トランプ米大統領が13日、自身の交流サイト(SNS)に、2018年6月にシンガポールで行われた北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との首脳会談時に会談場周辺を並んで散策しながら撮った写真を投稿した。トランプ大統領は、この写真に対する説明を書いていない。ただ、トランプ大統領が金委員長と並んで歩く写真を投稿したタイミングが注目される。北朝鮮との交渉へ向けた「助走」にみえる。
トランプ氏は、イランの非核化に道筋をつけるという発言をした直後に、 金正恩氏との写真を投稿した 。これは明らかに 「次は北朝鮮だ」
というメッセージである。トランプ氏は外交を「取引」として扱う人物だ。「イラン・北朝鮮」という順番で、 自分の外交成果を積み上げる構図を示している。
『中央日報』(6月14日付)は、「『イラン終戦』予告のトランプ大統領、突然金正恩委員長との写真を投稿」と題する記事を掲載した。
トランプ大統領が投稿した写真は8年前の2018年6月12日にシンガポールで開かれた初めての朝米首脳会談時に会談場所だったカペラホテルの庭を並んで散策する場面を含んでいる。
(1)「この会談は1953年の分断協定から65年ぶりに行われた初の米国と北朝鮮首脳の会合だった。双方は会談終了後、▽韓半島(朝鮮半島)の完全な非核化▽平和体制保障▽朝米関係正常化推進▽戦死者の遺骨送還――の4項目に電撃合意した。しかし双方はシンガポールでの会談結果に対する細部履行案を合意するため2019年2月にベトナムのハノイで2度目の首脳会談を継続したが、この会談は成果なく終わり、トランプ大統領が2020年の大統領選挙で落選してこの合意は事実上無力化された」
米国にとって北朝鮮の非核化は、「核ドミノ」を防ぐ意味で重要である。北朝鮮が核を持てば、韓国や日本へ波及する。それは、米国の世界覇権を揺るがすことになるからだ。
(2)「その後、北朝鮮はむしろ核武力を増強し、韓国を「敵対的両国関係」と規定して対話自体を拒否している。トランプ大統領は、第2次政権発足後も金委員長に対する友好的なメッセージを繰り返してきたが、韓半島関連問題はウクライナと中東の戦争状況などに押され優先順位が下がっているとの評価を受けてきた。そうするうちに最近になり、北朝鮮問題が再度議論されるのではないかとの兆候がとらえられている。トランプ大統領は5月北京を訪問し、中国の習近平国家主席との首脳会談を終えた後に出したファクトシートで「北朝鮮の非核化という共同目標を確認した」と発表した。中国側は「韓半島問題が議論された」という表現を使ったが、双方が北朝鮮の核問題に対する議論をした点は明らかなようだ」
中国には、北朝鮮の核保有が厄介な問題になることを認識している。だが、北朝鮮を中国寄りにさせる手段のないのも事実だ。この間合いに苦悩している。「体制保証」というニュアンスを出しているが、したたかな北朝鮮はこれをどう読むかだ。
(3)「習主席は、トランプ大統領と会った直後の8~9日に北朝鮮の平壌(ピョンヤン)を電撃訪問した。習主席は米国と北朝鮮の関係が大きく変化する主要変曲点ができる直前に金委員長と会ってきた。ただ、習主席の訪朝後に非核化と関連した言及が出てこないことから、中国が北朝鮮の核保有を黙認しようとしているのではないかとの懸念が提起されたりもした。これに対し外交界では習主席の今回の訪朝は、「非核化をめぐる朝中間の緊迫した水面下の駆け引きの結果」だったという評価も出ている」
中国が、北朝鮮の核保有について取った姿勢は、是認論と放棄論の二つに別れている。真相は、藪の中である。この動きが、米国へ伝わっているとすれば、トランプ氏の「金写真掲示」は核放棄へ向けた動きとなろう。トランプ氏が、外交力で扉を開けるというのであろう。
(4)「中国と北朝鮮は結局、会談を通じて非核化に一切言及しない側で妥協を見た。ただ、習主席のトランプ大統領との会談で北朝鮮の核問題について議論した点を事実上認めた。東アジアでの「核ドミノ」を懸念する中国が、これまで堅持してきた「北朝鮮の核不容」という立場を維持しているという見方も少なくない」
中国は、北朝鮮の非核化を唱えながら決定的な影響力を見いだせずにいる。トランプ氏は、この間隙をぬって、「俺ならできる」という自信を覗かせている。
(5)「トランプ大統領も、金委員長との対話の可能性を閉じずにいる。彼は4月13日にホワイトハウスで韓国の金民錫(キム・ミンソク)首相と会談した際に、5月中旬の自身の訪中を契機に金委員長と会えるかに対し、「会うのは本当に良いが、それが今回中国に行く時期であるかもしれないがそうではないかもしれず、その後になるかもしれないのではないのか」という趣旨で話した」
トランプ氏は、北朝鮮を中国から引き離せるとみている。米国主導で、非核化を進めるという「地政学的取引」を好む傾向があるからだ。イランの核問題が最終決着していない段階だが、「次は北朝鮮」という布石と読める。米国の国力と安全保障を背景に、北朝鮮と交渉するというスタンスである。



