勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ: ロシア経済ニュース

    a0960_008532_m
       

    ロシアの大学キャンパスは今、ウクライナ戦争で膨大な兵士を失った「穴埋め」に、強引な徴兵戦術が行われている。学生を兵士に仕立てて前線へ送るのだ。戦時中の日本が行った大学生の繰上げ卒業による「学徒動員」である。「大学の『トップ』たちは今、学生たちに戦争に行くよう呼びかけている」、「大学中に無人機部隊関連のポスターが貼られている。 文字通り至る所に」「圧力が凄まじい」という生々しい声が、CNNの取材で分かったという。

     

    『CNN』(4月20日付)は、「ロシア、大学生を兵役募集の標的に 『凄まじい』圧力 との証言も」と題する記事を掲載した。

     

    こうした証言や増え続ける公開情報から得られる証拠は、ロシアが学生に対してドローン(無人機)部隊への加入を誘引、強要するキャンペーンを密かにエスカレートさせていることを示唆している。このような動きはロシアの教育制度に緊張をもたらす恐れがあるとともに、ロシア政府の抱える課題の深刻化を浮き彫りにする。具体的にはウクライナでの4年に及ぶ戦争に向けた兵員の確保だ。

     

    (1)「戦場での損失が拡大しているにもかかわらず、クレムリン(ロシア大統領府)は2022年秋に実施した悲惨な「部分動員」の二の舞を何とか回避してきた。この時は数十万人の男性が国外逃亡する事態を引き起こしている。しかし専門家によると、学生に特化した今回の動員は、より強硬な徴兵戦術が再び台頭しつつあることを示す兆候の一つだという。これまでの取り組みとは異なり、学生たちには1年間の有期契約、前線から遠く離れた場所での勤務、そして先端技術の習得の機会が約束されている。しかし、専門家や弁護士らはCNNに対し、これは実際には標準的な無期限の軍契約を隠すための口実である可能性が高いと指摘する。また、約束された特典に懐疑的な学生が多いことから大学側は強制や脅迫に訴える形で、学生を入隊させようとしているという」

     

    学生が、入隊条件に疑問を抱いているので、大学側は強制や脅迫して入隊させようとしている。悲劇的だ。

     

    (2)「CNNは、大学のウェブサイトやソーシャルメディアのページ、地元メディアの報道を分析し、ロシア国内の複数の学生への取材を通じて、広範かつ多面的な学生勧誘キャンペーンが行われている証拠を突き止めた。この取り組みが本格的に始まったのは、今年1月のようだ。その2カ月前にはロシア国防省が無人航空機(UAV)やドローンを用いた戦闘を専門とする新たな軍種「無人システム部隊」の創設を公式に発表している。ロシア全土の大学は、洗練された募集動画やポスターを次々とソーシャルメディアアカウントに掲載し始めた。一部の大学のアカウントでは、ロシアのいわゆる「特別軍事作戦(SMO)」に従事した兵士や退役軍人による対面講義が紹介されることさえあった」

     

    学生募集は、今年1月から始まった。ロシア全土の大学が、洗練された募集動画やポスターを使い募集している。

     

    (3)「サンクトペテルブルク国立大学(ロシアのプーチン大統領の母校)は、ウェブサイト上でこれらの契約を公然と宣伝。大学関係者や軍関係者が入隊のメリットを詳述する長時間の講義動画も併せて掲載している。25年のフォーブス誌によるロシアの大学ランキングで2位にランクインしたモスクワの国立研究大学高等経済学院(HSE)は、2月に「無人システムフェスティバル」を開催。そこでは同国のドローン部隊の募集ポスターが堂々と掲示されていた」

     

    サンクトペテルブルク国立大学も、学生募集の対象になっている。モスクワの国立研究大学高等経済学院も募集が掛っている。

     

    (4)「ベルリン在住のロシア人軍事弁護士アルテム・クリガ氏は、ロシア国防省が大学に対し、このキャンペーンの実施方法について具体的な指示を出したと主張している。同氏はSNSテレグラムの自身のページに、モスクワのある大学から受け取ったとする文書を公開している。その中には、「連邦公立高等教育機関の軍事訓練センター長」宛ての通達書が含まれており、そこでは「国防省の代表者と共同で学生向けのキャンペーンを組織し、(中略)国防省人事総局に毎日報告すること」が求められている。この「指針」には、男女を問わず学生に提供されるインセンティブが詳述されており、その中には「敵の砲火にさらされるリスクが低い」ことや、「独自の知識と技能の習得」などが含まれている。CNNが分析した大学の募集資料も、まさにこうした具体的な提案を明記している。

     

    男女を問わず学生に募集を掛けている。募集には、「独自の知識と技能の習得」という殺し文句が入っているという。

     

    (5)「これらの文書は多額の金銭的インセンティブにも言及する。連邦および地方自治体からの入隊ボーナスは1人あたり40万ルーブル(約5000ドル=約793000円)以上とされている。一部の大学ではこれよりも格段に高い金額を提示。サンクトペテルブルク国立大学は軍に入隊する学生に対し、約56000ドルの一時金を約束している。「金銭面だけが、実現する可能性の高い唯一の約束だ」とクリガ氏。CNNの取材に対し「(それ以外の)すべては嘘(うそ)だ。これはロシア軍との単純な契約であり、期限も特別な条件もない」と語った」

     

    入隊ボーナスは、1人あたり40万ルーブル(約80万円)という。これだけは正しくても、後の入隊条件は「全部ウソ」と手厳しい批判が投げかけられている。

     

     

    a0960_008532_m
       

    イランは、これまで中ロと密接な関係によって米国と対抗してきた。今回の米国とイスラエルの攻撃では、中ロから何らの支援も受けられず、一片の支援声明に止まっている。相撲で言えば土壇場で「うっちゃり」を喰った形だ。国際関係のはかなさを示してもいる。中ロが、イランを見捨てた形になったのは、反イランの湾岸石油産出国との関係悪化を恐れたものである。これら諸国は、米国との関係が深く米軍の駐留を認めている。要するに、中ロともに米国を敵に回す損失を計算した結果であろう。

     

    『レコードチャイナ』(3月13日付)は、「イランは中国とロシアに見捨てられたのか?―仏メディア」と題する記事を掲載した。

     

    仏国際放送局『ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)』中国語版は12日、「イランは本当に中国とロシアから見捨てられたのか?」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「記事は、米国イスラエルによる攻撃を受けたイランについて、「国際的に孤立している」との見方が広がっていると説明。特に注目されているのが、イランと近しいとされる中国とロシアの対応だとした上で、「中国とロシアはいずれも外交的には米国とイスラエルを非難した。しかし、両国の対応は主に外交声明にとどまり、軍事支援などの具体的な行動は確認されていない」と指摘した」

     

    イランは、親密国とみてきた中ロから実質的支援を受けられず、孤立した形になっている。

     

    (2)「中国が、慎重な姿勢を取る背景にはエネルギーと経済の問題があると言及。「中国は中東から大量の石油と液化天然ガスを輸入しており、湾岸地域は極めて重要な供給源となっている。中国が輸入する石油のうち、湾岸諸国からの割合は約45%に達しており、輸入が滞れば中国経済にも大きな打撃となる可能性がある。すでに国際原油価格は上昇を始めており、エネルギー価格高騰は中国の産業や経済成長に大きな負担となる。そのため中国政府は事態の安定化を望みつつ、一方へ肩入れすることを避けている」との見方を示した」

     

    中国は、中東から大量の石油と液化天然ガスを輸入。湾岸地域が、極めて重要な供給源となっている。それだけに、イランへ肩入れすれば湾岸諸国と敵対することになる。こういう利害関係が、中国に二の足を踏ませている。同時に、米国との関係悪化は、中国経済不振に拍車を掛ける。こういう意味で、中国は自らの国益第一で動いているのであろう。

     

    (3)「中国の安全保障の重点は、台湾問題や南シナ海に置かれている。中東で軍事的な責任を負うことには、消極的であるとの見方もあると紹介。「中国の対外関係は米国のような軍事同盟ではなく、貿易や投資、武器輸出を基盤としたパートナー関係が中心であり、直接的な軍事介入を避ける傾向が強い」と指摘した」

     

    中国の最大の安保に関わる関心事は、台湾問題や南シナ海にある。ここから離れた軍事問題には「無関心」である。こういう中国の基本スタンスが明確になった以上、一帯一路で世界中へ網を張って、安保上の「エサ」を蒔いても相手国は信用しないであろう。

     

    (4)「ロシアについても事情は似ているようだ。記事は「ロシアとイランは軍事面で協力関係にあり、ウクライナ戦争ではイラン製無人機(ドローン)がロシア軍の作戦に大きく寄与したとされる」とする一方、「近年ロシアは自国でのドローン生産を拡大し、イランへの依存度を徐々に低下させている。またロシアにとって現在の最優先課題はウクライナ戦争であり、米国と直接衝突するような形でイランを支援する可能性は低いとみられている」と論じた」

     

    ロシアにとって最優先課題は、ウクライナ戦争である。最近は、ウクライナ軍が優勢と報じられている。ロシアが、これまでスターリンク情報を窃取していたことが判明し、遮断されたことが要因だ。イラク情報が分からないことで逆襲されている。

     

    (5)「石油市場や湾岸諸国との関係も、ロシアの判断に影響しているとし、「もしロシアがイランを強く支援すれば、イスラエルや米国だけでなく、湾岸諸国との関係にも悪影響が及ぶ可能性がある。そのためロシアは表向きで慎重な姿勢を保ちつつ、必要に応じて情報提供などの形で間接的に支援しているとの見方もある」と伝えた」

     

    ロシアも中国同様に、石油市場や湾岸諸国との関係を重視している。「一匹狼」のイランを軍事支援することの反動が余りにも大きいのだ。

     

    (6)「記事は、今回の中東情勢が米中競争とも関係している可能性に言及。米国が、イランの石油インフラを完全には破壊していないのは、中国への圧力カードとして残しておきたいという思惑があるのではないかという見方もあるとしたほか、この戦争によって米軍が中東に戦力を投入した場合、中国はその作戦能力を観察することができ、将来の台湾問題などへの参考になる可能性もあるとした」

     

    米国は、中国を牽制すべくイランの石油インフラを完全に破壊しないで手心を加えている。中国が、イラン石油への依存度の大きいことを見越して、米国は圧力を掛けている。

     

    (7)「中国とロシアは、イランを完全に見捨てたわけではないとし、「両国にとってエネルギー安全保障やウクライナ戦争、米国との関係など、より重要な戦略的利益が存在するため、現実的で慎重な対応を取っている」と指摘した」

     

    中ロは、ともに米国との関係悪化を避けている。世界覇権国の米国の重みが、中ロを圧迫しているのだ。中国の「張り子の虎」ぶりが、如実に表れている。

    a0960_008527_m

       
     

    ロシアのプーチン大統領は6日、イランのペゼシュキアン大統領と電話協議した。プーチン氏は米国やイスラエルによるイランへの攻撃を巡って、ペゼシュキアン氏に即時停戦や政治・外交的解決への早期再開が必要とのロシアの立場を訴えた。イランでの軍事衝突発生後、両氏が電話したのは初めて。『日本経済新聞 電子版』(3月7日付)が報じた。

     

    米中央軍のクーパー司令官は2月28日の作戦開始から24時間で実行した攻撃は、2003年のイラク戦争開始時の「ほぼ2倍の規模」だと説明した。クーパー氏は5日の記者会見で、一連の攻撃の結果、イランの抵抗は大幅に減ったと強調。初日と比較してイランによる弾道ミサイル攻撃は90%減少、ドローンによる攻撃は83%減少していると強調した。イランの艦船は5日時点で30隻以上沈没したと明かした。『日本経済新聞 電子版』(3月7日付)が報じた。

     

    プーチン氏が、イランへ「即時停戦」を申入れた背景には、イランの軍事施設がほとんど破壊されている厳しい現実を踏まえたものとみられる。あとは、陸上戦となれば悲劇の拡大が予想されるだけに、イランへ停戦仲介を申入れたのであろう。

     

    『中央日報』(3月7日付)は、「イラン大統領「終戦仲裁の動きある」…トランプ大統領「降伏以外に合意ない」と題する記事を掲載した。

     

    米国とイスラエルの先制攻撃で始まったイランとの戦争が1週間続く中、イランのペゼシュキアン大統領が終戦のための仲裁に動く国があると明らかにした。


    (1)「ペゼシュキアン大統領は6日(現地時間)、ソーシャルメディアXに「一部の国が仲裁に動き出した」と投稿した。先月28日の開戦以降、終戦のための仲裁の動きが公式的に言及されたのは今回が初めて。その一方で「しかしこれだけは明確にしておく」とし「我々は域内の平和のために努力するべきだが、同時に国家の威厳と主権を守ることをためらわない」と強調した」

     

    ペゼシュキアン氏は、最高指導者の任務と権限を代行する臨時指導者委員会に参加している。それだけに、投稿の持つ意味合いは大きい。

     

    (2)「また、「いかなる仲裁努力も、イラン国民を過小評価して紛争を触発させた者を明示しなければいけない」とし、米国とイスラエルが自国を先に攻撃した事実を明確にしてこそ仲裁に応じるという立場を表した。イランの政治構造上、大統領は最高指導者に従属する地位だが、最高指導者のハメネイ師が死去した後、ペゼシュキアン大統領は最高指導者の任務と権限を代行する臨時指導者委員会に参加していて、その発言に関心が集まる」

     

    米国とイスラエルが、自国を先に攻撃した事実を明確にしてこそ仲裁に応じるという立場を表した。これは、停戦へ向けた大きな一歩である。

     

    (3)「トランプ大統領はこの日、ソーシャルメディアのトゥルース・ソーシャルに「イランとの合意は『無条件降伏』以外にない」と改めて強調した。ただ、「その後、受け入れられる立派な指導者が選択されれば、我々と我々の立派で勇敢な多くの同盟およびパートナーはイランが破滅の崖っぷちから抜け出せるよう絶えず努力するだろう」と明らかにした。また、「イランを経済的にいつよりもはるかに大きく、より良く、より強くさせる」とし「イランを再び偉大に(MIGA)」と表記した。自身の代表的な政治スローガン「米国を再び偉大に(MAGA)にちなんだ表現だ」

     

    トランプ氏は、イランの無条件降伏を主張している。これは、「ディール」であろう。米国の強い立場を示している。

     

    (4)「このようにトランプ大統領が「無条件降伏」を主張し、イランの次期指導者任命にまで関与するという意志を明らかにするなど強硬な立場を固守しているため、今回の戦争がいつ交渉局面に入るかは不透明だ。トランプ大統領は5日、米メディアのアクシオスとインタビューで、イラン政権がハメネイ師の次男モジュタバ師を後継者とする可能性が言及されていることについて「ハメネイ師の息子は受け入れることができない。我々はイランに調和と平和をもたらす人物を望む」と述べた。また、イランがハメネイ師の基調を受け継ぐ指導者を出す場合、米国は「5年以内」にまたイランを相手に戦争をするしかないと警告した」

     

    停戦の実現には、イランのメンツと米国の「強者」の立場をどう折り合いを付けるかだ。世界的な原油価格の急騰は、今秋の中間選挙を控える米国にも不利である。


    a0960_008527_m
       

    中国は、ロシアのウクライナ侵攻において「ジキル&ハイド」の役割を担っている。休戦仲介の役を買って出たこともあるからだ。最近は、ウクライナから休戦の仲介を期待する旨の発言も出ている。その裏で、中国国有企業がロシアの同盟国ベラルーシで砲弾工場を建設中という。平和のお面を被りながら、ロシアの侵略戦争に加担している。

     

    『日本経済新聞 電子版』(2月23日付)は、「中国国有企業、ロシア同盟国に兵器工場輸出 戦争継続支援の疑い」と題する記事を掲載した。

     

    中国の国有企業がロシアの同盟国ベラルーシに、ロケット弾の大規模な兵器プラント(工場・製造設備)を輸出していることがわかった。日本経済新聞が入手した取引記録の内部資料によると、すでに両国の企業が中国からの輸出入の契約を交わし、建設準備を進めていた。

     

    (1)「契約によると、ベラルーシに建設されるのはウクライナ戦争でロシア軍が多用する122ミリロケット弾の弾頭部品の生産ライン。当初は年に12万発分の生産を想定しており、2026年後半に稼働させる計画だ。中国はウクライナ戦争に絡むロシアやベラルーシへの軍事支援を否定してきた。中国の習近平政権が管理する国営企業が兵器支援で利益を上げている実態が浮き彫りになったことで、米欧の対中政策にも影響を与える可能性がある」

     

    中国の国有企業が、ベラルーシへ122ミリロケット弾の弾頭部品を、年12万発分生産(当初)される設備を輸出した。

     

    (2)「資料はベラルーシの反政府団体で国外に拠点を置く「BELPOL」が同国の軍需関係企業に在籍する複数の協力者から提供を受けた。ベラルーシと中国の企業間の契約書や取引記録、会議の議事録などが含まれている。それによると、中国国有の軍事貿易企業、中国電子進出口(CEIEC)は23年12月20日、ベラルーシ国営の国防関連企業、精密電気機械工場(ZTEM)との間で「122ミリロケット弾頭部品」の生産ラインを設計・供給する契約を北京で取り交わした」

     

    中国電子進出口(CEIEC)は23年12月20日、ベラルーシ国営の国防関連企業の精密電気機械工場(ZTEM)と契約を交わしている。

     

    (3)「新設される生産ラインは、弾頭に威力の強いTNTなどの火薬を詰める重要工程を担う。ZTEM側は2680万ドル(約41億円)相当を人民元で支払うと明記した。CEIECから提供されるサービスには関連する設備や材料、技術文書に加え、15人のベラルーシ人スタッフに対して中国で行う1カ月の技術研修も含んでいる。契約は締結から26カ月後に履行すると定めた。当初は中国側の専門家がベラルーシの工場で試作品500発の製造に携わり、その後の製造ではベラルーシのスタッフを監督するとしている」

     

    中国は、約41億円(人民元支払い)で砲弾工場を契約した。人民元払いであれば、取引実態を闇の中へ隠せるという認識であろう。

     

    (4)「25年も両社や関連企業の専門家が、設備の建築設計や技術面の詳細について協議を続けた。11月14日のオンライン会議の議事録には、26年3月に設備の設置を始め、7月に完成・稼働させるスケジュールを確認したと記されている。生産する弾頭部品はロシアへの輸出を前提としているとみられる。関連文書によるとZTEMは23年10月18日、122ミリロケット弾用の起爆装置を運ぶためのケースの適合証明書を取得したが、ロシアの認証機関が審査を実施していた」

     

    26年3月に設備の設置を始め、7月に完成・稼働させるスケジュールである。122ミリロケット弾用の起爆装置を運ぶためのケースが、ロシアの認証機関によって審査されている。

     

    (5)「CEIECは、政府の意向に沿って軍需品の輸出に当たってきた。イランやベネズエラなど権威主義国家への軍事技術支援を続けてきたことでも知られる。トランプ政権の1期目の20年、ベネズエラのマドゥロ政権を支援しているとして米国の制裁対象に指定されている。CEIECは今月22日時点で日本経済新聞の問い合わせに回答していない。ZTEMの担当者は「我々は特殊な生産施設だ。質問には回答できない」と語った。22年に始まったウクライナ戦争で、ベラルーシの軍需企業は大量の装備品をロシア軍に供給してきた。今回生産される射程20キロメートルの122ミリロケット弾頭部品はロシア軍の多連装ロケット砲「BM-21グラート」の仕様だ」

     

    中国のCEIECは、政府の意向に沿って軍需品輸出を行っている。今回生産される射程20キロメートルの122ミリロケット弾頭部品は、ロシア軍の多連装ロケット砲「BM-21グラート」の仕様だ。

      

    (6)「英王立防衛安全保障研究所(RUSI)は24年6月の報告書で、ロシアの122ミリロケット砲の砲弾生産量は同年に50万発を超えると予測していた。新規にベラルーシで稼働する工場から全量がロシアに供給されれば、同国の年間生産量の2割程度にかかわる計算になる。米欧は、ロシアの侵略を支えるベラルーシ企業や、関連する中国企業への制裁を強めてきた。ただ、中国はロシアに輸出しているのは民生品で、兵器の供給に関与していないとの立場をとってきた。トランプ米大統領は最近、4月の訪中に合わせた経済的な「ディール(取引)」を重視する姿勢をみせている。欧州首脳もウクライナ問題の協力のために訪中する例が増えている。ただ、中国の協力がいっこうに得られない実態が明らかになったことで、米欧の対中世論が厳しくなるのは必至だ」

     

    中国は、これまでロシアへ輸出しているのが民生品で、兵器の供給に関与していないとの立場をとってきた。今回の一件で、「真っ赤な嘘」であることが判明した。

    a0005_000022_m
       

    ウクライナ戦争開始から4年、ロシアではレストランやカフェの閉店が、開戦以降で最速のペースで進んでいる。富裕層の多い首都モスクワでさえ消費が停滞している。モスクワから極東のウラジオストクに至るまで、街には閉店の跡が目立っている。これまで、厳しい西側の制裁にもかかわらず驚くほど底堅さを示してきたロシア経済が、戦争の負担に耐えられず、個人消費が大幅に減速している証だ。

     

    『ロイター』(2月20日付)は、「節約広がるロシア、外食不振で飲食店の閉店増加 高金利が重荷」と題する記事を掲載した。

     

    モスクワ南西部のベーカリー「ボンカフェ」では、ケーキやパンが棚から消え、エスプレッソマシンも沈黙したままだ。同様のカフェをチェーンで展開しているエカテリーナ・オレシュキナさん(39)は、行き詰まった事業へのくやしさをにじませながら座っている。

    オレシュキナさんは、自分の子どもたちが装飾を手伝ったモザイク模様のテーブル越しに「開業時には、こんな不況は予想していなかった」とロイターに語った。原材料価格が50%上昇し、家賃の高止まりと増税も重なってコストが膨らんだ。そして閑散期である1月が最後の引き金となった。この店は閉店したが、他のカフェは営業を継続している。

     

    (1)看板商品の「ナポレオン」ケーキは、1812年にロシアへ侵攻したフランス皇帝にちなむとされる。パイ生地とクリームを幾層にも重ねたミルフィーユ風の濃厚なデザートで、価格は1キロ当たり2850ルーブル(約5800円)、1切れ300ルーブル(約600円)だ。しかし、多くのロシア人は裁量支出を削っている。特に費用のかかる外食の切り詰めは、2022年2月のウクライナ侵攻以来、最速のペースという」

     

    1切れ300ルーブル(約600円)のケーキの売行きが落ちているという。高価なケーキを買うよりも安い商品へ目が向いている。

     

    (2)「プーチン大統領の精鋭経済チームの下、ロシアは過去4年間、約2万4000件の西側諸国による制裁に直面しながらも、ユーロ圏を上回る平均成長率を報告してきた。しかし高金利や増税、物価上昇に加え、ロシア産原油が1バレル当たり20ドルのディスカウントで取引されていることが響いている。第2次世界大戦以降では欧州最悪となる戦争の影響をそこまで受けていなかった、人口2200万人のモスクワでさえ例外ではない」

     

    高金利や増税と物価上昇に加え、ロシア産原油が1バレル当たり20ドルのディスカウントで、ロシア経済は痛め付けられている。そのしわ寄せが、家計へ集中する。

     

    (3)「首都商業施設では「テナント募集」の掲示が目立つ。ロシア調査会社オートスタットによると、小売や建設の景況を映す指標とされる小型商用車・トラックの新車販売は、2025年に38%減の14万7000台に落ち込み、26年初頭の数週間も減少が続いている。経済全体の支出動向を把握する同国銀行最大手ズベルバンクのデータによると、1月の飲食店数は21年以来最大の減少幅を示し、25年11月-12月初旬のレストラン支出は3年ぶりの低水準を記録した。コロナ禍の前にはロシア主要都市で外食産業のブームが起きており、この変化は特に顕著だ。開戦後は、前線で兵士が戦死・負傷する中でモスクワの「退廃的な軽薄さ」に反発した政治家もいた」

     

    小売や建設の景況を映す指標の小型商用車・トラックの新車販売は、2025年に38%減と大幅な落ち込みである。

     

    (4)「ズベルバンクのデータでは、実質消費支出の伸びが2月にゼロとなった。ゼロは過去2年で初めて。政府は23年の4.1%、24年の4.9%、25年の1%に続き、今年の経済成長率を1.3%と予測している。一方、国際通貨基金(IMF)は0.8%を見込んでいる。ロシア中央銀行の調査によれば、11ものタイムゾーンにまたがるロシア全域で人々はより安価な選択肢を求めている。レストランではなくファストフードやスーパーの総菜、もしくはスーパーの割引食品。新車購入ではなく修理。そして冷え込む住宅市場といった具合だ。中央銀行は、25年には首都でカフェやレストランの閉店が24年より増加した一方、テイクアウトコーヒー店の数は増加を続けている」と発表した」

     

    人びとは、レストランでなくファストフードやスーパーの総菜、もしくはスーパーの割引食品へと向っている。自動車は、新車購入でなく修理して乗るという「節約モード」である。

     

    (5)「プーチン氏は今月、政府と中銀の高官に経済成長率の回復を指示し、単なる物価監視に終始しないよう促した。そのわずか10日後、中央銀行は政策金利を0.5%引き下げ15.5%とした。モスクワの大手金融サービス・FGフィナムのマクロ経済分析トップのオルガ・ベレンカヤ氏は、中央銀行が24年に金利を21%に引き上げたことで、ロシア国民は貯蓄を優先し、住宅ローン返済に努めていることを国の統計が示していると指摘した。借入コストは、中小企業向けの無担保融資で主要銀行が年率1819%程度を掲げている。消費者信用に対する融資枠を一部の貸し手が厳格化したこともあり、金利は中小企業と消費者に重くのしかかっている」

     

    金利が24年に、21%へ引き上げられたたことで、国民は貯蓄を優先し、住宅ローンも繰上げ返済に努めている。ロシア経済全体が、完全に浮き足だっているのだ。

     

     

     

     

    このページのトップヘ