ロシアのウクライナ侵攻派、開戦以来2月で4年目を迎える。歳入は、頼みの石油・ガスの値下がりで25%も減少した。無益な侵略戦争をいつまで続けるのか。ロシア財務省が15日発表した2025年の石油・ガス関連の歳入は、前年比24%減の8兆4800億ルーブル(約17兆2000億円)だった。歳入全体に2割を占める。24年は、3割だったので比率が下がっている。
『日本経済新聞 電子版』(1月16日付)は、「ロシアの石油・ガス歳入、ウクライナ侵略後最低に 戦費調達に打撃」と題する記事を掲載した。
世界的な需給の緩和に加え、ロシア産原油の輸入禁止や価格上限の設定といった米欧の制裁がロシア産原油の価格を下押しした。米国が、25年10月にロシアの2大石油企業を制裁対象に加えたことも大幅な値引きにつながった。
(1)「ロシア経済発展省が発表する同国の主力油種「ウラル」は、25年12月の平均価格が1バレル39ドルと前年比4割下落した。国際指標の北海ブレントに対する割引幅は1年前からおよそ2倍に拡大した。歳入減のほか、輸送コストも増加しているとみられる。米欧の制裁を回避するため輸出ルートの組み替えが必要になったためだ。ロシア政府は26年予算でウラル原油を1バレル59ドルと設定し、石油・ガス関連の歳入を8兆9000億ルーブルと見込む。産油国であるイランやベネズエラの情勢がロシアの油価に及ぼす影響は読みにくいが、26年の歳入も伸び悩み予算を下回るとの見方が多い」
ロシア産原油は、「影の船団」で輸送するという日陰の存在である。それだけに、国際指標の北海ブレントに対する割引幅は、1年前からおよそ2倍にも拡大して「買い叩かれ」ている。26年も状況に変化はない。
(2)「ロシアは、身元や活動を隠しながら石油を運ぶ「影の船団」を活用して、制裁下でも資源の輸送を続ける。フィンランドのシンクタンク、エネルギー・クリーンエア研究センター(CREA)によると、25年12月に海上輸出したロシア産原油の68%が影の船団として制裁対象となったタンカーで運ばれた。CREAのルーク・ウィッケンデン氏はロシアの影の船団が絡んで原油を移し替える「瀬取り」が朝鮮半島の近くでも起きていると説明する。米軍は7日、ベネズエラを出入りしロシア国旗を掲げて航行していた制裁対象のタンカーを北大西洋で拿捕(だほ)した。ウィッケンデン氏は、「米国は影の船団が捕らえられる可能性があると明確なシグナルを送った」と分析する」
ロシア産原油の68%が、影の船団として制裁対象となったタンカーで運ばれている。これでは、ユーザーから買い叩かれるはずである。米国は、ベネズエラへ出入りしていたタンカーを拿捕しており、今後も継続の方針である。これでは、影の船団もしだいに減少するであろう。
(3)「影の船団は、偵察や破壊工作にも使われていると指摘され、英国などが取り締まりを強める意向を示す。ウクライナは影の船団とみなすタンカーにも攻撃を加えた。慎重な航行を迫られるのは必至で、ロシアの資源輸出に一段の圧力になる可能性がある」
影の船団は、約600隻と言われている。この数字は、世界のタンカー全体の約10%に相当である。これまで、影の船団は世界の制裁網の網目をすり抜けてきたが、各国で制裁を強化している。いずれさらに減少するであろう。それだけ、ロシアには厳しい時代となる。影の船団の数が減れば、ロシア産原油などの輸出はそれだけ減少するからだ。輸出が減れば、ロシア財政は歳入減でさらに苦しくなる。



