ムシトリナデシコ
   

中国にとってこれほどの恥辱があるだろうか。シンガポール政府は、中国製ワクチン接種者に対して、有効性に疑問があるので「もう一度、接種するように」と要請することになった。欧米のワクチンと比べて有効性に問題が出て来ているからだ。

 

『朝鮮日報』(7月3日付)は、「中国製ワクチンは『水ワクチン』? シンガポール『シノバック接種した人はコロナ検査もう一度受けて』」と題する記事を掲載した。

 

(1)「シンガポール政府は新型コロナワクチン接種者に対し、集会に参加する時の検査を免除しているが、中国製ワクチン「シノバック製ワクチン」を接種した場合は例外的に新型コロナ検査を再度受けさせることにした。現地メディア「ザ・ストレーツ・タイムズ」が1日(現地時間)、報道した。シンガポール保健省は同日、「(シノバックが変異型ウイルスの)デルタ株(インド株)感染を防ぐという証拠は十分でない」と理由を明らかにした」

 


シンガポールは、華僑の国である。その意味で、中国は母国に当る。この母国の製造したワクチンが、「水ワクチン」と酷評されている。水みたいなもので、コロナ予防効果がないというのだ。中国にとって、これにまさる恥辱はあるまい。中国製の「シノバック製ワクチン」を接種した場合は、例外的に新型コロナ検査を再度受けさせることなったのだ。

 

(2)「全世界的に中国製ワクチンの免疫力に対する疑問が相次いで取りざたされている。今年1月からワクチンを接種しているインドネシアでは最近、新型コロナ感染者が急増している。インドネシアで接種されているワクチンの90%がシノバック製だ。今月1日の一日の新規感染者数は2万4836人で、昨年5月(4000人台)に比べ約5倍の増加となった。首都ジャカルタとジャワ島は新型コロナ感染者で医療崩壊寸前だと米CNNは報じている」

 

中国製ワクチンが、「水ワクチン」との悪評を被っているのは、インドネシアで中国製ワクチン接種者に相次いで感染者が出ている結果だ。90%が、シノバック製ワクチン接種者である。それにも関わらず最近、昨年5月以上の感染者が出ているという。これでは、弁解の余地はない。

 

(3)「米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』(WSJ)によると、優先接種対象者としてシノバックの接種を2回受けた医療従事者26人のうち、先月だけでも10人が新型コロナで死亡し、約500人が陽性となったという。同様に、接種のほとんどがシノバック製ワクチンである、チリやアラブ首長国連邦(UAE)では、接種率が高いのにもかかわらず、新型コロナ感染者が減らないという現象が起きている」

 

中国は、これほどまでに効果のないワクチンを製造して、恥ずかしいとも思わないのであろう。ともかく、恥を恥と思わないからこそ、世界覇権奪取などと、夢のような話を平気でしているのであろう。

 

(4)「チリは、昨年12月からワクチン接種を開始し、接種完了率が55.5%である。だが、新規感染者数は毎日3000人に達する。100人当たりの接種回数が152.1回で世界第2位のUAEでも、感染者数は2000人台だ。このため、UAEは1日、インドなど新型コロナの感染が拡大している14カ国について、自国民の渡航を禁止した」

 

中国は、これほどの惨憺たる結果になっているワクチン接種後の状況について、何らの発言もしていないのは無責任極まりない。これでは、「ワクチン外交」が逆効果になろう。

 


(5)「もう一つの中国製ワクチンである「シノファーム」製ワクチンの効果にも疑惑が取りざたされている。シノファームを主に接種しているモンゴル、セーシェル、バーレーンなどで最近、新型コロナが拡散している。人口335万人のモンゴルでは、全人口の58.7%が1回以上、52.1%が2回接種を終えたが、今月1日の一日の感染者数は4861人に達した。イスラエルのよりも接種率が高いセーシェルでも、新型コロナ感染急増によりこのほどロックダウンを強化した」

 

中国の「シノファーム」製ワクチンについても、同様の疑惑が持ち上がっている。人口335万人のモンゴルでは、全人口の58.7%が1回以上、52.1%が2回接種を終えたが、今月1日の一日の感染者数は4861人に達したという。セーシェルでも高い接種率にもかかわらず、感染者が急増してロックダウンに追い込まれている。

 

中国の一帯一路融資では、借金漬けにされて担保を取り上げられた国もでている。これと同じ話で、ワクチン接種でも酷い目に遭わされている国が多い。中国とは、何ごとも関わらないことが重要である。これが、一つの教訓のようである。

 


(6)「韓国政府は、今月1日から海外でワクチン接種を終えた韓国人・外国人に対して2週間の隔離措置を免除することにした。免除対象のワクチンはファイザー、ヤンセン(ジョンソン・エンド・ジョンソン)、モデルナ、アストラゼネカだけでなく、中国製ワクチンのシノファーム、シノバックも含まれている。中国製ワクチンを免除対象に入れるのは韓国が初めてだ」

 

韓国は、「中国怖し」で中国製ワクチンのシノファーム、シノバック接種者も無条件で入国後の隔離措置を免除することになった。EUは、中国製ワクチン接種者の入国を認めない措置にしている。この違いが、韓国にどのような被害を及ぼすか分からない。日本も東京五輪で、中国人選手団やスタッフに韓国と同様の措置を取れば、何が起るか分からないであろう。