勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ: アフリカ経済

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    EV(電気自動車)は、走行距離10万キロ以上で初めて製造時に出した二酸化炭素を吸収できるとされている。太陽光パネルはどうか。2~3年の使用でパネル製造時の二酸化炭素を吸収できるという。技術的耐用年数は、30年とされている。それだけに、家庭では耐用年数一杯の使用が、本当の意味での「脱炭素」になりそうだ。だが、太陽光パネルを途中で交換する事例も増えている。「もったいない」例だが、この中古パネルはアフリカへ輸出されて再利用されるという。

     

    『日本経済新聞 電子版』(4月23日付)は、「新電力Looop、ケニアで太陽光発電 英企業と提携し廃棄パネル再利用」と題する記事を掲載した。

     

    新電力のLooop(ループ、東京・台東)がケニアで使用済み太陽光パネルを使う発電事業を始める。英国発企業と提携する。


    (1)「パネルは30年以上使えるが、効率が落ち、国内では約10年で交換することが多い。廃棄パネルを新興国で再利用する。アフリカで太陽光パネルや蓄電池などの分散型電源開発を手掛ける英国発Bboxx(ビーボックス)と組む。まず2026年度中に中古パネル500枚、300キロワット分を日本から輸出して現地に設置する。運用の課題など検証する。27年度にも本格的な電力供給サービスを始める。病院や学校などの公共施設の利用を見込む。パネルの調達や輸出はループが担当。現地での設置と運用をビーボックスが担う。ケニア以外への展開も検討する」

     

    太陽光パネルの劣化率は、年間0.5〜0.7% とされている。30年後の残存性能(推計)は、おおむね80~88%だ。要するに、30年経っても9割弱の性能を維持している。となれば、途中で取り替えるのはカネを捨てるような状況と言えよう。喩えれば、中古住宅をタダで捨てるような「もったいない」話になろう。

     

    それでも、太陽光パネルが中古として出てくる理由は何か。日本や欧州などは、FIT(再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度)の 経済性などの理由で、15〜20年程度で更新 されるためだ。これに対して、日本発の曲がる電池ペロブスカイトは、性能が落ちれば、上に新品を貼り合わせれば済むという。この方が、はるかに効率的である。

     

    (2)「ループは、中古パネルの品質を検査し輸出する。国による再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)の期間が切れる発電所から1カ所あたり数十枚の中古パネルを回収する。ループの自社発電所のほか、他社の発電所からも集める。ループは「パネルの再利用は社会貢献活動の要素が強くなりがちだが、持続するためにも収益性を追求する」とする。将来は現地で使えなくなったパネル部材のリサイクル処理も視野に入れる。

     

    中古パネルの価格はどの程度か。使用済み10年前後は、新品の 40〜70% 程度。使用済み20年前後は、 新品の20〜40% 程度とされる。ケニアのような熱帯地域では、強い太陽光線で十分に機能発揮する。要するに、先進国側から見ると、「制度・採算上は廃棄だが、技術的にはまだ使える資産の処分」である結果、受け入れ国から見ると、「新品の半額以下で、出力9割のパネルを導入できる」計算になる。

     

    (3)「世界の太陽光パネルのリサイクルに詳しい宮崎大学の河本桂一特別教授は、「パネルの再利用と未電化地域の電化促進を両立できる意義がある」とする。「廃棄物処理も課題になる」と指摘する。国内では30年代後半にも年間最大50万トンの廃棄パネルが発生すると予想されている。政府も、太陽光パネルのリサイクルを義務付ける法案の成立を目指す。詳細は決まっていないが、太陽光発電事業者は中古パネルへの対応が求められる」

     

    問題は、最終的に太陽光パネルの廃棄を発展途上国へ押しつけることになる。これは、道義上も問題であることは間違いない。太陽光パネルのリサイクル法の中で取り上げるべき項目であろう。

    あじさいのたまご
       


    習近平中国国家主席は、自国で深刻化する一方の不況問題に立ち向かわず、アフリカに支援に力を入れている。24年の支援総額は507億ドル(約7兆1500億円)だ。国内の売れ残り住宅の買取り資金枠は、3000億元(約5兆9700億円)である。アフリカ支援総額に対して83%の規模にすぎない。この一事をみても、国内対策がいかに冷淡であるかが分る。 

    中国のアフリカ支援では、現地側が望む債務問題を棚上げしている。西側諸国にも債務免除で負担させようという魂胆だ。アフリカ諸国が過剰債務に苦しんでいるのは、中国の過剰貸付が原因である。中国は、自らの失敗にも関わらず、債務処理で西側諸国を巻き込む戦術を使い始めた。これが、「中華方式」なのだ。 

    『ロイター』(9月11日付)は、「中国、アフリカ債務免除に踏み込まず 新たな資金拠出約束」と題する記事を掲載した。 

    中国は9月4~6日に開いた「中国アフリカ協力フォーラム(FOCAC)」で、アフリカ諸国の多くが求めていた債務免除には踏み込まなかったものの、今後3年間にアフリカ支援に3600億元(7兆220億円)を拠出すると表明した。年間平均では、1200億元へ縮小される。

     

    (1)「2000年に発足したFOCACは、習近平国家主席が2013年に広域経済圏構想「一帯一路」を打ち出すと重要性が高まった。中国はFOCACをテコに、対アフリカ政策で欧米や日本に対抗しようとしており、今回はアフリカから50を超える国の指導者が参加した。英調査会社テリマーのハスナイン・マリク氏は「中国は新興市場への資金動員を再び積極化しようとしている」と述べた。ただ、新型コロナウイルスのパンデミック前の水準には戻っていないという」 

    中国が、アフリカへ接近しているのは資源を狙ってのことだ。それには、債務漬けにして身動きできないようにする。この戦略は、見事な成果を上げた。 

    (2)「今回の拠出額は、2021年の前回拠出額を上回っているが、ピークだった15年と18年の600億ドル(8兆5300億円)を下回った。15年と18年の資金は道路、鉄道、橋梁などの建設に充てられたが、19年以降は拠出額が減り、アフリカでは建設プロジェクトが停滞している。中国は今回の拠出について、貿易関係を改善するためのインフラプロジェクト30件に充当すると説明したが、詳細は明かさなかった」 

    中国は、今後3年間にアフリカ支援で3600億元(7兆220億円)を拠出すると表明した。24年の支援総額507億ドル(約7兆1500億円)に比べると、1年当たりは3分の1へ減少する。中国経済の置かれている状況の厳しさが浮かび上がっている。

     

    (3)「アフリカ大陸は54カ国を擁し、総人口は10億人を超える。アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の実現には輸送網の整備が欠かせないが、インフラ資金が推計で年1000億ドル不足している。中国政府は近年、こうしたプロジェクトへの資金拠出を減らし、「小規模で美しい」プロジェクトに重点を移している。国内経済の低迷やアフリカ諸国の債務リスク増大が主な理由だ。中国外務省の毛寧副報道局長は6日の定例記者会見で、新たな拠出合意と中国の足元の慎重な海外融資戦略との整合性について問われると、「プロジェクトの具体的な実施を含め、中国とアフリカ諸国の協力については双方が協議し、決定する」と述べるにとどめた」 

    中国は、不動産バブルが崩壊してもはや他国を支援する力を失い始めている。自国だけでも大変な債務を抱え込んでいる。これまでの「中華再興」というふれこみが、二進も三進も行かない状態をつくり出している。 

    (4)「中国は今回、アフリカで30のクリーンエネルギープロジェクトを始動し、原子力技術分野で協力し、工業化を遅らせている電力不足に取り組む方針も示した。南アのスタンダード銀行の調査部門責任者、グーラム・バリム氏は「FOCAC首脳会議の結果から、グリーンプロジェクト、とりわけ再生可能エネルギー設備に弾みが付きそうだ」と述べた。バリム氏によると、中国は風力発電と太陽光発電の分野で世界的にトップに立ち、重要なサプライチェーン(供給網)を握り、生産コストを抑えている」 

    中国は、国内で過剰生産に落込んでいるソーラーパネルの売り込み先としてアフリカを利用可能だ。だが、それにも限度があるので、アフリカは中国経済にとって荷物になってきたはずだ。

     

    (5)「しかし懐疑的な見方もある。BNPパリバの新興市場クレジット戦略グローバル責任者、トラン・グエン氏は「問題は投資の規模そのものではなく、債務条件の透明性の欠如にある」と言う。返済に苦しむ国に対して中国から債務負担免除の申し出はなく、多額の対中債務を抱える国にとって明確な成果があったとは言い難い。中国はアフリカ諸国の債務免除を見送る一方で、他の債権者に「共同の行動と公平な負担分担の原則の下、アフリカ諸国の債務の処理と再編に参加するよう」促した。大きな案件がまとまることを期待していたアフリカ諸国は、控えめな成果しか得られなかった」 

    中国は、アフリカを利用できるときは一国で采配を振るってきたが、過剰債務の処理となると、途端に尻込みして西側諸国と共同歩調を取ると言い出している。従来は、これすら拒否して秘密交渉を行っていた。だが、日本やインド・フランスなどが共同歩調を取って債務処理に当ったのでようやく、そのメリットに気づいたのだ。

     

     

     

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    日本へもコロナ感染第6波が押し寄せてきた。1月8日現在、新規感染者8480人と前週同曜日比で、何と7946人増になった。驚くべき増加である。オミクロン株特有の早い感染力を表している。感染予防は従来通りという。ワクチン接種・三密回避・マスク着用・手洗い励行の四つである。

     

    警戒感を強めなければならないが、先行きに一つの明るさも見える。現状を克服すれば、後はインフルエンザのようなエンデミック(周期的流行)局面に入ると、南アフリカで最初にオミクロン株を治療した専門家が指摘しているのだ。

     

    『中央日報』(1月8日付)は、「『オミクロン株でパンデミック終わるかも』 南アフリカ研究陣が分析」と題する記事を掲載した。

     

    新型コロナウイルスの変異株「オミクロン」の震源として注目を引いた南アフリカの研究陣がパンデミック(伝染病の世界的大流行)様相が終わりそうだという内容の研究結果を出した。

    (1)「1月7日(現地時間)のブルームバーグ通信によると、研究陣はスティーブ・ビコ・アカデミック国立病院でオミクロン株による感染の推移を現場調査した結果、「パンデミックの様相が終わることを示唆する可能性がある」と明らかにした。今回の研究分析対象は病院内の現流行患者466人の記録と以前の感染事例3976件。オミクロン株が前例のないペースで急速に広がり、以前の変異株よりはるかに軽い症状を見せたというのがその根拠だ。続いて「こうしたパターンが続き、世界的に繰り返されれば、我々は感染者と死亡者の完全なデカップリング(脱同調化)を見ることができるだろう」と述べた」

     

    下線部のように、感染者は増えるが死亡率は下がるというデカップリング状態になるという。

     


    (2)「世界保健機関(WHO)の関係者も4日、オミクロン株について一部の地域の感染者数は過去最多だが、死亡者数は以前の流行と比べて少なく、デカップリング現象が表れていると伝えた。こうした傾向はオミクロン株がコロナパンデミックの深刻な局面が終わる前兆になるというのが専門家らの分析だ。急速な伝染局面が終わり、特定の地域でインフルエンザのようなエンデミック(周期的流行)局面に入ったということだ。昨年12月にマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏もコロナのパンデミック様相が今年中に収束してエンデミックになると予想した」

     

    WHOでも、感染者は増えても死亡率の低下を認めている。ただ、猛威は去ってもインフルエンザのような周期的な流行になると見ている。残念ながら、新型コロナウイルスは地球上から消えないが、予防注射で防げる程度に弱るのだろう。

     


    (3)「南アフリカ医療研究協議会はホームページで、今回の研究で現流行では病院患者の4.5%だけが死亡したと明らかにした。以前の流行時の21%と比較するとかなり低い。集中治療室に入院した患者も少なく、病院入院期間もかなり短かった。今回の研究で入院率自体は速いペースで上昇したが、分析対象となった最初の入院から33日後に減少に入った。研究報告書は「このような現象は以前にスティーブ・ビコ病院や南アフリカのどこでも観測されなかったことだ」とし「オミクロン株に関連して地域社会で無症状が高い水準であることを反映するものかもしれない」と分析した」

     

    南アのような防疫体制が完備されていない地域でも、オミクロン株の死亡率は以前の5分の1に低下している。依然として、死に至る危険性を秘めているが、集中治療室に入院した患者も少なく、病院入院期間もかなり短くなっているのは朗報である。オミクロン株確認後、最初の入院から33日後に感染者は減少に入っている。つまり、1ヶ月間が勝負期間である。日本では、2月初旬までが警戒期間となりそうだ。

     

    『フィナンシャル・タイムズ』(1月4日付)は、「オミクロン型 ロンドンで感染縮小の兆し」と題する記事を掲載した。

     

    英政府のアドバイザーを務める科学者や保健当局者は、ロンドンで新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染縮小の兆しが現れ始めたことを歓迎している。規制を強化しなくても、国民医療制度(NHS)がオミクロン型感染の波を乗り越えられそうだとの期待が膨らむ。

     

    (4)「ロンドンでは14日までに、1日あたりの新規感染者数(7日移動平均)が、2021年12月22日に記録したピークの2万8000人近くを20%ほど下回った。クリスマスなどを機に大勢集まる行事をかなり自粛する動きが功を奏した。オミクロン型は、南アフリカで21年11月下旬に初めて確認された後、英国ではまずロンドンに感染が広がった」

     

    ロンドンは、南アフリカに次いで二番目にオミクロン株の感染が見られた地域である。そのロンドンで、感染者が減少傾向を見せてきた。

     


    (5)「英インペリアル・カレッジ・ロンドンのニール・ファーガソン教授(疫学)は、ロンドンで18~50歳の感染拡大ペースの「上昇が止まった」という見方に「慎重ながら楽観視している」と話した。だが減少しつつあるかどうかは「まだ分からない」と付け加えた。当初の感染拡大をけん引した20~34歳の年齢層では、1日あたりの新規感染者数が12月20日に記録したピークの3分の2弱にまで減少した。ファーガソン氏は英BBCのニュース番組「トゥデイ」に対し、「感染症が急速に広がりこれだけ多くの人数に達した中、この数字がずっと続くことはあり得ないので、感染者数は減少に転じるだろう。ロンドンでは既に減りつつあるのかもしれない」と語った」

     

    下線のように、ロンドンでは感染者が減少に転じる兆候を見せている。

     


    (6)「オミクロン型の毒性に関しては、従来型より弱いことを示す証拠がロンドンで多く出てきている。コロナ感染症の重症化は、たいてい15日以内に起きる。ロンドンで目下、人工呼吸器を装着しているコロナ患者は245人で、2週間前の感染者数全体の約1%に相当する1年前の感染の波における同時期には814人と、その2週間前の感染者数全体の10%に達していた。21年12月末に発表されたイングランドの統計では、集中治療室に入っているコロナ患者の60%がワクチン未接種だった

     

    このパラグラフは、重要なデータを提示しているので整理したい。

    1)コロナ感染症の重症化は、たいてい15日以内に起きる。

    2)人工呼吸器を装着しているコロナ患者は、2週間前の感染者数全体の約1%

    3)集中治療室に入っているコロナ患者の60%がワクチン未接種。

     

    前記3つの結論は、発症して15日以内に病状が悪化しなければ峠を越す。人工呼吸器をつける患者は感染者全体の1%。その6割がワクチン未接種者である。ワクチン接種していれば、オミクロン株に感染しても重症化しないようである。

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    日本では、コロナ患者が激減して一息入れている。だが、南アで発見された新変異株「オミクロン」の感染力が強いことから、水際作戦と称して空港では厳重警戒である。

     

    『ロイター』(12月3日付)は、「WHO、オミクロン株パニックの必要なし『ワクチンは改良より公平な配布を』」と題する記事を掲載した。

     

    世界保健機関(WHO)幹部は12月3日、新型コロナウイルス新変異株「オミクロン」の出現を受けパニックにならぬよう呼び掛け、ワクチン改良が必要かどうかの判断は時期尚早という認識を示した。

     



    (1)「オミクロン株の感染はこれまでにアジアやアフリカ、米州、中東、欧州で確認され、南アフリカでは9州のうち7州で検出されている。WHOの主任科学者ソミヤ・スワミナサン氏は、ロイターネクストのインタビューで、南アのデータを踏まえると、オミクロン株の「感染性は極めて高い」としつつも、「現在の状況は1年前と異なる。準備と注意が必要だが、パニックに陥る必要はない」と強調した」

     

    オミクロン株は感染力が強いもののパニックに陥る必要はないという。つまり、重症化するリスクが少ないということだ。

     

    (2)「現時点でデルタ株が世界の感染の99%を占めているとした上で、オミクロン株が「感染の主流になるかを予測することは不可能」と述べた。また、WHOで緊急事態対応を統括するマイク・ライアン氏は、既存ワクチンをオミクロン株に対応できるよう改良することを裏付けるデータはないと指摘。「現時点でワクチンは効果を発揮している。より公平なワクチン配布に焦点を充てる必要がある」と述べた」

     

    世界のコロナは99%がデルタ株である。現状では、オミクロン株に対して既存ワクチンで効果を発揮しているという。新たなワクチン開発の必要性を示唆するデータはない。

     


    (3)「独ビオンテックのサヒン最高経営責任者(CEO)はロイターネクストの会合で、ウイルスの変異にかかわらず、既存ワクチンが引き続き重症化リスクの予防に有効と強調。その上で「いずれかの時点で、オミクロン株に対する新たなワクチンが必要となると確信している」とし、ビオンテックが比較的速いペースでオミクロン株に対応するワクチンを準備することが可能という見通しを示した」

     

    ワクチンをファイザーと共同開発しているビオンテックCEOは、既存ワクチンが引き続き重症化リスクの予防に有効としている。その上で、オミクロン株対応のワクチンを準備することは可能という。

     

    このように、米英製ワクチンでオミロン株対応が有効という結果が出ている。これで、一安心だが、感染力が強くても重症化しないとはどういうメカニズムなのか。

     

    『ハンギョレ新聞』(12月5日付)は、「」オミクロン、感染力の“謎”解けるか…『風邪と混種』の可能性提起」と題する記事を掲載した。

     

    オミクロン変異株が風邪のウイルスと一部の遺伝子を共有していて、その他の新型コロナ変異株より伝播力が強いという研究結果が出た。そのため、人体には致命的でないかもしれないとの見解があるが、専門家たちは「正確な結果が出るまで注意を怠ってはならない」と明らかにした。

     

    (4)「米国の生体医学情報分析業者「Nference」の研究陣が最近、オミクロン変異株の遺伝子を分析した結果、風邪を惹き起こすウイルスの遺伝子コードの一部が入っていることを発見したとワシントンタイムズが4日報道した。この変異株が、新型コロナを起こす「ウイルスSARS-CoV-2」と風邪を誘発する「ウイルスHCoV-229E」に同時に感染した人から初めて発生した可能性があると見ている。既存の新型コロナや別の変異株からはHCoV-229Eのような遺伝子コードは発見されなかった」

     

    オミクロン株には、風邪を引き起す遺伝子コードの一部が入っているという。別の変異株からは発見されなかった。

     


    (5)「この研究結果は、公式の発表手続きを踏んでいるところであり、まだ同僚の審査を受けていない状態なので、さらなる綿密な検証が必要な状況だ。とはいえ、オミクロンが強力な伝播力を備えた理由について興味深い示唆を提供しているという点で注目されている。残る関心事は、このウイルスが人体にどんな影響を及ぼすのかだ。ウイルスはさらに伝播力が強い側に進化すれば、深刻な症状を起こす特性を失う傾向がある。だが、オミクロン変異株でもこうしたことが起きているかはさらに今後を見なければならないというのが専門家たちの大勢の見解だ」

     

    オミクロンが強力な伝播力を備えた理由について、風邪の遺伝子の一部を持っていることである程度説明が付きそうであるが、詳細はさらなる研究を必要という。

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    コロナ変異「オミクロン株」による感染拡大が、世界中へ大きな衝撃を与えている。日本では、原則として外国人の入国を認めない、と厳戒体制だ。注目の米国の空気は、かなり楽観的である。ワクチン接種してマスクを着用すれば、年末の国内旅行はOKという姿勢である。

     

    『ブルームバーグ』(12月2日付)は、「オミクロン株出現でも年末休暇プランを中止する必要ないーファウチ氏」と題する記事を掲載した。

     

    新型コロナウイルスのオミクロン変異株の出現でも、米国のワクチン接種済みの人々は年末の休暇プランを中止すべきではない。バイデン米大統領の首席医療顧問を務める米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のファウチ所長が12月1日、コロナに関するCNNグローバル・タウンホールでこう呼び掛けた。

     


    (1)「『あなたとあなたの家族がワクチン接種を受けているのであれば、ホリデーを楽しむべきだ』とファウチ氏は発言。『われわれの従来の提言と異なる行動は必要ない』と述べた。同氏はオミクロン株の感染が向こう数週間で増えると予測した上で、室内でマスクなしで家族が集まることを控える必要はないと述べた。今後数週間で旅行する人は入念なマスク着用など予防措置を取り、『賢明になる』よう呼び掛けた」。

     

    ファウチ氏は、米大統領首席医療顧問を務め、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長である。いわば、米国感染症研究の最高峰が、ここまで言いきっているのは、科学的根拠によるものだ。メディアには、過激情報が氾濫しているが、米国情報が最も正確のようである。私は、科学的な米国情報に基づいている。

     

    (2)「ファウチ氏は、「米当局が実施しているアフリカ南部諸国からの渡航制限は一時的なものになるとの見解を示した。米国で新型コロナウイルスのオミクロン変異株感染が初めて確認された後に語った」

     

    米国のアフリカ南部諸国からの渡航制限は、一時的な措置としている。正式な分析結果を待っているのであろう。ただ、これまでの証拠類で事態が「大袈裟」にならないことを認識しているものと見られる。

     


    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(12月2日付)は、「
    オミクロン株との闘い、心強い兆候あちこちに」と題する記事を掲載した。

     

    新型コロナウイルスと闘うための重要な武器が、新たな変異ウイルス「オミクロン株」にも有効であることを示す希望の光が見えてきた。世界の科学者や保健機関は、これまでに確認された少数のオミクロン感染例に関する断片的なエビデンス(証拠)をまとめ上げようとしている。

     

    (3)「南アフリカでの急速な感染拡大や、突然変異の数の多さから、オミクロン株に対する懸念が強まっている。ウイルスは突然変異によって、ヒトの細胞に侵入し、ワクチンや以前の感染で獲得した免疫反応をすり抜けられるようになる恐れがある。これまでのところ、新たなエビデンスはほとんど裏付けに乏しく、矛盾したものもあり、科学的に明確に結論付けるには全く不十分だ。それでも一部は、ワクチンが重症化を予防し、ウイルスの拡散を抑制することを示唆している」

     

    科学的な証拠は少ないが、先進国におけるオミクロン株の感染者にみる症状では、軽いことが大きな特色である。

     

    (4)「イスラエルは、オミクロン株に感染した45歳の心臓医のケースを調査した。それによると、心臓医はロンドンとイスラエルで開催された会合に出席し、帰国後数日間に100人以上と接触していた。だがこれまでのところ、この心臓医を通してオミクロン株に感染したのは1人しかいない。マスクをせずに一緒に車に乗っていた同僚の医師(70歳)だ。この2人の医師が勤務するイスラエル中部のシェバ・メディカル・センター感染症疫学部のディレクター、ギリ・レゲブ・ヨチャイ氏が明らかにした。心臓医の妻と3人の子供もウイルス検査で陰性だったという」。

     

    イスラエルでの経験は参考になりそうだ。オミクロン株に感染した45歳の心臓医は、帰国後に100人以上と接触したが、感染者は一人であるとう。マスクをせず、一緒に車に乗っていた同僚の医師(70歳)だけだという。心臓医の家族4人は感染していないのである。

     


    (5)「前記のレゲブ・ヨチャイ氏は、「この出来事は、われわれが怪物を相手にしているのではないことを確信させてくれる」と指摘。感染の拡大を予想してもおかしくないほど、心臓医は他の人々との接触が多かったと述べた。この心臓医を含め、オミクロン株への感染が確認されたイスラエル人は4人いる。イスラエル保健省によると、全員がワクチンを接種済みで、症状は軽い」

     

    イスラエル保健省によると、感染者4人全員がワクチンを接種済みで、症状は軽いという。

     

    (6)「香港大学の研究を主導したクオクユン・ユエン教授によると、6カ月以内にメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの接種を完了していた2人の患者は、症状が非常に軽かったという。また、感染が判明してから数日後には、血液中の抗体濃度が10倍になったという。ユエン氏は、「これは免疫学的記憶という点で非常に満足のいくものだ」とし、「mRNAワクチンを接種してあれば、オミクロン株ウイルスに感染した場合の免疫学的記憶と免疫反応の活性化が非常に早いようだ」と述べた。

     

    メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンを6カ月以内に接種していた患者(2人)では、症状が非常に軽いという。

     

    (7)「ワクチン開発会社ビオンテックの共同創業者であるウグル・サヒン氏は11月30日、オミクロン株はワクチンへの反応で生成された抗体をすり抜ける可能性はあるものの、体内に侵入すれば免疫細胞の攻撃にさらされる公算が大きいとの見方を示した。その上で、「われわれのメッセージは、怖がることはない、計画は変わらないということだ。それは、3回目の追加接種(ブースター接種)を加速させることだ」と述べた」

     

    ファイザーと共同でワクチンを開発したビオンテック創業者は、オミクロン株に対しても有効であると述べている。3回目の追加接種(ブースター接種)で、より安全になると見ている。 

     

     

     

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