バルト三国の一つリトアニアは、中国と犬猿の仲である。リトアニアが、外交関係のない台湾と積極的交流をしており、これを阻止すべく圧力を掛けているからだ。ロシアへも立ち向かうリトアニアである。自由と民主主義の戦いでは中ロに屈しない姿勢を見せている。
リトアニアは、今年6月に台湾へ代表団を送ったが、8月にも代表団を送る。台湾の外交部(外務省)は6日、バルト3国のリトアニアの政府高官が率いる代表団が、8月7日から台湾を訪問すると発表した。代表団は、運輸通信省の副大臣や電動バス会社の幹部らで構成され、5日間滞在する。台湾の交通当局や企業の訪問を予定する。
リトアニアは、6月12日からの4日間、政府高官が率いる代表団が訪問した。代表団は、リトアニア経済革新省の副大臣や、企業経営者など計10人で構成された。リトアニアは、工業水準が高く台湾から半導体技術の導入を目指している。
中国は、「一つの中国論」でリトアニアの台湾訪問に反対してきた。これまでに、数々の圧力を加えドイツの自動車部品メーカーには、リトアニア製部品を採用した部品の中国輸入を認めないとまで騒ぎを広げたが、EU(欧州連合)の厳しい反対に遭遇した。だが、リトアニアはこれら圧力に屈せず、意気軒昂である。韓国政府に見習わせたいほどだ。
台湾政府も、リトアニアの誠意に答えるべく投資ファンドをつくって支援姿勢を強めている。互いに、「持ちつ持たれつ」の関係性を樹立している。
『大紀元』(1月12日付)は、「台湾、リトアニアへの投資強化 10億ドル規模融資ファンドを創設へ」と題する記事を掲載した。
台湾は、中国当局から経済報復を受けているリトアニアに対して支援する姿勢を打ち出した。経済政策を担う国家発展委員会(NDC)は1月11日、台湾・リトアニアの共同プロジェクトに対して10億ドル規模の与信制度を創設すると発表した。NDCは5日、リトアニアの産業を支援するために2億ドル規模の「中東欧投資基金」を設立すると発表したばかりだ。
(1)「NDCトップの龔明鑫(クン ミンシン)主任委員(閣僚に相当)は11日、リトアニアのアウシュリネ・アルモナイテ経済イノベーション相とオンライン会談で、リトアニアとの協力を深化すると約束した。「ともに強力な民主主義的サプライチェーンを構築し、世界の民主主義陣営の結束と強さを高める。同時に、中国共産党の経済的な圧力に対処するリトアニアを引き続き全力で支援する」と述べた。
台湾とリトアニアは、協力深化を約束しあっている。具体的には、台湾の資金で台湾技術をリトアニアへ供与するものだ。
(2)「龔主任委員は、両国の協力が見込まれるリトアニアの産業のために「10億ドル規模の融資ファンド」を創設するとした。半導体開発、バイオテクノロジー、衛星技術、ファイナンス、科学研究の6分野が対象。両閣僚はその後の記者会見で、台湾とリトアニアは「今後、様々な分野での交流と協力がより緊密に、より頻繁に行われる」と示した。特に、半導体分野での協力が最も著しくなるという。台湾のNDC、経済省などの政府官庁は近く共同で「台湾・欧州半導体産業協力専門チーム」を立ち上げる予定」
台湾は、リトアニアに対して10億ドル規模の投資ファンドを作る。半導体開発、バイオテクノロジー、衛星技術、ファイナンス、科学研究の6分野で事業の立上げを目標にするという。
(3)「中国は昨年以降、「台湾」の名前を冠した出先機関の開設を認めたリトアニアに対して、経済的、外交的な圧力を強めている。アルモナイテ氏は台湾側の支援に感謝し、今春に駐台湾代表処を正式に開設すると明らかにした」
欧州では、台湾の半導体技術に関心を集めている。すでに、ドイツが台湾のTSMCと半導体進出で話をまとめようとしている。リトアニアが、TSMC誘致に成功すれば大きな成果となろう。