勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ: 台湾経済

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    台湾の国防部(国防省)は9月5日、中国の戦闘機など19機が防空識別圏(ADIZ)に侵入したと発表した。10機以上の大量侵入は8月17日以来となる。雨天に弱いとされる中国軍機がADIZへ侵入したのは、台湾海峡の天候が良かった証拠だろう。

     

    台湾には5日、ポーランド政府から無償提供された新型コロナウイルスのワクチンが到着した。ワクチン不足の台湾に対し、世界で支援の動きが広がっており、中国がこれに反発した可能性があるという。

     

    『日本経済新聞 電子版』(9月5日付)は、「中国、台湾防空圏に19機 各国のワクチン支援に反発か」と題する記事を掲載した。

     


    (1)「台湾のADIZに5日侵入したのは、中国軍の戦闘機「殲16」10機、爆撃機「轟6」4機、対潜哨戒機「運8」1機など合計19機。台湾の南西空域で侵入を繰り返し、威嚇行為を続けたという」

     

    威嚇飛行は、中国の十八番である。ところ構わずに威嚇するのだが、中国の未熟さを示している。米国相手では、絶対にやらない行為である。不注意な行為をやって「大事」になるのを避けるためだ。

     

    (2)「台湾には同日、ポーランドから英アストラゼネカ製のワクチン約40万回分が到着した。これを受け、蔡英文(ツァイ・インウェン)総統は、自らのフェイスブックに「民主主義のパートナーに感謝する」と投稿した。さらに「ポーランドは、リトアニア、スロバキア、チェコに続き、欧州連合(EU)加盟国で4番目に、台湾にワクチン提供を発表してくれた。これらの欧州諸国は、台湾と同じ普遍的な価値観を共有しており、重要なパートナーだ」とも語り、欧州との連帯感を強調した」

     

    欧州連合(EU)ではすでにリトアニア、スロバキア、チェコが台湾へワクチンを提供している。ポーランドは、前記3ヶ国に次いでのワクチン提供国である。リトアニアは、今秋に台湾へ大使館を設置すると発表した。中国とも国交を結ぶが、敢えて「一つの中国論」を無視して、台湾との国交回復に踏み切る意向だ。中国は何としても阻止したいが、具体的な手段がない。それだけに、憎さが台湾へ集中するという仕組みである。

     


    (3)「台湾ではワクチンが依然、不足しており、接種率はいまだ4割強にとどまる。台湾を支援しようと、6月には米国が250万回分を提供したほか、日本もこれまで334万回分のワクチン提供をし、さらに3日には4度目の追加提供も発表した。日米で始まった台湾への支援の輪が、欧州など世界にも広がっていることに、中国はいら立ち、強い反発姿勢をみせたものとみられる」

     

    茂木外相は9月3日の記者会見で、台湾とタイ、ベトナムに英アストラゼネカ製のコロナワクチン計44万回分を提供すると発表。今回の提供については、現地の感染状況や医療体制、接種状況に加え、「在留邦人の接種ニーズや要望等を踏まえ、総合的に判断した」と説明した。

     

    日本が台湾にワクチンを提供するのは4度目。6月から7月中旬までに約334万回分を台湾に届けた。 総統府の張惇涵(ちょうじゅんかん)報道官は3日、日本政府に対して、改めて心から感謝の意を表明した。日本が再び台湾に支援の手を差し伸べたことは台日間の揺るぎない真の友情を示すものであり、台湾の人々も深く感動していることだろうと述べた。以上は、『フォーカス台湾』(9月3日付)が報じた。

     

    台湾は、ワクチン不足に悩んでいる。そこで、台湾独自の開発によるワクチンが、まだ治験最終段階を経ていないが、当局の使用許可を得て蔡総統は自らワクチンを接種した。

     


    英国『BBC』(8月23日付)は、「台湾、自主開発ワクチンの接種開始、批判の声も」と題する記事を掲載した。

     

    台湾で8月23日、自主開発した新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった。このワクチンをめぐっては、認可手続きが簡略化されたとして批判も集まっている。
     

    (4)「保健当局は7月、臨床試験がまだ終わっていないにもかかわらず、医薬品メーカー「メディジェン(高端疫苗生物製剤)」が開発したワクチンの緊急使用を承認した。台湾では供給の遅れや市民の忌避感情から、ワクチン接種事業が滞っている。蔡英文総統はこの日、メディジェンのワクチンを接種し、市民にも接種を呼びかけた」

     

    台湾保健当局は、まだ最終治験の終わっていないメディジェン・ワクチンの緊急使用を認めた。こういうケースは米国でもあり、当局が承認すれば可能である。日本では、この緊急使用制度を利用すれば、2ヶ月早くワクチン接種が始まり、現在のような事態を招くことはなかった。

     

    台湾のメディジェンも、米国製ワクチンと同じ製法である。台湾当局の責任で行うのであれば、問題はないであろう。台湾野党は、裁判所へ不法性を訴えている。

     

    メディジェン製ワクチンは、米ノヴァヴァックス製と同じ組み換えたんぱく質ワクチン。ノヴァヴァックスのワクチンは、免疫系を刺激するため、ウイルスのスパイクたんぱく質の一部を再生成するという、より伝統的な手法で作られている。

     


    (5)「台湾では米モデルナ製と英アストラゼネカ製のワクチンが承認されているが、蔡総統はメディジェン製が完成するまで接種を待っていた。蔡総統の接種の様子はフェイスブックで配信された。不安かと聞かれた総統は「いいえ」と答えた。同ワクチンは28日の間隔を空けて2回の接種が必要。これまでに70万人が接種を予約している。

     

    メディジェン製ワクチンは、すでに70万人が接種を予約しているという。最大野党・中国国民党は、このワクチンは安全ではなく、流通が急がれたと非難している。同党の議員2人は、試験結果不足を理由に、緊急使用の認可を取り消すよう裁判所に要請。うち1人は、台湾市民を「研究所のマウス」のように扱う必要はないと訴えた。政争が絡んだ話である。 

     

     

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    アフガニスタン政府の崩壊に伴い、米国はアフガンを放棄せず守るべきだったという議論が後を絶たない。これは、単なる現状維持論に過ぎず、将来を見据えた議論と思えない。米軍のアフガン撤退は、米軍のインド太平洋戦略へ集中する目的で行われたものだ。

     

    米軍のベトナム撤退は、後から振り返れば賢明であった。それと同様に、歴史には「決断」が伴う。それを迅速に行えるかどうかが、国家の運命を左右するのである。

     

    バイデン米国大統領が、記者会見を行った。この席で、初めて「台湾を防衛する」という発言が飛び出た。日韓は、米国の同盟国であるから当然としても、「台湾」に対して明確に言及したのは今回が初めてであろう。米軍のアフガニスタン撤退意図が、ここにはっきり示されているはずだ。

     


    『朝鮮日報』(8月20日付)は、「バイデン米大統領『韓国はアフガニスタンと根本的に違う』『侵略されれば米国が対応』」と題する記事を掲載した。

     

    米国のバイデン大統領は19日(現地時間)、米ABCテレビとのインタビューで「韓国、台湾と欧州の同盟国は米軍が撤収したアフガニスタンと根本的に異なる」との考えを示した。バイデン大統領はさらに「これらの国々が侵略や敵対的な行為に直面した場合、米国は相互防衛条約に基づいて対応する」と明言した。バイデン大統領のインタビューは今月15日にアフガニスタンがタリバンに掌握されて以来、これが初めてだった。

     

    (1)「バイデン大統領はインタビューで「(アフガニスタンと)台湾、韓国、北大西洋条約機構(NATO)の間には根本的な違いがある」とした上で、韓国を含むこれらの国々について「率直に言って悪党たちが彼らに悪い行動ができないように努力している国だ」との考えも示した。バイデン大統領は集団防衛を意味する「ファイブ・アイズ」にも言及し、これらの国々に対する米国の防衛の約束を確認した」

     

    この記者会見は、歴史的な意味を持つであろう。米国が、日本、韓国、台湾、NATO、「ファイブ・アイズ」(米・英・豪・カナダ・ニュージーランド)の防衛を約束したことである。特に、これまで曖昧にしてきた台湾に言及している。

     

    (2)「米国は、NATOや日本と相互防衛条約を結んでいるが、ファイブ・アイズには「一つの国が攻撃を受けた場合、自動的に介入し共同で防衛する」という内容が含まれている。韓米相互防衛条約には第3条に同じような内容がある。バイデン大統領は「われわれは全ての約束を守ってきた。われわれは第5条の神聖な約束を行った」「もし誰かがNATOの同盟国を侵略し、あるいは不利な措置を行った場合、われわれはこれに対応するだろう」「これは日本に対しても、韓国に対しても、台湾に対しても同様だ」と述べた」

     

    「ファイブ・アイズ」は、共同諜報機関というニュアンスであったが、共同防衛条項が含まれていたのだ。最近、ニュージーランド外相が中国寄り発言をした後、豪州外相と会談して取消した裏には、こういう共同防衛条項の重荷があったことを証明した。

     

    (3)「『米国は信用できない』とか『約束を守らない』と主張する人間がいる」との質問にバイデン大統領は「誰がそう言うのか。私はこの決定(アフガニスタンからの米軍撤収)を下す前に全ての同盟国、欧州やNATOの同盟国と話し合った。彼らは同意したし、われわれは(アフガニスタンから)出なければならない」と反論した。「(米軍撤収の決定において)NATOに選択権があったのか」との質問にバイデン大統領は「もちろん選択権はあった」「私が個人的に保証できることは、NATOの同盟国はおとなしくないということだ」と答えた。「アフガニスタンからの撤収決定はNATOと相互に協議を行った上で決めた」という意味だ。アフガニスタンにはNATO加盟国の軍隊も派遣されていた」

     

    米国は、アフガニスタンと相互防衛条約を結んでいた訳でない。軍事支援をしてきたが、その限りであった。世界のメディアは、そうした法的な側面まで見ずに、感情論の議論をしている。

     

    (4)「バイデン大統領は、「タリバンは以前に比べて変わったと思うか」との質問に「変わったとは思わない」「このように言いたい。私は彼らが国際社会で合法的な政府として承認されることを願うかどうかについて、一種の存在についての危機に直面していると思う」「タリバンがアフガニスタンを去る米国人に安全な通路を提供するかどうかも確信できない」と答えた。バイデン大統領は、「米軍撤収の期限としている今月31日までに全ての米国人が撤収できるよう努力する」との考えを示す一方で、「もしその後も現地に残った米国人がいた場合、米軍は引き続き駐留するだろう」とも明言した」

     

    バイデン氏は、タリバンが合法的な政府として国際社会から承認されるには、自らが国際的ルールを守る合法的な存在であることを証明しなければならないとしている。これは、中国に対しても同様にタリバンに求める条件であろう。

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    中国は、アフガニスタン崩壊で「台湾も同じ運命」と宣伝戦を行っている。こういう事態はあり得ないことだが、中国はこれを先途にして台湾市民の動揺を誘っている。

     

    中国こそ、タリバンという「悪魔」と握手せざるを得ない局面を迎えたのだ。新疆ウイグル族が、タリバン原理主義集団のテコ入れで、一斉「蜂起」という最悪事態を招き兼ねないのである。

     

    台湾は、西側の民主主義諸国の砦である。インド太平洋戦略で「クアッド」(日米豪印)が団結し、これにNATO(北大西洋条約機構)が軍事面で連携するという世界戦略ができつつある。米国が、台湾を捨てるときは民主主義の危機である。アフガンとは、地政学的な意味が異なるのだ。

     


    『中央日報』(8月19日付)は、「『台湾もアフガニスタンのようになるだろう』中国の主張に、台湾『韓日、われわれを支持』」と題する記事を掲載した。

     

    アフガニスタン情勢と関連し中国と台湾が激しい神経戦を行っている。中国が「米国に国防を依存してアフガニスタンのようになるだろう」という主張を出すと、台湾が「腐敗したアフガニスタンと台湾は違う」とやり返した。

     

    (1)「台湾の蘇貞昌行政院長(首相)は17日の会見で、「台湾はアフガニスタンのように崩壊しないだろう。最近のアフガニスタン情勢は国が混乱すれば外部の助けがあっても変わらないということを見せた。台湾人はこの地を守らなければならない」と話した。タリバンが侵攻するとすぐに逃走したアフガニスタンの大統領のようになることもないと強調した。この日の会見で「アフガニスタンのように敵が城門の前にいたら逃げるか」という質問が出ると、蘇院長は「台湾は戒厳令下にある時も逮捕や死を恐れなかった。武力で台湾を飲み込もうとする強大国があるが、同じように逮捕されたり死ぬことを恐れないだろう」と自信を見せた」

     

    アフガニスタンと台湾を一緒にした話は、次元が異なっており論理が成立しない。極貧国のアフガンには、民主主義が育たなかったのである。台湾は、その逆である。大陸本土の中国が手にできなかった民主主義を、台湾は「無血」の選挙で実現した。経済面と意識面で、台湾は先進国である。中国とも異なるのだ。劣等生が、優等生を罵倒するような類いでる。

     

    (2)「中国は連日アフガニスタン情勢と関連し「米国の失敗」を非難している。米国の保護に最も依存する地域である台湾から米国が手を引けば国防が崩れるという警告だ。中国のグローバルタイムズは社説と専門家の話を引用した報道で「アフガニスタンのタリバンが首都カブールを陥落させたのは1975年にベトナム戦争で陥落し米国が自国民を緊急待避させたことを連想させる。これは台湾に大きな衝撃を与えた。台湾の運命に対するある種の前兆なのか」と台湾に向け直接的な攻勢に出た。「続けて、「台湾の立場はアフガニスタンと違うという意見もあるが、否定できない共通点は米国に対する依存度が高いということ。米国がアフガニスタンに支援を保障してから1カ月もたたずに撤退が行われたが、台湾の未来も危険になるほかない」と主張した」

     

    米国がアフガンを捨てたのは、インド太平洋戦略に全力投球するためである。難物のアフガンを中ロに押し付けたのだ。アフガニスタンは、「帝国の墓場」とさえいわれている魔の地域である。古代ギリシャ、モンゴル帝国、ムガル帝国、大英帝国、ソ連、そして米国はいずれも同地域の紛争に介入したが、最終的に失敗したことから名付けられたもの。こういう難物を手放した米国は、「賢明」であったと評価される時期もきるだろう。

     


    (3)「これに対し、台湾東トルキスタン協会の何朝棟会長は中国の発言に反論した。彼は「米国と日本、韓国とEU、主要7カ国(G7)はいずれもインド太平洋地域の国の戦略的配備を認め台湾海峡での安定維持を支持している」と強調した。廖宏祥元国防大学栄誉講座教授も「台湾はアフガニスタンではない」としながら腐敗したアフガニスタン政府とは違い台湾の国防戦略は正規軍が防衛する形態で、アフガニスタンの内戦やベトナムの遊撃戦とは「明確に異なる」と指摘した」

     

    台湾は、民主主義防衛のシンボル的な存在になった。この台湾が中国の手に渡れば、アジアは政治的危機となる。南シナ海は、中国化される。フィリピン・ベトナムなどの関連国は、さらなる窮地に立たされる。この状況を「クアッド」(日米豪印)が、座視するはずがない。NATOや英独仏も介入するだろう。中国は、世界を相手に戦うという窮地に立たされるのだ。

     

    (4)「彼は、北大西洋条約機構(NATO)、韓国、日本をはじめ、リトアニア、エストニア、ラトビアのバルト3国、ポーランドなどの国家安全保障戦略はいずれも米国とともにあるとしながら「台湾は当然米国の側に立たなければならない」と力説した。続けて、韓国が米国の武器を購入しながらも韓国型戦闘機KF-21の開発に乗り出したとし、台湾の安全保障戦略がさらに積極的で明確でなければならないと付け加えた」

     

    台湾は、自ら戦う姿勢を鮮明にすべく、徴兵制を復活させるべきである。そういう姿勢が、他国の共感を得られる道だ。

     

     

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    米国の沿岸警備隊が、太平洋で業務に就いていると聞けば驚かれる向きがいるかも知れない。事実は、グアムを基地にして西太平洋で活動しており、中国船の取締りに従事している。この沿岸警備隊は、台湾の沿岸警備隊と共同訓練したとの報道がされたものの台湾政府が否定。ただ、今後はあり得ると肯定的である。中国を刺激するに十分なニュースだ。これを取り上げる前に、最近の米沿岸警備隊の活動状況を紹介したい。

     

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(3月16日付)は、「中国に対抗する米沿岸警備隊、本土を遠く離れて」と題する記事を掲載した。

     

    「米沿岸警備隊は、西太平洋や中国沿岸海域での活動を徐々に拡大している。2019年には複数の船舶が10カ月以上にわたって西太平洋に派遣され、米海軍第7艦隊とともに活動した。そのうち警備艇「バーソルフ級カッター」1隻は中国の脅威に対抗するため台湾海峡を航行。極めて政治的な任務を沿岸警備隊の船舶として初めて遂行した」

     


    「中国は、漁船団と沿岸警備隊(海警)、海軍の行動を連携させて、南シナ海でのプレゼンスを確立してきた。南太平洋や中央太平洋でも存在感を増している。中国の漁船団は、キリバス共和国やツバルなど島国の周辺にも大挙押し寄せている。これらの海域には、世界有数の資源量を誇るマグロの漁場が幾つかある。中国海軍もこの海域で存在感を示しており、2019年に軍艦がシドニーに寄港したほか、18年には海軍の病院船がフィジーを訪れている」

     

    「米沿岸警備隊は、こうした中国の動きに対応してこの海域で態勢を強化している。最先端機材を備えた新型巡視船2隻をグアムに配備した。グアムから上海までの距離は、サンフランシスコまでの距離より約6400キロ近い。もう1隻が追加配備される。豪キャンベラの米大使館には米沿岸警備隊から初のアタッシェ(駐在官)1人が派遣されている。来年にはシンガポールにもアタッシェが着任する」

     

    こうした記事を読むと、米沿岸警備隊が台湾にあらわれても不思議はない。中国の海警船が動き回っている事態を迎えている現在、中国漁船の監視・取締りが喫緊の課題である。

     


    『ニューズウィーク 日本語版』(8月12日付)は、「米台の沿岸警備隊が『初の合同軍事演習』―台湾紙報道」と題する記事を掲載した。

     

    台湾政府は8月10日、台湾が米沿岸警備隊の演習に参加した事実はないと否定、しかし今後の協力の可能性は「排除しない」と述べた。今月に入って、船舶位置の追跡データから、台湾艦船が複数で太平洋に向かったことが示され、アメリカとの合同軍事演習の「予行演習」ではないかと報じられていた。

     

    (1)「台湾における米政府の窓口機関である米国在台協会は8月11日、米台の沿岸警備作業部会の初会合が行われたことを確認した。この作業部会は3月に、米台が海洋での連携強化のために設置することで合意していたものだ。台湾の外交部(外務省)によれば、会合はオンラインで実施され、今後も定期的に行われる予定だ。会合に先立ち台湾紙の自由時報が、米台初の海上での合同軍事演習が「近い将来」予定されていると報じたが、これについてはアメリカも台湾もコメントしていない。米インド太平洋軍の主導で827日まで実施されている「大規模広域訓練2021」に台湾が関与しているかどうかも明らかになっていない」

     

    米台初の沿岸警備隊の合同演習が、行われる可能性を報じられるようになった。従来では、考えられなかったことである。米台が、中国を意識しつつも、強いつながりをアピールしていることに注意すべきだ。つまり、米台が「中国恐れず」という意思表示をしているのだ。

     


    (2)「台湾『自由時報』は10日、台湾の大型巡視船「嘉義」が「安平」など複数の巡視船を伴って、東部にある花蓮港の沿岸から28海里の地点で演習を行ったと報じた。船舶位置情報サイトの「マリントラフィック」によれば、「嘉義」は11日早朝にも同じ地点に向かっている。この報道を受けて、台湾の艦船がアメリカと合同演習を行ったのではないかという憶測が浮上したが、台湾の海巡署(海上警察)は、アメリカの艦船の参加はなかったと否定した」

     

    8月10日、台湾の複数の大型巡視船が演習をしたが、米国側の参加はなかった。

     

    (3)「海巡署はウェブサイトに掲載した声明の中で、米台の沿岸警備作業部会が扱うのは、捜索・救助活動や違法操業・無報告・無規制の漁業の取り締まりなどの分野での協力だと説明。「将来、なんらかの形で(アメリカと)交流・協力する可能性は排除しない」と述べたが、沿岸警備に関する合意の内容については、双方の合意なしに開示されることはないとした。自由時報は、海巡署の関係者の発言を引用する形で、10日に4000トン級巡視船「嘉義」の主導で実施された演習は、今後予定されている米沿岸警備隊との合同演習に向けた「予行演習」だったと報じた」

     

    台湾メディアは、10日の大型巡視船の演習は、今後予定されている米沿岸警備隊との合同演習に向けた「予行演習」と報じている。

     

    (4)「防衛アナリストで、台北にある国防安全研究院に所属する蘇紫雲は、台湾とアメリカの協力は外交的に慎重に扱うべき性質のものであり、それを考えれば、台湾政府が情報の開示に慎重なのも当然だと指摘した。10日の台湾海巡署の演習は、ある種の「外交的トリック」だと彼は本誌に語った。参加した巡視船は船舶自動識別装置(AIS)の送受信機をオフにしておくこともできたが、あえてそうはしなかった。演習を監視している者たちがこれらの巡視船の位置を確認し、追跡できるようにすることで、彼らに米台の沿岸警備当局の協力関係を認識させることが狙いだと分析した」

     

    10日の台湾側演習が、あえてAISをオフにせず、演習所在地を明示したことを重視している。これによって、米台の沿岸警備当局の協力関係を認識させようとしている、というのだ。これは、米台が明らかに積極的になっていることを示す。 

     

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    戦闘機が、雨天に弱いとは聞いたことのない話である。中国の誇る新世代戦闘機J-10-Bが、雨天に弱いとの見方が広がっている。

     

    人民解放軍は、他国の軍隊と近代戦を戦った経験がない。ただ、艦船や戦闘機の数では、米国にひけをとらないどころか、上回る数になっている。このことから、中国軍有利という説が言われたりするが、それは全くの誤りという。戦闘経験のない軍隊は、烏合の衆になりかねないのである。

     

    こういう視点で、中国空軍の最新鋭戦闘機を眺めると、ちがった結論が出てくる。戦闘目的の戦闘機と言うよりも、他国を威嚇するための戦闘機という役割である。J-10-Bは、そいう「展示用」戦闘機に見られるのだ。

     


    中国軍機は、頻りと台湾領空を侵犯している。これ見よがしに振る舞っているが、台湾海峡の制海権は米軍などに握られているという。米国の原子力潜水艦3隻があれば、中国海軍が台湾攻略で派遣する艦船の全てを撃沈可能という。それだけ、米潜水艦の力量が勝るという例である。中国海軍は、戦闘経験がない上に、ティームを組んで戦うことが極端に苦手という。

     

    先の東京五輪でも金メダルを取ったのは、ほとんど個人戦である。ティームを組むスポーツになると、途端に敗北するのだ。「俺が、俺が」で我を張って「自己を殺す」ことができない国民性の結果という指摘があるほど。

     

    戦争は、個人プレーではない。集団の力を結集するものだ。中国人には集団で力を出す戦闘行為が不向きとされるのだ。

     

    『大紀元』(8月14日付)は、中国の戦闘機は『水に弱い』と政府メディア報道、台湾飛来13日間中止は台風の影響か」と題する記事を掲載した。

     

    中国軍機は8月11日、13日ぶりに台湾が指定する「防空識別圏」に進入した。中国官製メディアがこのほど「国産の戦闘機は水に弱く、濡れると錆びるからだ」と報じたため、中国軍がしばらくの間、進入を中止したのは台湾海峡周辺の悪天候が原因ではないかとの憶測が広まっている。

     

    (1)「中国官製メディア中央テレビ(CCTV)の軍事番組「軍武零距離」(毎週土曜夜8時)の最新回で、司会者は国産の新世代戦闘機J-10-Bの機体清掃を現場で体験していた。スポンジを手に取り、機体を拭く司会者に対し、そばにいた軍人は「水をかけて洗浄すれば、水分が機体に入り、内部の部品が錆びてしまうため、メンテナンスの際には、スポンジでドライクリーニングしている」と説明していた」

     

    中国の武器は、ほとんど他国技術の盗用とされている。開発陣が、じっくりと腰を落ち着けて長期にわたり、技術開発するような耐久性を持っていないと言われている。その代わり、スパイ活動にかけては大変な能力を持っている。下線部のように、水分が機体に浸みて内部の部品が錆びるという話は、信じ難いが基礎技術力に欠ける国家だけに「噓」とも思えないのだ。

     

    これと対照的な例は、ジェットエンジンを開発する、英国のロール・スロイス社である。ジェットエンジンを開発するための「コミュニティ」が出来上がっているという。コミュニュティが、ジェットエンジンの開発に取り組んでいるから技術が伝承されるという。中国の場合、給料に目が眩んで簡単に転職してしまうのだ。

     

    (2)「番組放送後、中国のネットユーザーらは「雨が降ればもう飛べないのか?」「雨天の作戦はどうなる?」「画面の中の対話は機密事項だ、公開されるべきではない」「米軍の戦闘機は水で洗い流すだけで、それに比べると中国の方がすごいだろう」などと皮肉る者もいた。台湾のコメンテーターの黃創夏氏は自身のFacebookを更新し、「なるほど、台湾では過去13日間、ずっと雨だったから、それで(中国軍機による)嫌がらせが止まったのか。水に触れると、錆びるからね。中国の軍機は夜間作戦の能力を強化しなければならないだけでなく、雨天時の作戦にも大きなリスクを抱えているのか」と書き込んだ」

     


    (3)「最近、台湾海峡周辺では台風の影響で、連日大雨が続いていた。ようやく天候が回復した11日、中国軍は13日ぶりに台湾領空へ侵入した。台湾は12日、11日に続いて中国軍の軍用機6機が防空識別圏に進入したと発表した」

     

    中国機が、珍しく台湾海峡の台湾領空を侵犯しなかった13日間は、ずっと雨が降っていたという。前記の「水分が機体に浸みて内部の部品が錆びる」という話と符節があうのだ。中国は、宣伝戦とスパイ戦に優れている。これ封じれば、恐れることはなさそうだ。

     

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