めて位置付ける見通しだ。

     


    (1)「前日には主要7カ国首脳会議(G7サミット)が共同声明で、中国に対して新彊ウイグル自治区での人権尊重、香港の高度の自治を求めたほか、東・南シナ海での一方的措置に反対する姿勢を示した。台湾海峡の平和と安定についても強調し、問題の平和的解決を促した。複数の外交筋によると、NATO首脳会議の最終声明では中国を敵対国と表現しないものの、ロシアの軍事演習に参加するなど、NATOにとって「システミックな」挑戦になっているとして懸念を表明する見込み

     

    NATOは、中国がロシアへ軍事演習などで接近していることから、危険な存在と見なし始めている。そこで、中国を危険な存在としてマークすることになったもの。日本や豪州は、NATO加盟国でないものの、密接な関係を維持している。

     

    (2)「サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は記者団に対し、「(NATO)声明ではこれまでよりも確固とした形で中国に言及するだろう」と述べた。NATOのストルテンベルグ事務総長は14日、中国の経済的、政治的、軍事的な台頭に対応しなければならないとし、首脳会議の最終声明は新たな対中戦略を強固にするものになると述べた。記者団に対し「中国はわれわれに近づいている。サイバー空間でもアフリカでも中国を目にするが、われわれ自身の不可欠なインフラにも中国は大規模に投資している」と指摘。「中国がわれわれの価値観を共有していないことをわれわれは知っている。われわれは同盟でともに対処する必要がある」と述べた。また、中国は敵国ではないとしつつ、安全保障上の挑戦になっていると付け加えた」

     

    下線のようにNATO事務総長が、首脳会議の最終声明は新たな対中戦略を強固にするものになると予告している。踏込んだ中国警戒論となろう。

     


    『ロイター』(6月14日付)は、「NATO、『野心的な』安保政策の整備着手へー米ホワイトハウス」と題する記事を掲載した。

     

    米ホワイトハウスは13日、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が14日に開かれるのを前に、NATOが2030年以降の安全保障対策継続に向け首脳らが「野心的な」取り組みを始めると明らかにした。

     

    (3)「首脳会議では、加盟30カ国が「ロシアの攻撃的政策と行動、中国がわれわれの集団安全保障、繁栄、価値観にもたらす課題、テロリズム、サイバー脅威、気候変動などの国境を越えた脅威など、進化する戦略環境へのアプローチ」を取るとするNATOの新たな「戦略概念」で合意する予定。ホワイトハウスは、新戦略概念は22年の首脳会議での採択に向け準備されると指摘。さらに「加盟国の指導者は、NATOが30年以降にも市民に安全保障を提供し続けることを確実にするため、野心的な取り組みを始める」と述べた」

     

    下線部分が、具体的に何を指すのか不明である。ただ、軍事面だけの脅威でなく、「価値観にもたらす課題、テロリズム、サイバー脅威、気候変動などの国境を越えた脅威など」と広範囲に守備範囲を固めていることだ。中国の気候変動=脱炭素の動きは、極めて緩慢である。2030年まで、二酸化炭素排出量が増え続けると予告しているほど。こういう経済優先=軍事優先姿勢を阻止しなければならない。中国は、軍拡優先の経済運営を平然として続ける意思である。

     


    (4)「各国首脳らは、「重要インフラに対する破壊的なランサムウエア(身代金要求型ウイルス)攻撃を含む、一段と頻発する深刻な脅威に対する耐性」の確保に向け調整を強化するという新たな「サイバー防衛政策」も承認する方針。ホワイトハウスは、各国が次世代通信ネットワークの導入に当たり、信頼できるサービスのプロバイダーを採用する意向とも述べた

     

    下線部は、ファーウェイの「5G」導入阻止を意味している。米国は、トランプ政権時代からファーウェイ阻止を掲げている。NATO加盟国からファーウェイ製品を追放する意向であろう。

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