中国の王外相は、欧州へ「日本非難」を呼掛けている。高市首相の台湾発言への反発である。フランス外相に続いて英国外相にも日本へ圧力を掛けるように求めた。欧州は、日本と同じ価値観で結ばれている。日本と強固な関係の仏英へ、中国が日本非難への同調を求めても効果はないのだ。虚しいことに時間を費やしているものである。
欧州は、26年に「脱中国」の動きが強まると予測している。ドイツのシンクタンク、メルカトル中国研究センターは専門家766人を調査した。その結果、中国と欧州の関係について、8割以上が欧州における中国への依存度が楽観視できないほど低下すると回答した。全体の4分の1の専門家は、「北京にとって欧州各国との関係強化が重要」と回答したのだ。王外相は、こういう欧州の本音も知らずに、日本非難を繰り返しているのだ。
『レコードチャイナ』(11月30日付)は、「2026年の中国は技術革新と米国との関係悪化が顕著、シンクタンクが予測―独メディア」と題する記事を掲載した。
独メディア『ドイチェ・ヴェレ(中国語版)』(11月28日付)は、独シンクタンク『メルカトル中国研究センター』が専門家766人を取材し、26年は中国が人工知能(AI)や半導体、バイオテクノロジー、環境技術などの面でイノベーションを起こす一方、米国との関係が悪化する可能性が高いとの予測を報じた。
(1)「記事によると、メルカトル中国研究センターが取材した766人の専門家のうち、8割近くが26年に中国のAI分野でのイノベーションが起きるだろうと回答。半数以上が半導体、バイオテクノロジー、環境技術でも同様の発展があると回答した。また、6割以上の専門家が科学技術や軍事、貿易などの分野で米中両国の関係が悪化すると回答した」
26年の中国は、AI分野でのイノベーションが起こるだろうと予測している。これをめぐって、米中関係が悪化するという見立てのようだ。米国技術の「盗用」といったお馴染みの問題が、ぶり返させるのか。トランプ大統領の「ディール」の範囲を超えるとでもいうのであろう。
(2)「中国と欧州の関係については、8割以上が欧州における中国への依存度が楽観視できないほど低下すると回答した。全体の4分の1の専門家は、「北京にとって欧州各国との関係強化が重要」と回答した。ロシアとウクライナについては、半数以上が「中国がロシアへのサポートを変えることはないだろう」と回答した。3分の1の専門家が軍事用に転用可能な物資の輸出を増やすと回答した」
欧州は、もともと米国の「親戚」である。米中対立では、米国を支援しなければならない関係だ。それに、欧州経済は中国のダンピング攻勢で大きな損害を被っている。欧州が、米中を秤に掛ければ、米国を応援するはずだ。「血は水より濃し」という諺通りである。中国は余りにも身勝手な振舞だ。自己過信に陥っている。ロシアを支援する中国が、欧州で受入れられるはずがないのだ。こうした分りきったことを認識しないでいる。
(3)「中国の社会経済については、大多数の専門家が「若年失業率や福利厚生の欠陥の問題にあまり改善はないだろう」と予想した。3分の1の専門家は、出生率の低下が深刻化するも、26年に大規模な社会経済の混乱が起こることはないだろうと予想した。今回の調査は10~11月の4週間にわたって実行された。766人の専門家のうち、国籍が分かっているのは699人で、ドイツ人が44%、米国人が7%、中国人が4%だった。専門家の出身母体の内訳は、4分の1が学会、12%がシンクタンク勤務、1%が政府やEUのような公共機構の職員だった」
中国経済は、一段と行き詰まりの様相を呈してきた。26年は、社会的騒乱は起こらないとしているが、そういう傾向を強めている。中国の国内事情は、決して安泰でないのだ。





